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- 変形性股関節症
- 股関節
変形性股関節症を発症した場合に多くみられる症状とは 変形性股関節症になると、違和感や痛みなど何らかの症状が現れることが多いです。そして、生活の質を大きく下げる場合もあります。こちらでは「変形性股関節症」になるとどのような症状が出るのかについて解説します。 変形性股関節症で見られる症状 変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って、荷重により骨の変形をもたらす病気のことです。この変形性股関節症の症状で具体的に多いものには「股関節の痛み」があります。 その痛みについてご説明いたします。 1.症状が進むごとに痛みの出方が変化する 変形性股関節症が初期の段階において「立ち上がり」や、「歩き初め」に股関節に痛みを感じるといった症状が出ます。しかし、痛みは一時的なものであり、個人差はありますが、すぐに痛みが引くことが多いです。 症状が進んでくると次第に痛みの出方も強くなり、常に痛む「持続痛」や、夜寝ている間にも痛む「夜間痛」などの症状に発展する可能性があります。 症状が進むと起こる症状 ・持続痛 ・夜間痛 2.痛みによる日常生活への悪影響 変形性股関節症は、立ち上がりや歩き初めに痛みが生じやすいので、生活の中でさまざまな弊害をもたらす可能性があります。 例えば、「靴下の着脱が難しくなる」、「足の爪切りが難しくなる」、「階段の上り下りが難しくなる」、「長時間立っているのが辛くなる」そして「歩行に支障がでる」といった毎日のように行う動作にも悪影響が及びます。 変形性股関節症、日常生活での支障例 ・靴下の着脱が難しくなる ・足の爪切りが難しくなる ・階段の上り下りが難しくなる ・長時間立っているのが辛くなる ・歩行が難しくなる 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症は、初期の段階で痛みが軽度であれば保存的治療、進行が進んだ末期では外科的な治療(手術)が有効です。初期の段階では、運動療法や投薬治療などを行う保存的治療で症状の緩和と進行防止を行います。 保存的治療で十分な成果が出ない場合には、手術を選択する必要があります。手術は少なからずリスクがかかりますし、心身ともに負担を感じる人も多いです。ですから、変形性股関節症が疑われる症状を自覚したら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。 まとめ・変形性股関節症を発症した場合に多くみられる症状とは 変形性股関節症は、命にかかわるような病気ではありませんが、生活の質を大幅に低下させる可能性がある病気です。病気が進行するにしたがって症状も重くなり、治療も外科的手術が必要になりますので、早めに医療機関を受診し治療を始めることが望ましいです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
投稿日:2024.11.19 -
- 変形性股関節症
生活の質を落としかねない変形性股関節症、症状と知っておきたい治療法 年齢を重ねるにつれて変形性股関節症に悩む人が増えてきます。 足や股関節などに生じる異常は、毎日の生活にも大きく関わるため厄介ですよね。こちらでは、「変形性股関節症」という病気について、どんな病気なのか解説します。 股関節とは? 変形性股関節症は、名前にある通り「股関節」に発症する病気のことです。股関節とは、両足の付け根(鼠径部:そけいぶ)の関節のことであり、骨の表面には軟骨が存在して関節の動きを滑らかにしたり、衝撃を和らげています。 変形性股関節症とは? 変形性股関節症とは、股関節の軟骨が何らかの原因によってすり減り、骨を含めた関節が変形する病気のことです。また、関節を取り囲んでいる「滑膜」という部分に炎症が起こり、歩行などの際に違和感や痛みが生じたり、股関節の周囲が腫れたりします。 変形性股関節症の発症原因 変形性股関節症の70%以上が、加齢を除いた場合、先天性または怪我の後遺症によるものであるといわれています。具体的な変形性股関節症の発症原因は、以下のような内容が考えられます。 ●加齢によるもの ●先天性の股関節脱臼 ●先天的な股関節の変形 ●怪我の後遺症 変形性股関節症の症状 変形性股関節症を発症すると、以下の症状が発生する可能性があります。 ●股関節の痛み(症状が進むと持続痛や夜間痛が起こる) ●歩行障害 ●その他、日常生活における問題(靴下が履きにくくなる、足の爪が切りにくくなるなど) 変形性股関節症の診断 変形性股関節症の診断は、前述の症状がある場合にレントゲン写真を撮影して診断します。 初期の段階では股関節の変形などが認められますが、症状が進むと関節の隙間が狭くなり、軟骨下骨が硬化するなどの症状がみられるようになります。末期になると関節の周囲に「骨棘」という異常な組織が形成され、空洞が発生するなどの症状がみられるようになります。 また、荷重部の関節軟骨が消失して、軟骨下骨がむき出しになってしまうこともあります。 