膝の水を抜く際にかかる料金は?処置の流れ・治療法・再発防止のポイントも解説!
公開日: 2019.07.20更新日: 2025.04.30
膝に水が溜まる状態は、炎症などが原因で起こります。
放置していると痛みが悪化したり、関節の変形につながるおそれもあるため、適切な処置が欠かせません。
しかし「膝の水を抜く処置ってどれくらい費用がかかるの?」「そもそも水を抜くってどんなことをするの?」といった、不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
膝に水が溜まった際の治療法は、保険診療と自費診療でかかる料金が異なります。
そこで本記事では、膝の水を抜く処置にかかる費用や、メリット・デメリットについて、詳しく解説します。
膝の違和感を放っておかず、正しい知識と対応で将来の関節トラブルを防ぎましょう。
目次
膝の水を抜く際にかかる料金【保険診療と自費診療で異なる】
膝の水を抜く際にかかる料金は、保険診療と自費診療で異なります。
基本的に膝の水を抜く処置は、健康保険が適用されるため、多くの方は医療費の3割を負担します。
内訳 | 保険診療(3割負担の場合) |
---|---|
初診料・再診料 | 約250~900円 |
関節穿刺(水を抜く手技料) | 約250円 |
検査料(レントゲン、エコーなど) | 約500~2,000円 |
薬剤費・その他処置料(注入薬など) | 数百円 ~1,500円 |
合計 | 約1,500~4,500円 |
保険点数は全国共通ですが、医療機関や診療内容によって料金が異なるため注意しましょう。
一方で、以下のケースでは自費診療が適用され、全額自己負担となります。
- 保険証不携帯
- 保険適用外の治療(再生医療 など)
- 特殊な事情
自費診療は数千円~数十万円と、医療機関が自由に料金を設定できるため、必要な費用が大きく異なります。
膝に水が溜まった際に、自費診療で処置を受ける場合は、事前に料金体系を確認しましょう。
膝に水が溜まる主な原因
膝に水が溜まる主な原因は、以下の3つです。
膝の水を放置していると、立ち上がる際や歩行時に痛みがみられ、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
膝に違和感を覚えた際は、早めに医療機関を受診し、原因や治療法を確認しましょう。
以下の記事では、膝に水が溜まる症状について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
軟骨の損傷
膝に水が溜まる原因の1つは、軟骨の損傷です。
損傷した軟骨の破片は「異物」と認識され、異物排除のために関節液が過剰に分泌されます。
加齢による変形性膝関節症や、膝を酷使するスポーツは、膝の軟骨を損傷しやすく注意が必要です。
関節内の炎症
関節内の炎症は、膝に水が溜まる原因の1つです。
膝の関節内に細菌やウイルスが侵入すると、炎症反応により関節液の過剰分泌が起こります。
自己免疫疾患である関節リウマチを患っている場合は、免疫機能が誤って自身の関節を攻撃してしまい、痛みや腫れなどの炎症反応がみられます。
関節内の炎症が細菌性であれば、膝の痛みや腫れなどが悪化する恐れがあるため、早めに治療を行うことが大切です。
軟骨付近の内出血
軟骨付近の内出血は、膝に水が溜まる原因です。
日常生活での転倒やスポーツ外傷によって、膝周囲を骨折した場合は、関節液に血が混じることがあります。
骨折や靭帯損傷などの大きな外傷がなくても、膝から抜いた水が赤色であれば、膝軟骨付近で内出血が起こっている可能性があります。
膝の水を抜くメリット
膝の水を抜く処置には、以下のメリットがあります。
- 膝の負担を軽減できる
- 痛みや腫れなどの炎症反応を抑えられる
- 抜いた水の色で原因を調べられる
過剰な関節液を抜くことで、痛みや動かしにくさなどの症状が軽減されます。
膝から抜いた水の色や性状を調べ、炎症の原因を特定し、早期から治療を開始しましょう。
膝の水を抜くデメリット
膝の水を抜く際は、以下のデメリットも踏まえて、治療法を検討しましょう。
- 水を抜く際に痛みが生じる
- 感染のリスクがある
膝の水を抜く際は、注射器を使用するため、穿刺部からの感染リスクがあります。
感染を防ぐには、処置後、膝周囲の清潔を保つことが重要です。
膝の水を抜く処置を受ける際は医療機関で、炎症の原因や処置後のケアについて確認しましょう。
膝に水が溜まったとき、水を抜く以外にできる治療法とは
膝に水が溜まったときに、水を抜く以外にできる治療法は、以下の4つです。
膝の痛みや動かしにくさなどの症状は、保存療法で改善する可能性があります。
痛みや腫れなどの症状がみられる場合は、医療機関へ相談し、自身に合った治療法を検討しましょう。
薬物療法
膝に水が溜まった際は、以下の薬物療法で、痛みや動かしにくさなどの症状を改善できる場合があります。
- 内服薬
- 湿布薬
- ヒアルロン酸注射
- ステロイド注射
痛み止めや抗炎症薬を用いて炎症症状を抑えることで、膝を動かした際の違和感を軽減できる可能性があります。
薬物療法で治療する際は、医師や薬剤師の説明を十分に受け、副作用に注意しましょう。
リハビリテーション療法
リハビリテーション療法は、膝に水が溜まった際に有効な治療法の1つです。
リハビリテーション療法とは、日常生活を想定して、正しい身体の動かし方を習得する治療法です。
膝軟骨の損傷や関節内の炎症が原因で膝に水が溜まっている場合は、膝へ過度な負担がかかっている可能性があります。
再発を防ぐために、姿勢や動作などを専門家に見てもらい、負担の少ない膝の動かし方を確認しましょう。
手術療法
薬物療法やリハビリテーション療法を受けても症状の改善がみられない場合や以下のケースでは、手術療法による治療を検討します。
- 重度の変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
手術療法では膝に水が溜まる原因を根本的に取り除けますが、入院やリハビリなどで治療期間が長引く可能性もある点に注意が必要です。
再生医療
膝に水が溜まり保存療法を受けても症状が改善しないときは、再生医療による治療も1つの選択肢です。
再生医療には、PRP(多血小板血漿)療法と幹細胞治療があり、それぞれ以下の特徴を持ちます。
再生医療の種類 | 特徴 |
---|---|
PRP(多血小板血漿)療法 | 患者様の血液から血小板を高濃縮した血漿を精製し、再度患部に注入する治療法 |
幹細胞治療 | 患者様自身の幹細胞を採取・培養し、患部に注入する治療法 |
再生医療による治療は、炎症を軽減するだけでなく、損傷した組織の修復や再生にも期待できます。
膝に水が溜まり再生医療による治療を検討している方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】膝に水が溜まる症状を緩解させるには根本的な治療が重要
膝に水が溜まる症状を緩解させるには、手術療法や再生医療などの根本的な治療が重要です。
膝の水を抜く処置を受ければ、関節液が過剰に溜まる原因を調べられますが、穿刺部の感染リスクや痛みなどのデメリットに注意が必要です。
痛みや腫れ、膝の動かしにくさなどの症状を放置していると、症状が悪化する恐れがあります。
保存療法で症状の改善がみられなかったり、病状が進行したりした場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。
再生医療は、変形性膝関節症や膝軟骨の損傷が原因で、膝に水が溜まった際に有効な治療法です。
入院や手術が不要なため、日常生活への早期復帰が見込めます。
膝の痛みや動かしにくさでお困りの際は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設