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マラソンで免疫力が下がるって本当?体調を崩さないための対策を医師が解説

公開日: 2020.05.01
更新日: 2025.06.30

「マラソンを走った後、なぜか風邪をひきやすい」「大会後はいつも体がだるい」といった経験はありませんか?

マラソンは健康的なイメージがありますが、実は過度な運動によって一時的に免疫力が低下することがあるのです。

特にフルマラソンのような長時間・高負荷の運動では、体に強いストレスがかかり、感染症にかかりやすくなるオープンウィンドウと呼ばれる状態が生じると、医学的にも報告されています。

本記事では運動と免疫の関係について・マラソンを楽しみながら体調を崩さないための具体的な対策をわかりやすく解説します。

免疫力を守りながらパフォーマンスも維持するために、今日から実践できるセルフケアをチェックしていきましょう。

また体の内側から免疫機能を高めるアプローチとして、再生医療の免疫細胞療法という選択肢もあります。

この治療法の詳細や特徴については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでもご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご確認ください。

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【結論】マラソンは免疫力を低下させる可能性がある

マラソンのような長時間かつ高強度の運動は、一時的に免疫力を低下させることが運動免疫学の研究で明らかになっています。

運動と免疫の関係を表す「Jカーブモデル」によると、運動の強度に応じて免疫機能は以下のように変化します。

  • 軽度〜中程度の運動:免疫機能を高め、風邪や感染症のリスクを下げる
  • フルマラソンなど過度な運動:免疫が一時的に抑制され、感染リスクが上昇する
    ※参照:J-Stage「運動と免疫」

マラソンを完走した後の体内では、以下のような生理的変化が起こることも。

  • 唾液中IgA(免疫抗体)の低下
  • リンパ球・NK細胞の一時的な減少
  • ストレスホルモン(コルチゾール、アドレナリン)の急上昇
  • 炎症性サイトカインや活性酸素の増加

マラソンを走り終えた直後から数日間は、体内で免疫機能が一時的に低下する「オープンウィンドウ」と呼ばれる状態が生じ、特にレース後24〜72時間は風邪やインフルエンザなどの上気道感染症にかかりやすくなるのです。

このようにマラソンは体に大きなストレスを与えるため、一時的に感染症への防御力が弱まるリスクがあるのです。

ただし、この免疫力の低下は一時的なものであり、適切な対策によって予防・回復が可能です。

以下では、免疫力を下げないマラソン習慣と体調を崩さないための具体的な対策について解説していきます。

免疫力を下げないマラソン習慣とは?

マラソンを健康的に楽しみながら、免疫力の低下を防ぐには、以下のポイントを意識しましょう。

これらの習慣を意識することで、マラソンを継続しながらも、免疫力を維持・風邪や感染症にかかりにくい体づくりが可能になります。

練習強度と頻度を見直す

免疫力を下げずにマラソンを継続するには、過度なトレーニングを避け、計画的に負荷を調整することが大切です。

以下のようなトレーニング習慣には注意が必要です。

  • 毎日、高強度のトレーニングを行っている
  • 疲労を感じても休まず走っている
  • ロング走やインターバル走を週に複数回実施している

このような状態が続くと、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やリンパ球の数が減少し、感染症にかかりやすくなる可能性があります。

免疫を保ちながら走るための負荷の目安としては、以下を意識しましょう。

  • 週3〜4回の練習に抑え、1〜2日は休養日を設ける
  • 強度の高い練習(ロング走など)は週1〜2回までにとどめる

また疲労感をもとに運動の強さを判断できる指標として、「ボルグスケール(Borg Scale)」を活用するのもおすすめです。

ボルグスケール
※画像引用元:JSPO 日本スポーツ協会

ボルグスケール(RPE=主観的運動強度)とは、自分がどれだけきついと感じているかを数値で評価する方法で、数字が大きいほど運動がつらく感じられる状態を示します。

練習全体を振り返ったとき、「きつい:楽=7:3」程度のバランスになっていれば、免疫への負担を最小限にしながらトレーニングを継続できます。

レース後の十分な休息・睡眠

マラソン完走後は、体内で免疫機能が一時的に低下するオープンウィンドウ状態に入ります。

このタイミングで無理をしてしまうと、風邪やインフルエンザなどの感染症リスクが高まるため、レース後は以下のような習慣を意識しましょう。

  • レース当日と翌日は完全休養に充てる
  • 7〜9時間以上の睡眠を意識する
  • 日中に強い眠気がある場合は、20〜30分の仮眠を取り入れる
  • 就寝前は湯船に浸かる、照明を落とすなど、副交感神経を優位にする夜のルーティンを整える

走ることで鍛えるだけでなく、休むことで体を守るという視点も、マラソンを長く続けるためには欠かせません。

栄養補給をしっかり行う

マラソンを走り終えた直後の身体は、エネルギーと栄養素を大量に消耗した状態にあります。

このタイミングで適切な栄養補給を行わないと、筋肉の回復が遅れるだけでなく、免疫力の回復も遅れ、体調を崩すリスクが高まります。

食材の例に関しては、以下を参考にしてください。

栄養素 食材の例
ビタミンC・E キウイ、オレンジ、ブロッコリー、アーモンド、鮭、サバなど
亜鉛・鉄 牡蠣、豚レバー、牛肉、カシューナッツなど
たんぱく質 鶏むね肉、豆腐、納豆、ヨーグルト、卵、プロテインなど
発酵食品 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチなど

栄養補給の効果をに引き出すには、ゴールデンタイムとされているレース後30分以内の補給を意識しましょう。

バナナ・プロテインドリンク、おにぎり・ゆで卵などで補給するのが簡単かつ効果的です。

マラソンで免疫力を下げないためには食事・睡眠・練習管理がカギ!

マラソンで免疫力を下げないためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 練習強度と頻度を見直す
  • レース後の十分な休息・睡眠
  • 栄養補給をしっかり行う

マラソンを長く楽しむには、走力を過剰に鍛えるだけでなく回復力も鍛えるという意識も大切です。

免疫力を守りながら、無理をしない練習方法でマラソンを楽しみましょう。

日々のセルフケアに加えて、体の内側から免疫力を高める方法のひとつとして「免疫細胞療法」という選択肢もあります。

これはもともと体に備わっている免疫細胞の働きを強化する治療法で、副作用のリスクが低い点も特徴です。

「風邪をひきやすい」「慢性的な疲労が抜けない」「トレーニング中によく体調を崩す」といったお悩みがある方は、ぜひご検討ください。

この治療法については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも解説していますので、興味のある方はご覧ください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/公式LINE 画像

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長

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