TFCC損傷の回復を目指す保存療法(リハビリ)と、再生医療という選択肢をご説明
公開日: 2019.11.09更新日: 2025.04.28
目次
TFCC損傷の回復を目指す保存療法(リハビリ)と、再生医療という選択肢をご説明
TFCC損傷による手首の痛みは、日常生活、仕事やスポーツに影響を与えるので、早く治したいですよね。そのためには適切な治療やリハビリが必要です。
今回は、TFCC損傷に対する保存療法におけるリハビリについて詳しくご紹介します。
TFCC損傷の保存療法(リハビリ)での治療方法
TFCC損傷は、炎症期と回復期がありますが、保存療法(リハビリ)では、以下を行います。
- 炎症期:アイシングや装具もしくは、テーピングで安静・固定
- 回復期:可動域向上練習、ストレッチなどの手関節機能改善、筋力強化
回復期では痛みに対してテーピングが使用されることもありますが、手関節周囲の筋力を強化することによって、動作時の痛みが軽減したという例も報告されています。しかし、長期間放置した場合は難治例もあり慢性痛を伴う事もあります。このような方法で症状が改善しない場合は、手術療法が選択されます。
TFCC損傷術後の保存療法(リハビリ)には次のようなモノがあります
- 他動運動
- 自動運動による抵抗運動
- 筋力訓練
痛みが強い場合はサポーターなどが使用されます。また、個人差があるため、医師や理学療法士が作成するリハビリ計画に沿って行う必要があります。
TFCC損傷は難治性
TFCCとは、三角線維軟骨複合体の略称で、「手関節の安定」「荷重の伝達」など重要な役割を担っています。
スポーツや転倒時に手をつくなどの外傷や加齢によって発症し、以下の異様な症状がみられます
- 手関節尺側部痛
- 運動時の痛み
- 握力低下
TFCC損傷は、レントゲンで異常が認められないため診断が難しく、完全に治すことは難しいと言われています。TFCCのように血行がない部位には、関節軟骨や軟部組織があります。
他の症例で例えれば、膝の軟骨がすり減って起こる「変形性膝関節症」などでは、軟骨にアプローチできる画期的な治療法が注目されています。その治療法はTFCC損傷にも効果が期待できます。
治療やリハビリで改善できないTFCCに、再生医療という選択肢
膝の軟骨がすり減って起こる「変形性膝関節症」の治療法として注目を集めている画期的な治療法とは?「再生医療」です。この再生医療は、TFCC損傷にも効果が期待できるため、治療の選択肢の1つとして考えることができます。
再生医療で行われる治療を簡単に説明すると、治療を受ける患者さん自身の細胞を取り出し、培養によってその数を劇的に増やした上でダメージ部位に注入するという方法です。
損傷を受けた部位を修復作用のある脂肪幹細胞を使用するため、TFCC損傷の治療にも効果が期待できるのです。幹細胞の中でも脂肪由来幹細胞は、すり減った軟骨や機能不全になった臓器を機能回復させる驚くべき力を持っています。
まとめ・TFCC損傷の回復を目指す保存療法(リハビリ)と、再生医療という選択肢をご説明
個人差はありますが、TFCC損傷のリハビリ治療には時間がかかります。その上、保存療法でも、手術をしても痛みが残ってしまうこともあり、根本的な治癒に至らないこともあります。
しかし、幹細胞による再生医療であれば長期にわたるリハビリの必要もありません。
TFCC損傷を根本から治すことをお考えでしたら、再生医療を治療の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
監修:リペアセルクリニック大阪院
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監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設