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高次脳機能障害は回復する?治る可能性・具体的な治療法・活用できる支援機関について解説

「高次脳機能障害は治るか知りたい」と不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
高次脳機能障害は、脳卒中や交通事故などによる脳のダメージが原因で起こる後遺症の一つで、思うような行動が取れなくなったり、注意力や記憶力に問題が生じたりします。
高次脳機能障害は完治が難しいと考えられていますが、早期から適切なリハビリを開始することで症状の緩和・改善が見込めます。
この記事では、高次脳機能障害の回復過程やリハビリ方法について解説しています。
なお、近年の高次脳機能障害の治療では、自己細胞を用いて損傷した脳細胞の改善を目指す「再生医療」が注目されています。
以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、高次脳機能障害が改善された患者さまの症例を紹介しています。
また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する内容や症例を公開しております。併せてご覧ください。
目次
高次脳機能障害とは?【基礎知識】
高次脳機能障害は、脳へのダメージによって記憶や感情のコントロールなど、さまざまな機能に支障が出る状態を指します。
本章では、高次脳機能障害の基礎知識として、主に以下の3点に焦点を当てて解説します。
外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれ、周囲の理解とサポートが重要です。
以下でそれぞれの内容について順番に見ていきましょう。
高次脳機能障害で生じる症状
脳の損傷部位によって、記憶や注意力、感情のコントロールなど、日常生活に影響を及ぼす多様な症状が現れます。
高次脳機能障害で見られる代表的な症状には、主に以下の4つの分類があります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 記憶障害 | 新しいことを覚えられない、数分前の出来事や約束を忘れてしまうなど |
| 注意障害 | 集中力が続かない、周囲に気を取られて作業を最後までやり遂げられないなど |
| 遂行機能障害 | 計画を立てて順序よく行動できない、予期せぬ事態に臨機応変に対応できないなど |
| 社会的行動障害 | 感情のコントロールが難しくなる、思い通りにならないとパニックを起こすなど |
これらの症状は複雑に絡み合うことが多く、本人が自分自身の状態を正確に認識できないケースも少なくありません。
周囲が症状について理解し、根気よくサポートする環境を整えることが重要です。
高次脳機能障害の主な原因
病気や事故などによって脳細胞が傷つくことが、高次脳機能障害の引き金となります。
障害の原因となる主な疾患や外傷は、以下のとおりです。
- 脳血管障害:脳の血管が詰まったり破れたりする
- 外傷性脳損傷:事故や転倒による外部からの刺激によるダメージ
- 低酸素脳症:心肺停止や窒息などによって脳に酸素が行き渡らなくなる
など
原因の大半を脳血管障害と外傷性脳損傷が占めています。
発症の原因や脳のダメージを受けた場所を正確に把握することが、その後の適切なリハビリ方針を決める大きな手がかりとなります。
高次脳機能障害と認知症との違い
高次脳機能障害と認知症は、どちらも記憶力などに影響が出ますが、発症の年齢層や進行の仕方といった基本的な性質において明確な違いが見られます。
主な違いを分かりやすく表にまとめました。
| 特徴 | 高次脳機能障害 | 認知症 |
|---|---|---|
| 主な発症要因 | 脳血管障害や頭部の外傷などによる脳の部分的な損傷 | 加齢やアルツハイマー病などによる脳の全体的な萎縮 |
| 好発年齢 | 20代〜50代の若年・働き盛り世代を含む全年齢 | 65歳以上の高齢者に多く見られる |
| 症状の進行 | 早期からのリハビリで改善・緩和が見込まれる | 時間経過とともに症状が進行していくことが多い |
高次脳機能障害は、早期にリハビリを開始し、適切な方法で継続することで機能の改善・緩和が期待できる可能性を持っています。
両者の違いを明確に理解することで、将来への不安を和らげ、無理のない治療計画を立てやすくなるでしょう。
高次脳機能障害の回復過程は?治る可能性はあるのか
