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花咲乳がんとは?症状の特徴・治療法を医師が解説

花咲乳がんとは、乳がんが進行して乳房の皮膚が破れてがん組織が表面に露出した状態です。
見た目の変化が大きいため、「もう助からないのではないか」「末期がんなのでは」と強い不安を感じる方も少なくありません。
しかし、花咲乳がんだからといって必ずしも末期とは限らず、進行の程度や遠隔転移の有無によって治療方針や予後は大きく異なります。
本記事では、花咲乳がんの概要や症状、病気の経過などについて解説します。
また、花咲乳がんのような進行乳がんでは手術・薬物療法・放射線療法が治療の中心ですが、近年は再生医療も補助的な選択肢として注目されています。
再生医療の一つである免疫療法は、患者さま自身の免疫細胞を活用し、体が本来持つがん細胞を攻撃する力を高めることを目指す治療法です。
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再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
花咲乳がんとは|乳がんが進行し、皮膚表面にがん組織が露出した状態を指す通称
花咲乳がんは主にステージⅢ〜Ⅳに見られることが多く、がんが乳房内にとどまらず皮膚へ浸潤し、皮膚を突き破って体表に現れた状態をいいます。
医学的には「がん性皮膚潰瘍」や「がん性皮膚創傷」と呼ばれます。
腫瘍が皮膚を突き破って盛り上がり、花が咲いたように見えることから「花咲乳がん」と表現されるようになりました。
皮膚に潰瘍や出血があっても、必ずしも遠隔転移(ステージⅣ)とは限りません。※
※出典:日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」
外見の変化だけで最悪の状態と判断せず、正確な病期(ステージ)や治療方針を確認するために、医学的な評価を受けることが重要です。
初期症状と進行する原因
花咲乳がんの初期症状は、以下のとおりです。
- 硬いしこり
- 乳房の一部の皮膚の赤みや腫れ
- 皮膚のひきつれやへこみ
がんが大きくなると皮膚に浸潤して強い痛みやただれ、出血が生じることがあります。
花咲乳がんは、乳がんを未治療のまま放置した際や、治療効果が不十分だったときに進行することがあります。
乳がんは症状が目立たないまま進行する場合も少なくありません。
どの段階であっても、適切な治療によって症状の緩和やコントロールを目指せます。
花咲乳がんの主な症状
花咲乳がんの主な症状は、以下のとおりです。
| 症状 | 内容 |
|---|---|
| 皮膚潰瘍(かいよう) |
|
| 皮膚の赤み・腫れ・硬結(こうけつ) |
|
| 浸出液・出血 | 潰瘍部分から体液(浸出液)が持続的に出たり、わずかな刺激で出血したりする |
| 強い悪臭 |
潰瘍部分に細菌感染が起こると、腐敗臭のような独特のにおいが生じることがある |
| 痛み |
がんが周囲の神経や組織を圧迫し、持続的な痛みを伴う場合がある |
これらの症状は、見た目の変化が大きいため強い不安を抱く方も多いのではないでしょうか。
しかし、外見上の変化が目立つからといって、必ずしも治療の可能性が限られるわけではありません。
現在では、創部ケアや薬物療法、放射線治療などにより症状の緩和やコントロールを目指せます。
花咲乳がんが疑われる場合のステージと予後について
花咲乳がんのように皮膚に潰瘍や出血がみられる場合、医学的には局所進行乳がんに分類されることが多く、一般的にはステージⅢB以上と診断されるケースが多いとされています。
ステージⅢは、がんが乳房内にとどまらず皮膚や胸壁まで広がった状態を指しますが、必ずしも他の臓器に転移しているわけではありません。
一方で、骨・肺・肝臓・脳など他の臓器へ転移が確認されたときは、ステージⅣと診断されます。
乳がんはステージが進むほど生存率が低下する傾向があり、5年生存率の目安は以下のとおりです。
- ステージⅢ:約77.3%
- ステージⅣ:約38.6%
※出典:国立研究開発法人国立がん研究センター「院内がん登録生存率最新集計値」
ただし、これらはあくまで統計上の数値であり、年齢やがんの性質、治療内容によって経過は大きく異なります。
近年では薬物療法や放射線治療などの進歩により、進行がんであっても長期にわたり病状をコントロールできるケースが増えてきました。
そのため、花咲乳がんと診断された場合でも、ただちに余命が限られていると判断する必要はありません。
正確なステージの判定には、画像検査や病理検査などを総合的に行うことが重要です。
花咲乳がんの検査方法
花咲乳がんの検査方法は以下のように複数の検査を組み合わせ、がんの広がりや性質を総合的に評価します。
