石灰沈着性腱板炎の原因や症状とは?痛みを和らげる治療法について解説【医師監修】

公開日: 2020.05.15
更新日: 2025.08.30

夜間に突然現れる激しい肩の痛みに悩まされている方も多いのではないでしょうか。

このような症状は、石灰沈着性腱板炎が原因の可能性があります。

この記事では、石灰沈着性腱板炎の原因や症状、効果的な治療法を詳しく解説します。

肩の痛みに悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。

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石灰沈着性腱板炎とはどんな病気?

石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板にカルシウムが蓄積して石灰化し、炎症を引き起こすことで強い痛みや肩の動きの制限が起こる疾患です。

腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)で構成されており、肩の動きをサポートし安定させる重要な役割を担っています。

石灰沈着性腱板炎は突然強い痛みが現れ、とくに夜間に痛みが強くなって睡眠が妨げられることが特徴です。

また、痛みによって肩を動かすことが困難になり、腕を上げたり物を持つといった日常動作にも大きな支障をきたします。

40〜50代の女性に多く見られる疾患で、放置すると症状が慢性化して長引くこともあるため、早めの医療機関受診が重要です。

石灰沈着性腱板炎の症状

石灰沈着性腱板炎の症状は、以下の3つのタイプに分けられます。

タイプ 痛みが続く期間 主な症状
急性型 1週間から4週間程度
  • 急に激しく痛む
  • 夜間に痛みが強くなる
  • 関節を動かせない
亜急性型 1カ月から半年程度
  • 急性型のような症状が出たり
  • 症状が治まったりするのを繰り返す
慢性型 6カ月以上
  • 肩を動かすと引っかかるような感じがする
  • 腕を挙げると痛む
  • 後ろに手を回せない

急性型では突然の激痛により睡眠や仕事、家事がままならなくなることが多く、慢性型では洗髪・衣服の着脱・洗濯など日常動作が困難になります。

どのタイプも日常生活に大きな影響を与えるため、早期の対応が重要です。

石灰沈着性腱板炎の原因

石灰沈着性腱板炎の発症には、主な原因として以下の4つが考えられます。

それぞれの原因について見ていきましょう。

肩の使いすぎや継続的な負担

肩の継続的な負担は、石灰沈着性腱板炎の主な原因の一つです。

  • 猫背や前傾姿勢などの不良姿勢
  • 建設現場や引越し業者など重量物を持つ仕事
  • 野球やテニスなどの肩を酷使するスポーツ
  • 長時間のデスクワークによる肩こり

このような肩を酷使する環境が続くと、腱板に微細な損傷が繰り返し起こります。

損傷を修復する過程で石灰が沈着し、炎症を引き起こすことが石灰沈着性腱板炎の発症につながると考えられています。

加齢による修復機能の低下

石灰沈着性腱板炎は、加齢による修復機能の低下が原因となることがあります。

とくに40〜50代の方に多く見られるのは、加齢によって肩まわりの血流が悪くなり、組織を修復する機能が低下するためです。

年齢とともに腱板に石灰が沈着しやすくなる体質的な変化が起こると考えられています。

石灰沈着性腱板炎は、年齢とともに誰でも発症する可能性があるため、肩に痛みや違和感を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。

ホルモンバランスの変化

女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌低下も、石灰沈着性腱板炎の原因の一つです。

エストロゲンには、以下のような重要な働きがあります。

  • 損傷した筋肉や腱を修復する
  • 腱の柔軟性を保つ
  • 血中のカルシウム濃度を一定に保つ
  • 古い骨を壊す働きを抑制し、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ

更年期や閉経によってエストロゲンの分泌量が減少すると、肩の修復機能が低下し、体内のカルシウムバランスが崩れます。

これにより石灰沈着が起こりやすくなると考えられています。

日本人女性の平均閉経年齢は50.5歳とされており、50代以降の女性はとくに注意が必要です。
※出典:厚生労働省働く女性の心とからだの応援サイト「更年期」

カルシウムなどの栄養不足

カルシウムなどの栄養素が不足すると、石灰沈着性腱板炎の発症リスクが高まる可能性があります。

血液中のカルシウムが不足すると、体は骨からカルシウムを溶かして補おうとする働きがあります。

骨から溶け出したカルシウムが肩腱板に沈着する場合があると考えられています。

コンビニ食やファーストフード中心の食生活が続いている方は、栄養バランスを意識し、カルシウムを積極的に摂取するのが大切です。

カルシウムを多く含む食品は、以下の通りです。

食品分類 主な例
乳製品 牛乳、チーズ、ヨーグルト
大豆製品 豆腐、納豆
小魚 ししゃも、さくらえび
野菜 小松菜、切り干し大根

牛乳は他の食品に比べてカルシウムの吸収率が高く、効率よく摂取できます。

また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富なイワシやサンマ、しいたけなどと一緒に摂取するとより効果的です。