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症の治療法は、大きく分けると「保存的治療」と「手術治療」に分けられますが、新たに再生医療という先端医療が注目を集めています。手術も不要であるばかりか入院も不要という治療法です。 保存的治療は以下の内容を含みます。 ●生活指導(股関節への負荷を軽減する生活方法など) ●運動療法(股関節周囲の筋力訓練やストレッチなど) ●薬物療法(痛み止めなど) 手術治療は、以下の2つに分けられます。 ●骨切手術 ●人工股関節置換術 第三の選択肢 ●再生医療(幹細胞治療) ※手術を避けることができる ※入院不要 身体に優しい先端医療 https://youtu.be/Dlp-ggXtQp0?si=ycKpbr0eonp7ed8t まとめ・生活の質を落としかねない変形性股関節症、症状と知っておきたい治療法 変形性股関節症は、具体的な原因が存在しない(年齢によるもの)場合もありますので、症状を感じ取ったら早めに医療機関で診てもらうことをオススメします。命にかかわる可能性は薄いとはいえ、生活の質を大幅に低下させてしまうため、早めの対処が重要です。 以上、変形性股関節症の症状と治療法のアウトラインをご説明させて頂きました。変形性股関節症には再生医療という先端医療で治療する方法もあります。これは手術を行うことなく、自分の脂肪から幹細胞を抜き出し、数千倍から数億倍に培養して患部に注射で投与するものです。 手術や、入院も不要な新たな治療法として注目を浴びています。ただ再生医療は一般的な病院等では受けることができません。当院は、厚生労働省から認可を受け、多くの症例数を有するクリニックです。治療方法などご質問等はお気軽にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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「太ももの付け根が痛いときはどんな病気の可能性があるの?」 「太ももの付け根の痛みを治す方法を知りたい」 上記のようなお悩みを抱える読者の方に向けて、本記事では太ももの付け根が痛いときに考えられる病態について解説します。 また自分でできる痛みを抑える方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 太ももの付け根が痛い原因 太ももの付け根や股関節の付け根に痛みがある場合は、大きく以下の3つの問題が考えられます。 ・大腿骨や骨盤の骨自体に何か問題が起きている ・筋肉に異常が起きている ・何か病気が隠れている いずれも、股関節もしくは周囲が痛むと歩行に障害がでます。放っておくと日常生活に大きな支障をきたすため、早めに整形外科等の専門医に相談しましょう。 太ももの付け根が痛い原因の詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 太ももの付け根(股関節)について 太ももの付け根には、股関節が位置しています。 骨盤と大腿骨で構成される股関節は可動域が広く、さまざまな筋肉や神経・血管が近くを走行しています。股関節の代表的な筋肉でいうと、大殿筋や中殿筋などの臀部の筋肉、ハムストリングスと呼ばれる臀部から太ももの裏側にかけての筋肉などです。 また太ももの前面を覆っている大腿四頭筋や、恥骨から大腿部の内側に位置する内転筋などは、安定した歩行に欠かせない筋肉です。 神経には太い神経の坐骨神経、大腿部の前側を走行している大腿神経があります。血管も大腿動脈や大腿静脈など、血流量の多い血管が走行しています。鼠径部にはリンパ節があり、老廃物の代謝などに重要な器官です。 太ももの付け根(股関節)の基本的な動き 股関節は球関節であるため、さまざまな軸で動作を行います。伸展は臀部の筋肉やハムストリングスが主に筋力を発揮し、屈曲では大腿四頭筋や腹筋、深部にある腸腰筋などが筋力を発揮します。 外転の場合は臀部の筋肉が主動作筋として働き、内転は内転筋群が作用します。さらに外旋動作では臀部の深層にある梨状筋などが筋力を発揮し、内旋動作では中臀筋・小臀筋の前部線維が働きます。 太ももの付け根が痛む際に考えられる病態 考えられる病気として、ここでは9つご紹介していますが、単なる疲労だろうとの自己判断は禁物です。 顕著な疼痛症状が出た場合は早めに医療機関を受診しましょう。 1.筋肉疲労 筋肉疲労は長時間の作業や立ち仕事、スポーツなどが原因です。捻挫や打撲などの怪我ではなく、もちろん病気でもありません。しかし、臀部や股関節の筋肉が硬い場合や、足首や膝に痛みや不安を抱えている場合などは、太ももの付け根にダメージを蓄積する可能性が考えられます。 腸腰筋や大腿四頭筋に軽微な外力によるダメージが蓄積した結果、歩行時や立ち上がり時などの動作時に太ももの付け根が痛くなる場合があります。筋肉疲労の場合は治療よりも、安静にして疲労回復に努めましょう。 2.変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の関節面に位置している関節軟骨が少しずつすり減ってしまい、関節内で炎症と変形を起こしてしまう病態です。交通事故など一度の大きな衝撃によって変形性股関節症になるのではなく、日常生活を送る上での負担の積み重ねが、少しずつ変形性股関節症を作り上げていきます。 