20代の膝の痛みは立ち仕事が原因?症状を和らげる方法を紹介
公開日: 2020.07.11更新日: 2025.07.31
「立ち仕事が多く、膝に違和感を覚える」「手術や薬に頼ることは避けたい」
膝の軽い痛みや不調を抱えつつも、病院に行くほどではないと感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、20代の膝の痛みの主な原因と、痛みを和らげる方法などについて解説します。
膝の痛みは年齢に関係なく、20代の若い世代にも少しずつ増えてきている症状のひとつです。
とくに、立ちっぱなしの仕事をしている方は日々の負担が蓄積し、知らないうちに膝にトラブルを抱えてしまうこともあります。
膝の痛みに関して情報収集中の方も、自分の症状と向き合う第一歩として参考にしてください。
目次
20代で膝が痛い!立ち仕事が原因?
20代で膝が痛い原因は、主に以下の3つです。
自身の生活を振り返って当てはまる事項を確認し、症状の改善に努めましょう。
原因1.長時間の立ち仕事によって靭帯に負担がかかっているケース
長時間の立ち仕事は膝の靭帯に負担をかけ、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
20代でも継続的な負荷により、以下の疾患を発症する可能性があります。
疾患名 | 主な原因 | 主な症状 |
---|---|---|
靭帯損傷 | 膝の骨同士をつなぐ靭帯の一部が損傷または断裂する |
|
変形性膝関節症 | 慢性的な負荷で膝の関節内の軟骨が徐々にすり減り、骨にも変化が起こる |
|
長時間の立ち仕事は膝の靭帯や関節軟骨に持続的な負担をかけ、痛みや炎症を引き起こします。
初期症状は軽微でも、放置すると膝の不安定感や腫れ、歩行時の違和感などが現れ、日常生活に支障をきたす可能性があります。
膝の違和感や痛みが数日以上続いている場合は、早期の診断と適切な治療のため整形外科を受診しましょう。
20代で発症する変形性膝関節症については、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
原因2.スポーツ・無理なトレーニングをしたケース
慣れないスポーツや急なトレーニングは、膝の関節や腱に過度な負担をかけてさまざまな疾患を引き起こすリスクがあります。
無理な運動後に膝が痛くなった場合、以下のような疾患が考えられます。
疾患名 | 主な原因 | 主な症状 |
---|---|---|
靭帯損傷 | ジャンプの着地や方向転換、急停止などの動作で靭帯が伸びすぎたり断裂する |
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半月板損傷 | ジャンプや方向転換の際などに、膝関節のクッションの役割を果たす半月板が傷つく |
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膝蓋腱炎(ジャンパー膝) | 繰り返しのジャンプやキック、ダッシュなどの動作によって膝のお皿とすねの骨をつなぐ腱である膝蓋腱が炎症を起こす |
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鵞足炎(がそくえん) | 急な坂道のランニングや不適切なトレーニングで、膝の内側にある鵞足部に炎症が起きる |
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慣れないスポーツや急なトレーニングは、膝の関節や腱に過度な負担をかけます。
とくに運動習慣がない人がいきなりハードな動きをすると、筋肉や靭帯が十分に対応できず、損傷のリスクが高まります。
膝に痛みが出た際は、スポーツを中断して早めに整形外科を受診しましょう。
予防のためには、スポーツやトレーニング前のストレッチやウォーミングアップを入念に行い、膝周囲の筋肉や腱をしっかりとほぐすことが重要です。
運動後のクールダウンやアイシングも、膝の負担軽減に役立ちます。
原因3.交通事故・転んだなどのイレギュラーなケース
転倒や交通事故による衝撃は、膝の靭帯や半月板や骨に損傷を及ぼす可能性があります。
以下は、事故や転倒などによって起こりうる代表的な疾患です。
