ランナー膝(腸脛靭帯炎)の予防法は?ランニングによる痛みへの対処法について解説
公開日: 2019.06.10更新日: 2025.03.31
日常的にランニングをする方は「ランナー膝の予防方法を知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
ランナー膝とも呼ばれる腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、膝へ継続的な負荷がかかることで膝の外側に炎症が起きる疾患です。
予防には、膝や太ももの入念なストレッチや運動量の見直し、フォームの改善などが効果的です。
今回は、ランナー膝の主な原因からわかる予防法や対処法をわかりやすく紹介します。
目次
ランナー膝(腸脛靭帯炎)とは?
ランナー膝とは、正式名称で「腸脛靭帯炎」と呼び、膝の外側に痛みを感じるスポーツ障害を指します。
本章では、ランナー膝の主な原因や症状について解説します。
マラソンなどの長距離走だけでなく、水泳、バスケットボール、自転車競技、バレエなど多岐に渡るスポーツで発症する可能性があります。
ランナー膝を予防するためにも、主な症状と原因を確認しておきましょう。
ランナー膝の主な症状
ランナー膝は、膝の使いすぎによって腸脛靭帯が大腿骨外側上顆と擦れると、炎症が起こって痛みが発生します。
主な症状は、以下の通りです。
- 膝を踏み込んだときに、とくに痛む
- 運動後に痛む
- 安静にしていると痛みが消える
- 悪化すると歩行時や安静時も痛みを感じる
初期症状では鈍い痛みや違和感がある程度ですが、悪化するとズキズキとした痛みに変化していきます。
さらに症状がひどくなると、痛みが慢性化して日常生活に影響を及ぼす恐れがあるため、早めに医療機関に相談しましょう。
ランナー膝の主な原因
ランナー膝の主な原因は、以下の通りです。
- 膝の使い過ぎ
- 筋力・柔軟性の低下
- ウォームアップ不足
- ランニングを始めたばかり
- O脚
- フォームが悪い
- シューズが硬い
- 硬い地面や下り坂でのランニング
ランナー膝の原因は、膝まわりの筋肉の筋力や柔軟性やフォーム、使用するシューズなど多岐に渡ります。
O脚の方は膝が外側に傾いていることによって腸脛靭帯の負担が大きいため、とくに注意しましょう。
また、下り坂でのランニングは、平地を走るよりも多くの負担が膝にかかるのでコースの見直しも重要です。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の主な予防法・対処法
ランナー膝の主な予防法や対処法を紹介します。
ランナー膝は放置すると、痛みが強くなったり長引いたりして生活の質に大きな影響を及ぼす可能性があります。
スポーツ中に、膝の鈍い痛みや違和感を感じる方は参考にしてください。
膝周辺のストレッチを入念に行う
入念な膝周辺のストレッチは、ランナー膝の予防に効果的です。
ランナー膝の原因の一つに筋肉の柔軟性の低下が挙げられるため、膝や太もものストレッチをして柔軟性を保ちましょう。
痛みを感じる腸脛靭帯は骨盤までつながっているので、太もものストレッチがおすすめです。
以下のストレッチを実践してみましょう。
- 1.直立して伸ばしたい足を後ろに引く
- 2.後ろの足に体重をかけて振り向くように上半身を捻る
- 3.太ももの外側(大腿筋膜張筋)の伸びを意識する
膝周辺のストレッチは、運動前後に行うなど習慣化すると良いでしょう。
ランニングシューズやフォームを改善する
ランナー膝の対策には、ランニングシューズやフォームの見直しも重要です。
筋肉や関節に負担がかかりにくいランニングフォームは、以下の通りです。
- ひざ下が地面と垂直になるように着地する
- かかとから着地する
- 上半身を立てて、真下に近い位置に着地する
- 背筋を伸ばす
- 肩の力を抜く
ランニングの負担を軽減するには着地の方法がとくに重要なので、着地する際の上半身や膝の位置を意識してみましょう。
