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変形性股関節症の初期症状・前兆は?病院に行くべきチェックリストと治療法を解説

股関節の痛みや違和感があるけど、「年齢のせい」「少し休めば良くなるから大丈夫」と考えて、放置している方も多いのではないでしょうか。
初期段階の変形性股関節症では、軽い痛みや違和感程度の症状ですが、放置すると症状が進行し、最終的には手術が必要になる場合もあります。
この記事では、変形性股関節症の初期症状や前兆、病院受診の判断基準について詳しく解説します。
股関節の痛みや動きにくさで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは「手術なしで根本的な改善が期待できる」再生医療に関する情報をLINEで発信しております。
変形性股関節症の改善症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。
目次
変形性股関節症の初期症状・前兆
変形性股関節症の初期症状を早期発見するために、以下の症状・前兆を知っておきましょう。
変形性股関節症は症状の進行がゆっくりなため、気づいたときには中期から末期になっていることも少なくありません。
これらの初期症状を理解して、早めの対処を心がけることが大切です。
股関節の一時的な痛み
変形性股関節症でよくみられる典型的な初期症状は、動き始めや立ち上がりに感じる一時的な痛みです。
- 朝起きたときの一歩目に足の付け根が痛む
- 椅子から立ち上がるときに股関節が痛い
- 歩き始めは痛いが、しばらく歩くと楽になる
- 運動後に股関節周りが重く感じる
- 階段の昇り降りで軽い痛みを感じる
これらの初期症状は動いているうちに痛みが和らぐため、「一時的なもの」と軽視してしまう方が多いのが特徴です。
痛みが軽減されるからといって放置せず、症状が続く場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
股関節の違和感
痛みとは異なる股関節周辺の違和感も変形性股関節症の重要な初期症状です。
- 股関節がこわばって動きにくい感覚がある
- 足の付け根に重だるさやつっぱり感がある
- 股関節を動かすとゴリゴリ・コキコキ音がする
- 股関節の可動域が以前より狭くなった感じがする
これらの違和感は、股関節の軟骨が少しずつすり減り、関節の動きが滑らかでなくなってきているために起こります。
関節から聞こえる音は、軟骨の表面が粗くなっていることを示している可能性があります。
注意深く経過を観察し、違和感が続く場合は医療機関を受診しましょう。
膝や腰にも痛みが生じる
変形性股関節症の初期症状として見逃されやすいのが、股関節以外の部位に現れる痛みです。
- 太ももの前側や外側に痛みやしびれが生じる
- お尻の奥がズキズキ痛む
- 膝の内側や外側に痛みを感じる
- 腰痛が以前より強くなった
股関節の動きが悪くなると、体は無意識に膝や腰でバランスを取ろうとします。
そのため、本来の問題である股関節を見逃してしまい、膝痛や腰痛の治療ばかりを続けてしまうケースが多いのです。
日常生活の動作に影響が出る
変形性股関節症が進行すると、日常生活の何気ない動作に支障が出始めることがあります。
- 靴下やズボンの着脱が以前より困難になった
- 正座や深くしゃがむ動作ができなくなった
- 椅子に深く腰掛けるのが辛い
- 段差を越えるのが困難になった
これらの変化は、股関節の可動域制限や筋力低下が原因で起こります。
研究によると、初期の変形性股関節症でも既に歩き方に変化が生じており、「骨盤が引けた状態」での歩行※になることが明らかになっています。
※出典:社団法人日本理学療法士協会「初期変形性股関節症患者の歩行解析」
無意識のうちに動作を変えて痛みを避けているため、「できないことが増えた」と感じる方は、すでに症状が進行している可能性があります。
家族や周囲の人から「歩き方が変わった」と指摘された場合も要注意です。
変形性股関節症の病院に行くべき症状チェックリスト
ご自身が変形性股関節症にあてはまるか、また医療機関の受診が必要なレベルかを判断するために、以下のチェックリストをご活用ください。
□ 歩くと体が左右に揺れる
□ ズボンや靴下が履きにくい
□ 段差を乗り越えにくい
□ 膝が常に重く感じる
□ 動き始めや歩き始めに脚の付け根が痛む
□ 運動をした後、脚の付け根やお尻の横が痛い
□ 寝返りを打つと脚の付け根が痛い
当てはまる項目が多くある場合、すでに変形性股関節症になっている、または今後発症する可能性があります。
初期症状の自覚がなくても、重症化を防ぐために、一度病院の診察を受けることが重要です。
変形性股関節症の初期段階でできる対策と予防方法
変形性股関節症の初期段階では、適切な対策により症状の進行を遅らせることができます。
以下の3つの方法を組み合わせて実践することが効果的です。
一度すり減った軟骨は自然に回復することはありませんが、これらの対策により股関節への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐことが期待できます。
生活習慣の改善
日常生活の中で股関節への負担を軽減する生活習慣の改善は、変形性股関節症の進行予防に重要な役割を果たします。
改善項目 | 具体的な方法 |
---|---|