高次脳機能障害は、早期から適切なリハビリを継続することで多くのケースで改善の見込みがあります。
脳は損傷を受けても残っている神経の働きを活用したり、新しい神経経路を作り出したりする可塑性(かそせい)と呼ばれる力があります。
本章では、高次脳機能障害の回復見込みとリハビリの重要性について解説します。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
リハビリ後1年で約97%の方に改善がみられる
高次脳機能障害のリハビリを受けた方のうち、症状の改善がみられた割合は以下のとおりです。※
※出典:高次脳機能障害者支援の手引き(改訂第2版)
- 発症から半年:74%
- 発症から1年:97%
高次脳機能障害は、発症早期に適切な訓練を受けるのが重要です。
多様な種類のリハビリがあるので医療機関や福祉施設など、さまざまなサービスと連携して行います。
リハビリの効果には個人差がありますが、合計1年を目安とした訓練を受けるのが望ましいです。
回復には発症から早期のリハビリ開始が重要
高次脳機能障害は、発症からリハビリ開始までの期間が短いほど、改善が期待できます。
発症からリハビリ開始までの期間別に、症状が改善した患者の割合をまとめました。※
※出典:平成13年度高次脳機能障害支援モデル事業年次報告 (北海道・札幌市)
- 発症から6カ月以内に訓練開始:46%が改善
- 6カ月から1年以内に訓練開始:32%が改善
- 1年以上経ってから訓練開始:14%が改善
高次脳機能障害は外見からはわかりにくく、患者さま本人やご家族も障害に気づかない場合や気付くのが遅れる場合もあります。
上記のデータでは、発症から時間が経ってしまうと十分な効果を得にくい傾向があることがわかります。
リハビリは医療機関やリハビリテーションセンターで受けられるので、心配な方は受診を検討してください。
高次脳機能障害の回復に不可欠なリハビリテーション
高次脳機能障害のリハビリは、主に病院や診療所などで行います。
以下では、高次脳機能障害の症状とリハビリの内容をまとめました。
以下でそれぞれのリハビリ内容について詳しく見ていきましょう。
記憶障害のリハビリテーション
記憶障害とは、新しい情報を覚えにくくなったり、過去の出来事や約束を忘れやすくなったりする状態※を指します。
※出典「:医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター」
また、新しいことを覚えるのに時間がかかることも少なくありません。
記憶障害のリハビリでは、どの種類の記憶に問題があるのか、どの程度の期間情報を保持できるのかを確認しながら個々に合った訓練を行うことが重要です。
具体的なリハビリ方法は、主に以下の2つに分けられます。
| リハビリ方法 | 内容 |
|---|---|
| 内的記憶戦略法 |
|
| 外的補助手段 |
|
いずれの方法も、訓練を繰り返し行います。また、思い出しやすい環境を整えることも効果的です。
ご家族が声かけやメモの補助を行うことで、リハビリの効果をさらに高められます。
注意障害のリハビリテーション
注意障害とは物事に集中する力が低下したり、周囲の状況をうまく判断できなかったりする状態※です。
※出典:「医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター」
例えば、長時間の作業が続かず途中で止めてしまったり、複数の作業を同時にこなすのが難しかったりする場合があります。
注意障害のリハビリでは、集中しやすい環境を整えることが大切です。
具体的には、個室や静かな場所で決まった支援者と一緒に訓練を行うことで、注意力を高めやすくなります。また、課題は簡単なものから少しずつステップアップしていくことが効果的です。
主なリハビリの内容は、以下のとおりです。
- パズル
- まちがい探し
- 教育関連のテキスト
- 電卓の計算
- 校正作業
- 辞書調べ
- 入力作業
訓練を繰り返すと注意を持続させる力が徐々に改善され、日常生活や仕事でのミス軽減につながります。
ご家族がそばで声かけや環境の調整を行うことも、リハビリの効果を高めるポイントです。
遂行機能障害のリハビリテーション
遂行機能は物事を計画・段取りする力で、障害があると予定に遅れやすくなったり、作業を途中でやめたりします。※
※出典:「医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター」
記憶障害や注意障害が影響している場合もあり、どの能力に問題があるのかを見極めることが重要です。
