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糖尿病網膜症の失明率はどれくらい?重症度別のリスクと失明を防ぐ治療法を解説

糖尿病網膜症は、日本国内で成人が途中で視力を失う中途失明の原因の上位を占める病気です。
初期段階では自覚症状がないまま進行しやすいため、失明のリスクについて不安を感じる方は少なくありません。
実際にどれくらいの割合で失明に至るのか、現状を正しく把握することが早期治療への第一歩です。
本記事では、糖尿病網膜症による失明率の現状や、重症度別における視力低下のリスクについて詳しく解説します。
適切なタイミングで必要な治療を受け、視力を維持するための知識として、ぜひ本記事の情報を参考にしてください。
なお、近年の糖尿病網膜症の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す治療で、糖尿病網膜症の症状改善も期待できます。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料相談を実施しております。ぜひお問い合わせください。
目次
糖尿病網膜症の失明率はどれくらい?
糖尿病網膜症による正確な失明率は一概に示せませんが、日本では年間3,000人もの方が失明している※という深刻なデータも存在します。
※出典:日本眼科医会「糖尿病網膜症」
また、重症な糖尿病網膜症になって失明したり、失明リスクのある患者さまは全糖尿病患者のうちの約20%と推定されているといった資料も確認されています。
現代の日本では、成人が途中で視力を失う原因として、糖尿病網膜症が上位に位置しており、深刻な事態を招きやすい疾患といえます。
中途失明の主要原因とされる背景
糖尿病網膜症は、日本の成人が途中で視力を失う中途失明の原因において、常に上位を占める深刻な病気です。
生活習慣の変化などで国内の糖尿病患者数が増加しており、それに伴って糖尿病網膜症を発症する割合も高い水準で推移しています。
初期の糖尿病網膜症であれば失明リスクは低いものの、視力低下などの自覚症状がないため、見え方に違和感を覚えた時にはすでに重症化しているケースも少なくありません。
早期に治療を受けずに放置してしまうことが、失明に至るケースを増やしている要因だと考えられます。
糖尿病の方は、自覚症状がないうちから定期的な眼底検査を受け、早期発見に努めることが失明リスクを抑えることにつながります。
糖尿病網膜症における重症度別の失明リスク
糖尿病網膜症による失明のリスクは、病状がどの段階まで進行しているかによって大きく異なります。
本章では、糖尿病網膜症の重症度別における失明リスクについて解説します。
それぞれの段階で視力にどのような影響が及ぶのか、詳しく見ていきましょう。
初期:単純網膜症の場合
初期段階の糖尿病網膜症である「単純網膜症」と呼ばれる病状では、すぐに失明に至るリスクは低い状態です。
この時期では、網膜の細い血管に小さな出血などが生じますが、視界がかすむといった直接的な影響はほぼありません。
しかし、自覚症状がないからといって放置すると、病状が進行する恐れがあります。
糖尿病の方は、早期から適切な血糖コントロールを続けることが、将来の失明リスクの増大を防ぐことにつながります。
中期:増殖前網膜症の場合
中期の糖尿病網膜症を意味する「増殖前網膜症」まで進行すると、網膜の血管が詰まり始めて酸素不足の領域が生じます。
この状態を放置すると末期へ移行しやすくなるため、失明リスクが高まる分かれ道の段階といえるでしょう。
初期と同様に視力低下などの自覚症状は少ない傾向にありますが、定期的な眼底検査と適切な処置が重要になります。
病状の悪化を食い止めるために、レーザー治療などの検討が必要になる場合があります。
末期:増殖網膜症の場合
末期まで進行した「増殖網膜症」は、失明する危険性が高い段階として位置づけられます。
酸素不足を補うために作られた新しい血管が破れ、眼底で出血を引き起こす恐れがあります。
さらに、牽引性網膜剥離などを合併することで、急激な視力低下を招くケースも少なくありません。
わずかな視力でも維持するためには、速やかに硝子体手術などの適切な眼科治療を受ける必要があります。
糖尿病網膜症による失明を防ぐための治療法
糖尿病網膜症による失明を防ぐためには、病状の進行度に応じた適切な治療をタイミングよく受けることが欠かせません。
本章では、大切な視力を守るために行われる主な4つの治療法について解説します。
それぞれの治療法がどのような目的で行われるのか、詳しく見ていきましょう。
血糖コントロール
糖尿病網膜症の進行を抑え、失明を防ぐための土台となるのが内科で行う「血糖コントロール」です。
初期の単純網膜症の段階では、眼科での直接的な治療よりも食事や運動による生活習慣の改善が優先されます。
主治医の指導のもとで適切な食事療法や運動療法を取り入れ、必要に応じて薬物治療を継続します。
日々の血糖値を適切な範囲内に保つことで、網膜の血管にかかる負担を減らして病状の悪化を食い止める効果が期待できます。
