膝軟骨を増やす方法と軟骨が減る原因について|再生医療での治療方法を紹介
公開日: 2025.02.07更新日: 2025.02.09
膝軟骨がすり減ると、関節の痛みや変形性膝関節症などの原因となります。このような症状を改善する方法として、再生医療が注目されています。
この記事では、膝軟骨を増やす方法としての再生医療や、膝軟骨がすり減る原因を解説します。
ぜひ最後まで記事をご覧になって、膝軟骨を増やす方法として再生医療をご検討ください。
目次
膝軟骨を増やす方法「分化誘導による関節の再生医療」
膝軟骨を増やす新しい方法、幹細胞の「分化誘導」を活用した再生医療について紹介します。
・身体の自然治癒力を高めることにより、失われた組織や機能などの修復・再生を行う治療方法
・変形性ひざ関節症や関節の機能低下を抱える方に対して効果が期待されている
・自身の細胞を使うため副作用のリスクが低い点や、手術に頼らず自然な形で回復を促せる点が特徴
再生医療では、患者自身の幹細胞を用い、損傷した膝軟骨を修復することを目指します。
この方法により、軟骨の回復だけでなく、膝関節全体の機能改善が期待されています。
基本的に膝軟骨は自然に増えることはありませんが、幹細胞の「分化誘導による関節の再生医療」であれば膝軟骨の再生が期待できます。
・分化:細胞が特定の組織や臓器に姿を変え、役割を果たす能力
・分化誘導:細胞が必要な組織に変化するよう、特定の環境を整え誘導する技術
分化誘導により、投与した幹細胞をフル活用して目的とする組織への再生能力を高めます。
分化誘導により軟骨下骨の再生を促す
膝軟骨の再生には、その下にある「軟骨下骨(なんこつかこつ)」の状態が重要です。
軟骨下骨は膝軟骨を支える土台の役割を果たしており、この部分が損傷していると、十分な軟骨の再生に期待できません。
まずは分化誘導により、軟骨の土台となる軟骨下骨の面積が大きくなるよう幹細胞を分化誘導して、再生を促します。
軟骨下骨が多く再生されると、より多くの軟骨の再生が実現可能となります。
分化誘導による再生医療の具体的なプロセスは以下の通りです。
・幹細胞を採取:患者自身の細胞を採取して使用
・分化誘導:細胞を軟骨下骨へ誘導し、再生をサポート
・軟骨の再生:軟骨の再生が可能になる
リペアセルクリニック大坂院では、幹細胞を使用した再生医療を用いて膝関節の機能を回復する治療を行っています。
慢性的な膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ再生医療をご検討ください。
膝軟骨がすり減る原因
膝軟骨がすり減る原因はさまざまで、日常生活や体の状態が大きく関係しています。
軟骨は、膝関節を守るクッションのような役割を果たしていますが、その役割が損なわれると、痛みや関節の不安定さが生じることがあります。
膝の軟骨がすり減る原因を理解して、対処できる内容は改善することで進行を遅らせましょう。
加齢や筋力低下
加齢に伴い、膝軟骨は水分量やしなやかさを失い、弾力性が低下します。これにより、軟骨が摩耗しやすくなります。
また、筋力が低下することで膝関節の安定性が損なわれ、余計な負担が軟骨にかかりやすくなるのも要因の一つです。
特に太ももやふくらはぎの筋力低下は、膝を支える力が弱まるため注意が必要です。
筋力の低下を防ぐために、筋力トレーニングやストレッチ、運動を習慣づけましょう。
ただし激しい運動は膝への負担が大きくなるため、無理のない範囲で行うのが大切です。
膝への負担
膝に過剰な負担をかける生活習慣や環境も、軟骨がすり減る原因となります。
・激しいスポーツ:膝に衝撃を与える動作が繰り返される
・体重の増加:体重が増えると膝関節への負担が増大
これらの要因が重なると、軟骨の摩耗が進行しやすくなります。
立ち仕事など仕事内容を変えるのが難しい場合は、適度な休憩や膝への負担を軽減する工夫を取り入れ、激しいスポーツは控えたり、食生活や運動習慣を見直すのが重要です。
他の疾患による影響
膝軟骨のすり減りは、以下の疾患によっても進行する可能性があります。
・関節リウマチ
自己免疫疾患の一種。免疫システムが誤って自身の関節組織を攻撃し、滑膜に炎症を引き起こします。炎症が持続すると、軟骨や骨が破壊され、結果的に軟骨の減少を招きます。
・偽痛風(ぎつうふう)
ピロリン酸カルシウム結晶が関節内に沈着し、炎症を引き起こす疾患です。炎症が軟骨の減少や劣化に影響を与える可能性があります。
・半月板損傷
膝関節内でクッションの役割を果たす半月板が損傷すると、軟骨への負担が増加して、すり減りやすくなります。
これらの疾患を放置すると症状が進行し、関節の損傷や慢性的な痛みを引き起こすリスクがあります。
膝に痛みや違和感があるときは、我慢や放置せずに医療機関を受診しましょう。
軟骨がすり減りやすい人の特徴
膝軟骨のすり減りは、以下のような特徴を持つ方に多く見られます。
これらの要因が重なると、膝軟骨がすり減り、変形性膝関節症のリスクが高まります。
特徴 | 説明 |
---|---|
膝のケガの経験がある方 | 靭帯や半月板など、膝の安定性を保つ組織に損傷歴がある場合、軟骨のすり減りが進行しやすくなります。 |