石灰沈着性腱板炎の主な治療法

石灰沈着性腱板炎には、主に以下の4つの治療法があります。

石灰沈着性腱板炎の治療には複数の選択肢があります。

症状の程度や患者さまの状態に応じ、適切な治療法を選択することが重要です。

薬物療法

薬物療法は、石灰沈着性腱板炎の痛みや炎症を抑える基本的な治療法です。

特徴は、以下のとおりです。

  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)による痛みと炎症の緩和
  • ステロイド注射による局所的な炎症抑制
  • ヒアルロン酸注射による関節の潤滑性改善
  • 吸引療法による石灰の直接除去(ミルク状の石灰の場合)

とくに急性期(発症後1〜4週間)では、安静と薬物療法による炎症・痛みの管理が重要です。

蓄積した石灰がミルク状で強い痛みを伴う場合は、注射針を用いて石灰を吸引する治療も行われます。

理学療法(リハビリテーション)

理学療法は、肩関節の動きを回復させ、再発を防ぐために重要な治療法です。

急性期の強い炎症が落ち着いた後に開始し、肩の可動域改善と筋力強化を段階的に行います

特徴は、以下のとおりです。

  • 可動域訓練による関節の動きの改善
  • ストレッチによる筋肉の柔軟性向上
  • 筋力トレーニングによる肩まわりの筋力強化
  • 温熱療法や電気療法による血流改善
  • 姿勢指導による再発予防

理学療法は継続することで効果が期待でき、日常生活動作の改善や再発予防にも重要な役割を果たします。

体外衝撃波治療

体外衝撃波治療は、体の外から衝撃波を照射して石灰の分解を促す治療法です。

この治療法は、皮膚を切らずに石灰に直接作用できるため、身体への負担が少ないのが特徴です。

硬くなった石灰を砕いて吸収されやすくし、痛みの軽減も期待できます

特徴は、以下のとおりです。

  • 外来通院での治療が可能
  • 麻酔が不要
  • 石灰の分解促進効果
  • 血流改善による治癒促進
  • 痛みの軽減効果

通常、週1回程度の治療を数回繰り返します。治療中に多少の痛みを感じることがありますが、多くの患者さまで症状の改善が期待できる治療法です。

手術療法

手術療法は、保存的治療で改善が見られない場合や、日常生活に大きな支障をきたしている場合に検討される治療法です。

主に関節鏡手術が用いられ、肩を小さく切開した箇所から小さなカメラや専用の器具を挿入し、腱板に沈着した石灰を直接取り除きます。

特徴は、以下のとおりです。

  • 低侵襲な関節鏡手術
  • 石灰の直接除去
  • 術後数週間程度での日常生活復帰
  • 傷口が小さく美容的にも優れる
  • 入院期間が短い

石灰が除去できた場合、術後の回復は比較的早く、多くの患者さまで良好な結果が得られます

ただし、石灰沈着性腱板炎は再発する可能性もあるため、術後も適切なリハビリと継続的なケアが重要です。

石灰沈着性腱板炎の改善に再生医療の選択肢

石灰沈着性腱板炎の新たな治療選択肢として、再生医療が注目されています。

再生医療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して患部に投与し、幹細胞が持つ「分化能」という他の細胞に変化する能力を活かした治療法です。

従来の治療では、保存療法で痛みが抑えられなくなった場合、手術療法しか選択肢がありませんでした。

しかし、医療技術の進歩によって、手術せずに痛みを改善できる可能性が出てきました。

再生医療は、点滴や注射などを使用するため入院や手術を必要とせず、身体への負担が少ないことが大きな特徴です。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。

患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療プランをご提案いたします。

肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

石灰沈着性腱板炎の原因や症状についてよくある質問

石灰沈着性腱板炎の原因や症状に関して、よくある質問を紹介します。

より多くの知識を付けて、石灰沈着性腱板炎の改善を目指しましょう。

石灰沈着性腱板炎の激痛はいつまで続く?

石灰沈着性腱板炎の激痛は、急性型であれば発症後1~4週間続くのが一般的です。

しかし、症状のタイプによっては1年以上かかる場合があります。

石灰沈着性腱板炎の症状は、次の3タイプに分類されます。

タイプ 症状が続く期間
急性型 突然の強い痛みが1~4週間続く
亜急性型 中等度の症状が1~6カ月続く
慢性型 運動時の痛みや引っかかるような違和感などが6カ月以上続く

石灰沈着性腱板炎は、自然に回復する場合もありますが、放置すると痛みが慢性的になったり、石灰が大きくなり症状が悪化したりする恐れがあります。

肩の激痛が続く場合は、レントゲン検査やCT検査で石灰沈着性腱板炎の診断ができる整形外科を受診しましょう。

石灰沈着性腱板炎の予防法は?

