LINEポップアップ
トピックスtopics
  • HOME
  • トピックス
  • ラクナ梗塞の後遺症とは?リハビリ方法や再発リスク・再生医療について

ラクナ梗塞の後遺症とは?リハビリ方法や再発リスク・再生医療について

公開日: 2020.07.29
更新日: 2025.04.28

「ラクナ梗塞にはどのような後遺症がある?」
「ラクナ梗塞の後遺症は治る?」

ラクナ梗塞を発症してしまった方や後遺症にお悩みの方の中には、上記のような疑問やお悩みがある方もいるでしょう。

本記事では、ラクナ梗塞の後遺症やリハビリについて詳しく解説します。

ラクナ梗塞の後遺症を根本的に治療するための「再生医療」についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ラクナ梗塞とは?

「ラクナ梗塞」とは、脳の血管が詰まる脳梗塞の病型の一つで脳の深部を流れている細い血管が詰まってしまう病気です。

脳梗塞の種類

  • ラクナ梗塞
  • アテローム血栓性脳梗塞
  • 心原性脳梗栓症

脳は太い血管から細い血管へと枝分かれしており、深部を流れている穿通枝(せんつうし)と呼ばれる細い血管があります。

穿通枝が詰まると脳の深部に血液が流れなくなり、脳細胞が壊死して「ラクナ梗塞」を発症します。

細い血管が詰まるため、脳細胞が壊死する範囲も15mm以内と小さいことが特徴です。

しかし、脳細胞が壊死する範囲が小さいことで症状が出ない「無症候性脳梗塞」となっている可能性があります。

症状が進行、放置してしまうと他の場所に脳梗塞を発症したり脳出血につながるリスクが高くなるため、定期的に検査を受けることが重要です。

ラクナ梗塞の主な後遺症

ラクナ梗塞を含む脳梗塞は、脳細胞がダメージを負うことで以下のような後遺症が残ることがあります。

それぞれの後遺症について、詳しく解説していきます。

運動麻痺

ラクナ梗塞の代表的な後遺症として、全身または手足が思い通りに動かせなくなる「運動麻痺」があります。

脳の血管が詰まることで神経細胞に血液が行き渡らなくなり、以下の症状がみられます。

運動麻痺の主な症状

  • 手足が動かない・動かしにくい
  • 指の細かい動きができなくなる
  • 無意識に手足が動いてしまう
  • 手足がこわばって硬くなってしまう

ラクナ梗塞発症から14日程度までの急性期では、脱力したような状態になる「弛緩性麻痺(しかんせいまひ)」の症状がみられます。

急性期を過ぎて6ヶ月目までの期間を指す回復期には、徐々に手足が動かせるようになりますが「指の細かい動きができない」など思い通り動かせないことが多いです。

また、体を動かそうとすると手足がこわばって硬くなってしまう「痙性麻痺(けいせいまひ)」の症状もみられます。

体を自由に動かせるようにするには、最も機能回復が見込まれる回復期でのリハビリが重要です。

感覚障害

ラクナ梗塞によって、しびれや感覚異常が生じる「感覚障害」の後遺症が残る場合があります。

手足の感覚を脳に伝える感覚神経の経路にダメージを負うことで、以下のような症状がみられます。

感覚障害の主な症状

  • 全身または身体の一部分に「しびれ」を感じる
