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足首靭帯損傷の後遺症|セルフチェック方法と治し方について解説【医師監修】

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公開日: 2020.01.06 更新日: 2025.10.31

足首の靭帯損傷の後遺症は、足首の不安定感や痛みの慢性化などを引き起こすことがあり、放置するとさらに悪化する可能性があります。

初期治療が不十分だった場合や、リハビリを途中でやめてしまった場合にも後遺症が出るケースがあるため注意が必要です。

この記事では、足首靭帯損傷後の代表的な後遺症やセルフチェック方法、治療法について解説します。

足首靭帯損傷の後遺症には、保存療法や手術療法のほか、再生医療といった新しい治療の選択肢もあります。

再生医療は、損傷した靭帯や軟部組織の回復を促すことを目的とした治療法で、スポーツ医療分野でも注目されています。

ただし、自由診療となるケースが多く、効果には個人差があるため、治療を検討する際は医師と十分に相談することが大切です。

再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。

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足首靭帯損傷で起こる後遺症

足首靭帯損傷で起こる後遺症は、以下のとおりです。

適切な治療やリハビリを行わなかった場合、上記のような後遺症が起こる可能性があります。

以下では、それぞれの症状について詳しく解説します。

足首の不安定感

足首の不安定感は「足関節不安定症」と呼ばれます。足首の捻挫を繰り返すことで、将来的に変形性足関節症へ進行する場合もあります。

靭帯には関節を安定感を保つ役割があり、足首靭帯損傷が完治していない状態でトレーニングを行うと、足関節の安定性が低下する可能性があります。

治療後はギプス固定や適切なリハビリテーションを行い、医師の指示があるまでトレーニングや競技などは行わないようにしましょう。

痛みの慢性化

痛みの慢性化は、関節の軟骨や周囲の組織が損傷している場合や、完治していない状態で負荷が続くことによって起こることがあります。

軟骨は関節のクッションのような役割を担っており、損傷すると痛みが慢性化するおそれがあるため注意が必要です。

痛みが続く場合は自己判断ではなく、早期の診療や適切なリハビリを行うようにしましょう。

関節の可動域制限(機能障害)

足首靭帯損傷による関節の可動域制限(機能障害)がみられる場合、怪我をした側と健康な側を比較し、可動域制限の程度に応じて、第8級7号、第10級11号、第12級7号に該当することがあります。
※出典:厚生労働省「障害等級表(労災保険給付)」

機能障害が認定される要件として、レントゲンやMRIによる画像などで器質的損傷を確認できることと、器質的損傷と可動域制限に医学的な相当因果関係が認められることなどがあります。

ただし、痛みやしびれなどが原因である神経症状により、可動域制限がある場合は認定対象外となるため注意が必要です。

二次的な損傷

足首靭帯損傷の二次的な損傷として、繰り返す捻挫や慢性的な痛み・しびれなどの神経症状がみられることがあります。

放置すると、将来的に変形性足関節症に進行する可能性もあるため注意が必要です。

また、炎症などが原因で足首の動きが制限されることにより、機能障害を発症する可能性もあるため注意が必要です。

繰り返しの捻挫や、痛みをあまり感じない場合でも、早期に医療機関を受診しましょう。

足首靭帯損傷の後遺症セルフチェック

足首靭帯損傷の後遺症は、治療後に適切なリハビリが行われなかった場合や、損傷の程度が重い場合に起こりやすくなります。

以下のセルフチェック項目を参考に、ご自身の症状に後遺症の兆候がないか確認してみましょう。

足首靭帯損傷の後遺症セルフチェック項目

  • 足首のぐらつきや不安定感がある
  • 長時間の立位や歩行後に足首が痛む
  • 足首にしびれや感覚の鈍さを感じる
  • 運動中や日常生活で捻挫を繰り返す
  • 足首の腫れやむくみが慢性的に続く
  • 足首を動かす際に痛みや引っかかり感を感じる
  • 足首の可動域が制限されていると感じる
  • 足首の関節部分に変形や違和感がある