体重管理 |
|
姿勢の改善 |
|
避けるべき動作 |
|
日常の工夫 |
|
とくに体重管理は重要で、体重が1kg増えると股関節にかかる負担は歩行時に約3倍になるといわれています。
無理な減量は必要ありませんが、適正体重を維持することで股関節への負担を大幅に軽減できます。
適度な筋トレやストレッチ
股関節周辺の筋肉を強化し、関節の可動域を維持することで、股関節への負担を分散し、症状の進行を遅らせる効果が期待できます。
運動の種類 | 具体的な方法 |
---|---|
股関節前面のストレッチ |
|
股関節周辺のストレッチ |
|
筋力トレーニング |
|
有酸素運動 |
|
運動を行う際は、痛みを我慢して無理をしないことが重要です。
軽い痛みであれば続けても構いませんが、強い痛みが生じた場合は中止し、医師に相談しましょう。
市販のサポーターや補助具の活用
市販のサポーターや補助具を適切に使用することで、股関節への負担を軽減し、日常生活を楽に過ごすことができます。
補助具の種類 | 効果と使用方法 |
---|---|
股関節サポーター |
|
歩行補助具 |
|
日常生活補助具 |
|
履物の工夫 |
|
補助具を使用する際の注意点として、依存しすぎると筋力が低下してしまう可能性があります。
痛みが強い時期や長距離歩行時など、必要な場面に限定して使用し、普段は自分の筋力で動くことを心がけましょう。
変形性股関節症を手術しないで治す再生医療の選択肢
変形性股関節症を手術しないで治すための治療として再生医療という選択肢があります。
手術に抵抗がある方や長期入院が困難な方に向けて、以下内容をご説明します。
手術が不安な方は、まず再生医療について詳しく知ることから始めましょう。
再生医療の治療法について
変形性股関節症の再生医療では、損傷した股関節に患者さまから採取・培養した幹細胞を注射します。
幹細胞が損傷した関節軟骨の修復・再生を促す治療法です。
初期や中期症状の段階で再生医療を受けると、重症化の防止を期待できるため、手術しなくても変形性股関節症を改善できる可能性があります。
- 手術に抵抗がある
- 家庭や仕事の都合で長期入院できない
- 現在の治療方法に疑問がある
- 体の負担が軽い治療方法を選びたい
再生医療の治療において重要なのは、早期に治療を受けることです。
関節の変形が進行しすぎる前の段階で治療を行うことで、より良い結果を期待できる場合があります。
リペアセルクリニックで再生医療を受けた方の症例
変形性股関節症にお悩みで再生医療を受けた方の症例をご紹介します。
【治療前の状態】
股関節の激しい痛みで病院を受診したところ、変形性股関節症と診断され手術を勧められました。
しかし手術を避けたいと考え、インターネットで調べた結果、再生医療という選択肢を知り、リペアセルクリニックでの治療を希望されました。
【治療前の症状】
- 足を動かすだけで激しい痛みを感じる
- 歩行が困難で歩き方が不自然になっていた
- ズボンを履くなど日常動作が困難
- 剣道で左足に体重をかけることができない
【治療後の改善】
再生医療を受けてから痛みが軽減され、股関節の可動域が著しく改善しました。
現在では日常生活のほとんどの動作が問題なくできるようになり、趣味の剣道でも左足に体重をかけられるまで改善されています。
また、歩行時も左足が前に出るようになり、自然な歩き方を取り戻すことができました。
患者さまは「今はある程度のことは何でもできる」と治療結果に満足されており、リハビリも継続して取り組まれています。
治療を検討される際は、ご自身の症状の程度や生活スタイル、治療に対するご希望などを総合的に考慮して、治療法を選択することが重要です。
リペアセルクリニックでは、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療計画を提案し、十分な説明とご相談の上で治療を進めております。
再生医療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。
変形性股関節症は初期症状を見逃さず早期治療が重要
変形性股関節症は初期段階では症状が軽く、見過ごしてしまいがちな疾患です。
しかし、早期発見・早期治療により症状の進行を遅らせることができるため、適切な知識を持って早めに対処することが大切です。
一度すり減った軟骨は自然に回復することはありませんが、初期段階であれば生活習慣の改善や適切な運動療法により、症状の悪化を防げます。
また、再生医療という新たな選択肢も登場しており、手術を避けたい方にとって希望となる治療法です。
股関節の痛みや違和感を感じたら、「年齢のせい」と諦めずに、まずは今回ご紹介したチェックリストで症状を確認してみてください。
当てはまる項目が多い場合は、早めに整形外科を受診し、専門医の診断を受けることをおすすめします。
当院リペアセルクリニックでは、変形性股関節症に対する再生医療について、患者さま一人ひとりの状態に応じた治療計画を提案しております。
再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」までお問い合わせください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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