遂行機能障害のリハビリでは日常生活や作業に近い課題を通して、計画性や行動の管理能力を段階的に訓練します。個々の特性に応じて、習慣化しやすい方法を取り入れることもポイントです。
主なリハビリの内容は、以下のとおりです。
- 日常生活で必要な動作や作業を繰り返し行って習慣化し、手順を体で覚える
- 作業やスケジュールの順序を支援者と一緒に考え、段取りの立て方や優先順位を身につける
- ワークブックや組み立てキットなどマニュアルに沿って作業を行い、計画性の改善と作業の安定につなげる
リハビリを繰り返すことで、遂行機能障害の影響を受けにくい生活の習慣や作業手順を作れます。
ご家族が日常生活で声かけや作業の補助を行うと、より効果的にリハビリを進められます。
社会的行動障害のリハビリテーション
社会的行動障害は欲求や感情のコントロールが難しくなり、他者との関わりで問題が生じやすくなる症状※です。
※出典:「医学的リハビリテーションプログラム | 国立障害者リハビリテーションセンター」
例えば、興奮して大声を出したり、自傷行為に至ったり、自分中心の行動で満足感を得ようとしたりする場合があります。
社会的行動障害のリハビリでは、まず刺激の少ない静かな環境を整えることが重要です。
どのような状況やきっかけで症状が現れるのかを把握し、患者さまと一緒に対処法を考えていきます。
主なリハビリの内容は、以下のとおりです。
- 症状が出やすい場面や行動のパターンを観察し、どの刺激が問題を引き起こすかを整理する
- 落ち着く方法や感情の切り替え方、声かけや環境調整など、症状が出たときに取る対応を練習する
- 簡単なゲームやロールプレイを通じて他者との関わり方やマナーを学ぶ
リハビリを繰り返すことで感情や行動のコントロールが少しずつ身につき、日常生活や人間関係の安定につながります。
ご家族の理解や支援も、リハビリ効果を高める大切なポイントです。
高次脳機能障害の患者に対して家族ができること
高次脳機能障害のある方を支える際、ご家族の関わり方は回復や日常生活の安定に大きく影響します。
接し方や対応方法を知ることで、本人もご家族も負担を軽くしながら生活しやすくなります。
症状を理解する
高次脳機能障害に対応する際は、まず症状を正しく理解することが大切です。
症状の現れ方は患者さまによって異なり、例えば、物事をすぐに忘れてしまう、集中が続かない、決められた行動がとれない、感情の起伏が激しいなど多岐に渡るためです。
対応の基本的な考え方は、以下のとおりです。
- どのようなときに問題が現れるのか観察する
- 問題が現れた際の状況を整理する(時間や場所、相手、話題など)
- 整理した状況を元に、単純な対策を立てて実行する(人の多い場所を避ける、手帳やメモなどの補助ツールを活用する)
※出典:厚生労働科学研究「障害福祉サービス等事業者向け高次脳機能障害支援マニュアル」
高次脳機能障害の方自身も感情のコントロールが難しい場合があるため、ご家族が症状を把握しておくことで無用な摩擦を避けられます。
症状を理解できれば、患者さまもご家族も余計なストレスを減らせ、日常生活のサポートがよりスムーズになります。
生活環境を整備する
高次脳機能障害のある方を支える上で、生活環境の整備は有効な対処法です。
環境を工夫できれば日常生活のしやすさが増し、症状の悪化を防ぎ改善を助ける可能性があります。
環境整備の具体例は、以下のとおりです。
| 症状 | 環境整備の具体例 |
|---|---|
| 作業のミスが多い | 作業後のチェック方法を話し合って決める |
| 外出のたびに家の鍵が見つからない | 鍵の保管場所を決める |
| 家電の操作方法が覚えられない | 操作方法の図や写真を家電の近くに貼る |
| 浴室に入っても体を洗わずに座っている | 最初の動作を補助する |
| ギャンブルにお金を使い込む | 不安や他の問題の回避のためにギャンブルに依存している可能性があるため、代替方法を探してみる |
※出典:厚生労働科学研究「障害福祉サービス等事業者向け高次脳機能障害支援マニュアル」
上記の工夫により本人は安心して生活でき、ご家族もサポートしやすくなります。
専門機関の利用を検討する
高次脳機能障害の症状に長期的に対応するために、医療や介護・福祉の専門サービスを活用しましょう。
主な障害福祉サービスの一例は、下記のとおりです。
| 障害者福祉サービス | 内容 |
|---|---|
| 自立訓練(生活訓練) | 通所や自宅の訪問、施設での宿泊などを通じて日常生活に必要な能力を高めるための支援を行う |
