- 肩
- 再生治療
肩の人工関節手術のデメリットとは?手術以外の選択肢も解説

肩の人工関節手術をすすめられ、「手術にはどんなデメリットやリスクがあるのだろう」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
人工肩関節置換術は痛みの改善が期待できる治療法ですが、感染症や脱臼、人工関節の寿命といった注意すべき点も存在します。
本記事では、肩の人工関節手術のデメリット・リスク、種類別の特徴、手術以外の選択肢まで解説します。
また保存療法や薬物療法など従来の治療では改善が見られない場合、再生医療も選択肢の一つになります。
再生医療とは、患者様自身の細胞が持つ修復力を活用し、損傷した組織の再生を目指す治療法です。
>>肩関節における当院(リペアセルクリニック)の症例はこちら
また、実際に当院(リペアセルクリニック)の治療を受けられた患者様の症例動画も公開していますので、治療後の経過や改善事例を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
再生医療について詳しく知りたい方は、当院の公式LINEでも紹介していますので、人工関節は避けたいという方は、ご相談ください。
目次
肩の人工関節手術(人工肩関節置換術)を受けるデメリット・リスク
肩の人工関節手術には、感染症・血栓症・脱臼・神経損傷など、事前に理解しておくべき複数のデメリットやリスクがあります。
ここでは、肩の人工関節手術における代表的な7つのデメリット・リスクを一つずつ解説します。
感染症のリスクがある
肩の人工関節手術には、人工関節の周囲に細菌が侵入して感染症を引き起こすリスクがあります。
発生頻度こそ高くありませんが、人工関節周囲感染は一度起こると抗菌薬による治療だけでは改善が難しい場合があり、人工関節の洗浄や抜去、再置換手術(人工関節の入れ替え)などの再手術が必要になることもあります。
以下に当てはまる方は感染リスクが高まる可能性があるので注意が必要です。
- 糖尿病がある
- 関節リウマチがある
- 肥満傾向にある
- 喫煙習慣がある
- 免疫機能が低下している
手術前には持病のコントロールや禁煙、栄養状態の改善など、感染予防に向けた対策を十分に行うことが重要です。
手術を安全に受けるためにも、感染症のリスクについてあらかじめ理解し、医師と相談しながら適切な準備を進めましょう。
血栓症のリスクがある(深部静脈血栓症・肺塞栓症など)
肩の人工関節手術では、血管内に血栓(血の塊)ができる血栓症のリスクにも注意が必要です。
術後は活動量の低下や長時間の安静によって血流が滞りやすくなり、脚の深い静脈に血栓ができる深部静脈血栓症(DVT)を発症することがあります。
さらに、その血栓が血流に乗って肺の血管に詰まる肺塞栓症を引き起こすと、呼吸困難や循環不全を招き、命に関わる危険な状態になることもあります。
術後に息苦しさや胸の痛み、脚の腫れ・痛みなどの症状が現れた場合は、血栓症の可能性も考えられるため、速やかに医療機関へ相談しましょう。
人工関節には寿命があり、再手術が必要になることがある
肩の人工関節は痛みの軽減や関節機能の改善が期待できる治療法ですが、一度の手術で永久に使用できるわけではありません。
人工関節には耐用年数があり、一般的には15〜20年程度が寿命の目安とされています。
使用状況や年齢、活動量などによって個人差はありますが、長期間の使用に伴い部品の摩耗やゆるみが生じることがあります。
人工関節の機能低下が進行すると、痛みの再発や可動域の低下につながるため、人工関節を入れ替える再置換手術が必要になる場合があります。
また、再置換手術は初回手術と比べて骨や周囲組織の状態が複雑になっていることが多く、手術の難易度が高くなる傾向があるため、感染症や骨折、神経損傷などの合併症リスクも高くなる可能性があります。
特に若い年代で人工関節手術を受ける場合は、将来的に再手術が必要になる可能性も考慮したうえで治療方針を検討しましょう。
特定の動作で脱臼するリスクがある
肩は体の中で最も可動域が広い関節のため、以下のような特定の動作によって脱臼しやすくなるというデメリットがあります。
- 背中に手を回す
- 腕を大きく上げるなど
一度脱臼すると再発しやすいため、特定の姿勢を避けるなどの注意が必要です。
術後に肩を動かしにくくなる・可動域制限が残ることがある
肩の人工関節手術では、術後に肩を動かしにくくなり、可動域に制限が残ることがあります。
特に肩の構造を反転させるリバース型人工関節の場合、背中に手を回す内旋動作や前に腕を上げる屈曲動作などに制限が出やすいとされています。
日常生活では、前開きの服を選ぶなどの工夫や、代替となる動作を習得することが必要になる場合があります。
神経損傷によるしびれや筋力低下が起こることがある
肩の人工関節手術では、手術中に神経を損傷し、しびれや筋力低下が起こるリスクがあります。
手術では、肩関節のすぐ近くを通る腋窩神経や筋皮神経などを損傷するリスクがあるとされています。
神経損傷が起こると、腕を持ち上げる力が弱くなったり、感覚が鈍くなったりして、日常生活の質に大きな影響を与えることがあります。
術後も長期間のリハビリが必要になる
肩の人工関節手術では、術後も長期間にわたるリハビリが必要になります。
入院期間は平均2〜3週間程度ですが、可動域や生活動作を十分に回復させるには半年ほどかかるケースもあります。
