- ひざ関節
膝の痛みが治らない原因|考えられる疾患や病院に行っても改善しないときの対処法を解説

なかなか引かない膝の痛みに対して「何が原因なのか」「このまま悪化しないか」と不安を抱える方は多いのではないでしょうか。
膝の痛みが治らない原因は、膝周辺の炎症や水が溜まっている状態、膝周辺の筋力・柔軟性の不足などが挙げられます。
この記事では、膝の痛みが治らない原因や考えられる疾患・症状について詳しく解説します。
近年では、膝の痛みが治らない原因として考えられる変形性膝関節症などの膝疾患の根本治療を目指す「再生医療」が注目されています。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて炎症抑制や傷ついた組織の再生・修復を促す治療法です。
以下の動画では、変形性膝関節症が再生医療によって改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。
「膝の痛みを早く何とかしたい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
目次
膝の痛みが治らない原因【5選】
膝の痛みが治らない原因は、以下の通りです。
膝の痛みが長引く背景には、年齢による変化が影響している場合もあります。
加齢とともに筋力が低下し、軟骨がすり減って痛みが出やすくなるためです。
以下の記事では、40代以降で膝が痛くなる理由や対処法をまとめているので参考にしてください。
膝周辺の強い炎症
膝の痛みが続く原因のひとつに、膝周辺の強い炎症が挙げられます。
歩いたり曲げ伸ばしを繰り返したりするうちに、軟骨の細かな破片が関節の内側を覆う「滑膜(かつまく)」に触れて刺激となり、腫れや熱を伴うことがあります。
滑膜が炎症を起こすきっかけは、以下の通りです。
- 半月板や軟骨に傷がある
- スポーツや長時間の歩行など、膝に負担が集中する生活
- 加齢に伴う血流の低下
- 靭帯のゆるみ
炎症が疑われるときは、患部を冷やして熱を和らげたり、鎮痛薬や抗炎症薬で症状を抑えたりする方法が用いられます。
無理に動かし続けると悪化しやすいため、痛みが強い日は休息をとることが大切です。
膝に水が溜まっている
膝に水が溜まっている状態(関節水腫)は、膝関節の内部で炎症が起きているサインです。
炎症によって関節液が通常より多くつくられ関節内に溜まることで、膝が張ったように感じたり曲げ伸ばしがしにくくなったりします。
痛みだけでなく、動作の制限が出て日常生活にも影響が及ぶことがあります。
水が溜まった際の治療として、注射器で関節液を抜く処置(関節穿刺)が一般的です。
しかし、あくまで溜まった水を取り除くための処置です。
根本にある炎症や疾患が改善しなければ再び水が溜まってしまうため、原因に応じた治療が欠かせません。
膝周辺の筋力・柔軟性の不足
膝周辺の筋力・柔軟性不足は、痛みがなかなか治らない原因のひとつです。
膝は体重を支える重要な関節で、歩行や立ち座り、階段の上り下りなど日常の動作のたびに負荷が加わります。
太ももやお尻の筋肉が弱くなると膝が安定しにくくなり、関節軟骨や半月板にかかる負担が増えて炎症が長引くことがあります。
筋力低下・柔軟性不足のサインは、以下の通りです。
- 階段の上り下りがつらい
- 長距離を歩くと膝にだるさや痛みが出る
- 膝が不安定で、ぐらつきを感じる
- 膝がまっすぐ伸びない
トレーニングを行う際は、勢いをつけずにゆっくり行い、正しいフォームを意識しましょう。
呼吸を止めず、自然なリズムで続けることもポイントです。
痛みが強いときは無理をしないで、必要に応じて理学療法士や医師に相談しながら取り組みましょう。
関節に負荷のかかる生活習慣
日常の過ごし方によって膝へ強い負担がかかると、炎症が長引いて痛みが改善しにくくなる場合があります。
関節に負荷のかかる生活習慣の例は、以下の通りです。
- あぐらで座る、布団で寝るなど床中心の生活
- 長時間の歩行や立ちっぱなしの作業が多い
- 重い荷物を持って移動する
- 体重増加により、膝関節にかかる負担が大きくなっている
痛みが続く場合は無理な動作を避け、必要に応じて医療機関を受診しましょう。
疾患やケガの可能性
膝の痛みは、単に負荷がかかった結果の炎症だけでなく、背景に別の疾患が潜んでいることがあります。
代表的な疾患として、以下のようなものが挙げられます。
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 鵞足炎(がそくえん)
それぞれ原因や痛み方、必要となる治療が異なります。
早期に適切な治療を始めれば、症状の進行を防いで将来的な機能低下を抑えられます。
膝の痛みが続く・腫れが引かない・動かしにくいなどの症状がある場合は、無理を続けず早めに整形外科に相談しましょう。
膝の痛みが治らない原因として考えられる疾患・症状
膝の痛みが治らない原因として考えられる疾患・症状は、以下の通りです。
以下で、それぞれの症状について確認していきましょう。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで骨同士の負担が増し、痛みや腫れを生じる膝の疾患です。
50代以降の方※や女性、体重が重い方、膝を痛めた既往がある方、膝に負担のかかる動作が多い方※に変形性膝関節症が起こりやすいとされています。
※出典:WHO「変形性関節症」