疾患名 | 主な原因 | 主な症状 |
---|---|---|
靭帯損傷 | 転倒時に膝をひねる・ねじるなどして靭帯が断裂・損傷する |
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半月板損傷 | 膝への強い衝撃やねじれによって、膝関節のクッションの役割を果たす半月板が損傷する |
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膝の骨折 | 転倒や衝突による膝への直接的な力で膝の骨が折れる |
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交通事故による負傷は自覚症状が乏しいまま進行するケースもあります。
外傷後は痛みが軽くても内部が損傷している恐れがあるため、「大したことない」と自己判断せず、受傷後は速やかに医療機関を受診しましょう。
立ち仕事による膝の痛みを和らげる方法
立ち仕事による膝の痛みを和らげる方法は、以下の通りです。
すぐに実施できる方法もあるので、自身に合った対処法を探してみましょう。
膝の痛みが改善されない場合は、医療機関の受診を検討してください。
適度に休憩をはさむ
長時間の立ち仕事は、筋肉や関節に負担が蓄積し痛みや疲労の原因になるため、適度に休憩をはさみましょう。
立ち仕事中の適度な休憩におけるポイントは、下記の通りです。
- 30分に1度は座ったり歩いたりする
- こまめな水分補給で筋肉の柔軟性を保つ
- ストレッチを取り入れる(ふくらはぎの上げ下げ・足首を回すなど)
また、睡眠時間が7時間以下の日が2週間以上続くと筋骨格系の痛み発症リスクが1.7倍高まる※というデータもあります。
※出典:PubMed「睡眠と怪我のリスク」
十分な睡眠をとり仕事中はこまめに休憩をはさむことで、膝の痛みを予防しやすくなります。
サポーターの使用
膝用サポーターは、靭帯や筋肉の役割を部分的に補助して膝関節の安定性を高める効果があります。
保温効果があるタイプは、血流の促進や関節の柔軟性維持にも役立ちます。
市販のサポーターは種類が多いため、痛みの部位や用途に合わせて適切なものを選びましょう。
なお、サポーターは根本的な原因を治すものではないため、装着しても膝の痛みに対する治療につながりません。
継続的に痛みがある場合は医師の診断を受けたうえで、適切な治療やリハビリとあわせて使用しましょう。
ストレッチや運動療法
ストレッチや適度な運動は、膝の痛みの緩和や機能維持に効果的です。
痛みのために動かさずにいると、膝周囲の筋力が低下してさらに痛みが悪化する恐れがあります。
厚生労働省により膝の痛み軽減や身体機能の向上に寄与すると報告されている運動は、以下の通りです。
運動内容 | 運動頻度 |
---|---|
楽〜ややきつい程度のウォーキングや水中歩行など | 1日30分以上 |
筋力トレーニング | 週2〜3日 |
週3日以上の多要素運動(ストレッチ・ヨガなど) |
高齢者には週3日以上の運動頻度が推奨されるが、若年層では個人の体力や症状に応じて調整 |
上記の運動を週に3回以上、2~3カ月にわたり計24回以上の運動を継続すると効果的※とされています。
※出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
すべての運動をこなす必要はありません。
まずは、週に3回のウォーキングから始めてみましょう。
運動で痛みが悪化する場合は無理をせず、医師に相談して適切な治療を受けましょう。
体重管理
立ち仕事中の膝の痛みの原因の一つに、肥満も考えられます。
肥満度を表す国際的な指標であるBMIは体重(kg)÷ 身長(m)の2乗で算出され、25以上の方は肥満と判定されます。
体重1kgの増加で、膝には約2〜3kgの負担がかかるとされており、立ち仕事をしている方にとっては深刻な影響を与えかねません。
体重管理のためにできることは、以下の通りです。
- 適度な運動を取り入れる
- バランスの良い食事を1日3回摂る
- 早食いやながら食いを控える
1kg減量するだけでも膝の負担は軽減するので、無理のない範囲で継続しましょう。
薬物療法