負担の蓄積が原因である以上、年齢と共に発生リスクが上がることは避けられません。保存療法によって股関節に負担をかけない動作を獲得していくほか、あまりにも日常生活に支障が出るようであれば、人工関節などの手術が考えられます。 変形性股関節症の詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 3.関節リウマチ 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、関節を自分の免疫力で攻撃してしまう病態です。本来であれば外から侵入してきた病原菌やウイルスに対して免疫力を発揮するはずの機構が、なんらかのエラーで自らの健康な細胞を攻撃してしまう原因不明の病気でもあります。 通常は四肢の末端部分の関節から少しずつ炎症や変形などの症状が出始め、全身の関節に痛みが起こります。そのため股関節の痛みが太ももの付け根の痛みとして感じられることもあるのです。 関節リウマチの詳細は以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。 4.大腿骨近位部骨折 大腿骨近位部骨折は、高齢者に多い骨折です。転倒などによって外力を受け、大腿骨頭に向かう大腿骨頸部で骨折してしまうこともあります。大腿骨頸部で骨折があると荷重で激痛を引き起こします。 大腿骨頸部骨折は関節内と関節外で重症度が異なる点が特徴です。関節内に骨折線がかかっている場合は、治療もより長期になります。場合によっては髄内釘などの手術が必要です。 年齢によっては、大腿骨近位部骨折から寝たきりになってしまう可能性もあるので、とくに骨粗鬆症がある方は注意しなければなりません。 5.大腿骨頭壊死症 大腿骨頭壊死症とは、大腿骨頭を栄養している大腿骨頭動脈がなんらかの原因で遮断されることによって起こる病態です。壊死によって変形した大腿骨頭に重心がかかり、太ももの付け根に痛みを感じます。大腿骨頭壊死症の原因は未だに不明であり、ほとんどが特発性です。 大腿骨頭壊死症のリスクを高める要因としては、アルコールの大量摂取が挙げられます。他にも治療などによるステロイドの使用歴が多いと、大腿骨頭壊死症のリスクを高めると言われています。 大腿骨頭壊死症は初期段階では、保存療法が可能です。しかし大腿骨頭は常に体重がかかる関節であるため変形も進みやすく、人工関節置換術の適応になる場合もあります。 6.腰椎椎間板ヘルニア 椎間板ヘルニアとは、脊柱の中を通っている脊髄や神経根が変形し、飛び出した椎間板によって圧迫される病態です。圧迫されている高位によっては太ももの付け根が痛む場合もあれば、下腿部で痛みが出ることもあります。 またヘルニアによって神経を圧迫している痛みに加え、筋緊張が強くなることによって走行している神経を絞扼してしまうケースも考えられます。 腰椎椎間板ヘルニアの原因は、長期間の負担の積み重なりです。 重い物を持つ仕事や長時間運転など、腰に負担を溜めやすい生活習慣がある方は腰椎椎間板ヘルニアを発症しやすいです。 治療としては、ブロック注射を含む保存療法によって筋緊張の緩和と股関節や腰椎の柔軟性を取り戻すことで症状の緩和を目指す方法があります。 それでも日常生活に大きな支障をきたしている場合は、手術も選択肢の1つです。しかし手術したからといって腰椎椎間板ヘルニアの痛みが100%消える保証はなく、別の高位で再発するケースもあります。 7.脊柱管狭窄症 脊柱管狭窄症は、脊柱の不良姿勢や脊柱管内の変形によって神経や血管を圧迫してしまう病態です。腰に慢性的に負担がかかると脊柱管狭窄症の発生リスクを高めます。脊柱管狭窄症になってしまうと、太ももの付け根や足の先で神経的な痛みが起こります。 最も特徴的な症状は間欠性跛行です。間欠性跛行は一定の時間歩くと痛みやしびれで下肢に力が入りにくくなります。一定の時間休めば回復しますが、安静時でも腰や下肢が痛いケースもあり、坐骨神経痛を伴うことも多いです。 脊柱管を狭窄している原因が姿勢不良などのマルアライメントなら、姿勢の改善や骨盤矯正によって症状を改善できます。しかし場合によっては手術も選択肢に入ります。 8.鼠径ヘルニア 鼠径ヘルニアは別名「脱腸」とも呼ばれ、主に小腸が鼠径部から皮下に飛び出してしまう病態です。鼠径部に筋膜が脆弱な部分があり、腹圧が高まることでそこから内臓が出てきてしまいます。 原因はほとんどが先天的な要因ですが、年齢と共に筋力が落ちるため鼠径ヘルニアの発生リスクが高まります。飛び出してきた小腸が嵌頓してしまい、徒手整復でも元に戻らなくなってしまった場合は、早急に手術が必要です。 嵌頓している組織が壊死を起こしてしまうと、重篤な状態になりかねません。鼠径ヘルニアは太ももの付け根に痛みが出るだけでなく、体表からでも膨らみを確認できます。 9.リンパ節炎 リンパ節炎とは、1つまたは複数のリンパ節に感染が起き発症する病態です。 鼠径部にはリンパ節が位置していますが、ウイルス感染などで炎症を起こしてしまうと、太ももの付け根に痛みが出ます。 また全身性エリテマトーデスのような自己免疫疾患でも、リンパ節の腫脹を認めることがあります。 