【手術後】尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷の仕事・スポーツ復帰目安を解説
公開日: 2019.11.06更新日: 2024.11.03
「尺骨突き上げ症候群の手術、仕事復帰はいつできる?」
「手術後早く仕事復帰できる治療法を知りたい」
上記のようなお悩みを抱える読者の方に向けて本記事では、尺骨突き上げ症候群になる原因や術後の具体的な仕事復帰の目安を解説します。
また、尺骨突き上げ症候群と混同しがちなTFCC損傷も交え、仕事への早期復帰が期待できる治療法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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- ・尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷の違い
- ・尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷における手術後の復帰目安
- ・尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷の治療法
目次
尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷の違い
尺骨突き上げ症候群は、尺骨が手首の骨に衝突すること発症する病気です。前腕の親指側に位置する橈骨(とうこつ)よりも、尺骨のほうが長いため発症します。
尺骨突き上げ症候群は保存療法での完治が難しいため、尺骨を短くする手術が一般的です。
また、尺骨突き上げ症候群と似た病気に「TFCC損傷」があります。混同されがちな疾患ですが、尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷は発症原因が異なります。
TFCCは、手首(小指側)に位置する靱帯や軟骨といった軟部組織の構造を指します。一定の負荷によって組織が損傷し発症する疾患です。
TFCC損傷は、ねじり動作が多い人に起こりやすい病気です。テニスやゴルフなど手首を酷使するスポーツのほか、雑巾絞りのような日常生活が原因で発症するケースもあります。
TFCC損傷は医療機関でも診断が難しく、腱鞘炎などに間違えられやすい病気です。
治療法は保存療法と手術の2種類です。まずは保存療法を行い、症状が改善しない場合は手術を検討します。
【手術後】尺骨突き上げ症候群・TFCC損傷の仕事やスポーツ復帰の目安
尺骨突き上げ症候群やTFCC損傷で手術をした場合、仕事やスポーツ復帰までの期間が気になる方もいるでしょう。
個人差はありますが、尺骨突き上げ症候群とTFCC損傷の手術後、仕事とスポーツへ復帰できるまでの期間は以下の表のとおりです。
病名 | 仕事への復帰時期 | スポーツへの復帰時期 |
---|---|---|
尺骨突き上げ症候群 | 約2〜3週間 | 約2ヶ月〜半年 |
TFCC損傷 | 約1ヶ月 | 約2〜3ヶ月 |
尺骨突き上げ症候群は手術後2〜3週ほどスプリント固定を行います。家事やデスクワークなどの軽い仕事であれば、手術後2〜3週間で復帰可能です。
ただし、骨がしっかりと固定されるまでの2ヶ月〜半年は運動ができません。
TFCC損傷で痛みなどの症状が長引き、手術を選択せざるを得なくなった場合、気になるのは仕事復帰やスポーツ復帰だと思います。手術にかかる期間は個人によって差があります。
TFCC損傷は、術後の1つの目安としては、痛みを見ながらギプスで約1ヶ月は固定が必要です。手指はギプス中から動かせるため、軽作業やデスクワークは、術後1ヶ月以内に復帰できます。
その後、手関節用の装具に変更して2〜3ヶ月程度の固定を行います。なお固定期間中のスポーツは禁止です。
尺骨突き上げ症候群の治療法
尺骨突き上げ症候群の治療法には、保存療法と手術があります。
まずは保存療法を試し、改善しない場合は手術を検討するのが一般的です。
それぞれの治療法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
保存療法
保存療法は、手首の尺屈(小指側へ傾ける動作)を制動する装具やサポーターを着用する治療法です。
治療を続けても痛みが引かない、仕事に支障をきたす場合は、外科的な治療法(手術)を提案される可能性があります。
外科的な治療法(手術)
外科的な治療法では、尺骨短縮骨切除術を行うのが一般的です。
尺骨短縮骨切除術は、尺骨を数ミリ(通常は2mm〜4mmほど)切除してプレートで固定します。
手術を行うと尺骨と月状骨(げつじょうこつ)がぶつからなくなるため、痛みが改善します。
手術時間は1時間〜1時間半程度です。
TFCC損傷の治療法
TFCC損傷の治療法には、保存療法と手術があります。
TFCC損傷も尺骨突き上げ症候群と同様、保存療法で様子を見て改善が見込めない場合は、外科的な治療法(手術)を検討するのが一般的です。
それぞれの治療法を解説しますので、ご自身の状況にあわせて選択してみてください。
保存療法
TFCC損傷の主な保存療法は、以下のとおりです。
- ・手関節を安静に保つために装具などで固定する
- ・テーピングや運動療法などでリハビリを行う
- ・関節内にステロイド注射をし、炎症を抑えて痛みを軽減する
保存療法で痛みが引かない、仕事に支障をきたす場合は、外科的な手術を行います。
外科的な治療法(手術)
外科的な治療法(手術)は、主に以下のとおりです。
- ・関節鏡でTFCC部分の切除
- ・関節鏡でTFCC縫合
- ・尺骨短縮骨切除術
関節鏡を用いた手術は、関節の周囲の皮膚に2〜3箇所小さな穴を開け、内視鏡を挿入して患部の修復を行います。患部を大きく切開しないため、傷跡が残りにくい、痛みが少ないなどがメリットです。
尺骨短縮骨切除術は尺骨突き上げ症候群の治療と同様、患部を切開して尺骨を数ミリ切除します。
なお治療法についての詳細は、以下の記事で解説しているのであわせてご覧ください。
尺骨突き上げ症候群・TFCC損傷の早期復帰を目指すなら再生医療を検討しよう
尺骨突き上げ症候群・TFCC損傷による痛みは、仕事やスポーツに影響を与えるため早期治療が必要です。治療法は保存療法と手術が一般的ですが、根本的な治癒につながらない、治療期間が長くかかるなどの問題があります。
もっと効果的な治療をしたい、早い根治を目指したい方は、再生医療による治療を検討しましょう。
再生医療とは幹細胞を体から取り出して培養し、パワーを高めた幹細胞を患部に注入して損傷を修復する治療法です。
幹細胞は、人が生まれながらにして持っているもので、損傷したり弱ったりしている箇所を修復する機能を担っています。
自分自身の細胞を用いるため、副作用が少ない、治療期間が短くて済むなどのメリットがあります。
再生医療は、尺骨突き上げ症候群やTFCC損傷の治療にも効果が期待できる画期的で最先端の医療法です。
リペアセルクリニック大阪院では、再生医療による治療を行っています。興味をお持ちの方はぜひお気軽にお問い合わせください。