- 腰
椎間板ヘルニアは若い女性に多い?主な原因や症状、治し方について解説【医師監修】

「20〜30代でも椎間板ヘルニアになる?」
「ヘルニアが若い女性に多いと言われるのはなぜ?」
つらい腰痛が長引き、上記のように椎間板ヘルニアが疑われる方も多いのではないでしょうか。
椎間板ヘルニアといえば「高齢者や重労働をする男性の病気」というイメージをお持ちかもしれませんが、ライフスタイルの変化に伴い、20〜30代の若い女性の発症も珍しくなくなっています。
本記事では、若い女性に椎間板ヘルニアが起きている主な原因や具体的な治療法について解説しています。
つらい腰の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
椎間板ヘルニアは若い女性に多い?主な原因
椎間板ヘルニアは、加齢や激しい運動が主な原因とされていましたが、現代では日常の何気ない生活習慣が積み重なり、若い女性の腰に深刻なダメージを与えているケースが急増しています。
特に以下の4つの要因が、知らず知らずのうちに椎間板への負担を加速させています。
それぞれの要因がどのように腰へ影響を及ぼしているのか、詳しく見ていきましょう。
スマホの長時間使用
現代の方にとって手放せないスマートフォンですが、操作中の姿勢が首だけでなく腰への負担を増大させる大きな要因となっています。
画面に集中するあまり、無意識のうちに頭が前に出て背中が丸まる「猫背」や「前傾姿勢」が長時間続くと、背骨本来の美しいS字カーブが失われてしまいます。
頭の重さを支えるために背中から腰にかけての筋肉が常に緊張状態となり、椎間板への圧力が不均等にかかり続けてしまいます。
リラックスタイムの姿勢を見直すことが、腰を守る第一歩です。
運動不足
交通手段の発達やデスクワークの増加によって運動不足になり、基礎的な筋力が低下していることも椎間板ヘルニアを発症するリスクを高めています。
特に身体の深層にある「インナーマッスル」は、腰椎を支える重要な役割を果たしています。
この筋力が不足していると上半身の重みや動作時の衝撃を筋肉で吸収しきれず、クッションである椎間板がダイレクトに負荷を受け止めることになります。
「痩せているから腰への負担は少ない」とはいえず、華奢な方ほど筋力不足によるリスクに注意を向けることが大切です。
腰に負荷がかかる仕事
長時間のデスクワークや前かがみになる姿勢が多い仕事は、腰への負担が継続的にかかり、椎間板にとって過酷な状況を作り出しています。
立っている時よりも座っている時の方が椎間板にかかる圧力は約1.4倍も高くなるといわれています。
オフィスワークで座りっぱなしの状態は、腰への持続的な圧迫を招きます。
また、女性が多く活躍する保育士、看護師、介護職などは、中腰での介助や抱っこなど、腰への瞬間的な負荷が強い動作を頻繁に行います。
そのため、職業病として椎間板ヘルニアを発症しやすい環境にあるといえるでしょう。
冷え性などの身体的要因
多くの女性が悩まされる「冷え」も、単なる体質の悩みにとどまらず、腰痛や椎間板ヘルニアを誘発する原因となります。
身体が冷えて血行が悪くなると椎間板周辺の筋肉がこわばり、柔軟性が失われてしまいます。
さらに、血液循環の悪化は、椎間板への酸素や栄養の供給を滞らせ、組織の老化(変性)を早める一因となります。
冬場の寒さだけでなく、夏場の冷房や薄着による冷えも腰周りの環境を悪化させるきっかけとなるため、身体を温めて巡りを良くする意識を持つことが腰の健康維持につながります。
若い女性の椎間板ヘルニアにおける主な症状
椎間板ヘルニアの症状は、単なる腰の痛みにとどまらず、神経の圧迫によって足の指先にまで及ぶことがあります。
主な症状は、以下のとおりです。
以下でそれぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
腰の痛み
椎間板ヘルニアは、前かがみや重い物を持った瞬間に、腰の低い位置やお尻などに痛みを感じることが多いです。
「ズキズキとした痛み」や「重い痛み」と表現されるのが特徴です。
洗顔や掃除などの日常動作がつらくなるほか、くしゃみ等の衝撃でも腰に響くことがあります。
また、腰痛以外に腰周辺の違和感やこわばりを感じた場合でも、椎間板ヘルニアの可能性が考えられます。
下肢の痛みやしびれ
神経の圧迫が進むと、お尻から太もも、足先にかけて「坐骨神経痛」と呼ばれる電気が走るような痛みやしびれが現れます。
片足だけ症状が出たり両足に症状が出たりすることがあり、「お尻の奥がジンジンする」「足に力が入らない」といった状態になります。
ヒールを履くのがつらくなるなどファッションや日常生活にも影響し、悪化すると歩行が難しくなる可能性があるため、足の感覚異常には注意が必要です。
排尿・排便障害
椎間板ヘルニアが重症化すると、「尿が出にくい」「我慢できずに漏れる」「お尻周りの感覚がない」といった排泄トラブルが起きることがあります。
これは「馬尾症候群」と呼ばれる危険な状態で、放置すると後遺症として症状が残るリスクのある緊急性の高い症状です。
デリケートな悩みですが、上記の症状が見られたらすぐに救急対応ができる医療機関を受診しましょう。
