- 変形性膝関節症
- 靭帯損傷
- 膝の慢性障害
- 半月板損傷
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝が腫れる原因は?考えられる疾患・症状と対処法について解説【医師監修】

「膝が腫れる原因は何?」
「膝が腫れたらどうすればいい?」
膝の腫れや痛みがあると、歩行や日常生活にも支障が出てしまうため、上記のように原因や対処法について不安になる方も多いでしょう。
結論、膝が腫れる主な原因は、関節内部で起きている「炎症」です。
この炎症によって関節液が過剰に分泌され、いわゆる「水がたまる」状態になることで腫れが発生します。
本記事では、膝が腫れる原因として考えられる疾患や症状、膝の腫れに対する対処法について詳しく解説します。
ご自身の症状と照らし合わせ、適切な対応を知るためにお役立てください。
また、長引く膝の腫れや痛みを今すぐ解消したい方は、再生医療も選択肢の一つです。
再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。
「長引く膝の腫れを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
目次
膝が腫れる原因は?考えられる疾患や症状
膝が腫れる原因は、加齢に伴う体の変化から、スポーツや事故による外傷、あるいは膝の疾患まで多岐にわたります。
膝の腫れを引き起こす代表的な疾患や症状は、以下のとおりです。
多くの場合、膝関節の内部で炎症が起き、関節液が過剰に分泌される「水がたまる」状態になることで腫れが生じます。
放置すると症状が悪化したり、歩行に支障をきたしたりする可能性もあるため、原因を正しく理解することが重要です。
以下では、それぞれの疾患や症状について詳しく解説します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、加齢や体重の増加、筋力の低下などが原因で膝の軟骨がすり減り、関節に炎症が起きる疾患です。
とくに中高年の方に多く見られ、膝の腫れや痛みの代表的な原因の一つとして知られています。
【主な症状】
- 立ち上がりや歩き始めなど、動き出すときの痛み
- 階段の昇り降りでの痛み
- 炎症による膝の腫れ
 など
この疾患は進行性のため、放置すると軟骨のすり減りが進み、歩行困難に至るケースもあります。
痛みが続く、腫れが引かない場合は、早めに医療機関を受診し、進行を遅らせる治療を開始することが重要です。
半月板損傷
半月板損傷は、スポーツや事故などで膝に強い衝撃やひねりが加わることで、クッションの役割を果たす半月板が傷ついたり、断裂したりする状態を指します。
若い世代だけでなく、加齢によって半月板がもろくなり、軽い衝撃で損傷することもあります。
【主な症状】
- 膝の痛みや腫れ
- 膝が引っかかる感覚
- 膝を伸ばしきれない
- 膝が動かなくなるロッキング症状
 など
損傷した半月板は適切な治療を受けないと自然治癒が難しく、そのまま放置すると変形性膝関節症を発症するおそれもあります。
膝が動かなくなるロッキング症状や強い痛み、引っかかり感が続く場合は、早期に医療機関で検査を受けましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは、免疫システムの異常により、自身の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。
この疾患は膝だけでなく、手や足の指、手首など、体のさまざまな関節で炎症を引き起こします。
【主な症状】
- 熱感を伴う膝の腫れ
- 朝起きたときに関節がこわばる
- 発熱や倦怠感などの全身症状
- 関節の変形
 など
関節リウマチによる膝の腫れは、熱感を伴うことが多く、朝起きたときに関節がこわばって動かしにくい「朝のこわばり」が特徴的な症状です。
進行すると関節の変形をきたす可能性があり、発熱や倦怠感といった全身症状が現れる場合もあります。
痛風・偽痛風
痛風や偽痛風は、関節内に特定の結晶がたまることで、突然激しい炎症を引き起こす疾患です。
痛風は尿酸の結晶が、偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶が原因となります。
【主な症状】
- 突然の激しい痛み
- 赤みと熱感を伴う膝の腫れ
- 発作時の歩行が困難になるほどの強い痛み
 など
激痛発作は自然に治まることもありますが、適切な治療を受けないと腎障害などの合併症を引き起こすリスクがあります。
経験したことのない激痛が膝を襲った際は、迷わずに医療機関を受診しましょう。
打撲などの外傷
転倒やスポーツ中の接触プレーなどで膝を強くぶつけることによる打撲などの外傷でも、腫れや痛みが生じます。
打撲の場合、関節内部の組織が損傷し、内出血を起こすことで膝が腫れてきます。
【主な症状】
- 内出血による膝の腫れ
- 圧痛(押すと痛む)
- 強い腫れや痛みが続き、膝が不安定に感じる
 など
多くは時間とともに回復しますが、強い衝撃を受けた場合は注意が必要です。靭帯損傷や骨折といった、より深刻な怪我を併発している可能性も考えられます。
強い腫れや痛みが続く、膝が不安定に感じるなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。
感染症(化膿性関節炎)
細菌感染によって化膿性の炎症を起こす「化膿性関節炎」は、緊急の対応が必要な危険な状態です。
傷口から細菌が侵入したり、体の他の部位の感染が血液を介して関節に及んだりすることが原因となります。
【主な症状】
- 激しい痛みと腫れ、強い熱感
- 高熱や悪寒などの全身症状
 など
膝の激しい痛みと腫れ、熱感に加えて、高熱や悪寒といった全身の症状を伴うことが特徴です。
