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タチが悪いとされるトリプルネガティブ乳がんとは?特徴・症状・治療法を医師が解説

医学的に「タチの悪いがん」という正式な診断名はありません。
しかし、乳がんの中で一般的に「タチの悪い」と表現されることがあるのが、トリプルネガティブ乳がんです。
このタイプは進行が速い傾向があるといわれていますが、決して治らないという意味ではありません。
それでも、「どんな症状が出るの?」「再発の可能性は?」「完治はできるの?」と、不安や疑問を抱えている方も多いでしょう。
この記事では、タチの悪い乳がんと呼ばれるトリプルネガティブ乳がんの特徴や再発・生存率、そして主な治療法について解説します。
また、自分にできる予防策を知りたい・治療後の体調や免疫力が心配という方は免疫細胞療法(NK細胞免疫療法)もご検討ください。
免疫細胞療法はご自身の血液から採取した免疫細胞を培養・活性化して体内に戻し、本来備わっている免疫機能を高めることで、がん細胞への攻撃力の強化を目指す治療法です。
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目次
タチの悪い乳がんと呼ばれるトリプルネガティブ乳がんとは|最も悪性度が高いタイプ
医学的に「タチが悪い」という表現は用いられませんが、一般的に治療の選択肢が限られるタイプの乳がんは存在します。
その代表が「トリプルネガティブ乳がん」です。
トリプルネガティブ乳がんとは、検査において以下3つの受容体(レセプター)がすべて陰性(ネガティブ)である乳がんを指します。
- エストロゲン受容体(ER)
- プロゲステロン受容体(PgR)
- HER2(ハーツー)タンパク
これらが陰性であるため、ホルモン療法や抗HER2療法といった分子標的治療の効果が期待できないのが特徴です。
トリプルネガティブ乳がんは全乳がんの約15〜20%を占めるといわれており、増殖スピードが速く、再発リスクが高い傾向があるため悪性度が高いタイプと説明されることがあります。
一方で、増殖が活発であるという性質は、細胞分裂を標的とする抗がん剤が効きやすいという側面もあるため、化学療法が重要な治療の柱となります。
乳がんのサブタイプ
乳がんの治療方針を決定する上で重要視されているのが、「サブタイプ」の分類です。
サブタイプとはがんの広がり(ステージ)ではなく、ホルモン受容体の有無やHER2タンパク質など「がんの性質」による分類を指し、以下のような種類と特徴があります。
| サブタイプ名 | 特徴と治療の傾向 |
|---|---|
| ルミナルA型 | ホルモン受容体があり、進行がゆっくりなタイプで予後は良好とされる |
| ルミナルB型 | ルミナルAに似ているが、増殖スピードが速いタイプ |
| HER2型 | HER2タンパクがあり、増殖が速い抗HER2療法が効果的 |
| トリプルネガティブ | 3つの受容体がなく、増殖が極めて速い抗がん剤が治療の中心 |
出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「乳がん 治療」
診断時にご自身のサブタイプを正しく把握することは、最適な治療薬を選ぶために重要となります。
トリプルネガティブ乳がんの再発・生存率
トリプルネガティブ乳がんは、術後の3年以内を無再発で経過すれば、その後の再発リスクは大幅に低下します。
他の乳がんのタイプのように10年、15年と長期にわたり再発を心配し続けるケースは比較的少ないとされています。
再発のリスクや生存率に関するデータは、以下のとおりです。
| 項目 | 特徴・傾向 |
|---|---|
| 再発の時期 | 術後1〜3年以内に集中し、5年以降は稀 |
| 晩期再発 | ルミナルタイプと比較して非常に少ない |
| 生存率 | 早期(ステージI・II)であれば90%以上を期待できる |
| 予後の改善 | 術前化学療法でがんが消失(pCR)すれば極めて良好 |
トリプルネガティブ乳がんの治療は、最初の3年間を集中的にケアできれば完治の可能性が高いです。
医療技術の進歩により、特に早期発見できた場合や術前の抗がん剤治療がよく効いてがん細胞が完全に消えた(病理学的完全奏効:pCR)場合は、良好な経過をたどる可能性が高まります。
トリプルネガティブ乳がんで注意すべき症状と進行の特徴
トリプルネガティブ乳がんは、他のがんと比較して増殖のスピードが速く、周囲の組織やリンパ節へ広がりやすい性質があります。
症状が進むと乳房内へ広範に及ぶ可能性があり、注意が必要な具体的な症状や進行の特徴は以下のとおりです。
| 分類 | 特徴・具体的な症状 |
|---|---|
| 進行の特徴 | 増殖スピードが速く、周囲の組織やリンパ節へ広がりやすい |
