五十肩を治すための治療法を紹介!主な原因や症状、再生医療による治療について解説
公開日: 2020.02.11更新日: 2025.04.30
肩の痛みで腕が上がらない、満足に眠れないとお悩みの方は、五十肩の可能性があります。
五十肩を治すには、症状に合わせた治療やリハビリが重要です。
今回の記事では五十肩の原因や症状、治療法について解説します。
また、通常の治療よりも2倍の速さで回復できる効果が期待できる再生医療も紹介しているので参考にしてみてください。
目次
そもそも五十肩とは?
五十肩とは、年齢を重ねることで肩の関節周辺に炎症が起こっている状態です。
正式な名称は肩関節周囲炎で、主に40~60代に発症します。
発症した年代によって四十肩や五十肩と呼ばれますが、症状に違いはありません。
主な症状は、肩や腕を動かした際に痛みを感じたり肩が上げにくくなったりします。
肩こりと症状が似ていますが、主な違いは以下の通りです。
- 五十肩:老化によって肩の関節周辺に炎症が起こり、腕を動かすと痛みが強まる。
- 肩こり:筋肉が緊張し血行が悪くなっている状態で、首を動かすと痛みが強まる。
五十肩は、時間の経過と共に治癒する場合もありますが、放置すると仕事や家事などの日常生活に差し障る恐れがあります。
五十肩(肩関節周囲炎)の原因
五十肩は、老化によって肩の筋肉や腱が硬くなり、「腱板」や「関節包」に炎症が起こっているのが原因です。
炎症が起こる主な部位について以下にまとめました。
- 肩腱板:肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉で、肩を安定する役割を持つ
- 関節包:関節の保護する袋状の組織で、関節の動きをなめらかにする役割を持つ
五十肩の詳しい原因は解明されていませんが、加齢だけでなく血行不良やホルモンバランスの乱れも影響していると考えられています。
五十肩(肩関節周囲炎)の症状
五十肩は、肩や肩甲骨周辺の筋肉や関節に炎症が起きる病気で、痛みで腕や肩を満足に動かせない場合があります。
この項目では、五十肩の症状について順番にみていきましょう。
五十肩の主な症状
五十肩は肩関節周囲に炎症が起こっているため、痛みによって腕を外側に回したり、肩を上げて水平に保つのが難しくなったりします。
そのため、円滑な日常生活を送りにくい場合があります。
以下では、五十肩の方が痛みを感じやすいシーンをまとめました。
- 肩より上の荷物を取る
- 髪を束ねる
- 洋服の着替え
- 頭を洗う
- 洗濯物を干す
また、五十肩を治療せずに放置していると、肩周辺の筋肉や組織などが委縮したり、夜も眠れないほどの痛みが出る可能性があります。
五十肩の症状経過
五十肩の症状は「急性期」「慢性期」「回復期」の3つに分けられます。
病期別の症状や有効な対策は、以下の通りです。
急性期 | 慢性期 | 回復期 | |
---|---|---|---|
時期の目安 | 痛みを感じ始めて1ヶ月程度 | 急性期明けから6ヶ月程度 | 発症後6ヶ月〜1年程度 |
症状 |
・肩の激しい痛み ・関節の可動域が急速に狭くなる |
・痛みは和らいでくる ・関節が固まり可動域が狭くなる |
・痛みはほとんどない状態 ・肩の引っかかり感が残る場合がある |
有効な対策 |
・安静にする ・患部を冷やす |
・無理のない範囲で肩のストレッチを行う ・患部を温める |
・肩の可動域を広げるリハビリを行う |
五十肩を治すには、病期や肩の状態に合わせて治療を受けるのが重要です。
五十肩は自然に治ることもありますが、長期間の放置はおすすめしません。
日常生活が不便になることに加えて、関節や組織が癒着してさらに動かしにくくなる恐れがあります。
自己判断せずに医療機関の受診を検討しましょう。
五十肩ではなく肩腱板断裂の可能性
症状が長期に渡ったり、肩の痛みがあるものの腕が上がる方は、五十肩ではなく肩腱板断裂の可能性を疑ってみましょう。
肩腱板断裂とは、肩と肩甲骨をつなぐ組織が断裂している疾患です。
五十肩との違いは、関節の動きが制限される症状が少ないことで、腕が上がらない状態にはなりづらいです。
肩を使う仕事やスポーツをしている人は注意しましょう。また、転んで手を付いた際にも発症する場合があります。
主な症状を下記にまとめました。
- 肩の痛みはあるが腕を上げられる
- 腕の上げ下げをするとゴリゴリと音がする
初期段階では、損傷した肩を三角巾などで固定し、患部の冷却や痛み止めの内服薬などの保存療法による治療を実施します。
保存療法で症状が改善しない場合は、損傷した組織を縫い付ける手術を行う場合があります。
肩腱板断裂については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
五十肩を治すには?主な治療方法について
五十肩を治すには放置せずに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。
この項目では、主な治療についてまとめました。
一般的な病院では取り扱っていない再生医療についてもまとめているので方の痛みにお悩みの方は参考にしてみてください。
運動療法を中心としたリハビリテーション
五十肩を治すには、運動療法を中心としたリハビリテーションが欠かせません。
五十肩には急性期、慢性期、回復期の3つの時期があり、症状によって必要なケアは異なります。
急性期は痛みが強い時期なので無理に肩を動かす必要はありませんが、慢性期以降は無理のない範囲で肩をストレッチします。
肩周辺の柔軟性や筋力を向上することで、症状や痛みの緩和が期待できます。
また、日常生活の注意点や寝る時の姿勢などの指導があります。
温熱・寒冷による物理療法
五十肩を治すには、温熱・寒冷による物理療法も効果的です。
痛みが強い場合は、氷のうやビニール袋に氷を入れてアイシングを行い炎症を抑えましょう。
炎症が落ち着いたら、患部を温めて血行を促進することで症状の緩和が期待できます。
医療機関では、ホットパックやマイクロ波などの機器を使用して温めます。
自宅では、お風呂にゆっくり浸かったり、蒸しタオルを使用したりしましょう。
再生医療による幹細胞治療・PRP療法
五十肩の早期回復を目指すのであれば再生医療による治療も検討してみましょう。
再生医療のPRP(多血小板血漿)は、血小板が持つ組織の修復を促進する働きを利用した治療法です。
自然治癒能力を高めるのに役立つため、五十肩の回復が期待できます。
PRP療法の特徴は、以下の通りです。
- 採血や注射での投与などの治療なので身体への負担が少ない
- 自分の血液から採取した血小板を使用するのでアレルギーなどの副作用リスクが少ない
- 自然治癒能力を高めるため、通常の治療より早く回復する見込みがある
五十肩の強い痛みにお悩みの方や、五十肩を放置してしまって治療が長引いている方はPRP療法による治療を検討しましょう。
また、五十肩ではなく肩鍵盤断裂の場合は、幹細胞治療が効果的です。
肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】五十肩を治すには肩の状態に応じた治療が重要!
五十肩を治すには、状態に合わせた治療やリハビリが必要です。
五十肩には3つの段階があり、回復するにはある程度の期間がかかります。
症状が重度になるほど回復するための期間も長くなってしまうので、症状が軽いうちに医療機関に相談しましょう。
五十肩の強い痛みで日常生活に支障が出ている方は、再生医療のPRP療法による治療も一つの選択肢です。
当院(リペアセルクリニック)では、PRP療法による治療をご提供しているので、お気軽にお問い合わせください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設