- ひざ関節
膝の裏が「ピキッ」と痛い!主な原因と治療法・対処法について解説

膝の裏に「ピキッ」とした痛みを感じて、原因や治療法について不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
症状悪化を招かないために早期に医療機関を受診し、原因の特定・適切な治療を受けることが重要です。
適切な治療を受けずに放置してしまうと、痛みによって階段の上り下りや歩行がつらくなり、日常生活に影響が出てしまう可能性も考えられます。
この記事では、膝の裏が「ピキッ」と痛いときに考えられる原因や対処法、治療法について詳しく解説します。
膝裏の「ピキッ」とした痛みにお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで根本的な改善が期待できる再生医療に関する情報をLINEで発信しております。
膝の痛みに対する治療選択肢として、膝関節の症状に関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひ登録してください。
目次
膝の裏を構成する組織とそれぞれの役割
膝の裏の痛みを理解するには、まず膝の裏にどのような組織があるのかを知ることが大切です。
以下の表で、主な組織とその役割を確認しましょう。
| 組織名 | 役割・特徴 |
|---|---|
| 半月板 | ・膝関節の内部にあるC字型の軟骨 ・衝撃を吸収して膝への負荷を軽減する ・膝関節のスムーズな動きと安定を保つ |
| 滑膜 | ・関節を覆う薄い膜 ・潤滑油のような体液を分泌し関節の動きを保つ ・炎症を起こすと痛みや腫れの原因となる |
| ハムストリングスの腱 | ・太ももの裏にある筋肉群の腱 ・膝の裏を通りすねの骨につながる ・膝をスムーズに曲げる役割を持つ |
| 腓腹筋の腱 | ・ふくらはぎの後ろにある筋肉の腱 ・膝裏からヒラメ筋の腱と合流してアキレス腱に付着している ・膝の曲げ伸ばしやかかとを上げる動作に必要 |
これらの組織によって、膝関節のスムーズな動きと安定性を実現しています。
膝の裏が「ピキッ」と痛いときに考えられる原因
日常生活や運動をしているときに、膝の裏に「ピキッ」とした感覚とともに痛みが現れることがあります。
このような場合、主な原因として以下の5つが考えられます。
これらの正しい知識を身につけて、適切な治療を選択しましょう。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は膝関節の軟骨がすり減ることで、関節が変形したり骨同士がぶつかって痛みが生じる疾患です。
膝の曲げ伸ばしのときに「ピキッ」とした痛みをはじめとして、以下のような症状が見られます。
- 膝を動かすときに「ピキッ」とした痛みや違和感が現れる
- 進行すると階段の上り下りや正座が困難になる
- 朝起きたときに膝のこわばりを感じることもある
症状が進行すると激痛によって歩行困難になるなど、日常生活に支障をきたすため、早めの対処が大切です。
半月板損傷
半月板損傷は、膝にねじれや強い衝撃が加わることで、膝関節内の半月板に亀裂が入ったり断裂したりする状態です。
とくに損傷部位が半月板の後方にある場合、膝の裏に「ピキッ」とした鋭い痛みを感じます。
- スポーツや日常動作で膝をねじったときに発症しやすい
- 膝の裏に「ピキッ」とした鋭い痛みが走る
- 痛みや腫れのほかに、関節が引っかかるような感覚が現れる
- 膝の曲げ伸ばしがしづらくなることもある
放置すると症状が悪化する可能性や変形性膝関節症につながる可能性があるため、痛みを感じたら早めに受診しましょう。
ベーカー嚢腫
ベーカー嚢腫とは、膝関節にある袋が腫れて嚢腫を形成する疾患です。
膝の裏に「ピキッ」とした痛みと大きな腫れが現れることがあります。
- 関節炎や半月板損傷などに伴って現れることが多い
- 膝の裏に痛みだけでなく大きな腫れが現れる
- 膝を曲げたときに「ピキッ」とした痛みや圧迫感を感じる
腫れが大きくなると膝の動きが制限されるため、注意が必要です。
深部静脈血栓症
深部静脈血栓症とは、血管の内部に血の塊ができる疾患です。
血栓が膝の裏の血管にできると、血流が妨げられ「ピキッ」とした鋭い痛みが生じます。
- 長時間同じ姿勢でいることで発症リスクが高まる
- 膝の裏に「ピキッ」とした鋭い痛みが突然現れる
- 腫れや熱感を伴うこともある
- 血栓が臓器や脳にまで移動すると命に関わる危険がある
命に関わる疾患のため、疑わしい症状があれば早急に医療機関を受診してください。
腱や靭帯の損傷
ハムストリングスや腓腹筋などの腱に大きな力や過度のストレスが加わると、腱が損傷し「ピキッ」とした鋭い痛みを感じます。
- 運動のしすぎや急な方向転換、膝のねじれなどが原因
- 瞬間的に「ピキッ」とした鋭い痛みが走る
- 重症の場合は歩行が困難になることもある
