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ふくらはぎの筋断裂|主な症状・原因・対処法は?治療法や全治期間について解説

ふくらはぎの筋断裂とは、筋肉の繊維が部分的または完全に断裂した状態のことで、「肉離れ」とも呼ばれています。
スポーツ中のダッシュやジャンプなどで起こりやすく、放置すると歩行が困難になったり、再発しやすくなったりするリスクがあります。
この記事では、ふくらはぎの筋断裂の症状や原因、対処法から全治期間、治療法まで詳しく解説します。
ふくらはぎの痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。
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目次
ふくらはぎの筋断裂(肉離れ)とは
ふくらはぎの筋断裂は、筋肉に急激な力がかかることで筋繊維が損傷・断裂する状態です。
まずは症状と原因について、以下の2つを解説します。
ご自身の状態と照らし合わせながら確認してみてください。
主な症状
ふくらはぎの筋断裂は、受傷した瞬間に「ブチッ」「バチッ」という断裂音を感じ、激しい痛みが生じるのが特徴です。
主な症状は以下のとおりです。
- 受傷直後に「ブチッ」という音とともに激しい痛みを感じる
- 損傷した部位が腫れて、皮下出血(青あざ)ができる場合がある
- 痛みで足を動かしづらくなり、歩行が困難になる
- 力が入らず、思うように足を動かせない
- 重症の場合は筋肉のへこみが目で見てわかる
軽度であれば患部を押したときに痛む程度で歩行も可能ですが、重度になると自力で歩くことがほぼできなくなります。
痛みが数分で治まる「こむら返り(足がつる)」とは異なり、筋断裂の場合は痛みが長時間続きます。
主な原因
ふくらはぎの筋断裂は、筋肉が急激に収縮したり伸ばされたりしたときに発生します。
主な原因は以下のとおりです。
- ダッシュ、ジャンプ、急停止など瞬発的な動作
- ウォーミングアップ不足による筋肉の硬さ
- 筋力や柔軟性の不足
- 疲労の蓄積による筋肉の状態悪化
- 水分不足による筋肉の柔軟性低下
スポーツをしていない方でも、久しぶりの運動や急な動作で筋断裂を起こす可能性があります。
また、体が冷えると筋肉が硬くなるため、冬場はとくに注意が必要です。
ふくらはぎで筋断裂を起こしたときの対処法
ふくらはぎで筋断裂を起こしたときは、適切な応急処置を行い、速やかに医療機関を受診しましょう。
対処法として、以下の2つを解説します。
早期の対処が症状の悪化を防ぎます。
RICE処置による応急処置
筋断裂を起こしたときの応急処置として「RICE処置」が効果的です。
RICE処置は、Rest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字をとった応急処置の基本です。
| 処置 | 方法 |
|---|---|
| Rest(安静) | 患部を動かさずに安静を保つ。損傷の拡大を防ぐ |
| Icing(冷却) | 氷や保冷剤をタオルで包み、1回15〜20分を目安に患部を冷やす |
| Compression(圧迫) | 包帯やサポーターで適度に圧迫し、腫れを抑える |
| Elevation(挙上) | 患部を心臓より高い位置に上げて、血液やリンパ液の流れを調整する |
RICE処置はあくまで応急処置です。
処置を行った後は、なるべく早く医療機関を受診しましょう。
医療機関を受診
筋断裂が疑われる場合は、できるだけ早く整形外科を受診することが大切です。
とくに以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 受傷時に「ブチッ」という断裂音を感じた
- 痛みが強く、歩行が困難である
- 患部が大きく腫れている、または内出血がある
- 筋肉にへこみが見られる
- 時間が経っても痛みが引かない
軽い痛みで歩行に支障がない場合でも、数日で痛みが改善しない場合は受診をおすすめします。
医療機関では、問診・触診のほか、エコー(超音波検査)で筋肉の損傷具合を確認します。
ふくらはぎの筋断裂における全治期間は?主な治療法
ふくらはぎの筋断裂の治療期間は、損傷の程度によって1週間から6カ月が目安です。
全治期間と治療法について、以下の2つを解説します。
回復に向けた流れを理解し、焦らず治療に取り組みましょう。
主な治療は「保存療法」
ふくらはぎの筋断裂における治療は、手術をせずに自然治癒を促す「保存療法」が基本となります。
全治期間は重症度によって異なり、目安は以下のとおりです。
| 重症度 | 状態 | 全治期間の目安 |
|---|---|---|
| 軽度 | ・筋繊維の微細な損傷 ・押すと痛みがあるが歩行は可能 |
1〜2週間程度 |
| 中等度 | ・筋繊維の部分断裂 ・腫れや内出血があり歩行が困難 |
1〜2カ月程度 |
| 重度 | ・筋肉の完全断裂 ・強い痛みで自力歩行がほぼ不可能 |
3〜6カ月程度 |
保存療法では、テーピングや装具で患部をサポートしながら安静にし、徐々にリハビリを行います。
完全断裂や大きな損傷がある場合には、手術が必要になることもあります。
早期回復のためにリハビリが重要
筋断裂の治療では、柔軟性と筋力を回復させるためにリハビリが欠かせません。
リハビリの内容は医療機関によって異なりますが、基本的には以下のように進められます。
- ストレッチで患部を軽く伸ばし、20〜30秒かけてゆっくり行う(3〜5セット)
- 筋力トレーニングで低下した筋力を回復させる
- 最終段階でダッシュやジャンプなど実践的な動きを取り入れる
リハビリを始めるタイミングは、炎症が治まり、痛みや腫れが軽減してからです。
自己判断で過度な負荷をかけると再発につながる恐れがあるため、焦らず医師や理学療法士の指示に従い、段階的に進めましょう。
ふくらはぎの筋断裂についてよくある質問
ふくらはぎの筋断裂についてよくある質問を紹介します。
治療期間や方法について正しく理解し、回復に向けた適切な対応を取りましょう。
ふくらはぎの筋断裂はどのくらいで治る?
症状の程度によって異なりますが、軽度で1〜2週間、中等度で1〜2カ月、重度で3〜6カ月が目安です。
ただし、これは適切な治療を受けた場合の目安です。
痛みがある場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。
ふくらはぎの筋断裂は手術する?
多くの場合、手術をせずに保存療法で治療を行います。
ただし、筋肉や腱の完全断裂がある場合や、損傷が広範囲に及ぶ場合には手術が検討されることもあります。
ふくらはぎの筋断裂を早く治すなら再生医療をご検討ください
ふくらはぎの筋断裂は、適切な応急処置と治療によって回復が期待できる症状です。
しかし、「できるだけ早く治したい」「スポーツに早く復帰したい」と考える方も多いのではないでしょうか。
そのような方には、「再生医療」という治療法が選択肢になります。
再生医療は、ご自身の血液や細胞を利用して損傷した組織の修復を促す医療技術です。
入院を伴う大きな手術を必要としないため、早期回復を目指している方にもご検討いただけます。
再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


















