• 腱板損傷

腱板断裂でやってはいけないこと4選|放置リスクと手術せずに治す方法を解説

腱板断裂 やってはいけないこと
公開日: 2025.10.31

腱板断裂とは、肩の関節を支える筋肉の腱が傷ついたり切れたりする病気で、腕を上げるときに強い痛みが出ます。

腱板断裂と診断された方や疑いがある方は、日常生活の中で肩に負担をかける動作を避けることが大切です。

適切に対処しないと症状が悪化し、最悪の場合は手術が必要になることもあります。

この記事では、腱板断裂でやってはいけない動作4選と、放置した場合のリスク、手術せずに治す方法を解説します。

肩の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。

また、現在リペアセルクリニックの公式LINEでは、手術をせずに腱板断裂の改善が期待できる再生医療に関する情報を発信しております。

ぜひご登録ください。

腱板断裂でやってはいけないこと4選

腱板断裂と診断された後は、症状を悪化させる動作を避けることが大切です。

とくに注意すべき動作は、以下の4つです。

これらの「やってはいけない動作」をチェックして、腱板への負担を減らしましょう。

腱板断裂の症状や原因について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

①頭上に腕を挙げる動作

頭よりも高い位置に腕を挙げる動作は、腱板に大きな負担がかかります。

とくに重い物を頭上に持ち上げたり、高い場所から物を下ろしたりする動作は避けてください。

具体的には以下のような動作が該当します。

  • 高い棚に物を置く、または取る動作
  • 洗濯物を物干し竿に干す動作
  • 電球の交換や天井の掃除
  • ボールを投げる動作

これらの動作をすると、傷ついた腱板にさらなる負担がかかり、痛みが強くなったり断裂の範囲が広がったりする可能性があります。

高い場所の作業が必要な場合は、踏み台を使用するか周囲の方に手伝ってもらいましょう。

②頭や首の後で腕を上下させる動作

頭や首の後ろで腕を動かす動作も、腱板に過度な負担をかけます。

この動作では肩を外側にひねる必要があり、傷ついた腱板をさらに傷つけてしまうリスクがあります。

日常生活では以下のような場面で注意が必要です。

  • 髪を洗ったり結んだりする動作
  • シャンプーやトリートメントを頭の後ろで塗る動作
  • エプロンの紐を首の後ろで結ぶ動作
  • 背中のファスナーを上げる動作

髪を洗う際は前かがみになる、着替えは前開きの服を選ぶなど、工夫して肩への負担を減らしましょう。

③重量物の持ち運び動作

重い物を持ち上げたり運んだりする動作は、腱板断裂を悪化させる大きな原因です。

とくに上半身の力だけで重い物を持ち上げる動作は、肩に集中的に負荷がかかります。

避けるべき動作には以下のようなものがあります。

  • 買い物袋を片手で持つ動作
  • ペットボトルのケースや米袋を運ぶ動作
  • 小さな子どもを抱っこする動作
  • 掃除機や段ボール箱を持ち上げる動作

重い物を運ぶ必要がある場合は、複数回に分けて少量ずつ運ぶ、カートやキャリーバッグを使う、両手で持つなどの工夫をしてください。

また、物を持ち上げる際は下半身の力を使い、肩だけに負担をかけないようにすることが大切です。

④肩を後方に回して行う動作

肩を後ろに回した状態で力を入れる動作も、腱板に大きな負担をかけます。

この姿勢では肩関節に過度なストレスがかかり、腱板が骨に挟まれることがあります。

注意が必要な動作は以下のとおりです。

  • 車の後部座席に手を伸ばして物を取る動作
  • 背中のかゆい部分を掻く動作
  • ズボンの後ろポケットに物を入れる、または取り出す動作
  • 後ろに手を回してリュックを背負う動作