無理に動かすと悪化するため、痛みを感じたらすぐに安静にしましょう。
膝の裏が「ピキッ」と痛いときに医療機関を受診する目安
膝の裏に痛みを感じたときに以下のような症状がある場合には、早めに整形外科を受診することをおすすめします。
- 安静にしていても痛みが続く
- 膝の裏に大きな腫れや熱感がある
- 膝の曲げ伸ばしができない、または極端に制限される
- 痛みが日に日に強くなっている
- 歩行が困難になっている
- 数日たっても痛みが改善しない
- 膝に力が入らない
- 膝の裏に異常な膨らみやしこりを感じる
痛みの原因に心当たりがない場合や、適切な対処法が分からない場合には、自己判断せず専門医に診てもらうことが大切です。
早期に受診することで、適切な治療を受けられ、早期回復を目指すことができます。
膝の裏が「ピキッ」と痛いときの対処法・注意点
膝の裏に「ピキッ」とした痛みを感じたときの対処法を解説します。
以下の3つの対処法を押さえておきましょう。
痛みの原因や状態によって適切な対処法は異なります。
無理をせず自分の体の状態に合わせて実践してください。
膝の負担を避けて安静にする
膝の裏に痛みを感じたら、まずは無理に動かさず、安静を保つことが大切です。
膝に負担をかけすぎると、痛みが悪化する可能性があるため、症状が治まるまでは運動などは避けてください。
また、急性の痛みや腫れが見られる場合にはアイシングが効果的です。
氷嚢やタオルで包んだ保冷剤を15~20分を目安に患部に当てることで、血管が収縮し、炎症の悪化を抑えて痛みを軽減できる可能性があります。
ストレッチやマッサージ
軽いストレッチで筋肉を伸ばし、緊張を和らげることで痛みを緩和できる可能性があります。
膝裏の痛みに対しては、以下のストレッチがおすすめです。
- 椅子に座る
- 指の腹で膝裏の筋肉を優しくほぐす
- 膝裏を指で軽く押さえながら、ゆっくりと膝を伸ばす
- 反対側の足も同様に行う
ストレッチをする際の注意点として、無理に引っ張ったり、痛みを感じるまで伸ばしたりするのは避けてください。
また、痛みを感じたときにはすぐにストレッチを中止し、かかりつけの医師に相談しましょう。
テーピングやサポーターの活用
膝の裏が痛いときには、テーピングやサポーターの使用も有効です。
膝の安定性を高めることで無理な動きを制限したり負担を減らしたりすると、痛みの軽減に役立ちます。
とくにテーピングは知識が必要になるため、最初は医師に相談して使用しましょう。
膝の裏が「ピキッ」と痛いときの主な治療法
膝の裏に「ピキッ」とした痛みが現れたときの治療法には、以下の2つがあります。
それぞれの特徴を理解して、医師と相談しながら適切な治療法を選択しましょう。
保存療法
保存療法とは外科手術を行わない治療法で、主に軽度から中程度の痛みや炎症を抑えるために選択されます。
検査の結果、骨や関節、腱などの組織に大きな損傷が見られない場合の基本的な治療法です。
具体的なアプローチとしては、鎮痛剤の処方やヒアルロン酸の関節内注射、テーピングによる関節の固定などが挙げられます。
また、筋肉の強化や柔軟性の向上を目的としたリハビリや理学療法も保存療法の一種です。
リハビリと理学療法を行うことで関節を安定化させ、痛みの軽減と症状の再発を防ぎます。
手術療法
保存療法で効果が見られない場合や、疾患がある程度進行し重症化している場合には、手術療法が検討されます。
外科手術によって損傷した組織を修復したり、人工関節と損傷した関節を取り替えることで、本来の機能を取り戻します。
手術療法は根本的な改善が期待できる一方で、保存療法と比べると患者さまにかかる身体的負担が大きく、入院期間も長期にわたることが多いため、慎重に判断しなければなりません。
医師と十分に相談し、メリットとデメリットを理解したうえで治療法を選択することが大切です。
膝の裏の「ピキッ」とした痛みには再生医療をご検討ください
膝の裏に「ピキッ」とした痛みを感じたときは、まずは安静にして適切な対処を行うことが大切です。
症状が続く場合や悪化する場合には、早めに医療機関を受診して正確な診断を受けましょう。
治療法には保存療法と手術療法の他に、再生医療という新しい選択肢もあります。
再生医療とは、患者さま自身の幹細胞や血液を用いて、身体の自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。
自己細胞を使うため拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少なく、手術や入院も不要です。
以下の動画では、当院の再生医療によって変形性膝関節症の痛みが改善した症例を紹介しているため、併せてご覧ください。
「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


















