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肋骨骨折は自然に治る?安静期間ややってはいけないことを解説【医師監修】

胸の痛みや違和感があると「病院に行くべきか」「自然に治るのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
その痛みの原因の一つとして考えられるのが肋骨骨折です。
肋骨骨折は安静にしていれば自然に治る怪我ですが、適切に処置しないと内臓損傷や骨の変形につながるリスクがあります。
この記事では、肋骨骨折の自然治癒期間や受診の判断基準、やってはいけないことを詳しく解説します。
胸部の痛みでお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで適切な判断ができるようになりましょう。
目次
肋骨骨折が自然に治るのは約2〜3カ月が目安
単純な肋骨骨折の場合、患部への負担を避けて安静にしておくことで約2〜3カ月で自然に治るのが一般的です。
骨折の程度や年齢、全身状態によって自然治癒までの期間に個人差はありますが、多くの場合は手術をしなくても自然に骨が修復されます。
肋骨は呼吸とともに動く骨のため、完全に動きを止めることはできません。
しかし、骨折部位への負担を最小限に抑えることで、骨の自然な修復機能が働き治癒が進みます。
肋骨骨折によって気胸の合併や内臓損傷などの可能性もあるため、自然治癒を目指す場合でも医療機関で診断を受けた方が良いです。
肋骨骨折の安静期間は約3〜4週間
受傷後の約3〜4週間は、患部に負担をかけないよう安静にすることが重要です。
この期間は骨の修復が活発に行われる時期のため、無理な動作や患部に衝撃が加わる行動は避けましょう。
安静期間中は、深呼吸・咳・くしゃみをできるだけ避け、重いものを持ち上げる動作も控えてください。
寝るときは患部を下にしない体勢を心がけ、痛みが強い場合は上体を少し起こした状態で休むと楽になります。
3〜4週間を過ぎると骨の結合が進み、徐々に日常動作を再開できるようになります。
ただし、完全な治癒までは2〜3カ月かかるため、激しい運動や重労働は医師と相談してから始めましょう。
肋骨骨折で医療機関を受診すべきチェックリスト
胸の違和感が強い場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。
以下を参考に、ご自身の症状に当てはまるかを確認してみてください。
- ぶつけた後に胸を押すと違和感がある
- 呼吸、くしゃみで胸の違和感が強くなる
- 内出血がある
- 息をするのが苦しい
- 胸から軋む音がする
- 痛みが日に日に悪化している
- 発熱や全身の倦怠感がある
とくに患部に内出血がみられると、肋骨を骨折している可能性が高いと考えられます。
また、急激な息苦しさがある場合、肺に穴が開いて空気が漏れ出してしまう気胸を合併している可能性があるため、早期に医療機関を受診しましょう。
肋骨骨折かどうか判断する基準・症状
肋骨骨折を自分で判断する基準や症状は、主に以下の2つがあります。
これらの症状を正しく理解して、早期発見と適切な対応につなげましょう。
胸部の違和感や腫れがあるか
肋骨骨折の典型的な症状は、胸部の限局的な痛みと腫れです。
以下の特徴がある場合は、肋骨骨折が疑われます。
- 受傷部位を押すと鋭い痛みがある
- 呼吸や体を動かすと痛みが悪化する
- 患部が腫れて熱を持っている
- 皮膚の色が変わっている(青紫色の内出血)
- 触ると骨の段差やへこみを感じる
安静時には痛みが軽くても、深呼吸・咳・くしゃみをした時に急に痛みが強くなるのが特徴です。
また、寝返りを打つときや起き上がるときにも痛みを感じやすくなります。
胸部の骨から軋む音がするか
骨折した肋骨の断端が動くことで、軋む音(骨摩擦音)が聞こえることがあります。
この音は「ギシギシ」や「ザラザラ」といった感覚で、呼吸時や体動時に感じられます。
骨摩擦音は骨折を見分ける重要な症状です。
ただし、すべての肋骨骨折で音が出るわけではなく、骨折の程度や部位によって異なります。
もし胸から異常な音が聞こえる場合は、骨折部位をさらに損傷させないよう体を動かさず、速やかに医療機関を受診してください。
肋骨骨折が自然に治るまでやってはいけないこと
治療期間中は、肋骨骨折の治癒を妨げる以下の動作は控えましょう。
- 重いものを持ち上げる動作
- 激しい運動やスポーツ
- 深呼吸や強い咳を無理に我慢しない(適度に行う)
- 患部を強く押したり揉んだりする
- 長時間同じ姿勢を続ける
- 痛み止めを過度に我慢する
- 医師の指示なしに固定を外す
- 喫煙(血流を悪化させ治癒を遅らせる)
とくに重いものを持ち上げる動作は、胸部に強い負荷がかかるため避けてください。
また、痛みを我慢しすぎると体に余計な負担がかかります。
医師から処方された痛み止めは適切に使用し、楽な姿勢で安静を保ちましょう。
肋骨骨折の自然治癒に関するよくある質問
肋骨骨折について、よくある質問の以下2つを紹介します。
これらの疑問を解決して、治療に取り組みましょう。
肋骨骨折は放置しても大丈夫?
肋骨骨折は、放置せずに医療機関で診断を受けることが推奨されます。
放置するリスクとして、気胸(肺に穴が開く)、血胸(胸の中に血がたまる)、骨の変形治癒などがあります。
これらの合併症は命に関わる場合もあるため、軽視できません。
症状が軽くても一度は医師の診察を受けましょう。
肋骨のひびを早く治す方法は?
肋骨のひびを早く治すには、安静にして過ごすことが大切です。
また、骨の修復を助ける栄養素の摂取も欠かせません。
骨の材料となるカルシウム、タンパク質、ビタミンD、ビタミンCを積極的に摂取しましょう。
症状によっては軽い運動が推奨される場合もありますが、激しい運動は避け、医師と相談しながら徐々に活動量を増やしていきましょう。
肋骨骨折や骨のひびを早く治すには再生医療も選択肢の一つ
肋骨骨折は約2〜3カ月で自然に治る可能性がありますが、合併症などのリスクがあるため、胸部の痛みや違和感がある場合は医療機関を受診しましょう。
治癒を早めたい方や改善が見られない方には、再生医療という新しい治療選択肢があります。
\肋骨骨折の治療に有効な再生医療とは/
再生医療は患者様の細胞・血液を用いて自然治癒力を促進させることで、骨折の長引く痛みや後遺症の改善が期待できる可能性があります。
【こんな方は再生医療をご検討ください】
- 肋骨骨折の痛みを早く治したい
- 長引く骨折の痛みに悩まされている
- 現在受けている治療を継続すべきか不安を抱えている
当院「リペアセルクリニック」では、肋骨骨折をはじめとする骨の問題に対する再生医療を提供しています。
具体的な治療法については、無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設