半月板損傷を手術しないで治すには|早く治す方法と自然治癒しないか解説【医師監修】
公開日: 2020.06.18更新日: 2025.08.30
「半月板損傷と診断されたけれど、手術以外の治療法はないの?」「手術は避けて、別の方法で治療したい」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、半月板損傷を手術せずに治療する方法と、手術が必要なケース、さらに自然治癒の可能性について詳しく解説します。
半月板損傷でお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは半月板損傷に対する再生医療に関する情報をLINEで発信しております。
手術以外の治療選択肢として、半月板損傷に関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。
目次
軽度の半月板損傷を手術しないで治す4つの保存療法
軽度の半月板損傷で、手術を避けて症状の改善を目指す保存療法は、主に以下の4つです。
保存療法は、損傷した半月板を切らずに残し、症状の改善を目指す治療法です。
軽度の半月板損傷であれば、これらの治療を組み合わせることで症状の改善が期待できます。
物理療法
半月板損傷の手術しない治療法の一つに、温熱・寒冷による治療が挙げられます。
- 保冷剤や氷のうなどで冷やす:半月板損傷が起こった直後
- 蒸しタオルやお風呂で温める:慢性的に痛みを感じる場合
半月板損傷が起こった直後は、痛みや炎症が強い状態のため、患部を冷やして痛みや炎症の緩和を図ります。
炎症が落ち着いても慢性的な痛みがある場合は、患部を温めて血行を良くすることで痛みの緩和が期待できます。
症状に合わせて適切な処置を行いましょう。
薬物療法
半月板損傷の痛みや炎症に対しては薬物療法を行います。
主な治療内容は以下の通りです。
- 内服薬:炎症を抑える
- ステロイド注射:強い炎症を抑える強力な抗炎症剤
- ヒアルロン酸注射:膝の潤滑性を高める
薬物療法では、内服薬や外用薬で痛みや炎症を抑えるのが一般的です。
炎症が強い場合は、ステロイドを注射する場合があります。
また、膝関節の動きを良くするためにヒアルロン酸を注射するのも有効です。
運動療法
半月板損傷を手術しないで治すには、リハビリも重要です。
主なリハビリの内容を以下にまとめました。
- 膝関節の可動域の訓練
- 膝周辺のストレッチ
- 膝周辺の筋力トレーニング
- 有酸素運動
半月板損傷が起きた初期は安静が必要です。
しかし、安静期間が長いと関節が固くなったり筋力が落ちたりして、さらに膝関節に負荷をかける恐れがあります。
そのため、膝関節の筋力や柔軟性を向上させ、関節の動きを良くするリハビリを中心に行いましょう。
装具療法
装具療法は、膝関節を支えるサポーターや装具を使用して、膝への負担を軽減する治療法です。
以下の効果が期待できます。
- 膝サポーターで関節を安定させる
- 足底板(インソール)で膝への負担を分散
- 歩行補助具で体重をかける負担を軽減
これらの装具を症状や生活スタイルに合わせて適切に選択し、組み合わせることで、日常生活での膝の痛みを効果的に軽減できます。
半月板損傷で手術した方がいいケース
半月板損傷において、保存療法では改善が困難で手術を検討した方が良いケースがあります。
手術が必要な状況として以下の2つが挙げられます。
これらの症状がある場合は、適切な時期に手術を行うことで、長期的な膝の健康を保つことができます。
重度の断裂やロッキングなどの症状がある場合
半月板が大きく断裂している場合や、以下の症状が現れている場合は手術が必要になることがあります。
- ロッキング(膝が曲がらない、伸びない状態)が起こる
- 断裂した半月板の破片が関節内で動いている
- 膝に水が頻繁にたまり、痛みが強い
- 日常生活に大きな支障をきたす痛みがある
ロッキングは半月板の破片が関節に挟まって起こる症状で、放置すると関節軟骨の損傷が進行する可能性があります。
このような場合は、関節鏡視下手術で破片を取り除く治療が推奨されます。
保存療法で症状が改善しない場合
適切な保存療法を一定期間行っても症状が改善しない場合、手術を検討する必要があります。
- 3〜6ヶ月の保存療法で改善が見られない
- 痛みが徐々に悪化している
- スポーツや仕事への復帰が困難
- 膝の機能が著しく低下している
保存療法の効果は個人差がありますが、適切な期間治療を行っても症状が改善しない場合は、手術を検討します。
ただし、手術前には必ず医師と十分に相談し、リスクと効果を理解した上で決断することが大切です。
半月板損傷は自然治癒しない?放置するリスク
半月板は血流が乏しい組織のため、一度損傷すると自然に治ることはほとんどありません。
適切な治療を行わずに放置すると、さまざまなリスクが生じる可能性があります。