太ももの付け根が痛くなった時の対処法 太ももの付け根が痛くなったときの有効な対処法をご紹介していきます。 安静にする 荷重をなるべくしないように気を付け安静にして痛みが治まるのであれば、筋肉疲労や保存療法で十分改善できます。 股関節は常に荷重されている関節なので、負担も溜まりやすいです。 腰や股関節のストレッチをする 腰から来ている神経を圧迫していて太ももの付け根に痛みが出ているのであれば、ストレッチで痛みが緩和される場合があります。腰の屈曲や伸展のストレッチをしてみて、痛みが憎悪しないか確認してみてください。 牽引によってストレッチ効果を出すのも有効なので、鉄棒などにつかまってぶら下がるだけでも痛みが緩和されます。 また股関節はとくに臀部のストレッチが有効です。坐骨神経痛や梨状筋症候群などの症状で太ももの付け根が痛い場合は、大殿筋や中殿筋といった臀部の緊張が取れるだけでもかなり変化します。 温める お風呂などで温めると痛みが軽減されるケースもあります。とくに股関節の前側には太い血管が通っており、血流が悪くなるだけでもしびれや痛みが出やすい部分です。 血流が悪いと下肢の疲労も抜けにくく、冷えやむくみも出やすくなります。太ももを温めて、痛みを和らげましょう。 太ももの付け根が痛い方からよくある質問 太ももの付け根が痛い方からよくある質問は、以下のとおりです。 ・内側の太もも付け根が痛い際に考えられる病態は? ・外側の太もも付け根が痛い際に考えられる病態は? それぞれに回答します。 内側の太もも付け根が痛い際に考えられる病態は? 上記はとくに女性に起こりやすい病態です。 外側の太もも付け根が痛い際に考えられる病態は? 外側の太ももが痛い場合は、周辺の筋肉や骨に関連している可能性が高いです。また腰や太ももの神経が影響している場合もあります。 改善しない太もも付け根の痛みは医療機関に相談しよう 太ももの付け根に痛みを感じたら、まずは本記事で解説した簡単なセルフケアで対処するのがおすすめです。もしセルフケアで痛みが変わらない場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。精査をしておきたいなら整形外科で、壊死など器質的な異常でない場合は接骨院や整骨院でも治療が可能です。 大阪で医療機関をお探しの方は、ぜひリペアセルクリニックをご検討ください。 リペアセルクリニックは「第二種・第三種再生医療提供計画」を厚生労働省に提出し受理された医療機関です。 当院では来院前の「メール相談」も受付けているので、遠慮なくご相談ください。 https://www.youtube.com/watch?v=o2ASEGbQ-R8&t=1s
投稿日:2024.11.19 -
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足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 足の付け根が痛くなる原因には、股関節や骨盤、脚自体に何か問題が起きているケースと、それ以外の病気などによるケースと様々です。 どちらも、転倒などでぶつけたり急な動作によって捻ったりして足の付け根が痛くなるということよりも、思い当たる原因がわからないことの方が多いです。今回は、足の付け根が痛くなる原因と、どのような治療方法があるのかご紹介していきます 足の付け根の痛みは股関節が原因であることが多い 足の付け根にあたる部分で最も問題が起きやすいのは、股関節です。股関節で炎症が起きていたり、何か病気があったりすれば痛みが出ることがあります。鼠径部の前側や、大腿骨の外側で痛みが起きるということもよくあることです。股関節の動きは意外と複雑で、屈曲や伸展などの単純な前後動作だけでなく、外転や内転、さらには外旋や内旋といった捻り動作も加わります。稼働する筋肉は、大殿筋や中殿筋といった臀部の大きな筋肉、大腿四頭筋やハムストリングスなど大腿部に付着する筋肉などが主です。股関節を動かす筋肉でも特徴的なのが、縫工筋や腸腰筋といった筋肉で、縫工筋は股関節の屈曲、外転、外旋という大部分の動作に関わります。腸腰筋は、股関節を直角以上に屈曲するときに稼働する筋肉なので、直角以上まで股関節を曲げた時に痛みが出る場合は腸腰筋の異常も疑われます。 足の付け根には血管と神経が通る 足の付け根の前側、いわゆる鼠径部では、太い血管と神経が走行しています。体表から触診する場合の指標となる大腿三角という部分に、大腿動脈、大腿静脈、大腿神経といういずれも太い組織が位置しています。大腿動脈の拍動は比較的強く、体表からでも拍動を触れることが出来ます。鼠径部を走行する大腿部の筋肉が緊張したり、股関節の動作で不具合を起こしたりして血管や神経を圧迫すれば、それで痛みが出ることもあります。さらに、大腿動脈や大腿静脈は下肢全体の血流を左右するので、そこの血流悪化が下肢全体のむくみや冷えにも大きく影響しています。 妊娠で足の付け根が痛くなることも 妊娠をしてある程度の週数が経過してくると、足の付け根で痛みが出るようになることがあります。胎児が大きくなってきて体も重くなり、単純に負荷が大きくなるから痛みが出るということもあるでしょう。また、出産の前後の時期になってくると、ホルモンの影響で骨盤周辺の靭帯などの軟部組織が緩くなってきます。