初期段階から根気よく血糖管理を続けることは、将来にわたって大切な視力を守り抜くための第一歩です。
レーザー光凝固術
レーザー光凝固術は、主に増殖前網膜症から増殖網膜症の段階において病状の進行を食い止める目的で行われます。
血流が悪くなって酸素不足に陥った網膜の周辺部分に対して、医療用のレーザーを照射して焼き固める治療法です。
酸素の必要量を意図的に減らすことで、もろくて破れやすい新生血管が新たに発生するのを未然に防ぐ効果が期待できます。
適切なタイミングでこの治療を受けることで、硝子体出血や網膜剥離といった深刻な合併症を引き起こすリスクを抑えられます。
抗VEGF薬治療(硝子体内注射)
抗VEGF薬治療は、網膜の中心にある黄斑にむくみが生じる黄斑浮腫などを改善するために行われる治療法です。
新生血管の増殖や血管から血液成分が漏れ出す原因となる、VEGFと呼ばれる物質の働きを抑える薬を使用します。
この薬剤を白目の部分から細い針を使って目の中へ直接注射することで、網膜のむくみを引かせて視力を維持します。
レーザー治療とは異なり視力の回復が期待できる場合も多く、近年では多くの医療機関で積極的に導入されています。
薬の効果は数か月から半年程度で切れてしまうケースが多いため、目の状態に合わせて複数回の注射を継続する必要があります。
硝子体手術
硝子体手術は、末期の増殖網膜症まで進行し、失明の危険が高まった際に行われる外科的治療です。
眼底の硝子体と呼ばれるゼリー状の組織に大量の出血が溜まった場合や、牽引性網膜剥離を起こしているケースで適応されます。
白目にごく小さな穴を開けて専用の細い器具を挿入し、目の中に溜まった濁った出血や増殖した膜を丁寧に取り除きます。
剥がれかけた網膜を元の正しい位置に戻すなど、失明を防いでわずかな視力でも残すための最終的な手段となる手術です。
高度な技術と専門的な医療機器を必要とするため、十分な設備が整った眼科施設で入院を伴って行われます。
糖尿病網膜症の失明率についてよくある質問
糖尿病網膜症による失明について、多くの方が抱く疑問を解消することは早期治療に取り組むために大切です。
本章では、失明率に関してよく寄せられる以下の2つの質問に回答します。
具体的な期間や人数に関する現状について、詳しく見ていきましょう。
糖尿病で失明するまで何年かかる?
糖尿病を発症してから網膜症が進行し、失明に至るまでの期間には個人差があります。
一般的には、糖尿病を発症してから網膜症が現れるまで数年から10年程度かかるとされています。病状が進行して失明の危機に陥るまでには、さらに数年を要するケースも少なくありません。
しかし、血糖コントロールの状態が悪いと、より短い期間で急速に悪化するリスクも考えられます。
自覚症状がないうちから定期的に眼底検査を受けて目の状態を把握しておくことが、適切な治療を受け、病状の進行を食い止めるための有効な対策となります。
糖尿病網膜症で失明する人は何人くらいいる?
日本国内において、糖尿病網膜症が原因で視力を失う方は、年間で約3,000人※に上るといわれています。
※出典:日本眼科医会「糖尿病網膜症」
糖尿病の患者数自体が増加傾向にあるため、網膜症を発症して重症化するリスクを抱える方も少なくありません。
初期は自覚症状がないことが多く、早期から必要な治療を受けられずに放置してしまうことが、失明に至るケースを増やす要因と考えられます。
糖尿病の方は、日々の血糖管理と定期的な眼底検査を受けることが、大切な目を守るための重要な取り組みとなります。
糖尿病網膜症による失明率を下げるには早期の対策が重要
糖尿病網膜症によって視力を失う事態を防ぐためには、自覚症状がない初期の段階から対策を始めることが重要です。
日々の食事や運動などの生活習慣を見直し、内科の指導のもとで適切な血糖コントロールを継続しましょう。
また、糖尿病の方は、見え方に違和感がなくても定期的に眼科で検査を受け、目の状態を正確に把握しておくことが視力を守ることにつながります。
万が一病状が進行していると診断された場合でも、早期に適切な治療を開始することで失明のリスクを下げることは可能です。
なお、近年の糖尿病網膜症の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す治療法で、糖尿病網膜症の改善につながる可能性があります。
以下の動画では、実際に再生医療によって糖尿病網膜症が改善した症例を紹介しております。
「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
監修者
渡久地 政尚
Masanao Toguchi
医師
略歴
1991年3月琉球大学 医学部 卒業
1991年4月医師免許取得
1992年沖縄協同病院 研修医
2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
2008年沖縄協同病院 内科 勤務
2012年老健施設 かりゆしの里 勤務
2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長


