肥満傾向の方 | 歩行時、膝には体重の約3倍の負荷がかかります。体重が増えると、膝への負担も増大し、軟骨の摩耗が早まる傾向があります。 |
女性 | 統計的に、女性は男性よりも変形性膝関節症を発症しやすいとされています。特に閉経後は、骨や軟骨の健康を維持するエストロゲンの減少が影響すると考えられています。 |
加齢 | 年齢を重ねると、軟骨の水分量や弾力性が低下し、すり減りやすくなります。これは自然な老化現象の一部です。 |
遺伝的要因 | 家族に変形性膝関節症の患者がいる場合、同様の症状を発症するリスクが高まります。 |
過度な膝の使用 | 長時間の立ち仕事や膝を酷使するスポーツは、軟骨の摩耗を促進する可能性があります。 |
膝軟骨がすり減る要因を理解し、適切な予防策を講じましょう。
定期的な運動や体重管理、膝への過度な負担を避ける生活習慣の見直しが重要です。
膝軟骨がすり減ると「変形性膝関節症」になり痛みを感じる
膝軟骨の減少は「変形性膝関節症」の主な原因の1つです。
膝軟骨の役割は膝関節を衝撃から守り、スムーズな動きをサポートすることです。
しかし、加齢や過剰な負荷、遺伝的要因などによって軟骨がすり減ると、「変形性膝関節症」と呼ばれる疾患が進行します。
変形性膝関節症では、軟骨が摩耗するだけでなく、関節内で炎症が起こり骨同士が直接接触するようになります。
その結果、膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に支障をきたす可能性があります。
変形性膝関節症は初期段階では軽度の痛みから始まり、進行するにつれて関節の変形や可動域の制限が目立つようになります。
この疾患は特に中高年に多く見られますが、肥満や膝への過剰な負荷を伴う生活習慣を持つ若年者にも発症することがあります。
変形性膝関節症の症状を認識し、早期に対策を講じることが、進行を遅らせるために重要です。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症の症状は、進行段階に応じて異なります。
主な症状は以下の通りです。
- 初期症状
・朝起きたときや長時間座った後に膝がこわばる
・運動後に軽い膝の痛みや違和感を感じる
- 中期症状
・階段の上り下りや立ち上がり時に痛みを感じる
・膝が腫れる、または熱感を伴う
・日常生活で膝の動きが制限される
- 重症症状
・膝関節が変形し、歩行が困難になる
・常に痛みがあり、安静時でも違和感が残る
・O脚やX脚のような脚の変形が見られる
これらの症状に1つでも当てはまる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
変形性関節症の治療法
変形性膝関節症の治療は、進行段階や症状の程度によって異なります。
以下に変形性関節症の主な治療法をまとめました。
治療法 | 内容 |
---|---|
薬物療法 | ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や外用で痛みと炎症を抑える ・ヒアルロン酸注射で関節の潤滑を改善し、動きをスムーズにする |
リハビリ療法 | ・筋力トレーニングで膝を支える筋肉を強化 ・ストレッチやバランス訓練で膝の可動域を改善 |
手術療法 | ・人工関節置換術ですり減った関節を人工関節に置き換える ・骨切り術で脚の軸を調整し、膝関節の負担を分散 |
再生医療 |
・多血小板血漿を関節内に注入し、組織の修復を促進するPRP療法 |
生活習慣の改善 | ・適切な体重管理で膝への負担を軽減 ・サポーターや衝撃吸収素材の靴を活用して膝を保護 |
特に再生医療は、膝軟骨の修復を目指す新しい治療法として注目されています。
リペアセルクリニック大坂院では、自己幹細胞やPRP療法を用いた治療を提供しています。
再生医療は、長期の入院や手術を必要としない治療法を求めている方におすすめの治療法です。
膝の痛みや違和感でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
【まとめ】軟骨を増やしたい方は当院の再生医療をご検討ください
関節を守る重要な役割を果たしている膝軟骨は、加齢や過剰な負担、疾患などによってすり減ると、変形性膝関節症などの深刻な問題に発展します。
症状が進行すると膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。そのため、早期の対策と適切な治療が不可欠です。
治療方法には、痛みや炎症を抑える薬物療法や、人工関節置換術や骨切り術などの手術、幹細胞の分化誘導を活用した再生医療などがあります。
幹細胞の分化誘導による再生医療では、膝軟骨の再生を促し、手術に頼らず自然な形で回復を目指せます。
膝の痛みでお悩みの方は、悪化する前に早めの対策を検討しましょう。
再生医療について興味がある方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。