その結果体の使い方が少し変わり、足の付け根や恥骨部分で痛みを発生させることがあるのです。さらに、お腹が大きくなってくるとどうしても骨盤が後ろに傾くような傾向になり、座位でも立位でも骨盤の前後のゆがみが目立つようにもなってきます。骨盤が後傾すると、股関節前側の筋肉も硬くなり、立ち上がったり歩いたりするたびに足の付け根で痛みを発生させることにも繋がります。これは出産後も同様で、妊娠中に身についた骨盤の傾きが残ることで、歩く時や動作の開始時に痛みを発生させるという不調も起こります。 足の付け根が痛くなる原因とは? 足の付け根が痛くなる原因として考えられることは何があるでしょうか。病気や整形外科的な疾患、単なる筋肉疲労など様々な可能性を探っていきます。 こちらも併せてご参照ください 筋肉への負担蓄積 捻挫や打撲、炎症とは違い単に股関節付近や腰の筋肉にダメージが蓄積してしまっていることで、足の付け根が痛くなることもあります。日常生活の中で股関節周辺に負担を溜め続け、ある日突然足の付け根となって現れてくることが多いので、自分の中で明確な原因が把握できないことが多いです。負担蓄積の原因としては、姿勢が悪く座位でも立位でも常に腰や骨盤周辺に過剰な負担がかかっていることが大きな要因です。特に骨盤の後傾や、ストレートネック、猫背といった身体の前後のバランスでゆがみが出ていると足の付け根でも痛みを発生させやすいです。骨盤の歪みが足の付け根の痛みに繋がることは想像しやすいと思いますが、上半身のゆがみが関連していることは意外でしょうか。例えば、猫背の場合、横から身体を見た時に常に頭の位置が少し前に出ている形になります。頭の主さは4kg以上あるので、重心が前に引っ張られないように骨盤を後ろに傾ける形でバランスを取ります。そうして出た全身のゆがみが足の付け根の痛みに繋がるのです。 治療方法 筋肉への負担を減らすことが最も有効な治療方法です。腰や大腿部の筋肉をマッサージ、ストレッチなどでほぐすことも大切です。しかし、多くの場合は体の使い方や姿勢など、マッサージだけでは改善できない原因が隠れています。筋肉をほぐすということだけでなく、背骨の歪みや骨盤の歪みを矯正して根本的な負担の原因を取り除くことが、最も大切な治療方法になります。精査しても特に病気などが無いのに足の付け根で痛みがある場合、股関節周辺だけを一生懸命治療しても良くなりません。視野を広げて改善方法を探っていくことが必要ですね。 変形性股関節症 股関節にある関節軟骨がすり減ってしまい、関節内で炎症を起こしてしまう病態です。歩行時など、動作をするときに足の付け根で痛みが出ます。年齢と共に荷重や筋緊張、姿勢や体の使い方などの影響で股関節の負担を溜めていき、少しずつ股関節の変形を起こしてしまいます。一度軟骨がすり減ってしまうと基本的には元には戻らず、なるべく痛みが出ないような体の使い方をリハビリで習得するか、股関節の人工関節置換術を行うことになります。生まれつきの形態である、臼蓋形成不全などがあると、変形性股関節症のリスクも高まります。 治療方法 根本的な治療方法となると、やはり人工関節置換術になります。しかし、人工物による関節なので、永久的に問題が起きないという保証はありません。現在では、だいたい20年が耐用年数と言われており、若い年代で股関節の人工関節置換術を行うことは稀です。手術を行うとしても、60代以降になることが多いです。それ以前の年代における変形性股関節症では、保存療法で痛みの出ない動作を獲得することを目指します。股関節を保護するために、臀部や大腿部の筋力強化が主です。エアロバイクを使うなど、なるべく股関節に負担をかけない形で筋力を強化していきます。 鼠径ヘルニア 内臓が鼠径部に飛び出してきてしまう病態のことです。鼠径部の上からふくらみを確認することが出来、痛みを伴うことがあります。鼠経ヘルニアで飛び出してしまう臓器は、ほとんどが小腸です。そのため、鼠経ヘルニアではなく脱腸という名前で呼ばれることも多いのが特徴です。鼠経ヘルニアになってしまう原因は、生まれつきの形態異常によってリスクが高いことがほとんどです。また、筋膜に損傷がある場合などは、鼠経ヘルニアを起こしやすいです。加齢と共に組織が脆弱化して鼠経ヘルニアを発症するケースもあります。喘息などで慢性的に咳が多い方など、腹圧が急激に強くなる機会が多い方は、鼠経ヘルニアを何度も繰り返してしまいます。特に立位の状態で鼠径部のふくらみや痛みを感じることが多く、仰向けなど横になると飛び出していた内臓が元に戻ることもあります。 治療方法 鼠経ヘルニアで飛び出してしまった臓器が、挟み込まれて元に戻らなくなってしまうこともあります。そうなれば、一刻も早く手術をする必要があります。挟み込まれて圧迫されることで血流が止まり、壊死してしまうことがあるからです。鼠経ヘルニアが根本から自然治癒することはほぼ無く、徒手的にヘルニアを戻すことで対応することもありますが、再発予防には手術が最も有効な手段です。子供で起こることもあり、鼠径部のふくらみや急に泣き出すなどの症状が繰り返されます。 腰部脊柱管狭窄症 脊柱の形態的な異常によって、脊髄や神経根を圧迫してしまう病態です。脊柱のゆがみや腫瘍など、何らかの原因で脊柱管が狭くなることによって起こります。