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アキレス腱断裂の手術方法|費用や入院期間の目安、リハビリテーションについて解説

アキレス腱断裂において、早期の社会復帰やスポーツ活動への復帰を目指す場合は、手術療法が検討されます。
しかし、どのような手術が行われるのか、費用や入院期間はどのくらいなのか気になる方も多いでしょう。
本記事では、アキレス腱断裂で行われる2種類の手術方法について詳しく解説します。
また、「アキレス腱断裂を早く治したいけれど、手術は避けたい」という方は、再生医療による治療もご検討ください。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、断裂したアキレス腱の修復を促す治療法です。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療の治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、ぜひご相談ください。
目次
アキレス腱断裂の手術方法
アキレス腱断裂の手術は、再断裂予防と機能回復を目的に行われ、早期社会復帰を目指す方に選択されます。
特に仕事やスポーツへの早期復帰を希望する場合に検討されることが多いです。
手術方法には、主に以下の2つのアプローチがあり、患部の状態や医師の方針により、適切な術式が検討されます。
それぞれの術式には異なる特徴とメリットがあるため、以下で詳しく解説していきます。
開放手術
開放手術は、アキレス腱断裂部位の皮膚を5~10cm程度切開し、医師が腱の状態を直接視認しながら縫合する術式です。
腱の断裂状態や損傷範囲を正確に把握できるため、縫合の精度が高く、古い断裂や断裂幅が大きい症例にも対応しやすい特徴があります。
開放手術の主な特徴は、以下のとおりです。
- 断裂部を直接確認できるため、縫合が確実
- 適切に実施されれば再断裂率は低い
- 重度例や陳旧例(時間が経過した断裂)にも適応しやすい
一方で、切開範囲が広いため、感染や皮膚トラブルなどの創部合併症のリスクがあります。術後はギプスや装具で固定し、数週間かけて荷重や可動域訓練を段階的に進めます。
開放手術は従来からの術式であり、直視下で確実な縫合が可能なため、現在も広く行われている信頼性の高い方法です。
低侵襲手術
低侵襲手術は、皮膚に小さな切開を数カ所開けて、特殊な器具を用いてアキレス腱を縫合する低侵襲な術式です。
皮膚や周囲組織へのダメージが少ないため、術後の痛みが軽く、傷跡が目立ちにくい特徴があります。
低侵襲手術の主な特徴は、以下のとおりです。
- 切開が小さく、創部合併症のリスクが低い
- 術後の痛みが比較的少ない
- 傷跡が目立ちにくい
その反面、断裂部を直接確認できないため、断裂形態によっては適応できない場合があります。術式選択は、断裂の状態と回復目標を踏まえ、専門医と十分に相談することが重要です。
また、低侵襲手術は適切に実施されれば優れた治療成績が得られますが、神経損傷のリスクについて理解しておく必要があります。
アキレス腱断裂の手術費用の目安
アキレス腱断裂の手術は保険診療に該当し、健康保険適用で3割負担の場合「10万〜20万円程度」が目安です。
実際の金額は、入院日数や術式、病院の設備によって前後します。
費用に影響する主な要素は、以下のとおりです。
- 手術方法|開放手術か低侵襲手術か
- 入院日数の長短
- 個室利用や装具代の有無
収入によっては高額療養費制度を利用することで、自己負担額をさらに抑えられる場合があります。
アキレス腱断裂手術後の入院期間
アキレス腱断裂の手術後は、全身状態や術後経過を確認するために入院が必要ですが、基本的には短期入院で対応可能です。
本章では、アキレス腱断裂の手術における入院期間と復帰期間の目安について解説します。
以下では、入院期間の目安と退院後に自力で歩けるようになるまでの一般的な流れについてご説明します。
入院期間は数日から1週間程度が目安
アキレス腱断裂の入院期間は、術後の痛みや腫れ、合併症の有無によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度です。
