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腱鞘炎の種類一覧|痛む場所でわかる代表タイプと見分け方を紹介

手首や指が痛いのに、湿布を貼ってもなかなか良くならず、「これって腱鞘炎なのかな」と悩む方は多いのではないでしょうか。
痛みが続くと、スマホ操作や家事、仕事の入力作業までつらくなり、生活の質が下がっていきます。
さらに、「腱鞘炎」と一言で言われても種類があると聞くと、何が違うのか分からず不安になりやすいものです。
そこで本記事では、腱鞘炎の種類を痛む場所別に整理し、代表タイプの見分け方から受診の目安まで分かりやすく解説します。
目次
結論|腱鞘炎は“場所”で種類が分かれ、対処も変わる
腱鞘炎は、痛む場所によって代表的な種類が分かれ、対処の優先順位も変わります。
また腱鞘炎は同じ場所を使い続けるほど悪化しやすく、「痛む動作を続けながら治す」のが難しい点が特徴です。
そのため、まず種類を当たり付けし、負荷がかかる動作を具体的に減らすことが回復の近道になります。
逆に、種類を取り違えると固定の仕方や休ませ方が合わず、長引く原因になりやすいです。
ここからは、腱鞘炎の仕組みと代表的な種類を順番に整理します。
腱鞘炎とは?(腱と腱鞘がこすれて炎症が起こる仕組み)
腱鞘炎は、腱と腱鞘がこすれて炎症が起こることで痛みや動かしにくさが出る状態です。
腱は筋肉の力を骨に伝える“ひも”のような組織で、腱鞘は腱がスムーズに動くための通り道です。
手や指は細かい動きを繰り返すため、同じ動作が続くと腱の通り道が狭くなり、摩擦が増えて痛みが出やすくなります。
特に、スマホの親指操作、パソコン作業、育児の抱っこ、工具作業などは負荷が積み上がりやすいです。
腱鞘炎の主な種類(代表的なタイプ)
腱鞘炎の主な種類は、痛む場所と動作のクセで整理すると理解しやすくなります。
【代表的な腱鞘炎(クリックで該当箇所へ)】
同じ「手首が痛い」でも、親指側か小指側か、手首より上なのかで疑うタイプが変わります。
また、痛みの場所がはっきりしない場合は、動作(つまむ・握る・ひねる・反らす)のどれで悪化するかが手掛かりになります。
以降では、代表タイプごとに「どこが痛むか」「何で悪化しやすいか」「まず何をすべきか」を具体化します。
ドケルバン病(手首の親指側が痛い)
ドケルバン病は、手首の親指側に痛みが出やすい代表的な腱鞘炎です。
親指を広げる、つまむ、スマホを親指で操作する動作で痛みが強くなることが多いです。
育児の抱っこや、フライパンを持つ、ペットボトルのふたを開けるなど、日常の“つまむ・支える”動作で悪化しやすい点も特徴です。
セルフチェックとしては、親指を握り込んで手首を小指側へ倒す動作で痛みが出るかが参考となります(痛みが強い場合は無理に行わないでください)。
治療は固定と負荷調整が基本で、必要に応じて注射やリハビリが検討されます。
痛みを我慢して親指を使い続けると長引きやすいため、早い段階で「親指を休ませる工夫」を作ることが重要です。
ばね指(指の引っかかり・カクンとなる)
ばね指は、指の曲げ伸ばしで引っかかりが出たり、カクンと跳ねるように動いたりするタイプです。
朝にこわばって動かしづらく、動かしているうちに少し楽になるという経過をとる方もいます。
症状が進むと、指が曲がったまま戻りにくくなり、反対の手で伸ばす必要が出ることもあります。
原因は腱が通る部分の狭窄(きょうさく)で、腱の動きが引っかかることで症状が出ると説明されています。
治療は安静・固定・注射などが選択肢になり、状態によっては手術が検討されることもあります。
「指が引っかかるだけ」と放置すると作業効率が落ちやすいため、生活で困る動作が出た時点で相談する方が安全です。
交差症候群(手首の少し上・前腕側が痛い)
交差症候群は、手首の少し上(前腕側)に痛みや腫れが出やすいタイプです。
手首を反らす・親指側へ動かす動作が多いと起こりやすく、スポーツや手作業で悪化することがあります。
痛む場所が手首そのものではなく、手首の上側に出るため、ドケルバン病と混同されやすい点が注意点です。
