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ストレスは脳梗塞の原因になる?発症リスクを高める理由と体に及ぼす悪影響を解説
- 日頃のストレスが、脳梗塞につながらないか不安な方も多いのではないでしょうか。
脳梗塞の主な原因として、高血圧などの生活習慣病が挙げられますが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。
本記事では、脳梗塞とストレスの関係性や、ストレスが体に及ぼす悪影響について詳しく解説します。
多くの脳梗塞の発症リスクは、生活習慣を改善することで予防できるものですが、近年の脳梗塞予防には再生医療という選択肢もあります。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、脳梗塞の再発予防や後遺症の改善につながる可能性がある治療法です。
以下の動画では、再生医療によって脳梗塞の後遺症が改善した症例を紹介していますので、併せて参考にしてください。
脳梗塞を含む脳卒中に対して実施している再生医療の症例は、こちらでも紹介しています。
目次
ストレスは脳梗塞の発症リスクを高める可能性あり
脳梗塞の主なリスク因子は高血圧であり、ストレスはその高血圧や生活習慣の悪化を通して間接的にリスクを高める可能性があります。
ストレスは以下のような影響によって、脳梗塞の発症リスクに関わることがあります。
以下では、ストレスによって生じる脳梗塞の発症リスクについてそれぞれ詳しく解説します。
血圧が上昇する
脳梗塞では血圧のコントロールが重要になりますが、ストレスはその血圧を上昇させやすくなる点が問題です。
過剰なストレスが続いてしまうと、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの分泌が高くなることで、血圧が上昇します。
慢性的な高血圧は、脳血管に負担をかける原因となるため、脳梗塞の発症リスクが高まる可能性があります。
ストレスを溜めないためにも、軽い運動や趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
動脈硬化が促進される
ストレスにより慢性的な高血圧が続くと、脳血管への過度な負担により動脈硬化が促進されて、脳梗塞のリスクが高まります。
ストレスを感じると自律神経の乱れにより、交感神経を刺激することで慢性的な高血圧や血糖値が上昇するため、注意が必要です。
動脈硬化が促進されないよう、食生活や生活習慣の見直しを行いましょう。
不健康な生活習慣を誘発する
ストレスによる肥満体型や、喫煙、過度な飲酒、塩分の多い食生活など、不健康な生活習慣は動脈硬化が進行して脳梗塞になる可能性があります。
このような不健康な生活習慣の場合、高血圧や糖尿病などを誘発するため、注意が必要です。
食生活の見直しや適度な運動を取り入れて、ストレスを減らし、不健康な生活習慣を見直すことで、脳梗塞予防につながります。
不整脈のリスクにつながる
慢性的なストレスは、自律神経の乱れにより心臓に負担がかかり、不整脈のリスクが高まります。
不整脈は心臓が小刻みに震える心房細動によるもので、心臓に血栓ができやすい状態となります。この血栓が脳に飛んで詰まった場合、脳梗塞の原因となります。
ストレスを軽減する方法や、塩分を控え適度な運動を行うなどの生活習慣の見直しが重要です。
脳梗塞以外にストレスが体に及ぼす悪影響
ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、生活習慣の乱れを通して高血圧や動脈硬化につながる点が問題となります。
脳梗塞以外にストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。
ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。
睡眠障害
睡眠障害は生活リズムの乱れを通して高血圧を悪化させ、結果的に脳梗塞リスクにもつながりやすい点に注意が必要です。
ストレスが体に与える悪影響には、以下のような睡眠障害があります。
| 不眠症 |
|
| 過眠症 | 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと |
| 睡眠時無呼吸症候群 | 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 |
| 概日リズム睡眠・覚醒障害群 | 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 |
睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。
睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。
喫煙
喫煙はストレスによる行動の一つとして現れますが、動脈硬化や高血圧を強く進めるため、脳梗塞の大きなリスク因子になります。
イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。
喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。
出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17
喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。
鬱(うつ)
鬱(うつ)により生活習慣が乱れると、血圧管理が難しくなり、高血圧・動脈硬化を通じて脳梗塞につながる可能性があります。
精神的ストレスや身体的ストレスにより脳がうまく働かず、一日中気分が落ち込み、何をしても楽しくならないことが特徴です。
鬱の原因ははっきりと分かっていませんが、進学や就職など生活環境の変化による精神的ストレスや身体的ストレスも原因の一つとされています。
脳梗塞予防のためのストレスを溜めない生活習慣
ストレス管理は脳梗塞そのものを直接防ぐわけではありませんが、血圧の安定や生活習慣の改善を通して、脳梗塞リスクを下げる重要な要素の一つです。
ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。
同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。
ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることは血圧を安定させ、高血圧が原因となる脳梗塞の予防にもつながります。
1日6〜8時間の睡眠時間を取ることや、就寝前のスマホの使用を控えるなど、昼夜のリズムを保ちながら体内時計を整えることも重要です。
適度な運動や、食生活も規則正しく行い、生活リズムを整えることで、脳梗塞のリスクが軽減できる可能性があります。
ストレス解消方法を見つける
脳梗塞を予防するためには以下のようなストレス解消法を見つけることが重要です。
- 運動する
- 自分の気持ちを書き出す
- 家族や友人に相談する
- 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など)
- ゆっくり入浴する
- 部屋の模様替えをする
運動や部屋の模様替えなどは、気分をリフレッシュでき、ストレス発散につながります。
また、ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。
ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法で気分をリフレッシュをして、脳梗塞のリスクを低減しましょう。
脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問
脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。
ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。
各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。
ストレスで脳梗塞になるのはなぜ?
ストレス単体で脳梗塞を起こすわけではなく、高血圧や動脈硬化を悪化させる「間接的な要因」として発症リスクを高めます。
ストレスを感じると自律神経の一種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。
交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。
もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。
脳梗塞になりやすい人の特徴は?
脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 心房細動
- 動脈硬化
- 運動不足
- ストレスを溜めやすい
- 遺伝
脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。
家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。
環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。
脳梗塞の一番の原因は?
脳梗塞の一番の原因は、高血圧です。
高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。
高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。
脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。
ストレス対策だけでなく、まずは血圧管理を軸に生活習慣全体を整えることが脳梗塞予防の基本です。
脳梗塞を予防するためにもストレス解消は重要
ストレス解消は脳梗塞の直接の予防ではありませんが、高血圧の悪化を防ぎ、生活習慣を整えるうえで役立つ重要な要素です。
間接的に脳梗塞の発症リスクを高めないように、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。
また、脳梗塞を発症してしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。
初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。
症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。
脳梗塞の再発予防や後遺症についてお悩みの方は、先端医療である「再生医療」という選択肢もあります。
以下のページでは、再生医療によって脳梗塞をはじめとする脳卒中の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。
>再生医療によって脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)が改善した症例はこちら
脳梗塞の再発予防や後遺症の改善を目的とした治療法について知りたい方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。
監修者
圓尾 知之
Tomoyuki Maruo
医師
略歴
2002年3月京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業
2002年4月医師免許取得
2002年4月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
2002年6月関西労災病院 脳神経外科 勤務
2003年6月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
2003年12月大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務
2004年6月大阪労災病院 脳神経外科 勤務
2005年11月大手前病院 脳神経外科 勤務
2007年12月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務
2012年3月大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)
2012年4月大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教
2014年4月大手前病院 脳神経外科 部長


















