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ばね指を自分で治すセルフケア4選|効果的なストレッチ方法と注意点を解説【医師監修】

「ばね指を自分で治す方法はある?」
「ばね指はストレッチで治る?」
上記のように、ばね指を自分で治す方法がないかお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ばね指は、初期段階で適切に対処すれば症状改善が見込めますが、我慢して指を使い続けると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
本記事では、ばね指の症状を自分で和らげるためのセルフケア方法から注意点まで詳しく解説します。
- ばね指を自分で治すためのセルフケア4選
- ストレッチを効果的に行うためのポイント
- セルフケアを行う際の注意点
また、ばね指の症状を根本的に治したい方は、先端医療の一つである「再生医療」をご検討ください。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、指関節の炎症抑制や痛みの改善が期待できます。
当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の治療法や症例を配信しているため、この機会に再生医療についてチェックしてみてください。
目次
ばね指を自分で治すセルフケア4選
ばね指のつらい症状を和らげるためには、ご自身で行うセルフケアが有効です。
症状の改善と悪化防止に役立つ4つの基本的な方法を紹介します。
セルフケアは、症状の段階に合わせて適切に使い分けるのが改善への近道です。
指の使いすぎを避けて安静にする
ばね指の症状を改善するには、指の使いすぎを避けて安静に保つのが基本です。
ばね指は、指を動かす「腱」と腱を包むトンネル状の組織「腱鞘」が擦れて炎症を起こしている状態を指します。
症状を改善させるには、原因となる指への負担を減らし、炎症を鎮めるための時間が必要です。
痛みがあるにもかかわらず指を使い続けると、炎症が長引いて回復が遅れる可能性があります。
日常生活では、スマホを片手で長時間操作するのを控え、両手で支えるように使用するだけでも負担は軽減されます。
仕事中などパソコン作業が続くときは、こまめに休憩を挟んで指を休ませましょう。
指のストレッチを行う
指のストレッチは、硬くなった腱や周辺組織の柔軟性を高め、指の動きを滑らかにするのに役立ちます。
ただし、痛みが強いときや熱感があるときに、無理してストレッチすると炎症を悪化させる可能性があります。
ストレッチは、症状が落ち着いているタイミングで、気持ち良いと感じる範囲で行いましょう。
体が温まり、筋肉や腱がほぐれているお風呂上がりにストレッチするのがおすすめです。
具体的なストレッチには、以下のような方法があります。
ばね指に対するストレッチ方法
- 指全体のストレッチ:手のひらを上にして、反対の手で指全体をゆっくりと反らせるように伸ばす
- 指の曲げ伸ばし:指を1本ずつ、ゆっくりと曲げたり伸ばしたりを繰り返す
- 腱のストレッチ:指の付け根(手のひら側)を、反対の手の親指で優しく押さえるようにマッサージする
どのストレッチも、1回10分以内を目安に、痛みが出ない範囲で継続しましょう。
テーピングやサポーターを活用する
テーピングやサポーターで患部を固定すると、指の動きが物理的に制限され、安静を保ちやすくなります。
指の余計な動きを抑えることで、腱と腱鞘の摩擦が減り、炎症の悪化を防ぐ効果が期待できます。
特に就寝中は無意識に指を動かしてしまうため、夜間に装着すると日中の症状緩和につながります。
テーピングとサポーターにはそれぞれ特徴がありますので、ご自身の症状や生活スタイルに合わせて選びましょう。
種類 | 特徴 | こんな方におすすめ |
---|---|---|
テーピング | 動きを適度に制限しつつ、ある程度の自由度を保てる | 症状が比較的軽く、日中の作業時にも使いたい方 |
サポーター | 金属プレートなどで広範囲をしっかり固定できる | 症状が強く、安静を徹底したい方や就寝時に使いたい方 |
どちらを利用する場合も、血行不良を防ぐために強く締めすぎないように注意が必要です。
装具を装着してみて、手指のしびれや鬱血など色の変化があればすぐに調整しましょう。
患部をアイシング(冷却)する
ばね指によって患部に熱感や腫れがある場合は、アイシング(冷却)するのが効果的です。
患部を冷やすと血管が収縮し、炎症や腫れを抑えられることで痛みの軽減が期待できます。
指を使いすぎた直後や、ズキズキとした痛みを感じるときに試してみてください。
アイシングによる凍傷を防ぐため、直接肌に当てるのは避け、氷のうや保冷剤をタオルで包んでから1回15〜20分程度を目安に患部に当てましょう。
ばね指を自分で治すストレッチをするときのポイント
ばね指の症状緩和にストレッチは有効ですが、ただ行うだけでは十分な効果を得られません。
やり方を間違えると症状を悪化させる場合もあるため、以下のポイントを押さえてストレッチしましょう。
少しの工夫で効果が変わりますので、ぜひ実践してください。
10分以内を目安に行う
ストレッチは、1回の時間を10分以内を目安に行いましょう。
ばね指は指の使いすぎが原因で起きるため、良かれと思ってストレッチを長時間続けると、指への新たな負担となり症状を悪化させる可能性があります。
痛みを我慢して無理に伸ばしたり、長時間続けたりすると炎症を助長する可能性があります。
ストレッチの目的は、硬くなった筋肉や腱を優しく「ほぐす」ことであり、鍛えることではない点を理解しておきましょう。
毎日少しずつでも継続することが重要です。
お風呂上がりに行う
ストレッチを行うタイミングは、お風呂上がりがおすすめです。
入浴によって体が温まると全身の血行が促進され、筋肉や腱の柔軟性が高まります。