また、ランナー膝の予防になるランニングシューズは、以下の通りです。
- 指の付け根で曲がる
- 左右にぐらつかない
- かかとの部分(カップ)がしっかりしている
- 適度にクッション性がある
シューズは消耗品なので、定期的に状態をチェックして自分に合ったランニングシューズを選びましょう。
走る時間やランニングコースを調整する
ランナー膝の予防法の一つに、走る時間やランニングコースの調整が挙げられます。
膝に違和感や痛みがある場合は症状が落ち着くまで安静にし、走る時間や距離、スピードを制限しましょう。
脚に負担がかかりづらいランニングコースは、以下の通りです。
- 柔らかい土や芝生の上
- 坂道が少ないコース
- 信号や車が少ないコース
膝に痛みや違和感がある場合のランニングは、無理のない範囲で行いましょう。
走った後にも痛みが続くようであれば、医療機関へ相談することも検討してください。
ランニングをする人に起こりやすいランナー膝以外の疾患
ランニングをする人に起こりやすいランナー膝以外の疾患を紹介します。
特徴や原因などをまとめていますので、受診時の参考にしてみてください。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減って関節が変形してしまう疾患です。
比較的女性に多くみられ、初期症状は立ち上がりや歩きはじめなどの動作を開始する際に痛むことが多く、安静にすると症状が落ち着きます。
変形性膝関節症が進行すると、正座や階段の上り下りが困難になり、安静にしていても痛みが取れないことがあります。
診断の際は触診で関節の動きや腫れを調べ、レントゲンやMRIなどの検査が一般的です。
半月板損傷
半月板損傷は、膝関節内の半月板が損傷して関節に炎症が起きるスポーツ外傷です。
半月板は、太ももの骨と脛の骨をつなぐ板状の軟骨で、膝を滑らかに動かしたり、衝撃を吸収したりする役割があります。
主な症状は、膝の痛みや可動域の制限などです。
ランニングにおける半月板損傷の予防法は、スポーツ前後の入念なウォーミングアップや体重の管理が有効です。
また、急な方向転換や深いしゃがみ込みは、半月板が損傷する恐れがあるので注意しましょう。
鵞足炎(がそくえん)
鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側にある鵞足部が損傷して炎症が起きる疾患です。
鵞足とは、膝関節内側の下部に位置し、縫工筋・薄筋・半腱様筋が付着している部分のことを指します。
膝の内側から5~7cm下方に痛みや腫れを感じるのが主な症状です。
重症化すると炎症が強くなり、安静にしていても疼くように痛む方もいます。
不適切なトレーニングや急な坂でのランニング、偏平足などは鵞足炎のリスクを高める可能性があります。
ランナー膝になった人がやってはいけないこと
ランナー膝になった人がやってはいけないことは、以下の通りです。
- 膝の痛みを無視して、同じ負荷の運動を続ける
- ランニングやジャンプなどの運動を繰り返す
- 適切なストレッチをしない
- 負担のかかる姿勢で走る
放置してしまうと症状が悪化し、安静にしていても強く痛む可能性があります。
膝に違和感を感じたら安静にして、整形外科の受診を検討しましょう。
【まとめ】ランナー膝(腸脛靭帯炎)を予防するならウォーミングアップが重要
ランナー膝(腸脛靭帯炎)を予防するなら、ウォーミングアップが重要です。
膝周辺の筋力や柔軟性が低下していると、ランニング時に膝へ大きな負担がかかります。
ランナー膝で炎症が起きる部位は太ももの筋肉とつながっているため、膝だけでなく太もものストレッチも重要です。
膝の痛みが続く方は、医療機関の受診を検討しましょう。
ランナー膝の強い痛みや慢性的な痛みにお悩みの方は、再生医療による治療も一つの選択肢です。
再生医療に興味がある方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。