  • 触れたり動かしているという感覚が薄くなる
  • 感覚が過敏になり本来の感覚異常に感じてしまう

感覚障害の後遺症が残ってしまった場合、全身または身体の一部分に「しびれ」を感じることが多いです。

また、触れたり動かしている感覚が薄くなることや、逆に感覚が過敏になることもあります。

感覚の低下や感覚過敏によって運動が阻害されるため、日常生活に影響が出てしまう後遺症です。

構音障害

ラクナ梗塞の後遺症には、言葉をはっきり発音する能力が失われる「構音障害」があります。

構音障害では、以下のような症状がみられます。

構音障害の主な症状

  • 言葉を正しく発音できない
  • 呂律が回らない
  • 話し方がぎこちなくなる

構音障害では、言葉の内容や意味が理解できても「呂律が回らない」など、言葉をはっきり発音するのが困難になります。

「唇」「舌「喉」周辺の麻痺や協調運動ができないことで、言葉を発音できなくなることが多いです。

構音障害と似ている後遺症として「失語症」があります。

失語症は「言葉を理解できない」「頭の中で単語や文章を組み立てられない」などの言葉を理解する能力が失われる高次脳機能障害の一つです。

高次脳機能障害

ラクナ梗塞によって、脳細胞がダメージを負うと「高次脳機能障害」の後遺症が残る場合があります。

高次脳機能障害とは認知障害全般のことを指し、以下のような症状がみられます。

高次脳機能障害の主な症状

記憶障害 ・新しい出来事を覚えられない
・同じことを繰り返し質問する
・道順を忘れ目的地にたどり着けない
注意障害 ・気が散りやすく集中力が続かない
・複数のことを同時進行すると混乱してしまう
失語症 ・言葉を理解できなくなる
・頭の中で単語や文章を組み立てられない
遂行機能障害 ・自分で計画を立てて実行できない
・物事の優先順位がつけられない
半側空間無視 ・目では見えていても半側に注意が向かない
・片側の人や物を無視する
社会的行動障害 ・感情のコントロールができない
・興奮しやすく怒ったり暴力をふるったりする

高次脳機能障害には、新しい出来事を覚えられない「記憶障害」や言葉を理解できない「失語症」など、さまざまな認知機能の低下がみられます。

また、集中力の低下や感情のコントロールやできなくなるなど、日常生活に影響を及ぼす障害が多いです。

嚥下障害

ラクナ梗塞の後遺症には、飲み込みに関する機能が低下してしまう「嚥下(えんげ)障害」があります。

嚥下障害の後遺症が残ると、以下のようなリスクが考えられます。

嚥下障害によるリスク

  • 誤嚥性肺炎の発症につながる
  • 食事が水分が上手く取れず栄養状態の低下や脱水症状につながる

嚥下障害によって、誤嚥性(ごえんせい)肺炎につながるリスクがあります。

誤嚥性肺炎とは、誤嚥によって食べ物や唾液が気道に入り、口の中の細菌が肺に侵入して発症する肺炎のことです。

また、食事や水分が上手く取れずに栄養状態の低下や脱水症状になることで、リハビリの阻害にもつながってしまいます。

ラクナ梗塞の原因

ラクナ梗塞の主な原因は、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりすることで血流が悪くなる「動脈硬化」です。