神経と血管を圧迫するので、歩行を継続することが困難にもなります。神経や血管を圧迫することで症状が出るので、腰部を屈曲させるなどして脊柱の形を変えるだけで症状が緩解することも特徴です。腰部から派出する神経は下肢を支配しているので、脊柱管狭窄症によって足の付け根で痛みが出ることは十分あります。足の付け根から足趾まで、痛みや痺れをきたし、場合によっては両脚にでることもあります。最も特徴的な症状は間欠性跛行で、ある一定の距離を歩くと痛みやしびれが強くなり、少し休むと再び歩けるようになる症状です。 治療方法 手術の場合は、脊柱管狭窄症を起こしている部分を切開し、神経や血管の通り道を確保することになります。ただ、基本的には保存療法で行うことが一般的でもあります。ブロック注射や湿布、コルセットをつけて痛みの軽減や症状の予防に努めます。普段の体の使い方によって少しずつ脊柱管狭窄症の症状を悪化させていくという背景もあるので、背骨の歪みや骨盤の歪みを正して足の運び方を改善することも大切です。圧迫が出ない体の使い方が獲得できれば、症状がほとんど出ないように生活することも可能なのです。 関節リウマチ リウマチは自己免疫疾患の一つで、通常の免疫機能が異常な働きをすることによって症状が出ます。なぜ発症するのか原因は不明で、以前はほとんど治らないと言われてきました。しかし現代では、リウマチ症状がほとんど出ないように治療を行っていくことも可能になってきています。通常は病原菌やウイルスに対して攻撃を行う免疫細胞が、異常によって体の細胞を攻撃することによってリウマチ症状は起こります。全身のどの関節でも痛みや炎症が起こり得るので、足の付け根で痛みを発生させることもあります。ほとんどの場合は手先の関節で症状が出始めることが最初なので、リウマチによって足の付け根で痛みが出ている場合は、おそらく他の部位でも痛みを感じているはずです。 治療方法 基本は薬物療法です。抗リウマチ薬やステロイドを使用し、経過を観察します。病状が進むと関節破壊が起こってくるので、可動域を確保するために運動療法などでリハビリを行うことも大切です。それでも関節破壊が進んで変形が強くなってしまった場合は、人工関節など手術も視野に入ってきます。 大腿骨頭壊死症 大腿骨を栄養する血管が障害され、大腿骨が壊死してしまう病態です。原因が特定されないことが多く、突然症状を感じることがほとんどです。誘因の一つと言われているのがアルコール中毒の方や、ステロイドの多用です。大腿骨頭が壊死して変形してしまうので、荷重をしなくても動作で足の付け根の痛みを発生させます。 治療方法 保存療法で、痛みのない動作が再現できれば手術をしないケースもあります。しかし、日常生活を送る中で変形が進行していき、生活レベルが下がるようなら手術をする必要があります。人工関節を入れることも視野に入ってくるでしょう。 足の付け根の痛みには早く対処すべき ご紹介してきたように、足の付け根の痛みは単なる筋肉疲労だけでなく、手術が必要な症例がいくつもあります。痛みが長く続くようなら、できるだけ早く専門医に相談してください。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 https://youtu.be/o2ASEGbQ-R8?si=ExQEWCeDUSupKBYW 監修:リペアセルクリニック メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 関連記事 太ももの痛みに関連する記事はこちら 太ももの付け根が痛いときは股関節の異常?考えられる病態とは 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 足の裏の痛みに関連する記事はこちら 足の裏が痛いのは足底腱膜炎が原因か?治療法や予防法も確認 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ
投稿日:2024.11.19 -
- 股関節
股関節!人工股関節術後に注意!脱臼する可能性と、ならないために生活上の注意点 股関節に何らかの疾患を抱えてしまった場合、保存療法や関節鏡による手術でも改善が見込めない場合は人工関節に置換することが選択されます。人工股関節に置換すれば、早期から荷重をすることも出来ますし、左右の下肢の長さなど器質的な異常も改善することが出来ます。 そんな人工関節置換術について、どんな症状や疾患の場合に適応されるのかということや、手術後の生活を送る上での注意点などをご紹介していきます。 股関節は球関節に分類される 股関節の一番の特徴は、なんといっても常に荷重がある関節だということです。立位はもちろん、座位でも股関節には体重がかかります。股関節は骨盤の骨と大腿骨の骨で構成されており、関節の形で分類すると球関節に該当します。 球関節は運動の自由度が最も高い関節であり、様々な軸で関節を動かすことが可能です。股関節を前後に動かす屈曲や伸展という動作を筆頭に、左右に動かす外転や内転、下肢全体を捻る外旋や内旋といった動きは全て可能です。 関節包や関節唇で安定性を増している 股関節は荷重を大きく受ける球関節であるために、運動の自由度だけでなく安定性も求められる関節です。