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| 視診・触診 | 皮膚潰瘍の有無や赤みや腫れ、硬さなどの状態を確認する |
| 画像検査 |
|
| 細胞診や針生検(コアニードル生検) | 実際に組織を採取してがん細胞のタイプや悪性度などを顕微鏡で確認する |
| 転移の有無の確認 |
他の臓器への転移がないか確認する
|
上記の検査結果を総合的に評価し、がんのステージや性質に応じた治療方針が決定されます。
正確な診断を受けるためにも、自己判断せず乳腺外科を受診しましょう。
花咲乳がんの治療法
花咲乳がんの治療法は、以下のとおりです。
順番にみていきましょう。
薬物療法
薬物療法は、花咲乳がんのような進行乳がんで中心となる治療法です。
手術の前に腫瘍を小さくする目的(術前薬物療法)や再発リスクの低減、症状の緩和などで用いられます。
| 項目 | 詳細 |
| ホルモン療法(内分泌療法) | ホルモンの影響を受けて増殖するタイプのがんに対して、女性ホルモンの働きを抑えて進行を抑える |
| 分子標的薬 | がん細胞が持つ特定の性質(主にHER2)を標的に作用する |
| 抗がん剤(化学療法) | がん細胞の増殖を抑えたり、死滅させたりする |
がんの性質によって有効な薬剤は異なるため、病理検査の結果をもとに治療内容が決定されます。
進行乳がんに対する新しい薬剤や治療選択肢の導入が進んでいて※、進行乳がんでも病状を長期的にコントロールする可能性が高まっています。
※出典:国立がん研究センター「日本主導の国際共同医師主導治験の結果に基づき、パルボシクリブとタモキシフェン併用の新たな治療選択肢を乳がん患者さんに提供」
放射線療法
放射線療法は、がんのある部位にX線を照射し、がん細胞の死滅や腫瘍の縮小を図る治療法です。
放射線療法が用いられるケースは、以下のとおりです。
- 手術後に残存乳房へ照射する
- 骨・脳へ転移した際の痛み軽減
- 症状の軽減や生活の質(QOL)の維持
照射部位の皮膚の赤みやだるさなどの副作用がみられることがありますが、一般的に軽度で日常生活を送りながら外来での治療が可能です。※
※出典:日本乳癌学会「患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版」
照射の範囲や回数は、がんの広がりや症状の程度、全身状態などを考慮して個別に決定されます。
手術療法
花咲乳がんでは、乳房や周辺組織を切除する手術療法が行われることがあります。
代表的な手術方法は、以下のとおりです。
- 乳房部分切除:乳房を温存し、がんの周囲を切除する
- 全切除:乳房全体を切除する
- 腋窩リンパ節郭清:脇の下のリンパ節に転移がある場合に切除する
ただし、他の臓器に転移があるステージⅣの際は、手術だけで生存期間を延ばすことは難しく薬物療法を中心とした治療が基本です。
進行した花咲乳がんでは免疫療法も選択肢の一つ
進行乳がんでは手術・薬物療法・放射線療法が治療の基本となり、免疫療法は状況に応じて検討される選択肢の一つです。
免疫療法は患者さま自身の免疫機能を活用し、がん細胞への攻撃力を高めることを目指す治療法です。
- 副作用リスクが比較的少ない
- 採血や点滴を中心に行い、通院で対応できる場合がある
- 手術や薬物療法などと併用できることがある
すべての方に適応できるわけではなく、がんの種類や進行状況によって治療方針は異なります。
免疫療法について詳しく知りたい方は、当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。
花咲乳がんに関するよくある質問と回答
花咲乳がんに関するよくある質問は、以下のとおりです。
治療を検討する際の参考としてご活用ください。
花咲乳がんはなぜ切除できないの?
花咲乳がんは、腫瘍が大きく皮膚や周囲の組織に広がっていることが多く、発見時には他の臓器へ転移している可能性があるため、すぐに手術で切除できるとは限りません。
まずは薬物療法でがんの進行を抑えたり腫瘍を小さくしたりする治療を優先し、全身状態や広がりを確認した上で、切除が可能と判断された場合に手術が検討されます。
花咲乳がんが放置されてしまう背景とは?
花咲乳がんは、初期の自覚症状がほとんどないことがあります。
さらに「がんと診断されるのが怖い」「忙しくて受診できない」といった心理的・社会的な要因も重なり、受診を先延ばしにしてしまい進行するケースが考えられます。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
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