動脈硬化によって、血流スペースが少なくなることで血液が途絶えてしまいます。

また、以下のような疾患は動脈硬化の危険因子となるため、間接的にラクナ梗塞の原因となります。

動脈硬化の危険因子

  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 糖尿病

上記のような生活習慣病がラクナ梗塞につながることもあるため、生活習慣の改善が重要です。

ラクナ梗塞の後遺症を改善するリハビリ方法

ラクナ梗塞の後遺症を改善するために行うリハビリを紹介します。

それぞれ後遺症の症状に合わせたリハビリ方法について、詳しく解説していきます。

運動機能に関するリハビリ

運動機能に関するリハビリでは「機能障害の程度」「筋力・関節の動かせる範囲」に応じて、以下のリハビリを行います。

運動機能に関するリハビリ

  • ベッド周辺で行う自立訓練
  • 歩行訓練
  • 食事やトイレなどの日常動作訓練

主に日常生活に戻るための「自立・歩行訓練」「日常動作訓練」のリハビリを重点的に行います。

言語機能に関するリハビリ

言語機能に関するリハビリでは、言語聴覚士による機能の評価を元に以下のリハビリを行います。

言語に関するリハビリ

  • 「口」「舌」「喉」周辺を動かす訓練
  • 発声練習やゆっくり話す練習

構音障害により正しい発音ができない場合、上記のリハビリを重点的に行いコミュニケーションを取る練習をします。

高次脳機能障害に関するリハビリ

高次脳機能障害に関するリハビリでは、患者さまの障害や程度に応じて以下のリハビリを行います。

高次脳機能障害に関するリハビリ

  • 同じ行動の反復練習
  • 行動の順序や優先順位を確認する

「記憶障害」や「遂行機能障害」などのさまざまな認知障害に対して、危険なく日常生活動作を行えるように訓練します。

ラクナ梗塞の再発を防ぐためのポイント

ラクナ梗塞の再発を予防するためのポイントを3つ紹介します。

それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。

三大危険因子を予防する

ラクナ梗塞の再発を予ぐためにも、以下の三大危険因子を予防しましょう。

ラクナ梗塞の三大危険因子

  • 高血圧
  • 高脂血症
  • 糖尿病

いずれも聞いたことがある生活習慣病ですが、ラクナ梗塞の再発を防ぐために治療すべき病気といえます。

ラクナ梗塞の発症・再発原因となる「動脈硬化」につながる可能性があるためです。

細い血管が詰まることで起こるラクナ梗塞は、動脈硬化によって血流が途絶えやすくなる影響を受けやすいです。

動脈硬化の原因となる生活習慣病を予防することで、間接的にラクナ梗塞の再発予防につながります。

生活習慣を改善する

生活習慣の改善もラクナ梗塞の再発を防ぐために重要なポイントです。

以下の要点を押さえて、生活習慣を改善しましょう。

生活習慣の改善方法

食事 ・塩分控えめの食事を心がける
・飽和脂肪酸を控える
・野菜や果物などの食物繊維を積極的に摂る
運動 ・ウォーキングなどの有酸素運動を30分を週3で行う
・10分程度のストレッチを毎日行う
飲酒 ・禁酒/摂取する
喫煙 ・禁煙する
・禁煙外来などを受診する

生活習慣病は、さまざまな病気の原因となることが多いです。

身体を守るためにも健康的な生活を目指して生活習慣を改善しましょう。

再生医療による治療

ラクナ梗塞の後遺症や再発を防ぐために、再生医療による幹細胞治療を検討しましょう。

再生医療とは

  • 自分の幹細胞を用いて損傷した脳細胞を再生させる治療
  • 脳細胞の再生により後遺症の改善や再発防止につながる
  • 手術や入院が不要で日常生活へ復帰しやすい

再生医療では、幹細胞のさまざまな細胞へ変化する性質を利用し、損傷した機能を再生することを目的とした治療を行います。

患者さまの細胞を用いるため、アレルギーや拒絶反応などの副作用の心配が少ないのが特徴です。

また、手術や入院が不要な治療方法なので日常生活へ復帰しやすい点も再生医療の強みといえます。

「ラクナ梗塞の後遺症にお悩みの方」「ラクナ梗塞の再発を防ぎたい方」は、ぜひ当院へご相談ください。

\クリック\タップで電話できます/

電話をかける

【まとめ】ラクナ梗塞の後遺症はさまざま|再生医療による治療を検討しよう

本記事では、ラクナ梗塞の後遺症について解説しました。

ラクナ梗塞の発症後は、以下のようにさまざまな後遺症が残る可能性があります。

症状や程度は個人差がありますが、日常生活に影響する後遺症がほとんどです。

ラクナ梗塞の再発を予防するためにはリハビリだけでなく、生活習慣の改善も意識して行う必要があります。

「後遺症によってリハビリが上手くいかない」「後遺症を治したい」という方は、再生医療による治療を検討してください。

再生医療は、幹細胞のさまざまな細胞へ変化する性質を利用し、損傷した機能を再生することを目的としています。

損傷した脳細胞を再生することで「リハビリの効果を促進」や「後遺症の改善」が期待できます。

再生医療による治療を検討する方は、ぜひ当院へご相談ください。

\クリック\タップで電話できます/

電話をかける

監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

略歴

2002年3月京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業

2002年4月医師免許取得

2002年4月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2002年6月関西労災病院 脳神経外科 勤務

2003年6月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2003年12月大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務

2004年6月大阪労災病院 脳神経外科 勤務

2005年11月大手前病院 脳神経外科 勤務

2007年12月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2012年3月大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)

2012年4月大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教

2014年4月大手前病院 脳神経外科 部長

再生医療のリペアセルクリニックTOPトップ