- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝から下が痛い・重い・だるい原因は?自宅でできる対処法と医療機関受診の目安

「膝から下が痛い」「足が重くてだるい」などの症状があるときに原因がわからず、対処法や病院に行くべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
膝から下の痛みには筋肉の疲労だけでなく、重大な疾患が隠れていることもあります。
本記事では、膝から下の痛みやだるさの代表的な原因と自宅でできる対処法について詳しく解説します。
膝から下の不調にはさまざまな原因があるため、原因に合わせた治療や対処法が重要です。
近年の治療では、患者様の細胞・血液を用いて自然治癒力を促進させることで、膝の長引く痛みや炎症の改善が期待できる再生医療が注目されています。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を限定配信しているので、ぜひご登録ください。
目次
膝から下が痛いときの原因
膝から下が「痛い」「重い」「だるい」と感じるとき、その背景にはさまざまな原因が考えられます。
ここでは代表的な5つの原因を紹介します。
一時的な疲労や筋肉の使いすぎだけでなく、血流や神経に関わる病気まで幅広い原因があるため、正しく見極めることが大切です。
特徴を理解できれば、「どう対処するか」を考える手がかりになり、不安を和らげられるでしょう。
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症は、足の動脈にコレステロールなどがたまり、血管が狭くなることで血流が不足する病気です。
初期症状では「歩くと足が痛むが、休むと回復する」という特徴的な症状(間欠性跛行)が見られます。
症状が進行すると血流が悪くなったことによって、安静時にもしびれや冷え、皮膚の色調変化が現れ、重度のケースでは潰瘍や壊死に至ることもあります。
主な原因
- 喫煙
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症(高コレステロール)
- 加齢や生活習慣の乱れ
これらに心当たりがある場合は、血流障害が進んでいないか確認することが大切です。
閉塞性動脈硬化症を放置すると日常生活に大きな支障をきたすため、早めに医療機関を受診しましょう。
深部静脈血栓症
深部静脈血栓症は、足の奥にある太い静脈に血の塊(血栓)ができ、血液の流れが妨げられる病気です。
長時間のフライトで起こる「エコノミークラス症候群」としても知られています。
特徴的な症状として、片足だけが急に腫れる、赤黒く変色する、熱感やズキズキとした痛みが見られます。
主な原因
- 手術や外傷による静脈の損傷
- 長期間の安静や寝たきり
- 長時間の同じ姿勢(飛行機・バス・デスクワークなど)
- 脱水や喫煙による血流の滞り
- 血液が固まりやすい体質や基礎疾患
急な腫れや強い痛みを伴う場合は、放置せず速やかに医療機関を受診することが重要です。
血栓が肺に流れると「肺塞栓症」を起こし、突然の息切れや胸の痛みなど命に関わる症状につながることもあります。
脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症は、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こす病気です。
特に中高年に多く、腰の痛みに加えて「長く歩けない」「立ち続けると足がしびれる」といった症状が特徴です。
前かがみになると筋肉がゆるみ、神経への圧迫が軽くなることで症状が和らぐことがあります。
主な原因
- 加齢による背骨や椎間板の変性
- 椎間板ヘルニアや背骨のすべり症
- 生まれつき脊柱管が狭い体質
- 姿勢の乱れ(猫背や反り腰など)
- 長年の腰への負担の蓄積
症状が進むと生活に支障をきたすため、早めに専門医に相談することが大切です。
腰から足には「坐骨神経」という太い神経が走っており、足の外側の痛みやしびれに関わるため、膝から下の症状でも腰を検査するケースもあります。
脊柱管狭窄症の治療法については、以下の動画で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、足の静脈が何らかの原因によって太くなり、瘤(こぶ)状に浮き出て見える血管の病気です。
