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スポーツによる膝の痛みとは?原因・代表的な疾患・対処法を医師が解説

スポーツによる膝の痛みを解説!原因・代表的な疾患・対処法を医師が解説
公開日: 2025.12.26

スポーツによる膝の痛みは、ランニングやジャンプなど繰り返しの動作によって膝に負担が蓄積することで起こりやすくなります。

痛みを抱えたまま練習を続けると悪化して競技復帰が遅れるだけでなく、階段の上り下りや歩行など日常生活にも支障をきたす可能性があります。

また「練習中に膝が痛くなって思うようにプレーできない」「試合が近いのに膝の痛みが治らない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、スポーツで起こりやすい膝の疾患、痛みの部位から疑われる原因、適切な対処法について解説します。

スポーツによる膝の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んでご自身の状態に合った対処のヒントを見つけましょう。

また競技に打ち込むアスリートにとって、怪我による長期離脱はパフォーマンスだけでなく選手生活にも影響する問題の一つです。

保存療法やリハビリを続けても改善が見られないという方は、再生医療という選択肢も検討しましょう。

再生医療とは、手術を行わずにご自身の細胞の力を使って、損傷した組織の修復・再生を促す治療法です。

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膝の痛みに対して「手術は避けたい」「できるだけ早期復帰を目指したい」という方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。

症例や治療内容は、以下の公式LINEでも紹介していますので、併せて参考にしてください。

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スポーツで起こりやすい主な膝の疾患

スポーツで起こる膝の痛みには、さまざまな原因が考えられます。

とくに多いのは、繰り返しの動作によって膝周りの組織に炎症が起きる疾患です。

代表的なものとして以下の4つがあります。

ご自身の症状と照らし合わせながら、当てはまる疾患がないか確認してみましょう。

腸脛靭帯炎(ランナー膝):膝の外側の痛み

腸脛靭帯炎は「ランナー膝」とも呼ばれ、長距離ランナーに多く見られる疾患です。

太ももの外側から膝下まで伸びる腸脛靭帯が、膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで大腿骨と摩擦を起こし、炎症が生じます。

走っているときに膝の外側がズキズキ痛むのが特徴で、初期は下り坂を走るときだけ痛みを感じますが、症状が進むと平地でも痛むようになります。

柔軟性不足、走りすぎ、フォームの乱れが主な原因です。

早めに休養をとり、ストレッチやフォームの見直しを行うことが大切です。

鵞足炎:膝の内側の痛み

鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側にある「鵞足」と呼ばれる部分に炎症が起きる疾患です。

鵞足は3種類の筋肉が集まって脛の骨に付着する場所で、階段の上り下りや方向転換のときに痛みやすく、ランニング初心者から競技者まで幅広く発生します。

主な原因として、以下が挙げられます。

  • ストレッチ不足による筋肉の柔軟性低下
  • サイズや形状の合わないシューズの使用
  • ランニングやジャンプ動作による過度な負荷の蓄積

鵞足炎は放置すると慢性化しやすく、痛みが長期化する傾向があります。

痛みを感じたら早めに運動量を減らし、患部を冷やすなどの対処を行いましょう。

膝蓋靭帯炎(膝蓋腱炎):膝のお皿の下の痛み

膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)は「ジャンパー膝」とも呼ばれ、バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作の多い競技で多く見られます。

