肺がんに対する免疫療法とは?ステージ4でも検討できる新たな治療法について再生医療専門医が解説
公開日: 2019.11.22更新日: 2025.05.16
肺がんの免疫療法は、私たちの体にある病原菌やウイルスなどの異物を排除する免疫の力を利用して、がん細胞を攻撃する治療法です。
免疫療法には、NK細胞療法やNKT細胞療法、エフェクターT細胞療法など複数の治療法があり、近年では高活性NK細胞免疫療法という再生医療の選択肢もあります。
この記事では、肺がんの免疫療法やメリット、再生医療について詳しく解説していますので、参考にしてください。
目次
肺がんに対する免疫療法を7つ紹介
肺がんに対する免疫療法は以下の通りです。
免疫療法は、従来の化学治療や放射線治療と比べても、副作用が少なく、がん細胞の増大を防ぐことが期待できる特徴があります。
また、通常の肺がん治療との併用により、相乗効果も期待できます。
NK細胞療法
NK細胞療法とは、患者自身の血液を採取し、体外でNK細胞を増殖・活性化させてから点滴などで体内に戻す治療法です。
NK細胞は抗原抗体反応(過去、異常細胞と認識したもののみ攻撃)がなく、行動範囲が幅広いため、直接がん細胞に攻撃できます。
また、がん細胞の進行や増殖を抑制し、再発予防につながるだけでなく、副作用も少ないため他の治療法との併用できることが特徴です。
NKT細胞療法
NKT細胞療法とは、体外で人工的にNKT細胞を活性化し体内に戻すことで、免疫細胞が持続的にがんを攻撃できるようにする治療法です。
第4のリンパ球として呼ばれているNKT細胞は、自然免疫と獲得免疫の両方の性質を持っており、抗原の有無に関係なくがん細胞を攻撃できます。
しかし、優れた能力を持つNKT細胞ですが、そのままではがん治療に利用できないため、人工的に活性化する必要があります。
活性化したNKT細胞は、がん細胞を攻撃するキラーT細胞も活性化させるため、持続的にがん細胞を攻撃できるようになり、がんの再発や悪性腫瘍の転移を抑制させることに期待できます。
エフェクターT細胞療法
エフェクターT細胞療法は体内にあるT細胞を取り出し、がん細胞に反応するように改良・培養し、再び体内に戻す治療法です。
白血球のなかに含まれるT細胞は、がん細胞を認識して攻撃したり、B細胞に抗体を作る司令をする特質があります。
エフェクターT細胞療法では、このT細胞ががん抗原を見分ける遺伝子を組み入れ、がんへの攻撃力を高めてから治療に利用します。
αβT細胞療法
αβT細胞療法は活性化リンパ球療法の一つで、血液中のリンパ球を分離して、T細胞を大幅に増殖、活性化した後に体内に戻す治療法です。
比較的培養が容易で期間も短く済むため、病状が重い場合や化学療法によってリンパ球の機能が低下している状態でも増殖できる可能性が高い特徴があります。
また、過剰に細胞が攻撃されないように免疫の働きを抑制する作用を解除することで、免疫機能が働きやすい環境を作ることが可能です。
この治療法により、免疫機能が働きやすい環境になることで他の治療法の効果を引き出しやすくなることが期待できます。
樹状細胞ワクチン療法
樹状細胞ワクチン療法は、人間が生まれた時から持っている自然免疫と呼ばれる免疫細胞の中にある「樹状細胞」を使用した免疫細胞療法です。
樹状細胞は、病原体の情報をリンパ球に伝える役割を担っています。
この樹状細胞に体外でがん抗原を取り込ませ、患者さんの体内に戻し、体内に入った樹状細胞は、がん細胞を攻撃するT細胞にがん抗原を伝えて攻撃するように指示を出します。
患者さま自身の樹状細胞を使用する治療法のため、副作用が少ないことも特徴の一つです。
免疫チェックポイント阻害薬
免疫チェックポイント阻害薬は、がん細胞を攻撃するT細胞の働きが抑制されるのを防ぐ治療法です。
人間の持つ免疫機能には、正常な細胞を攻撃しないように免疫の働きにブレーキをかける「免疫チェックポイント」という仕組みが存在します。
一部のがん細胞はこの免疫チェックポイントを悪用し、免疫細胞の働きにブレーキをかけることでT細胞の攻撃からを逃れていることがわかっています。
治療できるがんの種類や使用される免疫チェックポイント阻害薬が異なるため、医療機関に確認してみましょう。
6種複合免疫療法
6種複合免疫療法は血液中に含まれる6種類の免疫細胞を取り出し、がん細胞をより強力に攻撃できるように増殖、活性化させ、再び体内に戻す治療法です。
6種類の免疫細胞には、以下の種類があります。
- NK細胞
- NKT細胞
- 樹状細胞
- キラーT細胞
- ヘルパーT細胞
- ガンマデルタT細胞
自身の免疫細胞を使用するため、副作用が少なく、入院する必要がないため、通院による治療が可能です。
肺がんに対する免疫療法のメリットとは?