膝の痛みに対する一般的な薬物療法として、痛み止めの内服薬が挙げられます。
とくに、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は痛みの緩和だけでなく膝の炎症を抑える作用もあり、立ち仕事をしている方に広く用いられています。
非ステロイド性抗炎症薬は、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどが代表的です。
ただし、長期間の服用や過量摂取は胃腸障害や薬物乱用頭痛などの副作用を引き起こすリスクもあります。
自己判断での使用は避け、症状が長引く場合は医師に相談しましょう。
立ち仕事に影響するほど慢性的な膝の痛みには再生医療も選択肢の一つ
仕事を休めない20代の方にとって、膝の痛みは深刻な問題です。
立ち仕事を続けながら膝の痛みを抱える日々に不安を感じている方には、再生医療という選択肢があります。
再生医療の幹細胞治療は、患者さま自身から採取した幹細胞を活かして傷んだ軟骨や組織にアプローチします。
副作用のリスクが低く、入院不要で受けられる点が大きな魅力です。
公式LINEでは再生医療に関する情報や簡易オンライン診断などを行っています。
膝の痛みや気になる症状がある方は、ぜひ公式LINEをチェックしてみてください。
立ち仕事で膝が痛む方からよくある質問
この項目では、立ち仕事で膝が痛む方からよくある質問をご紹介します。
膝が痛い場合はすぐに病院にいった方が良い?
すぐに病院にいった方が良いかどうかは、痛みの程度や症状の出方によって異なります。
以下の表を参考に、受診の目安を確認してみましょう。
すぐに病院を受診すべき症状 | 様子を見ても良い症状 |
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膝の痛みが軽度な場合は、自宅での安静やストレッチやサポーターの使用などで様子を見るのも一つの手です。
痛みが長引いたり、繰り返したりする場合は医療機関の診察を受けましょう。
膝の痛みに有効なストレッチは?
膝の痛みには、以下のストレッチが効果的です。
- 1.仰向けに寝て、片膝を胸の方へゆっくり引き寄せる
- 2.両手を添えて支えながら、左右それぞれ5回ずつ行う
引き寄せる際は手の力に頼らず、足の力だけで動かすようにしましょう。
手で無理に引っ張ると、逆に膝を痛める恐れがあります。
20代で片足の膝が痛む場合は、どのような原因が考えられる?
20代で片足の膝が痛む場合に考えられる主な原因は、膝の使いすぎや外傷、関節・軟部組織(筋肉や靭帯など)の損傷です。
主な疾患と症状は以下のとおりです。
疾患名 | 症状など |
---|---|
膝の使いすぎ(オーバーユース) | 日常の立ち仕事や運動習慣による蓄積疲労 |
靭帯損傷 |
膝のぐらつきや強い痛みが特徴で、捻ったりした際に起こりやすい。 |
変形性膝関節症 | 20代でも膝への負荷が慢性的にかかると軟骨がすり減ることがある |
半月板損傷 | 膝の内部にあるクッション構造の断裂 |
鵞足炎(がそくえん) | 膝の内側下部がズキズキ痛む炎症性疾患 |
若年層でも膝の痛みを放置すると悪化し、治療に長い時間がかかることがあります。
痛みが続く場合や歩行や日常生活に支障があるときは、整形外科の受診を検討しましょう。
立ち仕事による膝の痛みは再生医療を検討しよう
20代の若年層に多い立ち仕事による膝の痛みについて、主な原因と対処法をご紹介しました。
膝の痛みを和らげる主な方法は、下記の通りです。
- こまめな休憩を取り入れる
- ストレッチや運動療法で筋力を維持する
- 膝のサポーターを活用する
- 食事や運動を意識した体重管理
- 痛み止めなど薬物療法の活用
慢性的な膝の痛みが続く場合や、手術は避けたいとお考えの方は再生医療という治療法も視野に入れてみましょう。
手術をせずに治療できるため、仕事を休めない方や若年層にも適しています。
再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご活用ください。
あなたの膝の悩みに合った治療法を、専門の医師が丁寧にご案内します。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設