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腱板損傷のテスト方法6種類を解説|医療機関受診の目安や画像診断方法について【医師監修】

腱板損傷とは、肩関節を安定させる4つの筋肉(腱板)が損傷している疾患で、40歳以降に多く見られます。
放置すると損傷が広がり、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
しかし、「肩の痛みが腱板損傷なのかどうか分からない」「病院に行くべき?」とお悩みの方もいるでしょう。
この記事では、腱板損傷かどうかをセルフチェックできる6つのテスト方法と医療機関受診の判断基準について解説します。
肩の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な判断基準を身につけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは腱板損傷を手術せずに根治を目指せる再生医療に関する情報をLINEで発信しています。
腱板損傷で手術をすることに不安を抱えている方や早期回復を目指したい方は、ぜひ公式LINEに登録して再生医療についてチェックしてみてください。
目次
腱板損傷のセルフテスト方法【6種類】
腱板損傷の疑いがあるかどうかを判断するセルフテスト方法を6つ紹介します。
これらのテストは医療現場でも使用される検査方法で、肩や腕を特定の方向に動かした際の痛みや動きの制限で判断します。
強い痛みがある場合はすぐに中止してください。無理のない範囲でご自身の症状を確認してみましょう。
ペインフルアークサイン
ペインフルアークサインは、腕を上げる動作で痛みが出る角度を確認するテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 立った状態で腕を体の横につける
- 肘を伸ばしたまま、腕をゆっくり横に上げる
- 腕を上げる途中で痛みが出る角度を確認する
- 痛みが出る場合は、その角度を覚えておく
腕を横に上げていく際に、60度から120度の範囲で痛みを感じる場合、腱板損傷の可能性があります。
ドロップアームサイン
ドロップアームサインは、腕を上げた状態からゆっくり下ろす際の動きをチェックするテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 立った状態で、検査する側の腕を横に90度まで上げる
- 手のひらを下向きにする
- その状態からゆっくりと腕を下ろす
- 腕を支えられるかどうかを確認する
腕を途中で支えきれずに急に落ちてしまう場合、腱板の断裂が疑われます。
インピンジメントサイン
インピンジメントサインは、肩関節内での腱板の挟み込みによる痛みを確認するテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 立った状態で、検査する側の腕を体の前で伸ばす
- 手のひらを下向きにして、腕を前方に上げる
- 肩より高く上げながら、痛みの有無を確認する
腕を前方に上げていく動作で肩の前面に痛みが生じる場合、腱板の炎症や損傷が考えられます。
棘上筋テスト
棘上筋テストは、腱板を構成する棘上筋(きょくじょうきん)の機能をチェックするテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 立った状態で、両腕を横に90度まで上げます
- 両腕を30度前方に移動させます
- 手のひらを下向きにして、親指を下に向けます
- その状態で誰かに上から腕を押してもらいます
- 腕を上に保持できるかを確認します
腕に力が入らない・痛みを感じる場合は、腱板が損傷している可能性があります。
棘下筋テスト
棘下筋テストは、肩を外側に回す動作を担う棘下筋(きょくかきん)の状態を評価するテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 座った状態で、肘を90度に曲げて体の横につけます
- 前腕を体の前方に向けて水平にします
- 誰かに手首を内側に押してもらいます
- その力に抵抗して腕を外側に回そうとします
- 抵抗できるかどうか、痛みがあるかを確認します
腕に力が入らない・痛みを感じる場合は、腱板が損傷している可能性があります。
肩甲下筋テスト
肩甲下筋テストは、腕を内側に回す動作を行う肩甲下筋の機能をチェックするテストです。
以下の手順で確認してみましょう。
- 立った状態で、検査する側の手を背中に回す
- 手の甲を腰の部分に当てる
- その状態から手を背中から離す
- 手を背中から浮かせるかを確認する
痛みがある・手が浮かない場合は、腱板損傷の可能性があります。
腱板損傷セルフテスト後に医療機関を受診する目安
セルフテストを実施した後、以下の症状がある場合は医療機関への受診を検討しましょう。
- 安静時にもズキズキとした強い痛みが続く
- 腕をまったく動かせない
- 夜間に痛みが悪化して眠れない
- 数週間以上痛みが継続している
- 複数のセルフテストで腱板損傷が疑われる結果だった場合
腱板損傷は放置すると断裂が拡大し、肩関節の変形を引き起こすリスクがあります。
早期に適切な治療を開始することで、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えられます。
痛みは我慢せずに、早めに医療機関を受診しましょう。
腱板損傷を医療機関でチェック|画像診断方法3つ
医療機関では、セルフテストだけでは判断が難しい腱板の詳細な状態を画像で確認します。
正確な診断と治療方針の決定には、以下の3つの画像検査が用いられます。
検査方法 | 特徴と利点 |
---|---|
MRI検査 | ・最も詳細な腱板の状態を確認できる検査 ・電磁波を使用しており、腱板がどの程度損傷しているかを正確に把握できる |
超音波(エコー)検査 | ・診察室で手軽に実施でき、炎症部位の特定が可能 ・患者さまと一緒にモニターを見ながら説明を受けることができ、注射治療のガイドとしても活用される |
レントゲン検査 | ・腱板自体は確認できないが、肩関節の隙間の変化や骨の変形を確認できる ・板損傷の原因となる骨棘(こっきょく)の有無も確認可能 |
これらの検査結果をもとに治療法が検討されます。
手術に不安がある方には、体への負担が少ない再生医療という選択肢もあります。
腱板損傷が疑われる場合はセルフテストでチェックしよう
腱板損傷のセルフテストは、医療機関を受診する前の判断材料として有効です。
6つのテスト方法を実施して、複数のテストで腱板損傷が疑われる結果となった場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
早期の診断と適切な治療により、腱板損傷の悪化を防ぎ、日常生活の質を維持できます。
腱板損傷でお悩みの方は、まずはセルフテストで現在の状態を把握し、必要に応じて医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
また、従来の治療では保存療法から手術療法までさまざまな治療法がありますが、近年では手術せずに腱板損傷の根治を目指せる再生医療も選択肢の一つです。
\腱板損傷に有効な再生医療とは/
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷(断裂)した肩腱板の再生・修復を促し、根本的な改善が期待できます。
以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、肩腱板損傷(断裂)の症状に悩まされていた患者さまの症例を紹介しています。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
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「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設