焦らず、段階的にリハビリを継続することが機能回復への鍵となります。
肩の人工関節の種類別デメリット|従来型とリバース型
肩の人工関節には大きく分けてアナトミカル型(従来型)とリバース型があり、それぞれ構造の違いから生じるデメリットが異なります。
ここでは、2つのタイプそれぞれの特徴とデメリットを解説します。
アナトミカル型(従来型)
アナトミカル型(従来型)の人工肩関節は、本来の肩関節の構造に近い形で人工関節を設置する方法で、自然に近い動きを再現しやすいという特徴があります。
その他のメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット |
・本来の肩関節に近い構造を再現できる ・自然に近い肩の動きが期待できる ・腱板機能が保たれていれば良好な術後成績が期待できる |
| デメリット |
・腱板損傷がある場合は適応が難しい ・関節の安定性が低下しやすい ・リバース型と比べて脱臼リスクが高い場合がある |
一方で、この術式は肩関節を安定させる役割を担う腱板(けんばん)の機能が十分に保たれていることが前提となります。
そのため、腱板が大きく損傷している場合は関節の安定性が低下し、脱臼や機能不全が生じるリスクが高くなる可能性があります。
リバース型
リバース型人工肩関節は、通常の肩関節とは逆に肩甲骨側に球状の部品、上腕骨側に受け皿となる部品を設置する術式です。
関節の凹凸を反転させることで、肩関節を支える腱板が損傷している場合でも、三角筋の力を利用して腕を上げやすくなるという特徴があります。
そのため、広範囲の腱板断裂や腱板断裂症性関節症など、従来型の人工肩関節では十分な効果が期待しにくいケースにおいて広く用いられています。
リバース型の主なメリット・デメリットは以下のとおりです。
| メリット |
・本来の肩関節に近い構造を再現できる ・自然に近い肩の動きが期待できる ・腱板機能が保たれていれば良好な術後成績が期待できる |
| デメリット |
・腱板損傷がある場合は適応が難しい ・関節の安定性が低下しやすい ・リバース型と比べて脱臼リスクが高い場合がある |
このように、リバース型は重度の腱板損傷がある患者様にとって有効な治療選択肢ですが、術後の可動域や動作制限についても十分に理解しておくことが大切です。
手術方法の選択にあたっては、肩の状態や生活スタイルを踏まえ、医師と相談しましょう。
肩の人工関節手術(人工肩関節置換術)のメリット
肩の人工関節手術(人工肩関節置換術)のメリットは、以下のように長年悩まされてきた肩の痛みを軽減し、日常生活の質(QOL)向上が期待できることです。
| メリット | 内容 |
| 肩の痛みの軽減 | 長期間続く痛みの改善が期待できる |
| 肩の機能改善 | 腕を上げる、物を持つなどの動作がしやすくなる |
| 日常生活の質(QOL)の向上 | 着替えや洗髪などの日常動作の負担軽減につながる |
| 精神的負担の軽減 | 慢性的な痛みから解放されることでストレスの軽減が期待できる |
| 睡眠の質の向上 | 夜間痛が改善し、睡眠を妨げられにくくなる |
ただし、人工関節手術には感染症や血栓症、脱臼、再手術の可能性などのリスクもあります。
メリットだけでなくデメリットについても十分に理解したうえで、医師と相談しながらご自身に合った治療法を選択することが大切です。
肩の人工関節手術を避けたい場合は再生医療も選択肢の一つ
肩の人工関節手術は痛みの改善が期待できる一方で、感染症・血栓症・脱臼・可動域制限・人工関節の寿命といったデメリットやリスクがあります。
「できるだけ手術は避けたい」「入院や術後の負担が心配」という方にとっては、再生医療も選択肢の一つとなります。
再生医療は、患者様ご自身の細胞が持つ修復力を活用し、損傷した組織の修復・再生を目指す治療法です。
手術を伴わず、入院も不要なため、身体への負担を抑えながら治療を受けられます。
実際の治療内容は以下の動画でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
「手術を避けたい」「自分に再生医療が適しているか知りたい」という方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
肩の人工関節のデメリットに関するよくある質問と回答
ここでは、肩の人工関節のデメリットに関して多く寄せられる質問にお答えします。
それぞれの質問について順番に解説します。
肩の人工関節手術に禁忌はある?
完全な禁忌というわけではありませんが、特定の要因がある方は慎重な術前準備と判断が必要となります。
糖尿病や関節リウマチ、免疫抑制剤の使用、肥満、喫煙習慣などの要因がある方は、感染症や血栓症のリスクが高まるとされています。
こうした要因に当てはまる場合は、必ず主治医と相談し、リスクと対策を確認したうえで判断することが大切です。
人工肩関節は脱臼しやすい?
肩はもともと動きの幅が広いため、人工関節に置き換えると特定の動作で脱臼しやすくなる特徴があります。
とくに背中に手を回す動作や腕を大きく動かす動作では、脱臼に注意が必要です。
脱臼を防ぐためには、リハビリを通じて正しい動かし方を学び、無理な姿勢や動作を避けることが重要です。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設