治療が遅れると短時間で関節が破壊され、重い後遺症が出る危険があります。
膝の腫れだけでなく、激痛と高熱、悪寒が同時にある場合は、すぐに救急外来を受診しましょう。
その他に考えられる疾患
これまでに挙げた疾患以外にも、膝の腫れを引き起こす原因は複数存在します。
膝が腫れたときに考えられるその他の疾患は、以下のとおりです。
- オスグッド・シュラッター病:成長期の子供に見られる膝の痛みと腫れ
- ベーカー嚢腫:膝の裏に液体がたまってこぶができる
- 離断性骨軟骨炎:関節の軟骨が剥がれ落ちる
上記には疾患ごとにさまざまな原因が考えられ、それぞれ治療法が大きく異なります。
膝の腫れや痛みが続く場合は、自己判断せずに医療機関による正確な診断を受けることが何よりも大切です。
膝が腫れたときに実施すべき対処法
膝が腫れた場合、まずは慌てずに応急処置を行い、できるだけ早く専門医の診断を仰ぐことが重要です。
膝が腫れたときに実施すべき基本的な対処法は、以下の3つです。
炎症を悪化させないための初期対応が、その後の回復に大きく影響するため、適切な応急処置について理解を深めましょう。
以下では、応急処置の基本である「RICE処置」について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
安静を保つ
膝に腫れや痛みがある場合、まずは無理に動かさずに安静を保つことが重要です。
痛みや腫れは、膝の内部で炎症が起きているサインです。
無理に動いたり、スポーツを続けたりすると炎症がさらに悪化し、症状が長引く原因となります。
できるだけ膝に体重をかけないようにし、膝を深く曲げる動作や階段の昇り降り、長距離の歩行は避けましょう。
患部周辺をアイシングする
膝が熱っぽく腫れている場合、患部をアイシング(冷却)することで、炎症と痛みを和らげる効果が期待できます。
アイシングは、血管を収縮させて炎症物質の広がりを抑え、腫れや内出血を軽減させるための応急処置です。
氷嚢(アイスバッグ)やビニール袋に入れた氷をタオルで包み、1回15分~20分を目安に患部に当ててください。
ただし、冷やしすぎると凍傷のリスクがあるため、感覚がなくなるまで冷やし続けないよう注意しましょう。
早期に医療機関を受診する
応急処置はあくまで一時的なものであり、重要なのは早期に医療機関を受診することです。
前述のとおり、膝が腫れた場合「外傷」「加齢」「疾患」などさまざまな原因が考えられるため、自己判断は危険です。
とくに激しい痛みや高熱を伴う場合、または転倒などの明らかな原因がないのに腫れている場合は、速やかな受診が求められます。
医療機関による正確な診断を受け、原因に応じた適切な治療を開始しましょう。
膝が腫れる原因についてよくある質問
膝の腫れに関して、多くの方が抱く「水がたまる」こととの関係や、治療期間に関する疑問にお答えします。
以下では、これらのよくある質問について詳しく解説します。
膝が腫れるのは水がたまるのが原因?
多くの場合、膝が腫れるのは「水がたまる」状態(関節水腫)が直接的な原因です。
ただし、水がたまること自体が問題なのではなく、何らかの異常が膝関節に起きている「結果」として水がたまっています。
膝関節は「関節液」という液体で満たされており、軟骨に栄養を与えたり、関節の動きを滑らかにしたりする役割を担っています。
しかし、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどで関節内に炎症が起きると、関節液が過剰に分泌されてしまいます。
この過剰にたまった関節液が「膝にたまる水」の正体であり、膝の腫れや圧迫感、痛みを引き起こします。
膝の腫れは何日で治る?
膝の腫れが治るまでの期間は、その原因によって大きく異なるため一概には言えません。
例えば、軽い打撲による一時的な炎症であれば、数日間のアイシングや安静で腫れが引くこともあります。
しかし、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどの疾患が原因の場合、疾患の治療を行わなければ、腫れが引かなかったり、一度引いても再発したりすることが多いです。
さらには感染症(化膿性関節炎)が原因の場合は、緊急の治療が必要となります。
腫れが長引く、または悪化する場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。
膝が腫れる「炎症」には再生医療も選択肢の一つ
膝が腫れる原因はさまざまですが、その多くは関節内部で起きている「炎症」が根本的な原因です。
本記事で解説したとおり、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、外傷など、多くの疾患や怪我が膝関節に炎症を引き起こします。
その結果、関節液が過剰に分泌され、「水がたまる」ことで膝が腫れてしまいます。
基本的な治療は安静やアイシング、湿布、ヒアルロン酸注射などですが、これらで改善が見られない持続的な炎症に対しては、再生医療も選択肢の一つです。
再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を活用し、炎症そのものを抑え、痛みを軽減させることを目指す治療法です。
「長引く膝の腫れを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
>当院の再生医療による膝関節の症例はこちら
 
                            監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設


 
							
 
							 
						 
					 
                  


















 
                  