人工股関節でも介護の仕事を続けたい方が注意すべきことは
公開日: 2021.01.15更新日: 2025.07.31
「人工股関節の手術を受けたけれど、介護の仕事に戻れるのか不安」という悩みを抱える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
介護職は立ち仕事や中腰姿勢、持ち上げ動作など、股関節に負担がかかる場面が多いため、人工股関節への置き換え後は影響があります。
本記事では、人工股関節でも介護の仕事を続けられるのか?という疑問に対して、復帰できる可能性や注意点を詳しく解説します。
- 介護の仕事に復帰するまでの流れ
- 人工股関節の手術について
「人工股関節でも介護の仕事をできるのか知りたい」という悩みを抱えている方は、ぜひご覧ください。
目次
人工股関節でも介護の仕事はできる!【注意点あり】
人工股関節でも介護の仕事はできますが、複数の注意点があります。
日常生活と、仕事における注意点に分けて解説します。
日常における注意点
日常における注意点は、主に4つあります。
- 重労働や激しい運動は避ける
- 座るときは椅子を利用する
- 寝るときはベッドを使う
- 女性座り、とんび座りは避ける
激しい運動を行うと、人工股関節が脱臼する恐れがあります。
歯科で治療を受ける場合は、医師に人工関節であることを伝えてください。感染症予防のために、抗生物質を投与するケースがあります。
また、定期的に通院し、レントゲン検査で人工股関節の様子を確認しましょう。
介護の仕事における注意点
介護の仕事においては、以下の点に気を付けましょう。
- しゃがむ、かがむ動作に気を付ける
- 重度の介助者の入浴介助はひとりで行わない
- 重い物を持つ動作に注意する
- 全介助を必要とする方のトイレ介助や移動介助も人工股関節に負担がかかる可能性がある
重度の介助者の介助により、人工股関節に大きな負担がかかるケースがあります。
人工股関節の平均的な耐用年数は20年とされていますが、仕事内容や体重によって前後する可能性があるため、注意が必要です。
人工股関節の手術について|介護の仕事に復帰するまでの流れ
人工股関節の手術を受けた後に、仕事に復帰するまでの期間は業種によっても異なります。
介護職の方が仕事に復帰できるまでの期間について、詳しく解説します。
手術後の仕事復帰までの期間
座って行う仕事と立ち仕事で、復帰できる期間が異なる場合があります。
事務職 | 約2~4週 |
立ち仕事(半日) | 約4~6週 |
立ち仕事(1日) | 約6~8週 |
ドライバー | 約2~3カ月 |
激しい肉体労働 | 約3カ月~半年 |
介護職は激しい肉体労働にあたり、復帰までに約3カ月~半年かかるケースがあります。
しゃがむ、かがむ動作が多いため、摩擦や人工股関節のゆるみを防ぐために、身体になじませる必要があるからです。
他にも、個人の症状などによって復帰の期間が異なるため、具体的な期間については医師に相談してください。
早期復帰を目指すなら再生医療も選択肢のひとつ
股関節を人工股関節に置き換えると、手術前とほぼ同じように生活できるようになりますが、一方でデメリットもあります。
- 脱臼する可能性がある
- 長期的なリハビリが必要
- 耐久年数が決まっている
- 感染症のリスクがある
足を深く曲げたりあぐらをかいたりすると、人工股関節が脱臼する可能性があるため注意が必要です。
また、耐久年数が約20年のため、患者さまの年齢によっては再手術の必要があります。
しかし、再生医療という治療法なら脱臼やリハビリ、感染症のリスクがありません。
再生医療は、患者さまの脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復する方法です。
手術や入院を伴わず治療が完結するため、早期の仕事復帰が可能となります。
また、ご自身の細胞を活用する再生医療は、一般的な人工関節の手術と比較して、体への侵襲(しんしゅう)が少ない治療法とされています。
再生医療の治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひご確認ください。
人工股関節でも介護の仕事を続けたい方へ
人工股関節の場合は、激しい運動を避け、女性座りなどをしないように注意しましょう。
また、人工股関節で介護の仕事をしている方は、重度の介助者の介助はひとりで行わないようにしてください。重い物を持つ際にも注意が必要です。
人工股関節にならないためには、日常生活で股関節に負担をかける動作を避けることが大切です。適度な運動やストレッチを行い、股関節を鍛えましょう。
それでも股関節に痛みがある場合は、再生医療による治療を検討してはいかがでしょうか。
股関節の治療に関してお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師