そのため、可動域の制限を最小限にとどめる範囲で関節包や関節唇が安定性を保っています。 関節包や関節唇は、股関節にはまり込んでいる大腿骨頭をしっかり覆うように位置していて、靭帯なども強固に付着しているため脱臼の頻度は少ないです。関節唇には神経も通っており、損傷すると痛みを発生します。 何らかの原因で大腿骨頭を取り囲む関節唇を損傷してしまうと、歩行や立ち上がりなど軽微な動作でも痛みを感じるようになってしまいます。 年齢と共に股関節疾患のリスクは上昇する 常に荷重がかかる関節であることも関係して、年齢を重ねると共に股関節関連の疾患を発症するリスクは上がっていきます。股関節の人工関節置換術など、大きな手術が適用になるケースは50代、60代以降の方に多いのが特徴です。 また、大腿骨頭から股関節の関節面に伸びている大腿骨頭靭帯には、血流が豊富に流れているという特徴があります。関節軟骨の代謝など、股関節を栄養する血管の血流が悪化することによっても、股関節の機能が低下する原因になってきます。 股関節の疾患から二次的な症状が多く発生する 股関節に痛みがあったり、違和感があったり、何らかの股関節疾患を発症することによって二次的な症状を多く発生させるという特徴もあります。人間はどこかに痛みが出ると無意識にそこをかばって行動するようになり、股関節の使い方がおかしくなったり骨盤や背骨が歪んだりすることもあるのです。 そこから腰痛や膝痛、周囲の筋肉の緊張が原因で起こる坐骨神経痛や梨状筋症候群など、様々な症状に繋がっていく可能性もあります。そういった二次的な症状が出てきた場合、股関節の疾患を改善するだけでは解決できないケースも出てくるのです。 股関節は人工関節置換術が選択される場合もある 疾患が起きた場合に手術が行われるケースは多々ありますが、股関節は人工関節置換術が選択される場合もある数少ない関節です。人工関節置換術は、基本的に膝関節か股関節に適応される外科的治療で、その他の治療方法が全く奏功しなかった場合に行われるケースが多いです。 股関節のその他の治療方法とは 保存療法 多くの整形外科的な股関節疾患に対しては、まず保存療法が行われます。内容は体重のかけかたや歩き方の指導、杖や車いすなど道具の使用方法といった生活指導が中心です。 その他臀部や大腿部の筋力トレーニング、エアロバイクを使用した運動療法、水中での運動療法などが主です。手術を行うよりもリスクが少ない治療方法ではありますが、大腿骨頭壊死症など股関節の変形が強く進行している場合には荷重することで悪化させてしまうケースも考えられます。 薬物療法 薬物療法は保存療法の一つと考えることも出来ます。基本的には痛み止めや炎症を抑えるための薬が処方されます。ただ、荷重関節であるために薬を処方しても痛みが長期間続くことも多く、長期の薬物の服用によって副作用を起こす恐れも否定できません。 薬を体内で処理するために腎臓に負担をかけたり、胃に負担をかけたりするので内臓の疾患に繋がってしまうかもしれません。薬物療法を行っている間も、主観的な痛みなどの感覚はもちろん、レントゲンやMRIなど客観的な評価でも治療の進行度を測る必要があります。 骨切り術 先天的な疾患でもある臼蓋形成不全によって股関節に痛みを発生させている場合、人工関節置換術ではなく骨切り術が選択されることがあります。臼蓋形成不全は、簡単に説明すると股関節が浅すぎるという器質的な問題がある疾患で、根本的には運動療法や薬物療法で解決することが難しい疾患です。 骨切り術は、股関節の大腿骨頭がはまり込む寛骨臼というくぼみを深く切り抜き、大腿骨頭を深くはまりやすくするための手術です。形態的な部分から改善できるため、股関節の痛みはもちろん、将来的な変形性膝関節症などを予防することにも繋がります。 人工股関節の手術が選択される症状とは 人工股関節の手術を選択されるケースは、日常生活にかなりの支障をきたしたり、他の保存療法でも治療が困難であったりする場合です。どんな症状から人工股関節の手術に踏み切る場合があるのか、ご紹介していきます。 変形性股関節症 股関節の中にある関節軟骨の変形によって、関節内で慢性的な炎症を起こしてしまっている症状です。何か一度の外力で急に股関節の軟骨が損傷して変形してしまうというよりも、日常生活の中で負担を積み重ねて少しずつ変形を進行させるケースの方が多いと言えます。 年齢と共に筋力が低下して股関節を支える力が無くなっていったり、姿勢が悪く股関節の動かし方が悪いせいで関節軟骨のすり減りを助長していたり、仕事の中で負担がかかることが多いなど理由は様々です。 一度変形してしまった関節軟骨は元には戻らないので、痛みが強く常に続いている場合などは人工股関節の手術が適応になります。人工股関節の手術以外で治療をするなら、股関節の運動療法、背骨や骨盤の矯正による荷重の改善などが有効です。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭から関節内に流れる大腿骨頭動脈の血流が断絶され、大腿骨頭の骨細胞が徐々に壊死していく疾患です。アルコール中毒や、ステロイドの使用歴など、大腿骨頭壊死症に繋がる原因はいくつか指摘されていますが、決定的な原因が解明できない症状でもあります。 そのため、大腿骨頭壊死症のほとんどが、原因不明の特発性と判断されているのです。