肺がんに対する免疫療法のメリットは以下の通りです。
上記2点の免疫療法のメリットを詳しく解説していきますので、参考にしてください。
副作用が少ない
免疫細胞療法のメリットは、患者さま自身の免疫細胞を使用していることから従来の治療よりも副作用が少ないことが挙げられます。
肺がんだけでなく、がん全般の治療には「手術」「化学療法」「放射線治療」が主な治療法です。
しかし、これらの治療では正常な細胞を傷つけてしまったり、重篤な副作用が出てしまったりするリスクがあります。
一方、免疫細胞療法は自身の免疫細胞を使用するため副作用がほとんどなく、三大治療法と併用することも可能です。
他の治療法との相乗効果を期待できる
免疫療法は従来の「手術」「化学療法」「放射線治療」の三大治療法など、他の治療法と併用することにより、転移や再発を防げる可能性が高まる効果が期待できます。
一つの治療法だけでは、がんを治すのは非常に難しく、腫瘍の場所や数、大きさにより治療法も多いです。
また、高齢の方や他の疾患などで体力が弱っている方には通常の治療法では負担が大きいため、免疫療法を併用することにより、がんの進行を抑制できる可能性があります。
当院リペアセルクリニックの免疫細胞療法について
当院リペアセルクリニックでは高活性NK細胞免疫療法という治療を行っています。
- 高活性NK細胞免疫療法の特徴
- 免疫細胞療法の治療の流れ
ここでは高活性NK細胞免疫療法の特徴と、免疫細胞療法の治療の流れを詳しく解説していきますので、参考にしてください。
高活性NK細胞免疫療法の特徴
高活性NK細胞免疫療法は、血液中のNK細胞を取り出し、特異的な刺激を与えることによりNK細胞の数を飛躍的に増殖させ、がん細胞への攻撃力を高められることが特徴です。
体に戻されたNK細胞は体のなかを幅広く行動することで免疫力を向上させ、がん予防や再発予防を目指すほか、自身の免疫作用を強化するため、副作用のリスクも軽減します。
当院リペアセルクリニックの高活性NK細胞免疫療法の料金は、以下の通りです。
1回 | 385,000円(税込) |
3回 | 1,155,000円(税込) |
6回 | 2,310,000円(税込) |
「がんの再発を少しでも防ぎたい」「副作用の少ない治療法が良い」という方は、ぜひ当院の高活性NK細胞免疫療法をご検討ください。
免疫細胞療法の治療の流れ
当院リペアセルクリニックの免疫細胞療法の流れは、以下の通りです。
- 採血
- 血液を分離
- NK細胞を培養2~3週間かけて培養し活性化させる
- 点滴で体内に戻す
上記の通り、治療の流れは採血を行ってから、NK細胞を培養した後に体内に点滴で投与します。
免疫細胞療法は入院の必要がなく、通院での治療が可能で身体への負担も少ないことが特徴です。
免疫細胞療法での治療をお悩みの方は、まずは当院リペアセルクリニックにお問い合わせください。
再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
【まとめ】肺がん治療に免疫治療を検討している方は当院へご相談ください
肺がん治療では、さまざまな治療法があり、「手術療法」「化学療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」といった三大治療が主な治療法でした。
しかし、三大治療は患者さまへの負担も大きく、多くの副作用リスクがあることで生活の質が低下することが懸念されています。
免疫細胞療法は、患者さま自身の免疫細胞を使用するため、身体への負担も少なく副作用リスクが低減できる治療法です。
また、免疫細胞療法によって免疫力を高めることでがんの予防や再発を防止できることが特徴です。
「どの免疫療法を受ければ良いかわからない」「ご家族ががん治療に前向きではない」という方は、ぜひ当院へご相談ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
略歴
2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業
2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医
2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科
2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科
2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科
2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長