動かすとギシギシする感じ(摩擦感)や、動作時の痛みが特徴として挙げられます。
基本は負荷を減らし、必要に応じて固定や消炎鎮痛薬、リハビリを組み合わせます。
原因動作の“反復”が強く関係するため、治療では「休ませ方」だけでなく「繰り返しを減らす代替動作」まで考えると再発が減りやすいです。
手首小指側の腱鞘炎(尺側の痛み・スポーツで悪化)
手首の小指側が痛む場合、尺側の腱鞘炎が関与していることがあります。
ラケット競技やゴルフ、重い荷物を持つ作業などで、手首をひねる・支える負荷が続くと症状が出やすいです。
小指側の痛みは腱だけでなく、TFCC(手首の軟骨複合体)など他の組織が関与することもあるため、痛みの場所と動作の関連が重要です。
特に「手首をひねったときに痛い」「荷重すると痛い」などの訴えが強い場合は、自己判断で固定を続けるより評価が勧められます。
治療は負荷調整と固定が基本で、炎症が強い場合は注射やリハビリが選択されることもあります。
小指側の痛みは原因が複数になりやすいため、「どの動作で痛むか」を具体的に言語化して受診すると診断が進みやすいです。
種類の見分け方|痛む場所・動作でセルフチェック
腱鞘炎の見分けは、痛む場所と悪化する動作をセットで整理するのが近道です。
【セルフチェックの観点】
- 痛みの場所:親指側/小指側/手首より上(前腕)/指の付け根
- 悪化動作:つまむ/握る/ひねる/反らす/繰り返し入力
- 引っかかり:曲げ伸ばしでカクンとなるか
- 朝の症状:起床時にこわばりが強いか
まず「どこが痛いか」を一点で示せるかどうかを確認すると、疑う種類が絞りやすいです。
次に「何をすると痛いか」を挙げると、負荷の原因(スマホ、マウス、抱っこ、工具など)が見えてきます。
セルフチェックは診断そのものではありませんが、受診時に伝える情報として非常に役立ちます。
なお、強い痛みがあるときに無理に動かして確かめる必要はなく、悪化するなら中止してください。
原因になりやすい生活習慣
腱鞘炎が起こりやすい背景には、同じ動作の反復と休ませ不足が重なっていることが多いです。
【負荷が積み上がりやすい習慣】
- スマホを親指で長時間操作する
- マウス操作やタイピングが長い(手首が浮く姿勢)
- 育児の抱っこで手首を反らせて支える
- 包丁・フライパン・雑巾しぼりなど手首をひねる家事が多い
- ラケット競技や筋トレで手首を酷使している
同じ作業でも、休憩を挟むだけで炎症が長引くリスクは下げられます。
また、握り込みが強い道具(細いペン、硬いグリップ)は負荷が増えやすいため、道具側を調整する発想も重要です。
「使い方を変える」と「休ませる」をセットにしないと、いったん良くなっても再発しやすくなります。
次の章では、今すぐできる対処を具体的に整理します。
今すぐできる対処方法
腱鞘炎の対処は、負荷を下げる工夫を先に作ることが最優先です。
【自宅でできる基本対処】
- 痛む動作を一時的に減らす(回数・時間を半分にする)
- 固定を使う(親指や手首を動かし過ぎない工夫)
- 炎症が強いときは冷却(短時間を複数回)
- 作業環境の調整(マウス、キーボード、椅子の高さ)
- 痛みが落ち着いてからストレッチや筋力調整を検討
痛みが強い時期にストレッチを無理に行うと、かえって摩擦が増えて悪化することがあります。
まずは「使わない」ではなく「使い方を変える」ことで、生活を回しながら炎症を落ち着かせるのが現実的です。
固定は万能ではありませんが、使い過ぎを防ぐ“ブレーキ”として役立つ場面があります。
ただし、数週間単位で改善が乏しい場合は、自己流の固定やケアを続けるより評価を受ける方が安心です。
病院に行く目安と検査・治療
腱鞘炎は軽いうちほど改善しやすいため、受診の目安を知っておくと判断が早くなります。
【受診を検討したいサイン】
- 安静にしても痛みが引かず、日常動作に支障がある
- 指の引っかかりが強く、伸ばしにくい
- 腫れや熱感がはっきりしている
- 夜間痛がある、痛みで眠りにくい
- 2週間以上セルフケアしても改善が乏しい
