肩サポーターは寝るとき外すべき?つけっぱなしのリスクと肩に負担をかけない寝方を解説
公開日: 2020.02.13更新日: 2025.06.30
つらい肩の痛みを和らげるために、多くの方が肩サポーターを活用しているでしょう。
しかし、「寝るときは外すべきか、つけっぱなしの方が良いのか」と悩む声も少なくありません。
そこで本記事では、肩サポーターを寝るときに外すべき理由と、つけっぱなしにすることで生じるリスクについて解説します。
- 肩サポーターを就寝時に外すべき理由とリスク
- 肩に負担をかけない寝方の工夫
- 痛くて眠れないときの対処法
- つらい肩の痛みを改善する「再生医療」という選択肢
就寝時の肩の痛みやサポーターの使用法でお悩みの方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
つらい肩の痛みが長引いている方は、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肩の痛みに対する再生医療の治療法や症例を配信しています。
「肩の痛みを早く治したい」という方は、再生医療でどのような治療を行うのか知っておきましょう。
目次
肩サポーターは寝るとき外した方が良い
肩の痛みを和らげるために日中サポーターをしていて、「寝るときはどうすれば良いのだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。
痛いからこそ、寝ている間もつけていた方が安心できる、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、基本的には、就寝時に肩サポーターをつけっぱなしにすることは推奨されていません。
本章では、なぜ寝るときにサポーターを外した方が良いのか、その理由について解説します。
サポーターを寝るときにつけっぱなしにするリスク
寝るときは以下のようなリスクが考えられるため、サポーターをつけっぱなしにするのは避けましょう。
サポーターをつけっぱなしにするリスク
- 血行不良を招き、患部の回復を妨げる恐れがある
- 皮膚が蒸れたり擦れたりして、かぶれや発疹の原因になる
- 長時間の固定が筋力低下につながる可能性がある
- 圧迫によるしびれなどの異変に気づきにくい
以上の理由から、医師から特別な指示がない限り、寝るときはサポーターを外し、肩を解放してあげることが望ましいといえるでしょう。
肩サポーターなしで寝るときに負担をかけない寝方
「寝るときはサポーターを外した方が良いのはわかったけれど、外すと痛くて眠れない…」そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
サポーターを外した状態でも、少し工夫をするだけで肩への負担を軽減することが可能です。
本章では、肩サポーターなしで眠るための寝方についてご紹介します。
仰向けで寝るときの工夫
仰向けで寝る場合は、以下のような工夫をすることで、肩関節への不要な圧迫や引っ張りをなくし、リラックスした状態で眠ることが可能です。
工夫する点 | 詳細 |
枕の高さ | 首の自然なカーブが保たれる高さに枕を調整する。 肩幅より少し狭めの枕を選ぶと、肩への圧迫が減りやすい。 |
肩の下 | 痛む方の肩の下に薄く丸めたバスタオルなどを敷き、肩の位置をわずかに持ち上げ、肩と寝具の隙間を埋める。 |
腕の位置 | 腕は体の真横ではなく、肘を少し曲げてお腹の上などに置く。 腕の下に小さなクッションを置いて支えると、腕の重みで肩が引っ張られるのを防げる。 |
膝の下 | 膝の下にもクッションや丸めたタオルを置き、膝を軽く曲げた状態を保つ。 |
全身がリラックスすることで、間接的に肩の緊張も和らぎ、より楽な状態で眠りにつくことができるでしょう。
横向きで寝るときの工夫
横向きで寝る場合は、痛くない方の肩を下にして、痛い方の腕や脚を適切に支えることで、肩への負担を軽減することが可能です。
工夫する点 | 詳細 |
寝る向き | 必ず、痛い方の肩を上にして寝る。 |
枕の高さ | 横向きの姿勢では肩幅の分だけ高さが必要になるため、仰向けで使う枕よりも高めのものを選ぶ。 首がまっすぐ水平に保たれる高さが理想。 高さが足りなければタオルなどで調整する。 |