石灰沈着性腱板炎の予防には、日常生活での注意と適切な栄養摂取が重要です。

  • 肩の使いすぎを避ける
  • 正しい姿勢を心がける
  • 肩まわりの筋力トレーニングやストレッチを継続する
  • 栄養バランスの良い食事を心がける
  • 適度な運動による血流改善
  • 十分な睡眠と休息

とくに、カルシウム、ビタミンD、オメガ3脂肪酸などの栄養素を積極的に摂取することが予防に役立ちます。

外食やコンビニ食が多い方は、食事内容を見直してみましょう。

石灰沈着性腱板炎はどのくらいで治る?

石灰沈着性腱板炎の治癒期間は、症状のタイプと治療法によって大きく異なります。

急性型では適切な治療により1〜4週間で症状が軽減することが多いですが、慢性型では数ヶ月から1年以上かかる場合があります。

治療法 回復期間の目安
保存療法 急性型:1〜4週間
慢性型:数ヶ月〜1年以上
体外衝撃波治療 3〜6ヶ月程度
手術療法 術後数週間で日常生活復帰、完全回復まで3〜6ヶ月
再生医療 個人差はあるが、早期の改善が期待される

早期に適切な治療を開始することで、回復期間を短縮し、慢性化を防ぐことができます

石灰沈着性腱板炎になりやすい食べ物は?

直接的に石灰沈着性腱板炎を引き起こす特定の食べ物はありませんが、栄養バランスの偏りが発症リスクを高める可能性があります。

  • カルシウム不足を招く極端な乳製品制限
  • 加工食品やファーストフード中心の食生活
  • 野菜や魚類の不足
  • 過度なアルコール摂取
  • カフェインの過剰摂取

一方で、石灰沈着性腱板炎の予防に良いとされる栄養素は、以下の通りです。

栄養素 主な働き 豊富な食品
カルシウム 石灰の沈着を防ぐ 乳製品、豆腐、小魚、小松菜
ビタミンD カルシウムの吸収を助ける イワシ、サンマ、しいたけ
オメガ3脂肪酸 炎症を抑える サバ、イワシ、えごま油、くるみ

バランスの良い食事を心がけ、とくにカルシウムとビタミンDを意識して摂取することが重要です。

石灰沈着性腱板炎の痛みを和らげる方法は?

石灰沈着性腱板炎の痛みを和らげる方法には、医療機関での治療と自宅でできる対処法があります。

急性期の激痛には医療機関での適切な治療が最も重要ですが、以下の方法も痛みの軽減に役立ちます。

  • 三角巾やアームスリングによる肩の安静
  • 冷湿布やアイシングによる炎症の抑制
  • 市販の鎮痛剤の適切な使用
  • 無理のない範囲での軽いストレッチ
  • 正しい姿勢の維持
  • 十分な休息と睡眠

ただし、激痛が続く場合や症状が悪化する場合は、自己判断での対処は避け、必ず医療機関を受診してください。

適切な診断と治療により、より効果的な痛みの管理が可能です。

石灰沈着性腱板炎は手術せずに治せる?

石灰沈着性腱板炎の多くは、手術をしなくても治療できます。

実際に、大部分の患者さまは保存療法や体外衝撃波治療などの手術以外の治療法で症状の改善が期待できます。

手術が必要になるのは、保存的治療で効果が得られない場合や、石灰が大きくなった場合に限られます

  • 薬物療法による炎症・痛みの管理
  • 理学療法による機能回復
  • 体外衝撃波治療による石灰の分解
  • 注射療法による局所的な治療
  • 再生医療による組織修復の促進

近年の治療では再生医療という新たな選択肢も登場しており、手術を避けながら治療を受けられます。

石灰沈着性腱板炎の症状が疑われる場合は早期の医療機関受診が重要

石灰沈着性腱板炎は、肩の腱板に石灰が蓄積して炎症を起こし、強い痛みを引き起こす疾患です。

突然の激しい痛みや夜間の痛み、肩の動きの制限がある場合は、石灰沈着性腱板炎の可能性があります

石灰沈着性腱板炎は放置すると症状が悪化したり慢性化したりする恐れがあるため、肩の痛みや違和感を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

適切な診断と治療により、日常生活の質を改善し、痛みのない生活を取り戻すことができます。

「石灰沈着性腱板炎を早く治したい」「手術せずに肩の痛みを治療したい」という方は、先端医療である再生医療をご検討ください。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。

患者さま一人ひとりに適した治療プランを提案いたします。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設