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【医師監修】突き指と骨折を見分ける5つのポイントと治療法について解説

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公開日: 2025.09.30

指をどこかにぶつけたり、スポーツ中に突き指をしてしまった時、「これってただの突き指?それとも骨折?」と不安になりますよね。

そんな疑問を解決するために、本記事では突き指と骨折を見分けるための重要な5つのポイントと正しい対処法、そして適切な治療方法をわかりやすく解説します。

この記事を読むと分かること

  • 突き指と骨折の見分け方
  • 指を骨折した時の正しい応急処置
  • 指を骨折した時の適切な治療方法

新しい治療方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

突き指(捻挫)と骨折の見分け方は?

結論から言うと、突き指と骨折を自分で完全に判断するのは難しいです。

指の腫れや痛みは、どちらの場合でも起こりうるケースが多いためです。

ただし、以下のサインが1つでも見られる場合は、骨折している可能性が非常に高いため、すぐに整形外科を受診しましょう。

  • 指が不自然な方向に曲がっている
  • 特定の箇所を押すと激痛が走る
  • 内出血が広範囲に広がっている
  • 指がまったく動かせない、または動かそうとすると激痛が走る
  • 指先が痺れている、冷たくなっている

まず、指の変形が最も分かりやすいサインです。

指が不自然な方向に曲がっていたり、関節がずれているように見える場合は、骨折の可能性が非常に高いです。

また、ただの突き指は関節全体がぼんやり痛むのに対し、骨折の場合は骨の特定の箇所を押した時に、強い激痛が走ります。

さらに、腫れや内出血の程度も重要な判断材料です。

骨折の場合、腫れが著しく、内出血が広範囲に広がり紫色になることが多いです。

そして可動域もチェックしましょう。骨折の場合は、痛みが強すぎて指を動かせない、または動かそうとすると激痛が走ります。

もしこれらの症状が1つでも当てはまる場合は、自己判断で放置せず、すぐに整形外科を受診してください。

指を骨折した時の正しい応急処置とやってはいけないこと

指を骨折した際は、正しい応急処置が重要です。

まずは以下のPOLICE処置を行いましょう。

  • Protection(保護):副木やテーピングで指を固定する
  • OL(最適負荷):無理のない範囲で動かす
  • Ice(冷却):タオルでくるんだ氷で冷やす
  • Compression(圧迫):包帯などで軽く圧迫する
  • Elevation(挙上):心臓より高い位置に保つ

POLICE処置は損傷部位の悪化を防ぎ、早期回復を促します。

専門医の診断を受ける前に、まずこの処置を実践しましょう。

逆に、絶対にやってはいけないのは、自己判断で指を引っ張ったり、元に戻そうとすることです。

無理やり引っ張ることで、指の神経や血管を傷つける危険があります。

また温めると腫れが悪化するため、患部を温める行為も避けてください。

少しでも不安がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

指を骨折した時の適切な治療方法

指を骨折した時の適切な治療方法は、以下の通りです。

保存療法、手術療法、再生医療、どの治療法が適切かは骨折の程度によって異なります。

専門医に相談し、ご自身に最適な治療法を選びましょう。

保存療法

突き指や骨折の症状が軽度で、手術の必要がないと判断された場合に行われるのが保存療法です。

主な治療法は、以下の通りです。

治療法 目的 方法
ギプス固定 骨折部位を完全に固定し、正しい位置で骨が癒合するのを促す 石膏やプラスチック製の素材で、患部を覆って硬化させる
副木(スプリント)固定 骨折した指や関節を簡易的に固定し、不必要な動きを防ぐ アルミニウムやプラスチック製の板を当て、包帯やテープで固定する
バディテーピング 患部を隣の健康な指に固定し、動きを制限することで保護する 伸縮性のあるテープで、骨折した指と隣の指を一緒に巻きつける

保存療法中は医師の指示に従い、固定期間を守りましょう。

自己判断で外したり、無理に動かしたりすると、回復が遅れるリスクがあります。

固定が取れた後も、指の可動域を回復させるためのリハビリテーションが欠かせません。

手術療法

骨が大きくずれている場合や、関節にまで損傷が及んでいる場合は、術が必要となる場合があります。

指の骨折による主な手術療法は、以下の通りです。

手術療法 特徴
経皮的鋼線固定術 皮膚の上からワイヤーを刺し、骨を固定する
プレート固定術 骨にプレートやスクリューを直接取り付けて固定する
髄内釘固定術  骨の中に金属製の棒(髄内釘)を挿入して固定する

手術では骨折した部位を直接見ながら整復するため、保存療法よりも正確な位置に戻すことが可能です。

固定には、ワイヤー・ピン・スクリュー・プレートなどが用いられ、骨がしっかりとくっつくまで安定させます。

手術後は保存療法と同様に患部を固定し、その後はリハビリテーションを行うことで、指の可動域や筋力を回復させます。

手術は早期の社会復帰やスポーツ復帰が期待できる一方、麻酔や感染症などのリスクも伴います。

再生医療

近年、骨折治療の新しい選択肢として再生医療が注目されています。

再生医療とは患者さん自身の細胞や組織を使い、損傷した部位の再生・修復を促す治療法です。

特に自身の血液から採取したPRP(多血小板血漿)や幹細胞を用いた治療は、骨の癒合を加速させ、痛みの緩和や機能回復を早める効果が期待されています。

「できるだけ早く治して仕事やスポーツに復帰したい」「手術後の回復をもっと早めたい」という方にとって、再生医療は有効な選択肢となり得るでしょう。

リペアセルクリニック大阪院での骨折治療の症例

リペアセルクリニック大阪院では、骨折の治療に再生医療を取り入れています。

過去には激しい痛みを伴う骨折に対し、患者さん自身の血液から抽出したを患部に注入する治療を行い、回復が促進された症例があります。

この治療は、組織の修復を促す成長因子を豊富に含む多血小板血漿を活用することで、骨折部位の自然治癒力を高めます。

ご自身の症状に再生医療が適応するかどうか、より詳しく知りたい方は、ぜひ下記のページをご覧ください。

不安な場合は迷わず専門医に相談を

突き指の症状だけで、骨折かどうかを自宅で判断することは困難です。

  • 変形・腫れ・内出血・可動域をチェックする
  • 少しでも違和感がある場合は医療機関を受診する
  • POLICE処置により早期回復が期待できる
  • 指の骨折には主に保存療法・手術療法が選択される
  • 再生医療という選択肢もある

少しでも「もしかして骨折かも?」と不安に感じたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

正しい診断と治療を受けることで、指の変形や可動域の制限といった後遺症を防ぐことができます。

また、リペアセルクリニックでは再生医療という新しい選択肢を提案しています。

ご自身の細胞を使って損傷した組織の修復を促すことで、早期のスポーツ復帰を目指すことが可能です。

後悔のない治療選択のためにも、まずは当院へお気軽にご相談ください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設