痛い方の腕 | 胸の前あたりにクッションや抱き枕を抱え込むようにして、その上に痛い方の腕を置く。 脇の下にタオルを挟むのも有効。 |
脚の間 | 左右の脚の間に、小さなクッションや枕を挟む。 |
体の歪みが少なくなることで、結果的に肩への余計な負担も軽減され、よりリラックスした状態で眠れます。
肩サポーターを外すと痛くて寝れないときの対処法
肩サポーターを外すと痛みで眠れない場合は、以下の対処法を試してみてください。
痛くて寝れないときの対処法
- タオルやクッションで寝姿勢を工夫し、肩への負担を和らげる
- 寝る前に入浴や蒸しタオルで肩を温め、筋肉の緊張をほぐす
- 痛みのない範囲で、肩周りの軽いストレッチを行う
- 痛みが強いときは、鎮痛薬や湿布を一時的に活用する
上記の方法を試しても、やはり痛みで眠れないという場合は無理をせず、医師に相談しましょう。
つらい肩の痛みには再生医療による治療も選択肢の一つ
四十肩や肩腱板損傷など、従来の治療法ではなかなか改善しないつらい肩の痛みに対して、患者様自身の細胞や血液成分を利用して組織の修復を促す「再生医療」が注目されています。
再生医療のポイント | 詳細 |
治療の目的 | 人間が本来もっている体の治癒力を高め、痛み止めや湿布などの対症療法とは異なり、損傷した組織そのものの修復・再生を目指す。 |
主な治療法 |
PRP療法(多血小板血漿療法): 患者様自身の血液を採取し、その中の組織修復を促す成分を多く含む「血小板」を濃縮して、痛む肩関節に注射する。 幹細胞治療: 患者様自身の脂肪などから「幹細胞」という、さまざまな細胞に変化する能力をもつ細胞を採取・培養し、肩関節に注入する。 |
期待される効果 | 注入された成長因子や幹細胞の働きにより、関節内の炎症が抑えられたり、損傷した腱などの組織修復が促進されたりして、痛みの緩和や肩の動きの改善が期待される。 |
もちろん、再生医療は万能ではなく、効果には個人差もあります。
効果やリスクについて十分に理解したうえで、新しい治療の選択肢として検討してみる価値はあるでしょう。
また、次の動画では四十肩・五十肩の症状や治し方について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
就寝時の肩サポーターについてよくある質問
肩の痛みに悩む方にとって、就寝時のケアは特に気になるポイントでしょう。
本章では、就寝時の肩サポーターについてよくある質問に回答していきます。
肩が痛いときに寝るにはどうしたらいい?
肩が痛いときは、痛い方の肩に体重がかからないようにし、タオルやクッションを使って、肩や腕が楽だと感じる「リラックスできる姿勢」を作ることが大切です。
痛いときの寝方の工夫
- 仰向け:痛む肩の下にタオルを入れ支える
- 横向き:痛くない側を下にし、抱き枕で腕を支える
- 就寝前に肩周辺を温めることも有効
それでも痛みがつらいときには無理をせず、市販の痛み止めの服用や、消炎鎮痛成分の入った湿布を貼ることも検討しましょう。
四十肩にサポーターは効果があるの?
四十肩で痛みがある場合には、肩用のサポーターは有効な場合があります。
サポーターを装着することで肩関節が安定し、不意に腕が動いて激痛が走る、といった事態を防ぎます。
患部への負担が減り、不要な動きが抑制されるため、痛みや炎症を和らげる効果が期待できるのです。
しかし、サポーターはあくまで「痛みを和らげるための道具」です。
サポーターを装着しているからといって、四十肩の原因となっている関節包の炎症や癒着そのものが治るわけではありません。
寝るときは肩サポーターを外して痛みを和らげる工夫をしよう
寝るときにサポーターがなくても、タオルやクッションを使って姿勢を工夫することで、肩への負担を軽減し、痛みを和らげることが可能です。
また、就寝前に肩を温めたり、痛みが強いときには一時的に湿布や鎮痛剤を活用したりといった対処法もご紹介しました。
それでも夜間の痛みがつらい方は、「再生医療」も選択肢の一つです。
再生医療は、患者様自身の血液や細胞の力を利用して、損傷した組織の修復を促し、痛みの原因そのものにアプローチする治療法です。
つらい肩の痛みを諦めずに、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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