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野球肩が痛いときの正しい対処法|原因別の治療と再発防止まで徹底解説

野球肩が痛いときの正しい対処法|原因別の治療と再発防止まで徹底解説
公開日: 2025.10.31

野球肩が痛いときは、投球を中止し、炎症を抑える応急処置を行うことが重要です。

無理に投げ続けると、腱や軟骨の損傷が進み、長期離脱を招くおそれがあります。

正しい初期対応と、原因に合った治療を選ぶことが、再発を防ぐ最短ルートです。

しかし「少しの痛みなら我慢できる」「大会が近いから休めない」といったお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、痛みを悪化させないための応急処置や原因別の治療法を、わかりやすく解説します。

従来の治療法に加えて、近年注目されている再生医療はスポーツによる痛みの抜本治療に適しています。

再生医療は、患者さま自身の幹細胞を活用して、損傷を受けた脊髄の機能改善を目指す治療法で痛みを早期に改善できる特徴を持ちます。

症例や治療法について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで紹介しているので、ぜひご登録ください。

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野球肩が痛いときにやってはいけないこと・今すぐできる応急処置

野球肩が痛いときにやってはいけないこと・今すぐできる応急処置は、以下の通りです。

下記では、肩が痛い場合におすすめの対応を詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

投球・筋トレの継続はNG

肩に痛みがある状態で投球や筋トレを続けると、腱板(けんばん:肩の深い筋肉群)や上腕二頭筋腱の炎症が悪化します。

炎症期に意識するべきこと

  • 痛みを感じた時点で投球を中止する
  • 荷重や筋トレは控え、肩を安静に保つ
  • 睡眠時も痛み側を下にしない

痛みを我慢して投げ続けると、損傷部が修復されずに線維化(しなやかさを失うこと)を起こし、慢性的な痛みへ移行することがあります。

特に成長期の選手は、骨端線(骨の成長部分)が弱く、剥離損傷を起こす危険があります。

アイシング・サポートテーピングの正しい方法

アイシングは15〜20分を目安に1日3〜4回、テーピングは痛みの軽減と可動域制限を目的に行うのが正しい方法です。

正しい応急処置のステップ

  • 冷却:氷嚢をタオルで包み、肩全体を冷やす
  • 安静:腕を吊るすか、肘を曲げて体に密着させ、負担を軽減
  • テーピング:肩前面から上腕にかけてクロスの形にして貼る

痛みが強いときは、冷却後に鎮痛剤を使用する場合もありますが、医師の指示に従うことが原則です。

温めるのは炎症が治まってから行いましょう。。

間違ったストレッチが悪化を招く理由

痛みがあるうちは、肩を無理に回す・後ろに引くストレッチは避けるべきです。

無理なストレッチは損傷組織に負担がかかり、修復が遅れる原因となります。

ストレッチの際に意識するべきポイント

  • 痛みを感じる角度でのストレッチは中止する
  • 筋肉ではなく関節に負担が集中する動きは避ける
  • 「気持ちいい伸び感」程度にとどめる

リハビリ期には、理学療法士の指導のもとでストレッチを行います。

可動域を広げる動作は、炎症が落ち着いてからでも遅くないため、焦りは禁物です。

野球肩とは?痛みの正体を知ることが回復への第一歩

野球肩は、投球時の反復動作によって肩関節周囲の筋肉・腱・関節唇(かんせつしん)などが損傷するスポーツ障害の総称です。

痛みの原因を見極めることで、適切な治療を選べます。

代表的な原因

  • 腱板損傷:肩の深い筋肉が擦れて炎症を起こす
  • インピンジメント症候群:骨と筋肉が衝突し、挙上時に鋭い痛み
  • 関節唇損傷:肩の安定構造が崩れ、投球時の違和感や「抜ける」感覚
  • 滑液包炎:摩擦を和らげる袋に炎症がおこる

痛みの場所・出る動作・経過時間を記録しておくと、診察時に原因を特定しやすくなります。

症状の「タイプ」がわかれば、治療やリハビリの方向性も明確になります。

原因別に見る治療の進め方|保存療法・手術・再生医療の比較

原因別に見る治療の進め方は、以下の通りです。

下記では、それぞれの治療方法について詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

保存療法(安静・理学療法・注射)の特徴

野球肩の多くは、保存療法で改善が期待できます

まずは安静とリハビリで炎症を抑え、筋力と柔軟性を回復を優先します。

保存療法の主な内容

  • 安静:炎症を抑えるため、2〜3週間のノースロー期間を設ける
  • 理学療法:肩甲骨や体幹を含む動きの改善
  • 注射治療:ヒアルロン酸やステロイドで炎症と痛みを抑える

痛みが落ち着いた後は、投球フォームの修正も再発防止に欠かせません。

リハビリとフォーム改善を並行することで、肘や腰など他部位への負担も減らせます。

手術が必要なケースとリハビリ期間の目安

保存療法で改善しない場合や、腱板断裂・関節唇損傷などの明確な損傷がある場合は、手術を検討します。

手術の種類 概要 リハビリ期間の目安
関節鏡手術 小さな切開で関節内部を確認・修復 約3〜6か月
腱板修復術 切れた腱を縫い合わせて再生を促す 約6〜9か月
関節唇再建 損傷部を縫合し安定性を回復 約6か月以上

手術後はリハビリが非常に重要です。

焦って投球を再開すると再断裂のリスクが上がるため、医師と理学療法士の指導のもと段階的に復帰することが求められます。

再生医療という選択肢

再生医療は、自分の血液や脂肪由来幹細胞を利用して損傷組織の修復を促す治療です。

手術を避けたい方、長引く炎症で悩む方に有効な選択肢です。

再生医療の主な種類

  • PRP(多血小板血漿)療法:自分の血液から抽出した成分を注入し、修復を促す
  • 脂肪由来幹細胞(ADRCs)療法:脂肪細胞から取り出した幹細胞で組織再生を支援

これらの治療は、炎症を抑えながら自然治癒力を高めることで、回復スピードを上げ、再発を防ぐ効果が期待されています。

副作用が少なく、入院を必要としない点もメリットです。

野球肩はまず「痛みの正体を知ること」が重要

野球肩を早く治すためには、痛みを無視せず、原因を特定して段階的に治療することが最も大切です

投球を休む勇気が、最短復帰への第一歩となります。

今日からできる3つの行動

  • 痛みが出たらすぐ投球を止める
  • 冷却・安静・専門医の受診を徹底する
  • 再生医療など、根本的な修復方法も検討する

肩の痛みを「疲労の一部」と捉えず、早期に対処することが再発を防ぐ鍵です。

リペアセルクリニック大阪院では、再生医療による根本治療と、医師・理学療法士によるリハビリを組み合わせ、競技への早期復帰をサポートしています。

肩の痛みを理由にスポーツ復帰を諦める前に、まずはメール相談・オンライン診療にてご相談ください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設