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PRP療法のデメリットは?効果の限界・副作用・費用を解説

PRP療法のデメリットについて調べている方の多くは、「医師に勧められたが本当に受けてよい治療なのか」「高額な費用を払う価値があるのか」と悩んでいるのではないでしょうか。
PRP療法は、再生医療の一つとして整形外科領域を中心に広まりつつあり、膝や肩などの慢性的な痛みに対する治療選択肢として注目されています。
一方で、インターネットや広告ではメリットが強調されやすく、治療の限界やデメリットが十分に伝えられていないケースも少なくありません。
その結果、治療後に「思ったほど効果を感じなかった」「費用負担が想像以上だった」と感じる方がいるのも事実です。
後悔のない判断をするためには、PRP療法のデメリットを正しく理解したうえで検討することが欠かせません。
目次
PRP療法のデメリットで特に知っておきたいポイント
PRP療法を検討する際にまず押さえておきたいのは、「効果のばらつき」「自費診療」「治療内容の差」という三つのポイントです。
- 効果に個人差があり、結果が一定ではない
- 保険適用外となり、自費診療になることが多い
- 医療機関ごとに治療内容が異なりやすい
PRP療法は自然治癒力を利用する治療であるため、誰にでも同じ効果が出るわけではありません。
また、治療費や治療方法が統一されていない点も、判断を難しくする要因です。
これらを知らずに治療を受けると、期待とのズレを感じやすくなります。
まずはデメリットを整理したうえで、自分に合った治療かどうかを考えることが大切です。
PRP療法とは?治療を選ぶ前に理解しておきたい前提
PRP療法は「組織を元通りに再生させる治療」と誤解されがちですが、実際には回復を後押しする補助的な治療と考えるのが適切です。
- 自身の血液から血小板を多く含む成分を抽出する
- 成長因子の働きによって修復環境を整える
- 自然治癒力の活性化を目的とする
PRP療法では患者自身の血液を採取し、血小板を多く含む血漿成分を患部に注射することで、血小板に含まれる成長因子が、炎症の調整や組織修復を促すとされています。
ただし、壊れた軟骨や組織を新しく作り直す治療ではありません。
進行した変形や損傷がある場合は、効果が限定的になることもあります。
この前提を理解せずに治療を選ぶと、期待と現実の差に戸惑いやすくなるので注意が必要です。
PRP療法の主なデメリット
PRP療法には複数の注意点があり、一つの側面だけで判断すべき治療ではありません。
以下では、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきます。
効果に個人差がある(効く人・効きにくい人がいる)
PRP療法は、効果の出方に個人差がある治療である点を理解しておく必要があります。
- 症状の進行度によって反応が異なる
- 年齢や体質の影響を受けやすい
- 損傷の種類によって効果が変わる
比較的初期から中等度の症状では、改善を実感しやすい傾向があります。
一方で、重度の変形や組織破壊が進んでいる場合は、十分な効果を感じにくいこともあります。
この違いを理解せずに治療を受けると、「PRPは効かなかった」という印象を持ちやすくなります。
PRP療法は万能ではなく、適応の見極めが重要です。
治療前に期待値をすり合わせておくことが、満足度を左右します。
エビデンスが領域・手法でばらつく
PRP療法について調べると評価が分かれる理由の一つが、エビデンスにばらつきがある点です。
- 疾患ごとに研究結果が異なる
- PRPの濃度や作製方法が統一されていない
- 注射回数や注入部位によって差が出る
ある研究では有効性が示されている一方で、別の研究では効果が限定的とされることもあります。
こうした差は、治療方法が標準化されていないことが大きな要因です。
そのため、「PRP療法なら安心」と一括りに考えるのは適切ではありません。
自分の症状に対して、どの程度の根拠があるのかを個別に確認する必要があります。
医師からの説明の丁寧さも、重要な判断材料になります。
費用がかかりやすい(自費になりやすい)
PRP療法を検討するうえで、費用負担が大きくなりやすい点は避けて通れないポイントです。
- 公的医療保険が適用されないことが多い
- 1回あたり数万円〜十数万円かかる場合がある
- 複数回の治療を提案されるケースがある
PRP療法は自由診療として行われるケースが一般的です。
そのため、医療機関によって費用設定に大きな差があります。