低侵襲手術の場合は、より短期間での退院が可能なこともあります。
入院中に行われる主な内容は、以下のとおりです。
- 創部や腫脹の確認
- ギプスや装具による固定
- 松葉杖歩行の指導
術後の全身状態が安定し、松葉杖での移動や身の回りの動作が可能になった段階で退院を検討します。
仕事の内容によっては早期の復職も検討できますが、主治医と相談しながら慎重に判断することが大切です。
歩けるまでの期間は3ヶ月が目安
アキレス腱断裂の手術後、補助なしでスムーズに歩けるようになるまでには、一般的に3ヶ月程度の期間が必要です。
回復までの流れは、以下が目安です。
- 術後〜数週間:固定と松葉杖歩行
- 約1〜2ヶ月:装具下での歩行練習
- 約3ヶ月:日常歩行が安定
術後数週間はギプスや装具で患部を固定し、腱の修復を優先させる時期が続きます。
その後、段階的に足首の可動域を広げ、体重をかける練習を開始することで徐々に歩行能力を回復させていきます。
個人の回復力やリハビリへの取り組み方により、期間は前後する可能性があることを念頭に置いておきましょう。
アキレス腱断裂の手術後のリハビリテーション
手術後のリハビリテーションは、アキレス腱の柔軟性を取り戻し、周囲の筋力を回復させるために不可欠なプロセスです。
初期段階では足首の固まりを防ぐ運動を行い、徐々に体重をかける荷重訓練へと移行するのが一般的です。
無理に動かすと再断裂の恐れがあるため、理学療法士の指導のもとで計画的に進めます。
スポーツ復帰を目指す場合は、ジョギングやジャンプ動作など、より強度の高いメニューを半年から1年かけて実施します。
アキレス腱断裂の手術に関してよくある質問
手術を検討するにあたり、多くの方が抱く疑問や不安について、医学的に妥当とされる見解をまとめました。
不安を解消し、納得した上で治療に臨むことが回復への第一歩となります。
アキレス腱断裂を手術しないで治す方法は?
アキレス腱断裂は、手術せずにギプスや装具で足首を固定し、断裂した腱の自然治癒を目指す「保存療法」も選択できます。
早期の社会復帰やスポーツ復帰を目指す場合は、手術が勧められますが、高齢の方や日常生活での活動量が少ない場合には保存療法が優先されます。
手術による合併症のリスクを回避できる一方で、治療期間が長くなるため注意が必要です。
また、手術と比べて再断裂のリスクが高く、筋力低下が起こりやすい点も理解しておきましょう。
アキレス腱断裂の手術で使われる麻酔は?
アキレス腱断裂の手術では、主に「全身麻酔」または「腰椎麻酔」が一般的です。
低侵襲手術の場合は、侵襲が少ないことから局所麻酔が用いられるケースもあります。
患者さまの年齢・健康状態・術式に応じて、医師が適切な麻酔を選択します。
いずれの場合も、麻酔科医が事前に説明を行い、安全性を確認したうえで実施されます。
アキレス腱断裂の手術した後はどうなる?
アキレス腱断裂の手術後は、数週間程度の装具による固定・安静期間を経て、リハビリテーションが始まります。
一般的には歩行まで約3ヶ月、スポーツ復帰までは半年以上かかることもあります。
初期は松葉杖を使用し、患部に体重をかけない期間が必要ですが、徐々に足首の可動域訓練や筋力トレーニングで補助なしで行動できるようにリハビリを開始します。
適切なリハビリを継続することが再断裂予防につながります。
アキレス腱断裂を手術しないで治すなら再生医療をご検討ください
アキレス腱断裂の手術には、患部を直接切開する「開放手術」と傷口を最小限に抑える「低侵襲手術」の2種類あります。
主な入院期間は数日から1週間程度ですが、歩けるようになるまでは3ヶ月程度かかる場合があります。
「早く治したいけれど手術を避けたい」という方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、人間に本来備わっている自己治癒力を高めることで、組織の再生・修復を促す治療法です。
入院の必要がなく体への負担も比較的少ないため、新しい選択肢として注目されています。
当院リペアセルクリニックでは、アキレス腱断裂の治療について無料カウンセリングを行っているので、ぜひご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設



