上記の症状に当てはまる場合は、早めに整形外科などの医療機関を受診し、適切な検査やリハビリを受けましょう。

早期対応が後遺症の悪化を防ぐ鍵となります。

足首靭帯損傷の後遺症の治し方・対処法

足首靭帯損傷による後遺症の主な治療法と対処法は、以下の3つに分けられます。

足首靭帯損傷を放置すると、痛みの慢性化や変形性足関節症などを引き起こすおそれがあります。

従来の治療法である保存療法や手術療法に加え、入院を伴わずに実施できる先端医療の再生医療についても解説します。

保存療法・RICE処置

足首靭帯損傷直後は、RICE処置を行うことが重要です。

RICE処置とは

  • R 安静 (rest)
  • 患部を動かさないようにして安静に過ごします。
  • I 冷却 (ice)
  • タオルでくるんだ氷などで患部を冷やします。
  • C 圧迫 (compression)
  • 包帯などで患部を圧迫します。
  • E 挙上 (elevation)
  • クッションなどに足を乗せて、心臓よりも高い位置に足を置きます。

RICE処置は靭帯損傷の程度に応じて、数日〜1週間程度継続することが推奨されます。

軽度の靭帯損傷の場合は、可動域を回復させるための軽いストレッチや、足首周囲の筋力を高めるトレーニングなどの保存療法が行われます。

手術療法

足首靭帯損傷の後遺症で、痛みやぐらつきが長期間続く場合には、手術療法が検討されることがあります。

とくに、足首の靭帯が完全に断裂している場合や、保存療法で改善が見られない場合には、手術療法が有効な選択肢の一つとなります。

手術による治療では、損傷した靭帯を修復・再建し、関節の安定性を回復させることを目的としています。

また、手術後は医師や理学療法士の指導のもとで適切なリハビリを行うことで、靭帯の機能回復を促進し、後遺症のリスクを軽減できます。

再生医療

足首靭帯損傷の後遺症に対して、手術や入院を必要とせず早期回復を目指す再生医療という選択肢もあります。

再生医療は、患者さまご自身の細胞や血液を利用して組織の修復を促す治療法であり、靭帯損傷による後遺症の改善が期待できます。

患者さまご自身の細胞や血液を使用するため、拒絶反応やアレルギーなどのリスクが比較的少ないことも特徴の一つです。

「再生医療について詳しく知りたい」「手術せずに靭帯損傷を治したい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。

当院の再生医療による足関節の症例はこちら

足首靭帯損傷の後遺症についてよくある質問

本章では、足首靭帯損傷や捻挫の後遺症に関して、よく寄せられる質問とその回答を紹介します。

疑問を解消し、正しい知識を持って足首靭帯損傷の治療に臨みましょう。

足首の捻挫にサポーターは有効?

足首の捻挫に対するサポーターの活用は、一定の効果が期待できます。

サポーターは、足首の関節を安定させ、過度な関節の動きを防ぐ役割を果たします。

とくに、再発予防や運動時のサポートとして有用であり、捻挫の重症度や回復段階に応じて、医師や理学療法士の指導のもとで適切なサポーターを選ぶことが大切です。

ただし、長期間の使用は筋力低下を引き起こす可能性があるため、リハビリと併用しながら適切に活用することが大切です。

足首靭帯損傷の後遺症のリハビリ内容は?

足首靭帯損傷や捻挫の後遺症を改善するためのリハビリは、症状や回復段階に合わせて段階的に進められます。

主なリハビリ内容は、以下のとおりです。

足首靭帯損傷・捻挫の後遺症のリハビリ内容

1. 急性期

  • 患部を安静に保ち、アイシングで腫れや痛みを軽減する
  • サポーターやテーピングで足首を固定し、安定性を確保する

2. 回復期

  • 軽いストレッチや可動域を広げる運動を実施
  • 筋力を維持・向上させるトレーニング(足首周りの筋肉を重点的に)

スポーツへの復帰を目指す場合は、体幹トレーニングや運動の再開を始めていきます。

適切なリハビリを継続的に行うことで、足首の安定性を取り戻し、後遺症のリスクを抑えることが期待できます。

足首靭帯損傷の後遺症の放置は危険!適切な対応をしよう

足首の靭帯損傷は治療が不十分なまま競技を再開すると、痛みや関節のぐらつき、同じ箇所の捻挫などの後遺症を引き起こすおそれがあります。

痛みや腫れが引いても、靭帯の断裂や軟骨の損傷が完全に回復していない場合があります。

必ず専門医の指導のもとで、継続的に治療を行いましょう。

足首の靭帯損傷が慢性化した場合や、後遺症が出た場合には、幹細胞を用いた再生医療による治療をご検討ください。

再生医療は、スポーツ医療の分野でも注目されている先端的な医療技術で、アスリートをはじめとする多くの方の慢性化した症状の改善や、早期回復を目指す治療法です。

「再生医療について詳しく知りたい」「手術せずに靭帯損傷を治したい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設