大腿骨頭壊死症が見つかり次第すぐに人工股関節の手術が行われるわけではなく、経過観察されるケースもあります。壊死した骨が潰れるので、荷重がかかることによって痛みを生じます。 壊死した部分に負担をかけないような体の使い方ができたとしたら、手術を回避することも出来るのです。しかし、運動の自由度が高い関節であるため、大腿骨頭の破壊は時間と共に進んでいき、最終的には人工股関節の手術になることが多いでしょう。 関節リウマチ リウマチは自己免疫疾患とも呼ばれ、免疫が異常な動作を起こして体の健康な細胞を攻撃してしまう疾患です。手先など全身の関節で症状が出る可能性がありますが、股関節でもリウマチの症状を起こします。基本的には薬物療法で生活改善を試みることが多いですが、 著しい歩行時痛や歩行困難など、日常生活動作に大幅な支障をきたしている場合は人工股関節の手術になります。しかし、健康な組織を攻撃してしまうという疾患の特徴ゆえに、リウマチが進行しすぎると人工股関節の手術さえできなくなることもあります。 もし人工股関節の手術を視野に入れるなら、比較的早い段階で決断することが必要な場合もあるのです。 人工股関節の手術は年齢によっても変わる 一般的には、人工股関節の手術をするのは60代以降の年齢になります。日常生活の具合や、症状の程度、運動習慣などを加味して50代や40代で行われるケースもありますが、基本的には高齢になってから行うものです。 というのも、人工股関節にも耐用年数があるからです。近年では技術の向上によって人工股関節の耐久も上がってきましたが、それでも20年くらいが1つの目安と言われています。もちろん股関節の使い方や、生活レベルによっても大きく左右されます。 使えば使うほど摩耗していくことは当然なので、人工股関節の手術後にもスポーツや旅行などを楽しみたいという場合は、筋力を取り戻すリハビリも長期間にわたって行う必要があるわけです。 人工股関節の手術後に日常生活で注意すること 人工関節の手術をした後は、股関節に余計な負担をかけないように注意しなければならない点もいくつかあります。 脱臼肢位を避ける 人工股関節の手術後に最も怖いのは、脱臼してしまうことです。これも、近年では手術の技術や人工股関節の精度も高まり、心配は少しずつ軽減されてはいます。しかし、脱臼しやすい肢位を取ってしまうと、通常の股関節に比べて脱臼しやすい状態であることには変わりありません。 股関節が深く屈曲するような体勢や、あぐらのように過度な外線外転肢位になると、脱臼のリスクが高まります。これらの動作は意外と日常生活の中でも頻繁に起こる姿勢で、例えばお風呂の低い椅子に座るなどすると股関節が深く曲がり込みます。 床に座って前かがみになって靴下を履くときもそうです。正座をしたまま遠くの物を取ろうとした時も、股関節の屈曲が強くなります。意識していないとやりがちな体勢なので、人工股関節の手術後は注意を払いましょう。 また、人工股関節の手術をした足を軸にして片足で立ち、高いところに手を伸ばすなどの姿勢も危険です。今度は股関節に伸展力が強く加わってしまうので、脱臼のリスクが高くなってしまうのです。とにかく、過度な屈曲伸展、外転や外旋などの動作を避けることです。 激しい運動を避ける よく言われるのが、スキーやサッカー、バレーボール、バスケットボール、野球など激しくジャンプや捻り動作を行うスポーツを避けるべきだということです。人工股関節が脱臼してしまうリスクがあるとともに、人工股関節の摩耗を早めてしまいます。 ただ、せっかく股関節の手術をしたのだから好きにスポーツを楽しみたいという考えもあります。その場合は動作を制限するなど、なるべく負担を軽減して楽しむことが大切です。運動すること自体は良いことなので、水中でのウォーキングや散歩など、人工股関節への負担が少ない活動を選ぶようにしましょう。 リハビリを長期間続ける 人工股関節の手術後は、筋力が低下しています。手術したことによって動作がしにくいということもありますが、人工股関節にしなければならないほどの症状を患っていたわけです。多くの場合は人工股関節に至るまでに、長年にわたって症状と向き合い続けてきています。 その間に日常生活が大きく制限されるほどの痛みを伴っていたのですから、当然筋力は大きく低下しています。何年もかけて低下した筋力を、短期間で取り戻すのは難しいです。 人工関節の手術後にどのくらいの生活レベルを目指すかにもよりますが、リハビリも長いスパンで計画を立てる必要があるわけです。 再生医療も発達してきている 今の日本では、再生医療をリードしようという動きもみられています。一度失ってしまった機能を、細胞移植によって再び取り戻そうという医学です。再生医療に関心のある方当院まで、ご遠慮なくお問い合わせ下さい。 監修:リペアセルクリニック大阪院 人工関節に関連する記事はこちら 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 足の付け根の痛みに関連する記事はこちら 足の付け根が痛い場合は手術が必要?考えられる病態とは 当院の治療についての考え方や再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2023.12.26