膝のお皿と脛の骨をつなぐ靭帯に繰り返し負荷がかかることで、炎症が起きます。

ジャンプ、着地、ダッシュを繰り返す競技で発症しやすく、10〜20代のスポーツ選手に多いのが特徴です。

膝のお皿の下を押すと痛む場合は、この疾患の可能性があります。

痛みを我慢して運動を続けると悪化するため、早めの対処が重要です。

大腿四頭筋腱付着部炎:膝の上・前面の痛み

大腿四頭筋腱付着部炎(だいたいしとうきんけんふちゃくぶえん)は、太ももの前面にある大腿四頭筋の腱が膝のお皿に付着する部分で炎症が起きる疾患です。

ジャンプや急激な負荷増加により悪化しやすく、太ももの柔軟性不足や筋力バランスの乱れがリスクを高めます。

また、症状が長引くと競技復帰が遅れることもあるため、太もものストレッチを十分に行い、筋力のバランスを整えることが予防につながります。

症状が出た場合は無理をせず、適切な治療を受けましょう。

【部位別】膝の痛みの場所から疑われる疾患をチェック

膝の痛みは、どこが痛むかによって原因となる疾患が異なります。

痛みの場所を把握することで、疑われる疾患を絞り込めます。

以下の表で、ご自身の痛みの部位から考えられる疾患を確認してみましょう。

痛みの部位 疑われる主な疾患
膝の外側 腸脛靭帯炎(ランナー膝)、外側側副靭帯損傷、外側半月板損傷
膝の内側 鵞足炎、内側側副靭帯損傷、内側半月板損傷、変形性膝関節症
膝の前面(お皿の下) 膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、オスグッド病
膝の上側 大腿四頭筋腱付着部炎、膝蓋前滑液包炎、膝蓋大腿関節症

スポーツで起こる膝の痛みは、使いすぎ(オーバーユース)が原因であることが多いです。

ただし、靭帯損傷や半月板損傷など、外傷によって起こる疾患が隠れている場合もあります。

痛みが続く場合や、腫れ・熱感がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

スポーツによる膝の疾患に対する対処法

スポーツによる膝の痛みは、適切な対処を行うことで回復を早められます。

膝のスポーツ障害に対する基本的な治療は「安静・冷却・炎症のコントロール・適切なリハビリ」です。

主な対処法を以下の表にまとめました。

対処法 内容
RICE処置 安静・冷却・圧迫・挙上の応急処置。痛みや腫れが出た直後に行い、炎症の悪化を防ぐ
薬物療法 消炎鎮痛剤の内服や湿布で痛みと炎症を抑える。痛み止めだけに頼らず、安静やリハビリと併用する
リハビリテーション 炎症が落ち着いた後、筋力強化や柔軟性向上を行う。競技復帰に向けて最も重要な治療法
装具療法 サポーターやテーピングで膝を保護し、負担を軽減する。リハビリと併用すると効果的

これらの対処法を状態に合わせて組み合わせ、専門家と相談しながら競技復帰を目指しましょう。

スポーツによる膝の痛みには再生医療も選択肢の一つ

スポーツによる膝の痛みは、適切な対処を行うことで多くの場合改善が見込めます。

競技復帰には、痛みの原因となる疾患を正しく理解し、早めに対処することが大切です。

ここまで紹介した保存療法で改善しない慢性的な膝の痛みにお悩みの方や、手術を避けたいとお考えのアスリートの方には、再生医療という選択肢もあります。

再生医療は、ご自身の幹細胞や血液を活用する治療法です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 慢性化してしまった症状を完治させたい
  • 薬剤アレルギーが心配で治療ができていない
  • 定期的にステロイド治療を続けている
  • スポーツをしていて早期治療を希望したい

入院を伴う大きな手術を必要としないため、競技への早期復帰を目指せます。

治療法については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

当院「リペアセルクリニック」では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療プランをご提案しております。

従来の治療で思うような結果が得られなかった慢性の膝痛の方も、一度ご相談ください。

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スポーツによる膝の痛みに関するよくある質問と回答

スポーツによる膝の痛みについて、よくある質問を紹介します。

痛みの悪化を防ぐためにも、それぞれ確認しておきましょう。

膝の痛みは何日続いたら病院に行くべき?

一般的には、2週間以上痛みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

また、以下のような症状がある場合は、早めに受診してください。

  • 腫れや熱感がある
  • 歩行や階段の上り下りが困難
  • 夜間も痛みがある
  • 膝がガクッと崩れる感覚がある
  • 膝が動かなくなる(ロッキング)

これらの症状は、靭帯損傷や半月板損傷など、より重篤な疾患が隠れている可能性を示唆します。

早期に診断を受けることで、適切な治療を開始でき、競技復帰も早まります。

膝が痛い時にやってはいけないことは?

膝に痛みがあるときは、以下の行為を避けてください。

  • 痛みを我慢して運動を続ける
  • 強引なストレッチを行う
  • 長時間の負荷をかけ続ける
  • 痛み止めだけで運動を続ける

これらの行為は症状を悪化させ、回復を遅らせる原因になります。

とくに炎症が起きている時期は、まず安静にして患部を冷やすことが大切です。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設