膝の内側を曲げると痛い原因とは?応急処置や再発予防の対策を解説
公開日: 2019.04.08更新日: 2025.06.02
膝を曲げると内側に痛みや違和感を感じ、原因を特定したいとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
膝の内側に痛みが出る場合、変形性膝関節症などの疾患や運動時のケガなどの可能性を考慮する必要があります。
放置すると痛みが慢性化したり、症状の悪化へとつながるため、違和感を感じたら早期に適した対策を行うことが重要です。
そこで本記事では、膝の内側に痛みが出る主な原因について深堀りしながら、自宅でできる応急処置や痛みを予防・再発防止する方法について紹介してきます。
【本記事で分かること】
自分に適した対策方法を見つけ、膝の痛みの慢性化を防ぐためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
膝の内側に痛みが出る主な原因とは?
膝の内側が曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎(がそくえん)・半月板損傷などが考えられます。
下記ではそれぞれの症状について詳しく紹介していくので、原因を特定するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
変形性膝関節症の初期症状
変形性股関節症の初期段階では、以下のような痛みや違和感のサインが現れる場合があります。
- 膝の内側を曲げると痛い
- 股関節の動きが悪い
- 階段の昇降がつらい
- 立ち上がりや一歩目に痛みを感じる
変形性膝関節症の初期症状は、「立ち上がりや歩き始めに膝の内側が痛い」「階段の昇降がつらい」などの違和感から始まる傾向があります。
特に膝の内側を曲げたときに痛みが出る場合、軟骨のすり減りによる炎症が進行している可能性も。
初期症状は、常に現れるわけではなく、現れたり消えたりを繰り返す場合があります。
しかし症状が進行すると安静時も痛みが生じるので、股関節に違和感がある場合、早めに診察を受けておくことが重要です。
鵞足炎(がそくえん)
膝の内側を曲げると痛い場合、膝の内側の腱が炎症している「鵞足炎(がそくえん)」の可能性もあります。
特に膝の脛骨の内側に鋭い痛みがある・階段の昇降時やしゃがみ動作でチクチクするような痛みを感じる方は、鵞足炎の可能性が高い傾向があります。
鵞足部には、太ももの内側や後面から伸びる縫工筋・薄筋・半腱様筋という3つの筋肉の腱が付着しており、スポーツによる使いすぎなどで炎症を起こす場合が多いです。
外傷ではなく膝の使いすぎが原因となる傾向があり、比較的若年層~中高年のスポーツ愛好者にも発症が見られます。
治療としては安静とアイシングによる炎症の抑制やテーピングによるサポートなど、保存療法が主流です。
鵞足炎を放置して自己判断で運動を続けると、炎症が悪化し慢性化する恐れもあるので、違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
半月板損傷や内側側副靭帯損傷の可能性
膝の内側を曲げると痛い症状が急に現れた場合は、膝関節内のクッションである半月板の損傷や膝の安定性を支える内側側副靭帯の損傷の可能性もあります。
上記の疾患は若い方でも起こりうる怪我であり、膝を特定の角度に曲げた時や体重がかかった時に鋭い痛みとして感じられることが多いのが特徴です。
放置すると症状が悪化したり、将来的に変形性膝関節症へ移行するリスクを高めたりする可能性もあるため、早期の適切な診断と治療が重要となります。
疲労骨折やO脚などその他の原因
膝の内側を曲げると痛い場合、脛骨の疲労骨折や膝の内側への負担を増大させるO脚が原因の場合もあります。
特に慢性的な痛みや繰り返す症状がある場合は、注意が必要です。
すねの内側に発生する疲労骨折は、初期には膝の内側に鈍い痛みを感じ、休息で軽快するものの運動を再開すると再び痛むのが特徴です。
特に、ジャンプ動作や体重移動時にズキズキした深部の痛みがある場合は、疲労骨折を疑う必要があります。
O脚は膝の内側に持続的な圧力がかかる特徴があり、内側関節への負担が蓄積されることで、痛みや関節の変性を引き起こします。
O脚が進行すると、変形性膝関節症の発症リスクも高まるため、放置せず日頃の姿勢や歩き方の癖を見直すことが重要です。
自宅でできる応急処置
膝の内側の痛みが急に生じた際に自宅でできる応急処置の基本として、RICE処置が有効です。
RICEとは、Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの基本的な処置法を指します。
- Rest(安静)
損傷した筋肉に負担をかけないように患部をできるだけ動かさないようにする - Ice(冷却)
急性の炎症や腫れを抑えるため、アイスパックや冷却ジェルで患部を冷やす - Compression(圧迫)
腫れが抑え血液やリンパ液の滞留を防ぐために弾性包帯などで患部を適度に圧迫する - Elevation(挙上)
受傷した部位を心臓より高く挙げておくことで、腫れを最小限に抑える
冷却を行う際は受傷後24時間~72時間以内に行うと効果的で、腫れや痛みを軽減につながります。
15〜20分を目安に行い、皮膚を傷めないようにタオルなどで包んでアイスパックや冷却ジェルを使用しましょう。
RICE処置を的確に行うことで内出血や腫れ・痛みの程度を最小限に抑え、結果として治癒期間の短縮や重症化の防止につながります。
膝の内側の痛みを予防・再発防止する方法
膝の内側の痛みを予防・再発防止するためには、膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がけ、関節の柔軟性を保つことが重要です。
【予防・再発防止するための方法】
下記では簡単にできるストレッチ方法や、日ごろ意識したい生活習慣について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
筋力トレーニングとストレッチで関節の柔軟性を保つ