| 共同生活援助(グループホーム) | 少人数での共同生活にて孤立の防止や身体・精神状態の安定を目指す |
| 施設入所支援 | 施設に入所した方に入浴や食事の介護、日常生活の支援を行う |
※出典:厚生労働科学研究「障害福祉サービス等事業者向け高次脳機能障害支援マニュアル」
また、高次脳機能障害の方が受けられる支援の一例は、下記の通りです。
- 身体障害者手帳を取得すると、医療費の自己負担が軽くなったり、公共料金が割引かれたりする
- 介護保険を利用して訪問介護やヘルパーサービスを受け、本人やサポートするご家族の負担を軽減する
- 医療機関やリハビリ施設では、症状に応じたリハビリプログラムを提供してもらえる
患者さまとご家族が安心して生活するために、制度やサービスを上手に活用しましょう。
高次脳機能障害の回復には「再生医療」も選択肢の一つ
再生医療は損傷した組織にアプローチし、後遺症の改善や脳卒中の再発予防につながる可能性がある治療法です。
患者さま自身から組織の修復や再生のベースとなる幹細胞を採取・培養し、幹部に投与することで失われた機能の改善を目指します。
副作用のリスクが低く、手術や入院の必要もないため、高齢の方や体力に不安がある方でも取り組みやすい治療です。
当院「リペアセルクリニック」では、高次脳機能障害の患者さまに再生医療をご提供しています。
高次脳機能障害の回復に不安に感じているご家族や患者さまは、まずはお気軽にご相談ください。
脳卒中のお悩みに対する新しい治療法があります。
高次脳機能障害の回復についてよくある質問
高次脳機能障害の回復プロセスに関する疑問を解消しておくことで、患者本人や家族が前向きにリハビリへ取り組む環境を整えやすくなります。
本章では、回復の道のりについてよく寄せられる質問に回答していきます。
それぞれの疑問に対して、具体的な改善のプロセスやリハビリに対する考え方を見ていきましょう。
高次脳機能障害が治った人はいる?
発症前の状態へ完全に戻ることは難しいケースが多いものの、リハビリによって生活に支障がないレベルまで回復した方は多くいらっしゃいます。
傷ついた脳細胞そのものを修復することは困難ですが、脳には残った細胞同士で新しいネットワークを作る「可塑性」という機能が備わっています。
この働きを活かして適切なリハビリによって訓練を重ね、失われた機能を補うことで機能改善が期待できます。
また、近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」によって高次脳機能障害が改善した症例もあります。
高次脳機能障害を改善する方法は?
医療機関での専門的な訓練から生活環境の工夫まで、複数のアプローチを段階的に組み合わせることが効果的です。
具体的には、理学療法などによる基礎訓練に加え、買い物や料理といった日常動作の反復練習を取り入れると良いでしょう。
さらに、メモ帳やスマートフォンの活用、物の配置の工夫など、日々の負担を減らす環境調整も大きな助けとなります。
ご本人の状態に合わせて、苦手な部分をツールで上手に補う視点が重要です。
高次脳機能障害の回復期間は1年が目安!早期のリハビリ開始が重要
高次脳機能障害の回復期間は、適切な治療・リハビリを継続することで1年を目安に症状の改善が見られます。
また、治療の開始は発症から早いほど症状の改善に期待できます。
高次脳機能障害リハビリプログラムは、発症後すぐに行う医学的リハビリテーションプログラムから始め、症状に合わせて日常生活や就労の訓練を行います。
ご自身の症状や目標に合わせて適切なプログラムを選択し、継続的にリハビリに取り組むことが大切です。
また、高次脳機能障害の根本的な改善を目指し、リハビリ効果を高める方法として、再生医療をご検討ください。
- 後遺症によってうまく話せない
- 痺れや麻痺をなんとかしたい
- これ以上の機能回復が見込めないといわれた
- 現在のリハビリで効果を実感できていない
- 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発を予防したい
再生医療の治療効果は、脳卒中の発症後から早ければ早いほど改善が期待できます。
>>実際の症例はこちらからもご確認いただけます。
高次脳機能障害を治療したいとお考えの方は、当院「リペアセルクリニック」の再生医療をご検討ください。
監修者
圓尾 知之
Tomoyuki Maruo
医師
資格・所属学会
日本脳神経外科学会 所属
脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。




