皮膚表面に血管がボコボコと浮き出てくるため、見た目で気づきやすいのが特徴です。
主な症状として、ふくらはぎのだるさや重さ、夕方に強まるむくみ、夜間のこむら返りなどが挙げられます。
進行すると皮膚の色素沈着や湿疹、潰瘍に至ることもあります。
主な原因
- 加齢による血管や筋肉の機能低下
- 立ち仕事や長時間の同じ姿勢
- 妊娠・出産による静脈への負担
- 遺伝的要因
- 肥満や運動不足
見た目の変化にとどまらず、皮膚トラブルになる前に治療を検討することが大切です。
筋肉疲労や周辺組織の炎症
膝から下の痛みは、必ずしも病気だけが原因とは限りません。
長時間の立ち仕事や運動で疲労がたまると、膝下の筋肉・腱・靭帯に炎症が起こり、痛みや張りを感じることがあります。
アキレス腱や靭帯の炎症も膝下の違和感や歩行時の痛みにつながる可能性があります。
主な原因
- 筋肉の使いすぎ(オーバーユース)
- 筋力不足による負担の偏り
- 靴が合わない、歩き方の癖
- 軽い外傷(捻挫・打撲など)
- 肥満や運動不足
休息やアイシングで痛みの軽減も期待できますが、痛みが長引いたり歩行に支障がある場合は、他の病気が隠れている可能性も考えられます。
一時的な不調でも、症状が続くときは医療機関の受診を検討しましょう。
膝から下が痛いときに受診すべき診療科
膝から下の痛みの原因は幅広く、重い病気が隠れている可能性もあります。
代表的な疾患ごとの受診科目は、以下のとおりです。
代表的な疾患 | 受診科目 |
---|---|
閉塞性動脈硬化症 | 血管外科、循環器内科 |
深部静脈血栓症 | 血管外科、循環器内科、整形外科 |
脊柱管狭窄症 | 整形外科 |
下肢静脈瘤 | 血管外科、心臓血管外科、皮膚科、形成外科、循環器内科 |
筋肉疲労や炎症 | 整形外科、内科 |
どの診療科に行くべきか迷ったときは整形外科や内科を受診し、必要に応じて専門科を紹介してもらいましょう。
早期治療が必要な疾患もあるため、初期症状や不調を感じたら放置せずに医療機関を受診することが大切です。
膝から下が痛いときに自宅でできる対処法
膝から下の痛みやだるさは原因によって対応が異なりますが、軽度の炎症や疲労なら自宅でのケアで改善が期待できます。
代表的なのが、スポーツ外傷の応急処置として知られるRICE処置です。
RICEとは、Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字を取った方法で、腫れや痛みを抑える基本的なケアとして広く使われています。
ここでは日常に取り入れやすい2つの方法を紹介します。
安静にして患部の負担を避ける
無理に動かすと炎症や痛みが悪化する可能性があるため、運動などを控えて膝やふくらはぎへの負担を減らしましょう。
完全に動かさないのではなく、痛みが強まらない範囲で休むことが大切です。
必要に応じてサポーターやテーピングで患部を固定、保護することも有効です。
患部をアイシング(冷却)する
冷却は炎症や腫れを抑え、痛みを和らげる効果が期待できるため、痛みの強い急性期は患部をアイシングしましょう。
氷や保冷剤をタオルで包み患部に当て、1回15〜20分を目安に冷却します。
直接氷を肌に当てると凍傷の恐れがあるため、必ず布を挟み、一定間隔を空けて患部に当てて冷却しましょう。
アイシングの際に「冷湿布」を考える方もいらっしゃいますが、冷湿布はひんやり感じても実際に冷却できていない点には注意が必要です。
膝から下が痛いときは早期に医療機関を受診しよう
膝から下の「痛い・重い・だるい」といった症状は、放置せず早めに医療機関を受診することが大切です。
一時的な筋肉疲労で治ることもありますが、血管や神経に関わる病気が隠れている可能性もあり、進行すると生活への影響だけでなく命に関わるケースもあります。
従来は薬物療法や手術が中心でしたが、近年の治療では炎症を抑え、損傷した組織の回復を促すことを目標とした「再生医療」が注目されています。
従来の治療だけでは十分な効果が得られなかった方や手術を避けたい方にとって、新たな治療選択肢となるでしょう。
当院リペアセルクリニックでは、膝の痛みに対する再生医療を行っております。
「膝の痛みを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設