| しこりの状態 | 硬くて動かない、境界がはっきりしないしこり |
| 外見の変化 | 乳房の皮膚のひきつれやへこみ |
| 分泌物 | 乳頭から血の混じった液体が出る場合がある |
初期段階では自覚症状が少ない場合もありますが、皮膚の変化やしこりによって異変に気づくケースが多く見られます。
セルフチェックで乳房に違和感があるときは、速やかに専門医を受診して検査を受けましょう。
トリプルネガティブ乳がんに対する主な治療法
ホルモン療法や抗HER2療法が効かないトリプルネガティブ乳がんでは、「化学療法(抗がん剤)」が治療の中心となります。
近年では新しいタイプの薬も登場して治療の選択肢は広がっており、主な治療法は4種類です。
手術療法
手術療法では、がんとその周囲の組織を外科的に取り除くことを目的とします。
がんの広がりや整容性(見た目)を考慮して、以下の手法が選択されます。
| 手術方法 | 特徴 |
|---|---|
| 乳房温存術(部分切除) | ・腫瘍と周囲の乳腺だけを切除 ・術後に放射線治療が必要 |
| 乳房全摘術(乳房切除術) | ・がんが広がっている場合などに選択 ・乳房全体を切除 |
また、脇の下のリンパ節に転移が疑われる場合は、リンパ節を周囲の脂肪組織ごと切除する「リンパ節郭清(かくせい)」が検討されます。
さらに、手術前に薬物療法(術前化学療法など)を行い、がんを小さくしてから手術を実施するケースもあり、乳房温存が可能になる場合や、治療効果を事前に確認できるメリットがあります。
治療方針は個々の病状に応じて異なるため、主治医と十分に相談しながら決定していくことが大切です。
化学療法(抗がん剤治療)
抗がん剤は、トリプルネガティブ乳がんにおける中心となる治療法です。
全身に広がっているかもしれない微小ながん細胞を攻撃するために行われ、以下のように実施時期によって効果や目的が異なります。
| 実施時期 | 目的・効果 |
|---|---|
| 術前 | がんを小さくして、手術しやすくする |
| 術後 | 目に見えないがん細胞を叩き、再発を防ぐ |
| 進行・再発 | がんの進行を抑え、症状を和らげる |
トリプルネガティブ乳がんの治療では、「アンスラサイクリン系」や「タキサン系」と呼ばれる薬剤を組み合わせて使用するのが一般的です。
吐き気や脱毛、倦怠感、骨髄抑制(白血球などが減ること)といった副作用が生じる可能性がありますが、現在では副作用対策も進歩しているため過度に心配する必要はありません。
分子標的薬
分子標的薬は、がん細胞が持つ特定の特徴(分子)を狙い撃ちにする治療薬です。
トリプルネガティブ乳がんの一部、特に遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)に関連するケースでは、「PARP(パープ)阻害薬」という内服薬が使用されることがあります。
PARP阻害薬は、がん細胞のDNA修復機能を阻害することでがん細胞を死滅させる効果が期待でき、再発リスクの高い患者さんの術後治療などで使用を検討します。
免疫療法
免疫療法として近年注目されているのが、「免疫チェックポイント阻害薬(キイトルーダなど)」です。
がん細胞が免疫細胞にかけているブレーキを解除し、本来の免疫力でがんを攻撃させる効果があります。
術前化学療法に免疫チェックポイント阻害薬を上乗せすることで、がんが完全に消失する確率が高まり再発リスクが低下することがわかってきています。
タチの悪い乳がんとされても治療の希望はある!適切な治療選択が大切
「タチが悪い」という言葉はがんの性質をわかりやすく表現したものであり、決して治らないことを意味するものではありません。
トリプルネガティブ乳がんは適切な化学療法や手術、最新の免疫療法を組み合わせることで、根治を目指すことは可能です。
まずは、エビデンスに基づいた標準治療をしっかり受けることが何より大切です。
また、がん予防に関する危険な5つの習慣と効果的な対策については、以下の動画でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
そのうえで、「再発リスクを少しでも下げたい」「治療後の不安を減らしたい」という方にとって、選択肢の一つとなるのが免疫細胞療法(NK細胞免疫療法)です。
免疫細胞療法は、ご自身の血液から採取した免疫細胞を加工・培養し、再び体内へ戻す治療法です。
体が本来持っている免疫力を高め、がん細胞への攻撃力を強化することを目指します。
「再発が怖い」「免疫力を高めて治療に臨みたい」とお考えの方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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