足首の靭帯損傷が完治するまでの期間を程度別で解説!
公開日: 2020.01.17更新日: 2025.07.31
足首の靭帯損傷が完治するまでの期間は、損傷の程度によって異なります。
サッカーやバスケットボールなどのスポーツ中だけでなく、日常生活の中でも、ちょっとした段差で足をひねるなどして起こりやすいのが足首の靭帯損傷です。
軽いケガだと思って放置してしまいやすいですが、実はリハビリを含めた適切な対応をしなければ、痛みが長引く、関節の不安定さが残ってしまうこともあります。
「まだ我慢できるから」「少し様子を見よう」とそのままにしてしまった結果、靭帯が緩んだまま慢性化したり、何度も捻挫を繰り返したりというケースも少なくありません。
そのため、「どのくらいで治るのか」「自分はどんな治療を受けるべきか」といった情報を早い段階で知っておくことが、再発や後遺症を防ぐためにも重要です。
本記事では、足首靭帯損傷の完治までにかかる期間や損傷の重症度に応じた治療・リハビリの流れについて、わかりやすく解説します。
目次
足首靭帯損傷の完治期間【程度別】
足首の靭帯損傷の程度別の完治期間は、以下のとおりです。
損傷の程度 | 完治期間(目安) | |
---|---|---|
軽度の靭帯損傷(Ⅰ度) | 靭帯が伸びる程度の損傷 | 2〜4週間程度 |
中度の靭帯損傷(Ⅱ度) | 靱帯の部分断裂 | 4〜8週間程度 |
重度の靭帯損傷(Ⅲ度) | 靱帯の完全断裂 | 3~6か月程度 |
靭帯損傷とは、いわゆる捻挫で、足首の捻挫は損傷の程度によって3段階に分類されます。
完治期間も程度ごとに異なり、症状が重くなればなるほど完治に時間がかかります。
仕事やスポーツに復帰したいがために自己判断で改善トレーニングを行うのは、症状の悪化につながるため危険です。
足首の靭帯損傷を早く治すには、医療機関を受診し、医師の指示に従うことが重要です。
足首靭帯損傷の症状
足首靭帯損傷の程度別の主な症状は、以下のとおりです。
損傷の程度 | 主な症状 |
---|---|
軽度の靭帯損傷(Ⅰ度) |
|
中度の靭帯損傷(Ⅱ度) |
|
重度の靭帯損傷(Ⅲ度) |
|
足首の靭帯を損傷すると、疼痛により動きが制限され、しゃがむ動作や歩行などがしにくくなります。患部を無理に動かした場合は、症状が悪化する恐れがあるため、症状が出現したら早期から治療を行うことが得策です。
足首損傷程度の治療内容
足首靭帯損傷の治療内容は、以下のとおりです。
損傷の程度 | 主な治療内容 |
---|---|
靭帯が伸びる程度の損傷(Ⅰ度) | アイシングとテーピングで安静処置 |
靱帯の部分断裂(Ⅱ度) | ギブスの固定処置 |
靱帯の完全断裂(Ⅲ度) | 手術 |
治療内容は、損傷の程度によって異なります。軽度(Ⅰ度)~中度(Ⅱ度)の場合は、固定による安静処置が基本となり、重度(Ⅲ度)の場合は手術を伴う可能性があります。
足首の靭帯損傷の大半は、2〜3週間程度で治療が完了するため、完治するまで安静に過ごすことが大切です。
慢性化した足首の靭帯損傷には再生医療も検討
以下のように足首の靭帯損傷がなかなか改善せず、長引く症状に悩んでいる方は、再生医療の導入を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
- 慢性的な症状で悩んでいる
- 治療を続けているのに痛みや不安定感が改善しない
- 一度よくなっても何度も同じ箇所を痛めてしまう
- 手術は避けたい
再生医療では、患者ご自身の幹細胞を活用し、傷んだ靭帯の修復や再生を促すことが可能で、従来よりも早い回復や後遺症・再発リスクの軽減が期待できます。
また足首の靭帯損傷はスポーツ中だけでなく、日常生活のちょっとした動きでも起こり、放置すると、関節の不安定感が長引いたり、歩行や階段昇降といった日常動作に支障をきたす恐れがあります。