膝の内側を曲げると痛い症状を予防・改善するためには、筋力の強化と柔軟性の維持が欠かせません。
大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの筋肉をターゲットにして、ストレッチを行うことで、膝関節の安定性を高めて動作時の痛みを軽減します。
【おすすめのストレッチ】
- 太もも前側のストレッチ
↳片足立ちで膝を曲げ、足首をつかんで伸ばす - ハムストリングスのストレッチ
↳床に座って脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす - 股関節の開脚ストレッチ
↳あぐらの姿勢で膝を地面に近づける
上記のストレッチを正しいフォームを意識しながら、無理のない範囲で継続して、関節の柔軟性を保ちましょう。
筋力トレーニングとストレッチは、痛みの再発防止だけでなく日常生活の動作をスムーズにし、関節を健康に保つ鍵となります。
膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がける
膝の内側の痛みを防止するためには、日常生活の中で膝関節にかかる負担を少しでも減らす工夫を意識的に取り入れることが重要です。
特に膝の内側に負担がかかりやすい方は、生活の様々な場面で注意が必要です。
膝関節への負担を軽減するための具体的な生活習慣のポイントは以下の通りとなります。
猫背やガニ股歩きなど、重心が片側に偏る姿勢は膝の内側に負荷を集中させるので、膝とつま先の向きを揃えることを意識して正しい姿勢を保ちましょう。
また靴の選択も重要で、底が硬くグリップ力のない靴は、膝にダイレクトな衝撃を与えます。
ウォーキングや日常用には、衝撃吸収性の高いスニーカーやインソールを活用しましょう。
生活習慣の見直しは、すぐに効果が現れるものではないかもしれませんが、長期的に見れば痛みを軽減し膝の健康寿命を延ばすために有効です。
できることから少しずつ取り入れ、無理なく継続していくことが大切です。
膝の内側の痛みを放置するリスクについて解説
膝の内側を曲げると痛い症状は、放置してしまうと痛みが慢性化して日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。
原因となっている疾患が進行し関節の変形が進むなど、様々なリスクが生じるため、早期の適切な対処が不可欠です。
膝の内側の痛みを放置することで考えられるリスクは、以下の通りです。
- 症状の悪化と慢性化
- 関節変形の進行と機能障害
- 日常生活の質の低下(QOLの低下)
- 治療の長期化と手術リスクの増大
痛みの原因が変形性膝関節症などである場合、放置すると軟骨のすり減りがさらに進み、骨の変形やO脚の悪化などが進行します。
膝の可動域に制限が生じ、歩行能力の低下や日常生活動作に支障をきたし、生活の質の低下につながるリスクも。
また初期の段階であれば、保存療法で症状の改善が見込める場合でも、放置して症状が進行すると、治療が長期化したり手術を検討しなければいけない可能性が高まります。
上記のリスクを避けるために、膝の内側に痛みや違和感を感じたら、早い段階で整形外科などの専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。
慢性的な膝の痛みには再生医療という選択肢も検討する
慢性的な膝の痛みには、傷ついた組織を修復させる再生医療という選択肢の検討もおすすめです。
再生医療とは、自己の細胞や血液成分を利用して損傷した組織の修復・再生を促す治療法で、手術に頼らずに関節の機能改善や痛みの軽減を目指します。
【再生医療の特徴】
- PRP療法(多血小板血漿注入療法)
↳患者自身の血液から抽出した血小板成分を膝関節内に注入し、自己治癒力を高める - 幹細胞治療
↳脂肪組織などから採取した細胞を培養・注入し、炎症の抑制や組織再生を促進する
治療方法は注射や点滴のみとなっており、日帰りで治療を受けられるため、手術や入院の必要がありません。
再生医療は体への負担が軽く、治療期間の短縮化も期待できるので、プロのスポーツ選手にも活用されています。
リペアセルクリニックでは、医学的根拠に基づいた幹細胞治療やPRP療法を中心に、一人ひとりの症状に合わせたオーダーメイドの再生医療プログラムを提供しています。
丁寧なカウンセリングを行い、患者様の目指す状態まで寄り添って治療していくので、膝の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
膝の内側の痛みは早期に最適な治療を選び、膝の健康を守ることが重要
膝の内側が曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎(がそくえん)・半月板損傷などが考えられます。
- 変形性膝関節症の初期症状
- 鵞足炎(がそくえん)
- 半月板損傷や内側側副靭帯損傷の可能性
- 疲労骨折やO脚などその他の原因
膝の内側に痛みを感じ始めた初期の段階では、「そのうち治るだろう」と自己判断してしまいがちです。
しかし適切な対処をせずに放置してしまうと、症状が悪化・慢性化するリスクが高まります。
痛みを感じた時点で原因を見極め、症状の進行度に応じて最適な対処を早期に行うことが回復のために重要です。
慢性的な膝の内側の痛みにお悩みの方は、再生医療の検討もおすすめです。
再生医療は患部への注射や点滴のみで回復が目指せ、日帰りで治療を続けられます。
リペアセルクリニックでは、自己幹細胞を用いた幹細胞治療やPRP療法を通じて、変形性膝関節症や半月板損傷などの慢性膝痛の根本改善を目指す治療を提供しています。
丁寧にカウンセリングを進めていき、手術に頼らず痛みの改善と機能回復の両立を目指せます。
慢性痛に悩みながら現状維持を続けるのではなく、改善を目指す一歩として、ぜひリペアセルクリニックに相談してみてください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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