- ロッキング症状が悪化し、膝が動かなくなる
- 膝に水が頻繁にたまり、腫れや圧迫感が生じる
- 慢性的な痛みと腫れが続く
- 筋力低下により膝関節の安定性が失われる
早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、膝関節の機能を維持することができます。
症状を感じたら、まずは医療機関を受診して正確な診断を受けることが重要です。
重度の半月板損傷も手術せずに治療できる再生医療とは
再生医療は、重度の半月板損傷も手術せずに改善できる可能性がある治療法として注目されています。
以下の内容について解説します。
再生医療について理解し、治療の選択肢として検討してみましょう。
再生医療の特徴
半月板損傷に対する再生医療では「幹細胞治療」という治療を行います。
幹細胞治療は、さまざまな組織に変化する能力を持つ幹細胞を利用する治療法で、以下の特徴があります。
- 患者さま自身から採取・培養した幹細胞を注射や点滴で投与
- 幹細胞が持つ、他の細胞に変化する能力「分化能」を活用した治療法
- 患者さま自身の幹細胞を使用するため拒否反応のリスクが低い
- 手術・入院が不要なため、治療時間が短い
手術を避けて半月板損傷を治療したい方は、再生医療も治療の選択肢としてご検討ください。
半月板損傷の患者さまの症例をご紹介
実際に再生医療による半月板損傷の治療を受けた患者さまの症例をご紹介します。
再生医療による治療を受けたのは運動好きの患者さまで、整形外科では「手術しないと治らない」と診断された方です。
人工関節手術を勧められていましたが、手術を避けたいと考え、当院リペアセルクリニックの再生医療を受ける決断をされました。
再生医療による治療後、症状は徐々に改善し、現在では以下のような状態まで改善されています。
- 階段の昇降が楽にできるようになった
- 軽いランニングも問題なく行える
- 好きだった運動を再開できた
- 日常生活に支障がなくなった
整形外科で「手術しないと治らない」とされた半月板損傷でしたが、再生医療により日常生活動作の大幅な改善とスポーツ活動への復帰を実現した症例です。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
半月板損傷を手術しないで治す方法についてよくある質問
半月板損傷を手術しないで治す方法についてよくある質問を紹介します。
これらの疑問を解消して、適切な治療選択を行いましょう。
半月板損傷にヒアルロン酸は効く?
ヒアルロン酸注射は半月板損傷の保存療法の一つとして使用されており、一定の効果が期待できます。
- 関節内の潤滑性を向上させて膝の動きを滑らかにする
- 関節軟骨を保護する効果がある
- 炎症を抑制する作用も報告されている
- 効果は一時的で、定期的な注射が必要
ヒアルロン酸は膝関節の潤滑油としての役割を果たし、痛みの軽減に効果があります。
ただし、損傷した半月板を修復する効果はないため、症状の根本的な改善には限界があります。
軽度から中等度の症状に対して、他の保存療法と組み合わせて使用されることが多いです。
膝を手術しないとどうなる?
半月板損傷を手術せずに放置した場合の経過は、損傷の程度や個人の状況によって異なります。
- 軽度の損傷では保存療法により症状の改善が期待できる
- 重度の損傷では症状が悪化し、変形性膝関節症に進行する可能性がある
- ロッキング症状がある場合は関節軟骨の損傷が進行するリスクがある
- 適切な保存療法を行えば手術を避けられる症例も多い
重要なのは、症状や損傷の程度に応じて適切な治療を選択することです。
軽度の損傷であれば保存療法で十分な改善が期待できますが、重度の場合は手術や再生医療などの治療を検討する必要があります。
半月板損傷を手術せずに早く治す方法なら再生医療をご検討ください
半月板損傷を手術しないで治す方法として、物理療法、薬物療法、運動療法、装具療法の4つの保存療法があります。
軽度の損傷であれば、これらの治療法を組み合わせることで症状の改善が期待できます。
しかし、半月板は血流が乏しく自然治癒が困難な組織のため、保存療法だけでは限界がある場合もあります。
また、重度の断裂やロッキング症状がある場合は、手術が必要になることがあります。
手術を避けたい方や、保存療法で改善が見られない方には、再生医療という新しい選択肢があります。
患者さま自身の幹細胞を使用する治療法は、副作用のリスクが低く、手術・入院を必要としません。
半月板損傷でお悩みの方は、症状や生活スタイルに応じて最適な治療法を選択することが重要です。
手術以外の治療選択肢について詳しく知りたい方は、再生医療の専門医がいるリペアセルクリニックへお気軽にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設