これらの動作をする際は、体全体を動かして肩だけに負担をかけないようにしましょう。

物を取る場合は近づいてから取る、リュックは前で持ってから背負うなど、ちょっとした工夫で肩への負担を大きく減らせます。

日常生活の中でこれらの動作を完全に避けることは難しいかもしれませんが、できる限り意識して肩を守ることが早期回復につながります。

腱板断裂を放置するとどうなる?考えられるリスク

腱板断裂を放置することで考えられる主なリスクは、以下のとおりです。

  • 断裂の範囲が広がり、部分断裂から完全断裂へと進行する
  • 肩の可動域が狭くなり、腕が上がらなくなる
  • 夜間痛が強くなり、痛みで眠れなくなる
  • 肩の筋力が低下し、日常生活の動作が困難になる
  • 腱板が縮んでしまい、手術での修復が難しくなる

とくに注意が必要なのは、腱板断裂が自然に治ることはほとんどない点です。

時間が経つと炎症は落ち着くかもしれませんが、切れた腱がつながることはありません。

むしろ放置することで断裂部分が広がり、修復がより困難になります。

また、腱板断裂を長期間放置すると、肩の骨や軟骨にも影響が及び、人工関節手術が必要になることもあります。

肩の痛みや動かしにくさを感じたら、自己判断で放置せずに医療機関を受診することをおすすめします。

腱板断裂の主な治療法|手術せずに治せる?

腱板断裂の治療法には、大きく分けて保存療法、手術療法、再生医療の3つの選択肢があります。

保存療法は、手術をせずに症状の改善を目指す治療法です。

主に以下のような方法が用いられます。

  • 安静と固定
  • 消炎鎮痛剤や湿布による痛みの軽減
  • ステロイド注射による炎症の抑制
  • 理学療法士による運動療法やリハビリ

保存療法は部分断裂で痛みが軽度の場合や、高齢で手術のリスクが高い方に適しています。

手術療法は、断裂した腱を縫い合わせる根本的な治療法です。

関節鏡を使った低侵襲な手術が主流で、入院期間は数日から1週間程度ですが、術後は数カ月にわたるリハビリが必要です。

手術療法は比較的若く活動的な方や、保存療法で改善が見られない場合に選択されます。

しかし、手術には再断裂のリスクや、肩が固くなる関節拘縮などの合併症の可能性があります。

再生医療は、患者さま自身の細胞を使って組織の修復を促す先端医療です。手術せずに治療できる新しい選択肢として注目されています。

再生医療の特徴は以下のとおりです。

  • 患者さま自身の幹細胞・血液を注射で投与
  • 手術や入院が不要
  • 自分の細胞を使うため、拒絶反応のリスクが低い

再生医療は、手術を避けたい方や、仕事や家庭の事情で長期間の入院が難しい方に向いています。

ただし、すべての症例に適用できるわけではないため、専門医と相談して自分に合った治療法を選ぶことが重要です。

▼腱板損傷に対する再生医療について

腱板断裂でやってはいけないことに関するよくある質問

腱板断裂に関して、多くの方が疑問に感じるポイントを解説します。

正しい知識を身につけて、適切な対処法を実践しましょう。

腱板断裂(腱板損傷)は自然治癒する?

腱板断裂は基本的に自然治癒しません。

炎症による痛みは時間とともに落ち着くことがありますが、切れた腱が自然につながることはほとんどないとされています。

症状が軽くても、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。

腱板断裂の痛みを和らげる方法は?

腱板断裂の痛みを和らげるために日常生活でできる対処法は、以下のとおりです。

  • 痛む肩を下にして寝ないようにする
  • 三角巾で腕を固定して安静を保つ
  • 肩を冷やして炎症を抑える(急性期)
  • 痛みを引き起こす動作を避ける
  • 市販の消炎鎮痛剤や湿布を使用する

医療機関で痛みを和らげる方法としては、医師による消炎鎮痛剤の処方やステロイド注射があります。

腱板断裂の痛みを和らげるストレッチなど、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

腱板断裂の痛みには再生医療をご検討ください

腱板断裂は軽度であれば保存療法で痛みなどの症状が改善する可能性があります。

ただし、腱板が自然に回復するのは難しく、完全に断裂している場合や保存療法で改善が見られない場合には手術を検討します。

「手術は不安」「手術せずに腱板断裂を治したい」とお考えの方は、治療の選択肢として再生医療をご検討ください。

再生医療は手術や入院を必要としないため、早期回復を目指すことも可能です。

腱板損傷でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。

当院の再生医療による肩関節の症例はこちら

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設