当院(リペアセルクリニック)では早期復帰と再発予防の両立を目指し、スポーツ選手から一般の方まで、再生医療とリハビリを組み合わせた個別プログラムを提供。
「もう治らないかも」とあきらめる前に、まずは一度、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
また、当院の公式LINEでは実際の症例や再生医療の治療法についても紹介していますので、興味のある方はご覧ください。
足首靭帯損傷におけるリハビリ期間
足首靭帯損傷におけるリハビリ期間について、以下2つのポイントを確認しましょう。
症状の重症度によって異なりますが、足首の靭帯損傷は数カ月程度のリハビリ期間を要します。
時間をかけて適切なリハビリを行うことで、靭帯の修復を促進し、足首の機能を効果的に回復させます。
リハビリ期間中は、疼痛や腫れの程度を常に観察し、無理のない範囲で段階的に負荷をかけることが重要です。
初期段階で行うRICE処置について
足首の靭帯損傷の初期段階で行う対処法に、RICE処置があります。RICE処置とは以下の応急処置方法で、多くは受傷直後に実施されます。
R(Rest):休息
I(Ice):患部の冷却
C(Compress):患部の圧迫
E(Elevation):患部の挙上
初期の段階では、RICE処置を中心とした保存療法が行われます。受傷直後は過度な負荷を避け、腫れを軽減させることが目的です。
中期になると徐々に関節の可動域を広げるエクササイズや筋力トレーニング、バランス訓練を行っていきます。
足首の靭帯損傷でギプスが外れるまでの期間
足首の靭帯損傷でギプスが外れるまでの期間は、以下のとおりです。
損傷の程度 | 主な治療方法 | 固定具が外れるまでの期間 |
軽度の靭帯損傷(Ⅰ度) | テーピング・サポーター・弾性包帯 | 数日間 |
中度の靭帯損傷(Ⅱ度) | シーネ(添木)固定 | 数週間 |
重度の靭帯損傷(Ⅲ度) | ギプス固定 | 数週間 |
軽症の場合は数日間の患部固定で済みますが、中等症から重症の場合は完治までに数週間の期間を要するため注意が必要です。
足首に重度の靭帯損傷を負った場合は、ギプス固定が行われ、日常生活でも動きに制限がかかります。
固定具が外れたあとは、スポーツ復帰や日常生活行動の機能回復を目指し、より高度なトレーニングを実施します。
足首の靭帯損傷を治療せずに放置するとさまざまなリスクが増加
足首の靭帯損傷は、手術を含む適切な治療を受けずに放置すると、さまざまなリスクが増加する可能性があります。
足首の靭帯損傷を放置した場合は、以下のリスクが発生する恐れがあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。
- 慢性的に足首が不安定になる
- 繰り返しの捻挫を起こしやすくなる
- 変形性関節症の発症 ・二次的な障害の発生(ほかの部位に影響)
最も懸念されるのは、慢性的に足首が不安定になることです。適切に治療されなかった靭帯は、十分な強度で修復されず、足首が不安定な状態が続きます。
足首が不安定な状態が続くと、繰り返し捻挫を起こしやすくなるため注意が必要です。
同じ部位を繰り返し捻挫した場合は、靭帯損傷や周辺組織の損傷を引き起こす危険性が増加します。
不安定な足首関節に繰り返し負荷がかかることで、関節軟骨の摩耗が進み、早期に関節の変形や疼痛が生じる可能性があります。
長期的には、変形性関節症のリスクが高まるため早期から適切な治療を受けましょう。
足首の靭帯損傷を早く治す方法
足首の靭帯損傷を早く治す方法は、以下の3つです。
- 応急処置を十分に行う
- 固定具の長期使用を避ける
- 適切なリハビリを受ける
足首の靭帯損傷を放置すると、症状が悪化する可能性があるため、できるだけ早く医療機関を受診し適切な治療を受けてください。
受傷直後は自身でRICE処置を行い、症状の重症化を防ぎましょう。
医療機関を受診したあとは、固定具の使用やリハビリの実施などについて、医師の指示に従うことが大切です。