症状によっては1回の注射で十分な改善が得られず、複数回の治療が必要になることもあります。
結果として、想定よりも治療総額が高くなるケースは少なくありません。
事前に回数の目安や総費用を確認しておくことが重要です。
注射後に痛み・腫れが出ることがある
PRP療法では、注射後に痛みや腫れが一時的に現れることがあります。
- 注射部位に痛みや違和感が出ることがある
- 一時的に炎症反応が強まる場合がある
- 数日から1週間ほどで落ち着くことが多い
PRP注射後の反応は、成長因子による炎症反応が関係していると考えられています。
多くの場合は時間の経過とともに軽快します。
ただし、痛みの強さや感じ方には個人差があります。
仕事や日常生活に一時的な影響が出る可能性も。
治療後の過ごし方について、事前に説明を受けておくと安心できるでしょう。
稀だが感染などの合併症リスクはゼロではない
PRP療法は比較的安全性が高いとされていますが、合併症のリスクが完全にゼロではない点も理解しておく必要があります。
- 注射に伴う感染リスク
- 強い炎症反応が起こる可能性
- 医療機関の管理体制による差
PRP療法は自己血液を使用するため、拒絶反応のリスクは低いとされています。
それでも注射という医療行為である以上、感染などのリスクは否定できません。
無菌管理や医師の技術によって安全性は大きく左右されます。
費用の安さだけで医療機関を選ぶのは避けるべきです。
治療体制や説明の丁寧さも重要な判断材料になります。
PRPが向かない/注意が必要なケース
PRP療法は有効な選択肢の一つですが、すべての人に適しているわけではありません。
- 重度の変形や組織破壊が進行している場合
- 短期間での確実な改善を強く求めている場合
- 感染症や血液疾患などの基礎疾患がある場合
- 自費診療による費用負担が難しい場合
PRP療法は自然治癒力を引き出す治療であり、進行した損傷を元に戻すものではありません。
そのため、重度の状態では十分な改善が得られにくいことがあります。
また、即効性を期待すると治療後にギャップを感じやすくなります。
基礎疾患がある場合は、安全面から慎重な判断が必要です。
医師と相談しながら適応を見極めることが大切です。
後悔しないためのチェックポイント(医療機関選び・質問例)
PRP療法で後悔しないためには、治療前の情報確認と医療機関選びが重要になります。
- 自分の症状に対する治療実績があるか
- 治療回数や期間の目安が示されているか
- 総額でどの程度の費用がかかるのか
- 改善しなかった場合の次の選択肢があるか
PRP療法は自由診療であるため、説明が不十分なまま進めると不安が残りやすくなります。
特に費用や回数、効果が出なかった場合の対応は重要な確認ポイントです。
これらについて具体的な説明があるかどうかで、医療機関の姿勢が見えてきます。
納得したうえで治療を選択することが、満足度を高めることにつながります。
遠慮せず質問できる環境かどうかも判断材料にしましょう。
PRPで改善しない場合の治療選択肢(再生医療の比較)
PRP療法で十分な改善が得られなかった場合でも、再生医療には次の選択肢があります。
- より高濃度・高品質な細胞を用いた治療
- 培養工程を伴い、修復力を高めた細胞治療
- 症状や進行度に応じた段階的な再生医療
PRP療法は、再生医療の中では比較的初期段階の治療と位置づけられます。
症状の進行度によっては、別のアプローチが必要になる場合も。
一つの治療で改善しなかったからといって、選択肢が尽きるわけではありません。
段階的に治療法を見直すことで、改善の可能性が広がるケースもあります。
治療を次の段階へ進める判断も重要です。
まとめ|PRP療法はデメリットを理解したうえで選択を
PRP療法は、条件が合えば症状改善が期待できる一方で、効果のばらつきや費用負担などのデメリットも存在します。
メリットだけで判断せず、限界や注意点を理解したうえで選択することが重要です。
また、PRP療法で十分な改善が得られない場合、再生医療には他の選択肢もあります。
リペアセルクリニック大阪院では、再生医療を専門に、患者一人ひとりの症状や進行度に応じた治療提案を行っています。
PRP療法が適しているかどうかも含め、丁寧なカウンセリングを重視しているのが特徴です。
現在の治療に不安がある方や、別の選択肢を知りたい方は、一度専門クリニックへ相談してみるのも一つの方法でしょう。
正しい情報をもとに、自分に合った治療を選ぶことが、将来の生活の質を守ることにつながります。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
















