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肩関節脱臼は手術しないで治る?治せるケースと手術が必要なケースについて解説

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公開日: 2019.09.10 更新日: 2025.12.03

肩関節を脱臼してしまい、「できれば手術はしたくない」「手術しないで治る方法はないか」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

肩の脱臼は、必ずしも手術が必須というわけではなく、手術しない治療で治せるケースも存在します。

しかし、手術しない治療には「脱臼がクセになる(反復性脱臼)」という大きなリスクが伴うのも事実です。特にスポーツを行う若い世代では、保存療法後の再発率が非常に高いことが知られています。

この記事では、肩関節脱臼を手術しないで治せるケースと手術しない場合のリスクについて解説します。

「できるだけ手術を避けて脱臼を治したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

また「繰り返す脱臼をなんとかしたい」「手術は避けたい」とお悩みの方は、再生医療も選択肢の一つです。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。

「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。

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肩関節脱臼は手術しないで治る?

肩関節脱臼は、必ずしも手術が必要とは限らず、手術しないで治す「保存療法」という選択肢も存在します。

本章では、手術をしない治療法(保存療法)で対応できるケースと、そのリスクについて解説します。

どのような場合に手術を避けられるのか、また手術しない場合のリスクは何かを理解することが、適切な治療法の選択につながるでしょう。

肩関節脱臼を手術しないで治せるケース

手術をしない「保存療法」が選択されるのは、主に脱臼が初めてで骨や関節唇(かんせつしん)の損傷が軽微な場合です。

肩関節脱臼を手術しないで治せる具体的なケースは、以下のとおりです。

  • 初めての脱臼
  • 関節の安定性が保たれている
  • 関節唇や骨に重大な損傷がない
  • 日常生活に支障がない程度に機能が回復している

保存療法では、外れた関節を元に戻す「整復」を行い、三角巾や装具で3週間程度固定します。

固定期間が終了したら、リハビリテーションを開始し、肩関節の可動域回復と周囲の筋力強化を目指す流れが一般的です。

損傷が軽ければ、固定によって関節包や靭帯などの組織の自然治癒が期待できる可能性があります。

肩関節脱臼を手術しないリスク

手術をしない保存療法を選択した場合の主なリスクとして「再脱臼(反復性肩関節脱臼)」を起こしやすくなることが挙げられます。

保存療法では、脱臼した際に損傷した関節唇(関節の受け皿の縁にある軟骨)や関節包が完全に修復されないことがあります。

その結果、関節の安定性が低下したままになり、再び脱臼しやすい状態になってしまうのです。

「脱臼がクセになる」状態は、日常生活のふとした動作でも不安が伴い、生活の質を大きく下げる要因となります。

若年層やスポーツをされている方は再発率が高いため、医師の指示に従って段階的に回復を目指すことが大切です。

肩関節脱臼で手術が必要となるケース

肩脱臼で手術が必要なケースは、以下のとおりです。

少しでも不安を感じる場合は、早めに整形外科を受診し、画像検査などを通じて正確な診断を受けたうえで、ご自身に合った治療方針を選ぶことが大切です。

反復性肩関節脱臼

反復性肩関節脱臼とは、一度脱臼を経験したあとに、同じ肩が繰り返し脱臼してしまう状態を指します。

肩関節は構造上、他の関節と比べて可動域が非常に広い一方で、不安定になりやすい特徴があります。

以下のようなケースでは、保存療法では安定性を取り戻せず、手術が選択肢となることが一般的です。

  • 脱臼が2回以上起きている
  • 肩にぐらつきや違和感を感じる
  • スポーツ中に同じ動きで何度も脱臼してしまう
  • MRIなどで関節唇損傷や靱帯損傷が確認された

反復性肩関節脱臼は、自然に治ることがほとんどなく、放置すると脱臼グセが付くリスクがあります。

繰り返す脱臼には、早めに専門医の診察を受け、正確な診断と治療方針を検討することが大切です。

関節唇損傷(バンカート損傷)

脱臼によって、前方の関節唇がはがれ落ちるように損傷した状態をバンカート損傷と呼びます。

このバンカート損傷が起こると以下のような症状が起きます。

  • 肩が外れやすくなる
  • 投球動作やバンザイ動作で不安定感・引っかかり感を感じる
  • 脱臼を繰り返すごとに関節唇の損傷が悪化しやすい

バンカート損傷は、MRI検査や関節鏡検査によって発見されることが多く、保存療法では安定性の回復が難しい場合、関節唇の手術が検討されます。

関節唇の損傷は、肩の安定性に影響するため、脱臼グセがある・肩の動きに違和感があると感じる方は、早めに医療機関へ受診しましょう。

骨折を伴う脱臼

肩の脱臼に骨折を伴うケースは脱臼骨折と呼ばれ、損傷の範囲が広がるため手術を検討するケースが多くなります。

  • 関節窩骨折
  • 上腕骨大結節骨折
  • 骨性バンカート損傷

一方で、以下のような条件に該当する場合は、保存療法(装具による固定など)での回復が見込めるケースも。

  • 骨のずれがわずかで整復後の位置が安定している
  • 関節の支持構造が大きく損傷していない
  • 日常生活に大きな支障がない
  • 高齢などで手術リスクが高い

