腱鞘炎が慢性化している場合の治療方法!痛みが治らない理由や症状についても解説
公開日: 2020.07.13更新日: 2025.08.29
指や手首に軽い痛みを感じているけれど、放置していても大丈夫なのか心配になったことはありませんか。
腱鞘炎は初期段階では軽い痛みや違和感程度ですが、適切な対処をしないまま放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす場合があります。
この記事では、腱鞘炎が慢性化する理由や症状、手術に頼らない治療選択肢を解説します。
現在軽い症状で悩まれている方や、すでに慢性化が心配な方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは手術を必要としない再生医療に関する情報をLINEで発信しております。ぜひ登録してください。
目次
腱鞘炎が慢性化する理由|安静にできずに手指を使い続けてしまうから
腱鞘炎が慢性化するのは、安静にできずに手指を使い続けてしまうのが理由です。
日常生活を今まで通り送るためには、手指の使用は避けられません。
とくに、以下の動作には注意が必要です。
- 長時間のスマートフォン・パソコン操作
- 野球/テニス/ゴルフのスイング動作
- 重いものを持ち上げる動作
長時間にわたるスマホの操作や手指を使うテニスなどのスポーツが原因で、指や腱に負荷がかかり腱鞘炎になる可能性があるので注意しましょう。
痛みが1週間以上続いている場合や、指の動きに明らかな制限がある場合は、すでに炎症が進行している可能性があります。
他にも女性ホルモンが腱の滑りやすさに関係しています。
妊娠・出産期や更年期により女性ホルモンが減少すると、腱が炎症を起こす要因になる場合があります。
このように症状が続いている場合は病院を受診しましょう。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎の症状は、主に以下の2つが知られています。
2つの症状について、詳しく解説します。
ばね指(弾発指)
指の酷使で指に炎症が起き、腱鞘が厚くなることで曲げ伸ばしの際に痛みが生じたり、引っかかったりする腱鞘炎です。
悪化すると関節が硬くなり、指が動かしにくくなります。
指を動かす際にカクッと外れることがあります。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)は、親指を伸ばす働きがある腱が炎症を起こし、痛みが生じる腱鞘炎です。
親指を動かす際に付け根に痛みが生じます。
ドケルバン病が悪化すると、物をつかむ、持ち上げるなどの動作が困難になるほか、ばね指を併発するおそれがあります。
また、腱鞘にガングリオンというしこりができる場合があります。
ガングリオンは良性の腫瘍ですので放置しても問題ありませんが、違和感やしびれ、痛みがある場合は治療が必要です。
慢性化した腱鞘炎を治療する方法
慢性化してしまった腱鞘炎を治療する方法は3つあります。
それぞれの方法について詳しく紹介します。
保存療法
保存療法には、具体的に以下の方法があります。
- 安静
- テーピングやサポーター
- アイシング
- 薬で痛みを抑える
- ストレッチ
まずは安静にしてアイシングを行います。また、手指の負担を減らすためのテーピング・サポーターの使用も効果的です。
痛みが強い場合には、ステロイド注射などの薬物治療で症状を軽減させます。
手術療法
再発を繰り返す場合には、手術療法が検討されます。
腱鞘炎に対する手術は腱鞘切開術が行われることが多いです。
【腱鞘切開術】
- 原因となっている腱鞘の真上の皮膚を2cmほど切る
- 原因となっている腱鞘を切り開く
腱鞘を切り開くことで引っかかっていた腱がスムーズに動くようになります。
手術は日帰りででき、15分ほどで終わります。
手術前に指の動きが硬くなっていて、術後もうまく動かせない場合はリハビリが必要です。
再生医療
腱鞘炎に対しては、再生医療という治療の選択肢もあります。
再生医療の治療法は、主に以下の2つです。
治療法 | 方法 |
---|---|
PRP療法 | 患者さまから採取した血液から血小板を採取し、患部に投与 |
幹細胞治療 | 患者さまから幹細胞を採取・培養して患部に投与 |
どちらも手術を必要としません。慢性化した腱鞘炎で、手術に抵抗がありお悩みの方もご検討いただけます。
また、再生医療は患者さま自身の血液・幹細胞を使うため、拒否反応が低いのも特徴です。
再生医療についての症例や治療法については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
腱鞘炎が慢性化した際に関するよくある質問と回答
腱鞘炎の慢性化について、患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。
これらの疑問を解消して、適切な対処を心がけましょう。
腱鞘炎になったらやってはいけないこと(動作)は?
腱鞘炎になった際には、以下のような動作は避けましょう。
- 痛みを我慢して無理に動かす
- 長時間の連続作業を続ける
- 重い物を片手で持ち上げる
- 痛みがある部位を強くマッサージする
- 熱いお風呂に長時間浸かる(炎症期は避ける)
腱鞘炎の回復には、まず症状が落ち着くまでしっかりと安静にすることが基本です。
痛みを悪化させるような動作はかえって逆効果となるため、できるだけ避けましょう。
腱鞘炎が完治するまでの期間は?
腱鞘炎の完治までの期間は症状の程度や治療法によって異なりますが、一般的には数週間から数ヶ月程度とされています。
軽度の症状であれば2〜3週間程度で改善することが多いですが、慢性化している場合は数ヶ月かかることもあります。
治療期間については以下の記事でも詳しく紹介していますので、あわせてご覧ください。
腱鞘炎が慢性化して痛みが治まらない場合は再生医療をご検討ください
腱鞘炎は本来、安静にすることで炎症が落ち着いていきます。
しかし、日常生活で手指を使わざるを得ないため、なかなか安静を保てず慢性化しやすいのが特徴です。
痛みや腫れが落ち着くまでは、以下のような動作はできるだけ避けましょう。
- 長時間のスマートフォン・パソコン操作
- 野球/テニス/ゴルフのスイング動作
- 重いものを持ち上げる動作
症状が出たら無理に動かさず、炎症が治まるまで休ませることが大切です。
安静にしても痛みが引かない場合は、慢性化している可能性があるため医療機関を受診しましょう。
一般的には薬物治療や注射、装具固定などで治療しますが、改善が見られない・日常生活に支障をきたす重症例では手術が検討されます。
しかし手術を避けたい方、より自然な回復を望む方には、自己の組織修復力を高める再生医療が新しい治療法として注目されています。
再生医療の症例や治療法ついては、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで紹介していますので、ぜひご確認ください。
ご自身にとって適切な治療法を選択し、辛い腱鞘炎の痛み改善を目指しましょう。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師