足首の靭帯損傷が完治する期間は2週間〜6カ月|慢性化が不安な方は再生医療という選択肢も
足首の靭帯損傷が完治するまでの期間は損傷の程度によって異なり、軽度なら2週間程度、重度であれば6カ月以上かかるケースもあります。
症状によって、完治するまでの期間や治療法が異なるため、まずは医療機関を受診し損傷の程度を確認しましょう。
ただし「繰り返し捻挫してしまう」「痛みや不安定感がなかなか取れない」といった症状がある場合、損傷が慢性化している可能性があり、一般的な保存療法(安静やリハビリ)では回復が難しいケースも少なくありません。
そのような場合の、ご自身の幹細胞などを用いて、靭帯の修復を内側から促す再生医療も治療の選択肢の一つとしてあります。
以下のようなお悩みを抱えている方は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。
- 何カ月も痛みや不安定感が改善せず、慢性化が心配な方
- できるだけ手術は避けたいと考えている方
- スポーツを再開したいが、再発リスクを減らして復帰したい方
- 保存療法やリハビリでは限界を感じている方
当院では、再生医療の専門医が症状やライフスタイルを踏まえた治療プランのご提供だけでなく、再発防止・早期回復を目指し、リハビリとの併用による包括的なサポートを行っています。
当院の公式LINEでも症例や治療法についてご紹介していますので、往来の治療法では改善が見られないという方や早期のスポーツ復帰を目指す方はぜひ一度ご確認ください。
足首の靭帯損傷に関するよくある質問
足首の靭帯損傷に関するよくある質問とその回答は、以下の通りです。
足首の靭帯損傷後、スポーツに復帰できるまでの期間の目安は?
足首の靭帯損傷後のスポーツ復帰までの目安となる期間は、以下の損傷の重症度によって異なります。
損傷の程度
|
完治期間(目安)
|
|
---|---|---|
軽度の靭帯損傷(Ⅰ度)
|
靭帯が伸びる程度の損傷
|
2〜4週間程度
|
中度の靭帯損傷(Ⅱ度)
|
靱帯の部分断裂
|
4〜8週間程度
|
重度の靭帯損傷(Ⅲ度)
|
靱帯の完全断裂
|
3~6か月程度
|
ただし、スポーツに復帰するタイミングは痛みの有無だけで判断せず、以下のように体の機能が十分に回復しているかを確認したうえで、段階的に復帰することが大切です。
- 関節の動き
- 筋力のバランス
- 腫れが引いているか
- バランスよく動けるかなど
例えば、「スターエクスカーションバランステスト」というバランステストは、けがの再発リスクや体のバランス能力を客観的にチェックできる方法で復帰のタイミングを見極める際に役立ちます。
※参照:群馬県理学療法士協会「Star Excursion Balance Test(SEBT)」
焦って復帰を急ぐと、再発や足首が不安定感が長引いてしまう可能性があるため注意しましょう。
足首の靭帯が伸びるとどうなる?
足首の靭帯が伸びると、以下のような症状が現れることがあります。
- 足首の不安定感(関節のゆるみ)
- 捻挫の再発
- 痛み・腫れ
- 可動域制限
- 筋力低下
一度伸びた靭帯は適切な治療を行わなければ元の状態に戻りにくく、そのままにしておくと軽い捻挫を繰り返す原因になるので注意しましょう。
損傷を放置したままリハビリも行わずに競技に復帰してしまうと、損傷が中等度〜重度への悪化や、慢性的な不安定感が残る可能性があります。
また不安定な関節を長期間使い続けると関節の軟骨に過度な負担がかかり、徐々にすり減っていき、将来的に関節が変形して強い痛みを伴う「変形性足関節症」へと進行するリスクも。
ただの捻挫と自己判断せず、早めに整形外科などを受診し、必要に応じて固定やリハビリを行うことが後遺症の予防につながります。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設