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大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の原因を解説!治療法や大腿四頭筋腱炎との違いも紹介

「膝が痛くてジャンプがつらい」
「練習を休んでいるのに、膝の痛みが治らない」
部活動や競技スポーツに打ち込む中で、なかなか引かない膝の痛みに悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
膝の痛みを放置するとパフォーマンスが落ちるだけでなく、痛みが長引いて競技復帰に影響が出る可能性もあります。
この記事では、膝のお皿の上に痛みが生じる「大腿四頭筋腱付着部炎(だいたいしとうきんけんふちゃくぶえん)」の原因や症状、早く復帰するための治療法について解説します。
痛みの原因や特徴を知り、適切な対応ができるように、ぜひ参考にしてください。
また手術をできるだけ避けてスポーツに復帰したい方には、再生医療という選択肢もあります。
当院(リペアセルクリニック)では、自己由来の幹細胞やPRP(多血小板血漿)を用いて、損傷した腱の修復・再生を内側から促す治療をご提供しています。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 慢性化してしまった症状を完治させたい
- 薬剤アレルギーが心配で治療ができていない
- ステロイド治療を続けているが、症状が改善しない
- スポーツをしていて早期治療を希望したい
怪我の後遺症は、アスリートにとって競技人生を左右する重大な問題です。
早期の競技復帰を目指し、最高のパフォーマンスを発揮するためにも、ぜひご相談ください。
目次
大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の症状とは|膝のお皿の上に痛みが出るスポーツ障害
大腿四頭筋腱付着部炎とは太ももの前側にある筋肉(大腿四頭筋)が、膝のお皿(膝蓋骨)にくっつくつなぎ目の部分で炎症を起こしている状態です。
スポーツ障害の一つでバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプや着地を繰り返す競技のアスリートに多く見られます。
この障害の主な特徴や症状は、以下のとおりです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 痛む場所 | 膝のお皿の上側の縁 |
| 痛みが出る動作 | ジャンプの着地、スクワット、ダッシュ、ストップ動作など |
| 特徴的な症状 | 患部を押すと痛み、膝に力が入らなくなる感覚がある |
初期段階ではアップ後に痛みが引くこともありますが、無理を続けると日常生活に支障が出る恐れがあります。
痛みを我慢せずに早めに休む、もしくは病院の受診を検討しましょう。
大腿四頭筋腱炎との違い
勘違いしやすいですが、「大腿四頭筋腱付着部炎」と似た名前に「大腿四頭筋腱炎」があります。
どちらも太ももの筋肉に関わる炎症ですが、以下のように炎症が起きている場所が異なります。
| 診断名 | 状態 |
|---|---|
| 大腿四頭筋腱炎 | 筋肉と骨をつなぐ「腱(すじ)」そのものが炎症を起こしている状態 |
| 大腿四頭筋腱付着部炎 | 腱が骨にくっつく「つなぎ目(付着部)」が炎症を起こしている状態 |
本記事で解説している「付着部」は、構造的に力学的な負担がかかりやすいため、一般的な腱炎よりも治りにくい傾向があります。
大腿四頭筋腱付着部炎が起こる原因
大腿四頭筋腱付着部炎が起こる原因は、以下のとおりです。
大腿四頭筋腱付着部炎が起こる主な原因
大腿四頭筋腱付着部炎の発症には練習量の多さだけでなく体の使い方や柔軟性などが複雑に関係しています。
ぜひ参考にして、原因を把握しましょう。
膝を酷使するスポーツによるオーバーユース(使いすぎ)
よくある原因として挙げられるのが、膝関節の曲げ伸ばしを頻繁に行うことによる「オーバーユース(使いすぎ)」です。
ジャンプや急な方向転換、ダッシュなどを繰り返すスポーツでは、着地のたびに体重の数倍もの衝撃が膝にかかります。
リスクが高いとされる競技には、以下のようなものがあります。
- バレーボール
- バスケットボール
- ハンドボール
- サッカー
- 陸上競技
特にジャンプの繰り返しや硬い地面での練習は、膝への負担を大きくするため注意が必要です。
柔軟性の低下した状態で急に運動した場合
体が硬い状態で運動をすると、腱が常に強く引っ張られる状態となり、炎症を起こすリスクが高まります。
柔軟性が低下することで生じる悪影響は、以下のとおりです。