ただし見た目には軽い症状でも、内部の組織が広範囲に損傷していることがあるため、脱臼後は早めに精密検査を受けましょう。

脱臼による神経や血管の損傷

肩の脱臼は周囲の神経や血管にも影響を及ぼすことがあり、放置や処置の遅れによって以下のような合併症を招く可能性があります。

  • 神経損傷
  • 血管損傷(腋窩動脈など)

脱臼の整復が遅れた場合や損傷が重度な場合、神経麻痺や血流障害が合併症として発生する可能性があるため注意が必要です。

骨に異常がなくても、しびれ・脱力・血流不良などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。

脱臼を戻せない場合

通常、肩の脱臼は医師による整復操作(関節を元の位置に戻す処置)によって比較的速やかに改善が見込まれます。

しかし以下のような場合は、状況によっては整復が困難になる可能性があります。

  • 骨折を伴っている
  • 筋肉・靱帯・関節包などの軟部組織が関節内に巻き込まれている
  • 関節内に血腫や腫脹があり、物理的に整復できない
  • 脱臼から時間が経過して筋肉が硬直している

このような場合には、無理に整復せず、画像検査によって障害の有無や原因を正確に把握することが大切です。

肩関節脱臼を手術しない場合の治療法

手術せずに肩脱臼を治療する方法として、以下の2つがあります。

肩脱臼はすべてのケースで手術が必要なわけではありません。

損傷の程度や関節の安定性、年齢や生活スタイルに応じて、手術をせずに回復を目指す治療法も選択肢となります。

保存療法

保存療法は、外科手術を行わずに自然回復とリハビリによって改善を図る方法です。

脱臼した肩に対しては、以下のようなステップで治療が進められます。

  • 整復:脱臼した関節を元の正しい位置に戻す処置
  • 固定:三角巾や装具を用いて肩関節を安静に保つ(数週間)
  • リハビリ:可動域の回復・筋力強化・再発予防のためのトレーニング

ただし、関節の安定性が不十分なまま復帰すると、再脱臼を起こすリスクが高まるため注意が必要です。

スポーツ復帰や日常動作に支障が出ることを防ぐためには、理学療法士の指導のもと、段階的かつ計画的にリハビリを行いましょう。

再生医療

再生医療とは身体が本来持つ修復機能を活かし、関節や靱帯といった組織の再生を促す治療法で、以下のような方法があります。

  • PRP療法
  • 幹細胞治療

肩脱臼後にみられる関節の不安定性や靱帯損傷に対し、手術をせずに改善を目指したい方にとって選択肢の一つとなります。

どちらの治療も注射のみで行えるため、入院やメスを使う手術の必要がなく、身体への負担が少ない点も特徴です。

「繰り返す脱臼をなんとかしたい」「手術は避けたい」とお悩みの方は、再生医療という新たな選択肢を検討してみてください。

治療内容の詳細については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでもご案内していますので、まずはご確認ください。

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肩関節脱臼を手術しないときによくある質問

本章では、肩関節脱臼の手術をしない選択をする際、多くの方が疑問を持つ点についてお答えします。

これらの疑問を解消し、ご自身が納得して治療法を選択するための一助としてください。

肩脱臼を自分で治す方法はある?

肩関節脱臼を自分で治そう(整復しよう)と試みるのは、非常に危険なため絶対にやめましょう。

脱臼した際に肩の関節唇(軟骨)の損傷、さらには神経や血管の損傷を伴っている可能性があります。

専門知識のない人が無理に関節を動かすと、これらの損傷を悪化させてしまうリスクが高いです。

激しい痛みや違和感がある場合は、無理に動かさずに、できるだけ早く医療機関を受診してください。

肩脱臼は手術しないとどうなる?

手術しない保存療法を選んだ場合、懸念されるのは「再脱臼(反復性肩関節脱臼)」のリスクが高まることです。

保存療法では、脱臼時に損傷した関節唇や靭帯が完全には修復されず、関節の安定性が低下したままになることで、再脱臼しやすくなります。

とくに10〜20代の若年層で初回脱臼をした場合、保存療法後の再発率は80%以上といわれています。

脱臼を繰り返すと、受け皿側の骨が削れるなどの「骨欠損」が進行し、日常生活の動作でも脱臼しやすくなる状態に陥る可能性があります。

肩脱臼の全治期間は?

手術しない保存療法の場合、一般的にスポーツ復帰などを含めた「全治」までには3ヶ月から6ヶ月程度が目安となります。

治療のプロセスは、まず整復(関節を元に戻す)を行った後、三角巾や装具で約3週間を目安に肩関節を固定します。

固定期間後は、理学療法士の指導のもとでリハビリテーションを開始します。

リハビリテーションでは、固まった関節の可動域を徐々に回復させつつ、肩周りの筋肉を強化し、関節の安定性を高めることが重要です。

肩関節脱臼を手術しないで治すなら早期治療が重要

肩脱臼は、すべてのケースで手術が必要というわけではありません

関節の損傷が軽度な場合や、日常生活に支障が少ない場合は、保存療法で自然治癒が期待できます。

しかし、関節の不安定性が残ったまま放置すると、再脱臼や慢性化のリスクが高まるため注意が必要です。

繰り返す脱臼に悩んでいるけど、「できるだけ手術は避けたい」「安心してスポーツに復帰したい」という方は、再生医療も選択肢の一つとして検討しましょう。

再生医療の詳細について知りたい方は、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにてご相談ください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設