背中の肉離れ「ぎっくり背中」とは?原因や症状、予防法を解説
公開日: 2019.12.23更新日: 2025.04.28
突然、背中に激しい痛みを感じる「ぎっくり背中」と呼ばれる症状をご存じでしょうか。
ぎっくり背中とは、背中の筋肉に負荷がかかり発症する肉離れのことです。
本記事では、背中の肉離れ「ぎっくり背中」の原因や予防法について詳しく解説します。
背中の肉離れになる原因を知り、ぎっくり背中にならないよう適切な予防策をとりましょう。
目次
背中の肉離れ「ぎっくり背中」の症状
「ぎっくり背中」と呼ばれる背中の肉離れの主な症状は、以下のとおりです。
・背中を動かせない
・寝返りができない
・呼吸時に背中が痛む
・背中を押すと痛い
・背中がしびれる
背中に大きな負荷がかかると、背中の筋肉が損傷し肉離れの症状が出現します。
レントゲンなどの画像検査では異常がみられなくても、背中の痛み症状が出ている場合は、ぎっくり背中の可能性があります。
ぎっくり背中はぎっくり腰と似ていますが、症状の出る部位が異なります。ぎっくり腰は腰部が痛くなるのに対し、ぎっくり背中は胸の真後ろの背部(胸椎部)が痛くなるのが特徴です。
背中の肉離れ「ぎっくり背中」になってしまう原因
背中の肉離れ「ぎっくり背中」が発症する原因には、日常生活や体の状態が深く関係しています。
以下に挙げる要因が複合的に影響して、肉離れを引き起こす原因となります。
・運動不足
・筋力の低下
・筋力バランスの乱れ
・柔軟性の低下
・長時間の同じ姿勢
・猫背・反り腰
背中の肉離れは、筋力や柔軟性の低下により発症します。運動不足により筋力が低下したり、筋力バランスが乱れたりしている人は、運動習慣をつけることが大切です。
一方で、スポーツや重労働など背中の筋肉を使うことが多い人も、筋肉の疲労につながりぎっくり背中のリスクが高まるため注意が必要です。
デスクワークの方や猫背・反り腰の方など姿勢が悪い人は、背中の筋肉が硬化し柔軟性が低下します。背中の肉離れが起こらないよう、適度に背中を動かしましょう。
「ぎっくり背中」の対処法
ぎっくり背中の対処法は、以下の4つです。
背中の肉離れは、進行段階別に以下の3つの時期に分けられます。
進行段階 | 症状 |
---|---|
慢性期(7日目以降) |
背中の肉離れ症状が気にならない程度になる |
急性期(発症~2日程度) |
痛みが最も強く出現する |
亜急性期(3日目~6日目) |
痛みが落ち着き、少しずつ身体を動かせるようになる |
背中の肉離れは進行段階や症状の程度に合わせて、対処すると早期回復が期待できます。
まずは安静にする
ぎっくり背中になってしまった際は、まずは安静に過ごすことを心がけましょう。
背中の肉離れは、発症日から2日間が急性期とされ、痛みが最も強く出現します。
痛みが強い時期に無理に背中を動かしてしまうと、症状が悪化し、治療期間が長引く可能性があります。
できるだけ安静に過ごし、痛み症状が落ち着いてきたら、ストレッチや軽いウォーキングなどを行い少しずつ身体を動かしましょう。
冷却と圧迫で痛みを和らげる
ぎっくり背中になったときの対処法に、冷却と圧迫で痛みを和らげる方法があります。患部の冷却や圧迫は痛覚を鈍感にし、背中の肉離れ症状である痛みの緩和に効果的です。
背中を冷却する際は、氷嚢や保冷剤などを10~20分程度患部に当てましょう。
痛みが強いときや収まらない場合は医療機関を受診する
ぎっくり背中になり、痛みが強いときや症状が収まらない場合は、医療機関を受診してください。
軽症の背中の肉離れはセルフケアでの回復が見込めますが、重症の場合は安静にしているだけでは痛みが改善しないこともあります。
背中の肉離れの症状が長引いている場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
再生医療なら治療期間を短縮できる
ぎっくり背中の対処法の1つに、再生医療があります。再生医療は治療期間を短縮でき、仕事や趣味などへの早期回復が期待できます。
背中の肉離れは、姿勢の悪さや運動不足などが発症原因であり、症状が慢性化する恐れがあるため注意が必要です。
慢性化した痛みを緩和したい場合は、ぜひ再生医療をご検討ください。
スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。
「ぎっくり背中」の予防法
ぎっくり背中は、日頃の生活習慣や体の使い方によって予防が可能です。
以下に挙げるポイントを日常生活に取り入れて、背中の負担を軽減し、ぎっくり背中の発症を防ぎましょう。
背中の筋肉の損傷を起こさないようにするためには、原因につながる生活習慣を改善していくことが大切です。
ストレッチ・運動で背中の筋肉の柔軟性を高める
ぎっくり背中を予防するために、ストレッチや運動で背中の筋肉の柔軟性を高めることが大切です。
運動不足で筋力が低下している人は、背中を中心とした筋力トレーニングやストレッチを行いましょう。背中の筋肉は大きく、さまざまな動作で使用します。
背中の筋力や柔軟性を高めることで、身体をスムーズに動かせるようになり、ぎっくり背中のリスクを低減できます。
姿勢を改善して背中の筋肉の負担を軽減する
ぎっくり背中の予防法の1つは、姿勢の改善です。猫背や反り腰などの悪い姿勢を改善すると、背中の筋肉の負担が軽減し筋肉に疲労が溜まりにくくなります。
背中の筋力が低下した人は、正しい姿勢を保ちにくく、猫背や反り腰になってしまう場合があります。普段から正しい姿勢を意識して生活しましょう。
また、長時間パソコンやスマホを使用するという人は、30分に1度くらいは小休止をとって身体を動かし、長時間同じ姿勢で過ごさないようにしましょう。
身体を冷やさないようにする
ぎっくり背中を防ぐには、身体を冷やさないようにするのが大切です。
身体が冷えたときは、体温を上昇させるために筋肉が収縮します。背中の筋肉が収縮すると、背筋が固くなり背中を動かしにくくなります。
背中が動かしにくい状態で、無理に身体をひねってしまうと、ぎっくり背中になる可能性があるため注意が必要です。
【まとめ】「ぎっくり背中」の痛みが強いときは医療機関を受診しよう
背中の肉離れ「ぎっくり背中」の痛みが強いときは、無理をせずに医療機関を受診しましょう。
背中の肉離れは、運動不足による筋力低下や姿勢の悪さなどが原因となり発症します。
そのため、普段から筋肉を強化し、柔軟性を高めるためのストレッチや運動を取り入れることで予防が期待できます。
また、正しい姿勢を意識して、背中への負担を軽減することも重要です。
背中の肉離れが慢性化している方は、再生医療による治療をご検討ください。
再生医療では、慢性症状の改善やスポーツへの早期復帰が目指せます。また、副作用のリスクが低く、長期の入院や手術を必要としないメリットがあります。
再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設