| 硬くなっている筋肉 | 膝への影響 |
|---|---|
| 太もも前側(大腿四頭筋) | 膝を曲げるだけで腱が強く引っ張られ、付着部に常にストレスがかかる |
| 太もも裏側(ハムストリングス) | 膝を伸ばす動作にブレーキがかかり、前側の筋肉に余計な負担がかかる |
思わぬ怪我を防ぐためにも、毎日お風呂上がりなどにストレッチをして、体を柔らかくしておきましょう。
筋力バランスの乱れ・急激な運動負荷の増加
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)と、後ろ側の筋肉(ハムストリングス)の筋力バランスが崩れていることも原因となります。
大腿四頭筋ばかりが強く、ハムストリングスが弱い場合、着地時に膝にかかる負担をうまくコントロールできず、炎症のリスクが高まると考えられています。
また、以下のような練習環境の変化も、体に急激な負荷をかける要因です。
- オフシーズン明けで体が慣れていない時期
- 新しいトレーニングメニューを導入した直後
- 合宿などで急激に練習量が増えた時
体が慣れていない状態で急に練習量を増やしたり、膝が内側に入るフォーム(ニーイン)の癖があったりすると組織への負担を増してしまうため、注意しましょう。
大腿四頭筋腱付着部炎の治療法
大腿四頭筋腱付着部炎の治療法は、主に以下のとおりです。
大腿四頭筋腱付着部炎を治して競技に復帰するためには、膝の状態をよく見て、自分に合った方法で治していく必要があります。
無理をして練習を続けると最悪の場合、腱が断裂してしまい、長期離脱を余儀なくされる可能性があります。
保存療法
治療法の基本となるのは、手術を行わずに回復を目指す保存療法です。
痛みの程度や時期に合わせて、炎症を抑える処置やリハビリテーションを行います。
具体的な治療内容は、以下のとおりです。
| 治療法 | 内容 | 目的・効果 |
|---|---|---|
| 安静・アイシング | ジャンプ等の動作を休止し、患部を冷やす | 急性期の炎症や腫れ、痛みを最小限に抑える |
| 物理療法 | 超音波、レーザー、体外衝撃波など | 血流を改善し、組織の修復を促す |
| 運動療法(リハビリ) | ストレッチ、筋力トレーニング、フォーム改善 | 柔軟性の向上、患部外の機能強化、再発予防 |
※出典:膝蓋腱炎(ジャンパー膝)|一般社団法人 日本スポーツ整形外科学会
痛みが引いても機能は回復していない場合があるため、再発を防ぐためにリハビリを途中で諦めず、最後までやり通しましょう。
手術療法
保存療法を6ヶ月以上続けても症状が改善せず、日常生活や競技生活に大きな支障がある場合や、腱が断裂してしまった場合には手術療法が検討されます。
手術では、以下のような処置が行われます。
- 変性してしまった腱組織の切除
- 腱と擦れて痛みの原因となる骨棘(こつきょく)の切除
- 断裂した腱の縫合
近年では、関節鏡を使った体への負担が少ない手術も行われています。
しかし、手術を行うと競技復帰までに通常3〜6ヶ月程度の期間が必要となるため、医師とよく話し合った上で決める必要があります。
再生医療という新たな選択肢
「保存療法では痛みが引かないけど、手術は避けたい」という方にとって、再生医療も新たな選択肢になります。
従来の治療で改善しない痛みに対し、ご自身の細胞を使って組織の修復を促す効果が期待できます。
当院(リペアセルクリニック)では、スポーツ障害に対して、再生医療による治療を提供しています。
「早く練習に戻りたいけど手術は避けたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
大腿四頭筋腱付着部炎の根本的な改善には治療が必要!
この記事では、大腿四頭筋腱付着部炎の原因や症状、治療法について解説しました。
大腿四頭筋腱付着部炎は、ジャンプなどの使いすぎや柔軟性不足によって、膝のお皿の上の腱が炎症を起こす障害です。
初期であれば安静やリハビリで改善が見込めますが、「アップ後に痛みが消える」状態は治っていないため、早めのケアが必要です。
もし、リハビリを続けても痛みが引かない場合や、手術なしで早めに復帰したいと思う場合は、「再生医療」を検討しましょう。
当院(リペアセルクリニック)では、トップアスリートも利用する再生医療を用いて、痛みの根本的な改善をサポートしています。
「今の治療で本当に良くなるのか不安」「できるだけ早く、万全の状態でコートに戻りたい」という悩みをお持ちの方は、一人で抱え込まず、ぜひ当院の公式LINEからご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設




