※出典:日大医学会誌「変形性膝関節症診療ガイドライン2023の概説」
以下のような症状がある場合は、変形性膝関節症が進行している可能性があります。
- 歩き始めに膝がこわばる、動き出しにくい
- 階段の上り下りがつらい
- 正座やしゃがむ動作で痛みが強くなる
変形性膝関節症は自然に元どおりに回復することが難しく、放置すると痛みが慢性化し、生活動作に支障が出ることもあります。
症状が軽いうちに治療や生活の工夫を始めることで、進行を抑えることが期待できます。
以下の記事では、変形性膝関節症のステージ分類と進行度について解説しているので参考にしてください。
半月板損傷
半月板は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間で衝撃を吸収し、膝を安定させるクッションのような役割を持つ軟骨です。
半月板に傷や断裂が生じると、膝に痛みが出て不安定感や引っかかる感じを覚えることがあります。
スポーツによる急なひねりや衝撃、加齢や体重増加などが主な原因です。
以下の症状がある方は、半月板が損傷しているかもしれません。
- 曲げ伸ばしの際に引っかかるような感覚がある
- 関節が張るような腫れ・むくみ
- 膝をまっすぐ伸ばしにくい、伸ばすと痛む
損傷した半月板を放置すると関節内で炎症が続き、軟骨への負担が増えて将来的に変形性膝関節症に進行する恐れがあります。
早めに整形外科で検査を受け、必要な治療やリハビリを行うことが痛みの改善と再発予防につながります。
以下の記事では、半月板損傷でやってはいけないことや日常生活での注意点について解説しているので参考にしてください。
鵞足炎
鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側の少し下にある腱の部分に炎症が起きることで、歩行や運動の際に痛みが生じる疾患です。
ランニングや跳躍動作など、膝を繰り返し使うスポーツをしている方に多くみられます。
鵞足炎の主な症状は、以下の通りです。
- 膝のお皿の内側から数センチ下あたりが痛む
- 押したときに鋭い痛みが走る
- 階段の上り下りで症状が強くなる
以下の記事では、鵞足炎の症状や原因、治療法などについて解説しているので参考にしてください。
膝の痛みが病院に行っても治らないときの対処法
膝の痛みが病院に行っても治らないときの対処法は、以下の通りです。
自己流でケアを続けると、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。
適切な対処法を次の項目で押さえておきましょう。
また、膝の痛みに根本から向き合う選択肢として再生医療についても解説しますので、今後のケアや治療方針を決める際のヒントとしてご活用ください。
生活習慣を見直す
膝の痛みがなかなか治らない背景には、日々の過ごし方が影響していることがあります。
膝関節は体重を支えながら動くため、繰り返し負荷がかかる生活を続けていると炎症が続きやすくなり、症状が長引く原因になります。
膝への負担を減らすために、次のような習慣改善が効果的です。
- 椅子やベッド中心の生活に切り替える
- 長距離の歩行や立ちっぱなしの作業は控え、こまめに休憩を入れる
- 体重が増えている場合は、食事や生活リズムを整えて減量を目指す
- 杖や手すりを活用する
生活習慣の小さな工夫でも、膝関節への負担を減らせます。
痛みが続く場合は、無理のない範囲で生活を整えながら症状の改善を目指しましょう。
再生医療による治療を受ける
変形性膝関節症や半月板損傷など、膝の痛みが長引く原因として考えられる疾患に対しても、組織の損傷そのものにアプローチできる治療として再生医療が注目されています。
再生医療は、患者さま自身の血液や細胞を利用し、炎症を抑えたり傷んだ軟骨や半月板の修復を促したりする治療法です。
従来の治療では効果が続きにくかった慢性的な痛みが改善した例も報告されており、膝の不調が長引いている方にとって新しい選択といえます。
入院や手術が不要な点や、アレルギー・拒絶反応のリスクが比較的少ない点が特徴です。
膝の痛みがなかなか良くならない方や、将来的な悪化が心配な方は、ぜひ再生医療をご検討ください。
以下のページでは、再生医療によって変形性膝関節症の痛みが改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。
>再生医療によって変形性膝関節症の症状が改善した症例(50代女性)はこちら
再生医療について詳しく知りたいとお考えの方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
膝の痛みが治らないときは再生医療をご検討ください
膝の痛みが長引く背景には、軟骨のすり減りや炎症の慢性化、筋力低下など、単一の原因だけでは説明できない複合的な要因が関わっている場合があります。
膝の痛みが病院に行っても治らないときは、生活習慣を見直したり再生医療を検討したりしてみましょう。
自身の細胞や血液を利用して、炎症の鎮静化や組織の修復を目指す再生医療は、注射による治療のため身体への負担が比較的少なく、日常生活を続けながら取り組めます。
長引く膝の痛みにお悩みの方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設





