診察では、痛む場所の確認と動作テストを行い、必要に応じて超音波検査やX線検査で他の病気が隠れていないかも確認します。
治療は、安静・固定・消炎鎮痛薬などの保存療法が基本で、症状が強い場合は局所注射が検討されることがあります。
ばね指では、状態によって手術が選択肢になる場合もあり、長引くほど指の動きが固まりやすい点が注意点です。
「何科に行けばよいか迷う」場合は、まず整形外科を目安にすると相談が進みやすいです。
長引く・再発する場合の再生医療とい選択肢
腱鞘炎が長引く・再発を繰り返す場合は、再生医療を含めて「次の選択肢」を整理する視点が役立つことがあります。
【長引くときに見直したい方向性】
- 痛みの“種類”の再確認(腱鞘炎以外が混ざっていないか)
- 負荷の原因の特定(仕事・家事・スポーツのどれか)
- 保存療法の再設計(固定、注射、リハビリの組み合わせ)
- 慢性化した痛みへの別アプローチの検討
腱鞘炎は、同じ動作を続けざるを得ない環境だと改善が遅れやすく、「治りかけてはぶり返す」を繰り返しやすいです。
この場合、治療だけでなく、作業のやり方や道具、負荷の分散まで含めて組み替える必要があります。
また、痛みが長引くほど「どこまで安静にすべきか」が分からなくなり、結果として回復が遠のくこともあります。
選択肢を整理し、いまの生活に合う現実的な方針を作ることが、納得感につながります。
リペアセルクリニック大阪院では、長引く手首・指の痛みも含め、状態評価と選択肢の整理を重視し、必要に応じて再生医療の可能性も含めて相談を受け付けています。
「固定や注射を続けても再発する」「仕事上どうしても使わざるを得ない」と感じる場合は、我慢を続ける前に一度ご相談ください。
| リペアセルクリニック大阪院の特徴 | 内容 |
|---|---|
| 相談の軸 | 痛む場所・悪化動作・仕事/家事負荷の整理 |
| 評価の視点 | 腱鞘炎タイプの切り分け、再発要因(反復・姿勢・道具)の確認 |
| 提案の方向性 | 保存療法の組み替え、負荷分散の具体策、必要時の治療選択肢の比較 |
| サポートの考え方 | 再発予防を前提にした生活設計、仕事継続を見据えた負荷調整 |
【相談時に整理しておくと役立つこと】
- 痛む場所(親指側/小指側/手首の上/指の付け根など)
- 悪化する動作(つまむ・握る・ひねる・反らす・入力など)
- 引っかかりの有無(ばね指のようにカクンとなるか)
- 症状の経過(いつから、良い日と悪い日の差、再発のタイミング)
- これまでの対応(固定、注射、リハビリ、服薬など)
長引く痛みほど、「何をやめるか」だけでなく「どう続けるか」の設計が重要になります。
仕事や家事の都合で休めない方ほど、早い段階で選択肢を整理しておくと、回復までの遠回りを減らしやすいです。
つらさを抱えたまま我慢を続ける前に、いまの状態に合う方針を一緒に考えていきましょう。
手術をしない新しい治療「再生医療」を提供しております。
まとめ|まずは種類を整理し、負荷を下げることから始めよう
腱鞘炎は、種類を整理して負荷を下げるだけでも回復が進みやすくなります。
【この記事の要点】
- 腱鞘炎は痛む場所で代表タイプがある程度絞れる
- セルフチェックは「場所+動作」で整理すると判断しやすい
- 対処は固定や冷却より先に「負荷を減らす工夫」が重要
- 長引く場合は原因の再確認と治療の組み替えが必要
痛みが軽いうちは「そのうち治る」と考えがちですが、同じ動作が続く限り炎症が長引くこともあります。
反対に、種類を当てはめて負荷を下げられると、改善の見通しが立ちやすくなります。
もし生活や仕事に支障が出ているなら、早めに評価を受け、無理なく続けられる対処に切り替えることが大切です。
悩んでいる時間が長いほど使い方の癖が固まりやすいので、早い段階で整理していきましょう。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設
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