組織が伸びやすい状態でストレッチを行うことで、ばね指の症状緩和につながります。
手を温める具体的な方法として、以下のような方法を実践しましょう。
- 入浴:全身を温めてリラックスする
- 手浴:洗面器のお湯で指先から温める
- 蒸しタオル:患部を3〜5分ほど直接温める
ただし、患部に熱感や腫れがある炎症の強い時期(急性期)は、手を温めることで症状が悪化する可能性があります。
その場合はストレッチを控え、アイシングを優先しましょう。
ばね指を自分で治すときの注意点3つ
ばね指のセルフケアは回復を助けますが、やり方を間違えると症状を悪化させる可能性があります。
ここでは、セルフケアに取り組むうえで必ず守っていただきたい3つの注意点を解説します。
痛みがあるときは無理をしない
痛みがあるときは、無理に指を動かさないようにしましょう。
とくに痛み、腫れ、熱感が強い時期は、強い炎症状態のため、無理に動かすと症状を悪化させる可能性があります。
主に以下のような行動は、要注意です。
- 痛みを我慢してのストレッチやマッサージ
- 痛む場所を何度も押して状態を確認する行為
- 指に負担のかかる作業の継続
強い痛みを感じる場合は、まず安静を第一に考えましょう。
以下の記事では、ばね指をはじめとする腱鞘炎の痛みや原因について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
炎症が落ち着いたら指を冷やさない
初期段階のばね指に対する応急処置としてアイシングは有効ですが、炎症が落ち着いたら指を冷やさないことが重要です。
炎症が治まったあとに指を冷やし続けると血行が悪くなり、腱や周辺の組織が硬くなってしまいます。
指のケアは、症状の段階に応じて「冷やす」か「温める」かを正しく使い分けましょう。
熱っぽさや腫れがある「急性期」は冷やすのが効果的ですが、その時期を過ぎた「慢性期」では温めるケアに切り替えます。
症状の段階 | 主な症状 | 推奨されるケア |
---|---|---|
急性期 | 痛み・熱感・腫れ | アイシング(冷却) |
慢性期 | こわばり・動かしにくさ | 温める(温熱) |
ご自身の指に熱っぽさを感じるかどうかを1つの目安にしてください。
熱感がなくなったら温めるケアに切り替え、血行を促進して組織の柔軟性を高めましょう。
自然治癒に頼りすぎない
ばね指は、自然治癒に頼りすぎないようにしましょう。
軽症であれば安静にすることで改善する場合もありますが、痛みが長引いたり、指の引っかかりが強くなったりした場合は注意が必要です。
自己判断で放置すると、炎症が慢性化するばかりか、指関節周辺の組織が固くなる「拘縮(こうしゅく)」になるリスクがあります。
拘縮が起こると日常生活に大きな支障をきたし、改善のためには手術が必要になる可能性も高まります。
ばね指の症状に気づいたら、我慢せずに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
以下の記事では、ばね指をはじめとする腱鞘炎に対するステロイド注射の効果について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ばね指を自分で治す方法に関するよくある質問
ばね指のセルフケアに関して多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
間違ったケアで症状を悪化させないためにも、正しい知識を身につけていきましょう。
ばね指でやってはいけないことは?
ばね指では、以下のような指を酷使する行動は避けましょう。
ばね指でやってはいけないこと
- 痛みがあるのに無理に動かす
- 患部を強くマッサージする
- スマホ操作やPC作業など、指を酷使する動きを継続する
- 症状を軽視して放置する
ばね指は腱と腱鞘が炎症を起こしている状態なので、患部に余計な刺激を与えないのが基本です。
痛みや引っかかりを感じたら、まずは指を休ませることを優先しましょう。
ばね指の原因はビタミン不足?
ビタミン不足が、ばね指の直接的な原因になるわけではありません。
しかし、栄養バランスの乱れは、組織の修復力を低下させ、症状の悪化や回復の遅れにつながる可能性があります。
神経が正常に働くためには、以下のような栄養素が不可欠です。
- タンパク質・ビタミンC:腱の主成分であるコラーゲンの生成を助ける
- ビタミンB群:神経の機能を維持し、修復をサポートする
- ビタミンE:強い抗酸化作用で、炎症を抑える働きが期待できる
外食や加工食品に偏った食生活を送っていると、上記の栄養素が不足しがちです。
指を休ませる外的なケアと同時に、バランスの取れた食事で体の中から組織の修復をサポートすることも、症状改善への近道です。
ばね指を早く治したい方は再生医療をご検討ください
セルフケアは、ばね指の症状を緩和するための基本です。
しかし、セルフケアを続けても症状が改善しない、あるいは痛みが強くなる場合は、医療機関を受診しましょう。
症状を放置すると、指関節が固まって動かなくなる「拘縮」になるリスクがあるため、注意が必要です。
そして、保存療法では改善が見られず、手術も避けたいと考える方には「再生医療」という選択肢があります。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を活用して、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。
入院や手術の必要がなく日帰りで治療を受けられるため、日常生活への影響を抑えながら、ばね指の根本的な改善が期待できます。
以下のページでは、手関節に対する再生医療の症例を紹介しているため、併せて参考にしてみてください。
「セルフケアだけでは不安」「手術をせずに早く治したい」とお考えの方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設