前十字靭帯断裂がサッカー選手に多い理由は?放置するリスクや早期復帰を目指す治療法について解説
公開日: 2019.07.02更新日: 2025.04.30
前十字靭帯断裂は、サッカー選手に多いけがの1つです。
サッカーのプレイ中、不自然な体勢で転倒したときに、太ももとすねをつなぐ前十字靭帯が断裂してしまう場合があります。
今回は、前十字靭帯断裂がサッカー選手に起こりやすい理由や、症状を放置するリスクについて詳しく解説します。
プロのサッカー選手にも前十字靭帯断裂はたびたび見られ、復帰までに長期間の休養が必要になる場合もあります。
前十字靭帯断裂になった際は、早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
目次
前十字靭帯断裂がサッカー選手に多い理由
前十字靭帯断裂がサッカー選手に起こりやすい理由は、瞬発性を求められるスポーツで筋肉や腱、靭帯などを損傷しやすいためです。
サッカーのプレイ中に前十字靭帯断裂を引き起こす原因として、大きく2つに分類されます。
原因 | けがが想定されるシーン |
---|---|
ノンコンタクトインジュリー (相手との接触がなく発生するけが) |
・瞬時にステップをきる ・ヘディングの着地時に膝をひねる |
コンタクトインジュリー (接触プレイで発生するけが) |
・相手からタックルを受ける ・ボールを蹴る足が交差してぶつかる |
非接触の場合、瞬時にステップを切ったり、ヘディングの着地の際に膝をひねったりすると、太ももとすねをつなぐ前十字靭帯が断裂する恐れがあります。
また、サッカー中に相手からタックルを受けたり、ボールを蹴る足が交差したりする接触プレイでも断裂する恐れがあるため注意が必要です。
そもそも「前十字靭帯断裂」とは?
前十字靭帯断裂とは、膝関節のなかにある、太ももとすねの骨をつなぐ靭帯を断裂するけがです。
以下では、前十字靭帯断裂の主な症状や原因について解説します。
前十時靭帯は膝の安定性を保つ役割を担っており、損傷すると痛みや腫れ、歩行困難などの症状が現れます。
靭帯断裂は、回復までに時間がかかる傾向があり、サッカーへ早期復帰するために早くから適切な治療を受けることが重要です。
主な症状
前十字靭帯を断裂すると、以下の症状が現れます。
- 膝の激しい痛みや腫れ
- 膝のぐらつき、不安定感
- 膝の曲げ伸ばしが困難になる
- 歩行や階段昇降が困難になる
膝にある靭帯が断裂した際に、ブチっと切れる音(断裂音)が聞こえる場合もあります。
靭帯断裂の症状が現れたときは、すぐに競技をやめ、医療機関を受診しましょう。
主な原因
スポーツ選手の前十字靭帯断裂は、以下の動きが原因で起こる可能性があります。
- 急激な方向転換
- ジャンプの際の着地
- 急なストップ動作
- 相手との激しい接触
サッカー選手はプレーの際に、以上の動きを行うことが多く、前十字靭帯を断裂しやすいスポーツといえます。
前十字靭帯断裂を放置するリスク
前十字靭帯断裂を放置するリスクは、以下のとおりです。
- 膝崩れしやすくなる
- 症状が悪化し歩行が困難になる
- 関節軟骨や半月板の損傷リスクが上がる
膝関節のなかにある前十字靭帯が断裂し上手に機能しなくなれば、周囲の関節や筋肉系にも影響を及ぼします。
膝の負担が大きくなることで、膝軟骨がすり減って変形してしまう「変形性膝関節症」や「半月板損傷」のリスクが高まります。
歩行困難などの痛みまで症状が悪化すると、サッカーへの復帰が難しくなるだけでなく、日常生活にも支障をきたす恐れがあるため、早めに治療を受けることが重要です。
前十字靭帯断裂の主な治療方針
前十字靭帯断裂は症状の程度によって、以下のような流れで治療が進められます。
靭帯を断裂した可能性が高いときは、応急処置である「RICE処置」を行うことが大切です。
前十字靭帯断裂は自然治癒はしないため、多くの場合手術療法が選択されます。
術後は継続的なリハビリテーションを行い、日常生活やスポーツ活動への復帰を目指します。
治療の際は医師や理学療法士などの専門家の指示に従い、治療を受けながらサッカーへの復帰時期を検討しましょう。
急性期における処置
サッカー選手に多い前十字靭帯断裂は、「RICE処置」と呼ばれる急性期における処置が重要です。
- R:安静(Rest)
- I:冷却(Icing)
- C:圧迫(Compression)
- E:拳上(Elevation)
RICE処置は医療従事者でなくても行える応急処置です。
前十字靭帯断裂の可能性がある場合は、膝を無理に動かさないように、RICE処置を実施しましょう。
関節鏡視下手術
断裂した前十字靭帯を再建する治療方法に、関節鏡視下手術があります。
関節鏡視下前十字靭帯再建術は、患者様のほかの組織から採取した腱で前十字靭帯の代用靭帯を作る手術です。
術後は安静にする必要があるため、筋力が低下したり、可動域が制限されたりする場合があります。
術後すぐに無理をすると再断裂する可能性があるため、医師の指示に従ってリハビリを開始しましょう。
継続的なリハビリテーション
前十字靭帯断裂が起こったときは、術後の回復や再発予防のために、継続的なリハビリテーションが重要です。
術後安静の指示が解除されたら、リハビリテーションが段階的に開始されます。
最終目標がサッカーへの復帰である場合も、まずは日常生活動作のリハビリテーションから行います。
筋力をつける運動や膝関節の可動域を広げる訓練を継続的に行い、早期回復を目指しましょう。
前十字靭帯断裂の早期回復を目指すなら再生医療も選択肢の1つ
前十字靭帯断裂の早期回復を目指す場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。
再生医療は損傷した靭帯の修復・再生を促す治療法で、痛み症状の軽減に期待できます。
再生医療で前十字靭帯断裂を治療したい方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。
- 手術・入院不要で治療期間の大幅な短縮が期待できる
- 患者さまの細胞を用いるためアレルギーや拒絶反応のリスクが少ない
- 早期回復のために個々に合わせたリハビリを提供
再生医療では、体の持つ再生能力を活用し、損傷した前十字靭帯の修復・再生を促すため手術よりも治療期間が短いです。
また、患者様自身の細胞を利用する治療法のため、副作用のリスクが少ない点も強みといえます。。
前十字靭帯断裂でスポーツ活動への早期回復を目指したい方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。
【まとめ】前十字靭帯断裂からサッカーへの早期復帰を目指す方は当院へご相談ください
サッカーは急激な方向転換やストップ動作が多いスポーツで、前十字靭帯断裂のリスクが高いのが特徴です。
前十字靭帯断裂を治療せずに放置していると、症状が悪化したり、膝周囲の関節軟骨や半月板も損傷する恐れがあります。
症状が現れたときは応急処置を十分に行い、早期から治療を受けることが大切です。
前十字靭帯断裂からサッカーへの早期復帰を目指す方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
当院(リペアセルクリニック)では、スポーツ外傷の治療として、再生医療をご提供しています。
前十字靭帯断裂の再生医療について気になる点がある方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設