若い女性の椎間板ヘルニアは治る?主な治療法
椎間板ヘルニアと診断されても、すぐに手術が必要になるわけではありません。
適切な治療を受ければ、自然治癒することも期待できるため、まずは身体への負担が少ない保存療法から始めるのが一般的です。
焦らず、ご自身のライフスタイルや症状の重さに合わせて、医師と相談しながら適切な治療法を選択しましょう。
保存療法
保存療法は、手術を行わずに薬物療法やリハビリテーションによって症状の改善を目指す、椎間板ヘルニアの基本的な治療法です。
特に若い世代の椎間板は水分を多く含んでいるため、免疫細胞によるヘルニアの吸収(自然治癒)が起こりやすいという特徴があります。
そのため、まずは痛み止めやブロック注射でつらい痛みをコントロールしながら、炎症が引くのを待つ方針を取ることが多いです。
実際、多くの症例で保存療法によって痛みが緩和し、手術をせずに日常生活に戻れています。
手術療法
保存療法を3カ月程度続けても改善が見られない場合や重症化している場合は、手術療法が検討されます。
主な術式は、以下のとおりです。
- 椎間板摘出術
- 腰椎固定術
「手術の傷跡が残るのが心配」という女性も多いですが、近年では内視鏡を用いた低侵襲手術が普及しています。
これらは傷口が数ミリ〜2センチ程度と小さく、筋肉へのダメージも比較的少なく済むため、入院期間も短く早期の社会復帰が可能です。
若い女性の椎間板ヘルニアに関してよくある質問
本章では、若い女性の椎間板ヘルニアに関してよくある質問について回答していきます。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
椎間板ヘルニアと女性ホルモンの関係は?
女性ホルモンそのものが椎間板を破壊するわけではありませんが、ホルモンバランスの変化が腰椎への負担を増やす要因になることがあります。
生理前に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)には靭帯を緩める作用があり、骨盤周辺の支持機能が一時的に低下することで、腰椎への負担が増加します。
また、生理中に分泌されるプロスタグランジンは周辺組織の炎症反応を引き起こし、ヘルニアの痛みと生理痛が重なって症状が強く感じられることもあります。
さらに、妊娠後期に分泌されるリラキシンも同様に骨盤の靭帯を緩めるほか、体重増加や姿勢の変化、腹筋の伸展による体幹支持力の低下などが重なり、椎間板ヘルニアのリスクが高まります。
若い女性の腰痛は椎間板ヘルニア?
「若い女性の腰痛=椎間板ヘルニア」とは限らず、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科系疾患による腰痛の可能性もあります。
これらは椎間板ヘルニアと似た場所に痛みが出ますが、見分ける際のポイントは以下のとおりです。
| 腰痛の原因 | 主な症状 |
|---|---|
| 椎間板ヘルニア | ・前かがみになると痛い ・お尻から足にかけて電気が走るようなしびれがある ・くしゃみや咳で響く |
| 婦人科系疾患 | ・生理のタイミングに合わせて腰痛が悪化する ・安静にしていても腰の奥がズーンと痛む ・下腹部痛を伴う |
ただし、両者が併存するケースもあるため、自己判断せず症状に応じて適切な診療科を受診しましょう。
若い女性の椎間板ヘルニアを治すなら「再生医療」もご検討ください
若い女性が椎間板ヘルニアを発症しやすい原因として「スマホの長時間使用」「運動不足」「腰に負荷がかかる仕事」「冷え性」などが挙げられます。
また、女性ホルモンのバランスによって腰周辺の負荷が増加する女性特有の原因もゼロではありません。
椎間板ヘルニアのつらい腰痛を早期改善する手段として、「再生医療」が注目されています。
再生医療は、自身の細胞や血液を用いて、痛みやしびれの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。
以下では、再生医療によって椎間板ヘルニアが改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。
当院リペアセルクリニックでは、椎間板ヘルニアに対する再生医療の無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
あわせて読みたいトピックス
-

坐骨神経痛による足のしびれの治し方|自分でできる対処法や治療法について解説
-

坐骨神経痛にブロック注射は効く?効果や費用、痛みを和らげるセルフケアを解説
-

タリージェは坐骨神経痛に効くのか|効果や副作用は?効かないときの治療法も解説
-

坐骨神経痛は温めると治る?冷やすのとどっちが効果的?おすすめの温め方を解説
-

坐骨神経痛に効果的な湿布を貼る場所|どこに貼るのがおすすめ?選び方も解説
-

椎間板ヘルニア4番5番の症状|主な原因や根本改善を目指す治療法について解説
-

椎間板ヘルニアは自然治癒する?回復期間と早く治す方法について解説【医師監修】
-

椎間板ヘルニアで楽な座り方|床・椅子に座るときに痛みを和らげる姿勢のポイントを解説











