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胸椎椎間板ヘルニア|背中の痛みの原因や症状、治し方について解説【医師監修】

胸椎椎間板ヘルニアとは、胸の背骨の間にあるクッションのような組織が飛び出してしまう疾患で、背中や胸、脚に痛みやしびれを引き起こします。
背中や胸、肋骨周辺に痛みがあり、原因がわからず不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、胸椎椎間板ヘルニアの主な症状や原因、検査方法から治療の選択肢までを詳しく解説します。
放置すると歩行困難や排尿障害といった深刻な症状に進行する可能性があるため、疑わしい症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。
また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで椎間板ヘルニアの症状改善が期待できる「再生医療」に関する情報を公式LINEで発信しております。
治療の選択肢として、胸椎椎間板ヘルニアによる神経の損傷に関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひ登録してください。
目次
胸椎椎間板ヘルニアとは
胸椎椎間板ヘルニアとは、胸の背骨の間にある椎間板が外へ飛び出してしまう疾患です。
頚椎(首)や腰椎(腰)のヘルニアと比較すると発生頻度は低いですが、胸椎には重要な神経である脊髄が通っているため、圧迫される場所や程度によっては多様な症状を引き起こす可能性があります。
以下では、胸椎椎間板ヘルニアの主な症状と原因について解説します。
これらの正しい知識を身につけて、ご自身の症状が胸椎椎間板ヘルニアに該当するか確認しましょう。
胸椎椎間板ヘルニアの主な症状
胸椎椎間板ヘルニアの症状は、神経(脊髄)を圧迫する場所や程度によって異なります。
主な症状として、以下のようなものが挙げられます。
- 肋間神経痛
- 背中や胸の痛み
- 下半身のしびれや筋力低下
- 排尿・排便障害
軽度の胸椎椎間板ヘルニアの場合、自覚症状がない場合もあります。
しかし、症状が進行すると歩行困難になるケースもあるため、脚のしびれや痛み、歩きにくさを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
胸椎椎間板ヘルニアの主な原因
胸椎椎間板ヘルニアを発症する主な原因は、加齢に伴う椎間板の変性といわれています。
椎間板は年齢とともに水分量が減少し、弾力性が失われていくため、何らかの負担が加わった際に内部の組織が飛び出しやすくなります。
発症の引き金となる具体的な要因としては、以下のようなものが考えられます。
- 加齢による椎間板の老化
- スポーツや転倒などによる外傷
- 猫背など背中が丸まった状態での長時間作業
- 重量物の持ち運び
とくにデスクワークで長時間同じ姿勢を続ける方や、外傷につながる接触が多いスポーツでは注意が必要です。
胸椎椎間板ヘルニアの検査・診断方法
胸椎椎間板ヘルニアの診断では、主に以下の画像検査を行います。
| 検査方法 | 特徴 |
|---|---|
| レントゲン検査 | 骨の状態を確認、椎間板ヘルニアそのものははっきり写らない |
| MRI検査 | 椎間板や神経の状態を詳しく確認可能 |
| CT検査 | 骨の状態を3次元的に確認し、手術が必要な場合に追加で行う |
とくにMRI検査は椎間板ヘルニアの診断に有効で、飛び出した椎間板が神経を圧迫している様子を確認できます。
脊髄の圧迫症状がある場合、MRI検査で椎間板ヘルニアによる圧迫が確認されれば診断が確定します。
セルフチェック方法はある?
胸椎椎間板ヘルニアの可能性をセルフチェックしたい方は、以下の症状に該当するかご確認ください。
- 肋骨に沿った帯状の痛みがある
- 歩くときに足がもつれる感じがする
- 背中や胸に痛みがある
- 両脚にしびれや筋力低下がある
- 階段を降りるときに不安定になる
- 症状が徐々に悪化している
しかし、上記のような背中の痛みや足のしびれなどの症状は、他の疾患とも共通点が多いため、自己判断で対処法を実践するのはやめましょう。
セルフチェックはあくまで目安とし、気になる症状があれば医療機関を受診して正確な診断を受けることが大切です。
胸椎椎間板ヘルニアを放置するリスク
胸椎椎間板ヘルニアは進行性のため、放置すると症状が悪化します。
悪化して胸椎椎間板の後ろにある脊髄が圧迫されると、急に脚が動かなくなる可能性があります。
胸椎は脊柱管(神経の通り道)が狭いため、軽い椎間板ヘルニアでも症状が出やすいといわれています。
また、椎間板ヘルニアによって神経が圧迫されると、尿や便が出なくなる可能性もあります。
症状が進行してからでは治療が難しくなることもあるため、早期に医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。
脚のしびれや痛み、歩きにくさといった症状がある場合は、放置せずに整形外科や脊椎外科を受診しましょう。
胸椎椎間板ヘルニアの治し方|主な治療法
胸椎椎間板ヘルニアには複数の治療法があり、症状の程度に応じて適切な方法を選択します。
治療法として以下の3つがあります。
それぞれの治療法の特徴を理解して、ご自身に合った治療を選択しましょう。
保存療法
保存療法とは手術を行わずに症状の改善を目指す治療法で、軽度から中等度の症状に対して検討されます。
主に以下のような方法があります。
| 治療方法 | 内容 |
|---|---|
| 薬物療法 | 痛みを和らげる薬や炎症を抑える薬を使用します |
| リハビリテーション | 理学療法士の指導のもと、筋力強化や姿勢改善を行います |
| 装具療法 | コルセットなどで背骨を安定させます |
| 安静 | 背骨への負担を減らすため、一定期間安静にします |
保存療法は主に痛みを和らげることを目的とした対症療法です。
そのため、胸椎椎間板ヘルニアによる脊髄の圧迫症状に対して、薬やリハビリテーションで神経の圧迫を改善することはできません。
歩行困難などの脊髄圧迫症状がはっきりしてきた場合には、症状は進行性であることが多いため、手術療法や再生医療といった他の治療法を検討する必要があります。
手術療法
歩行障害が進行している場合や、保存療法で症状が改善しない場合には、手術療法を検討します。
胸椎椎間板ヘルニアの手術には、主に以下の2つの方法があります。
| 手術方法 | 内容 |
|---|---|
| 前方固定術 | 体の側方から椎間板を切除して骨を移植し、背骨を固定する |
| 後方除圧術 | 背中側から椎間板を切除して神経の圧迫を取り除く |
どちらの手術も簡単なものではなく、手術によって神経に影響するリスクがあります。
しかし、放置しておくと症状が進行する可能性が高いため、医師とよく相談して手術を受けるかどうかを決めることが大切です。
また、手術後は入院が必要となり、回復までに一定の期間がかかります。
手術を受ける場合は、医師から十分な説明を受け、リスクと効果を理解した上で決断しましょう。
再生医療
再生医療は患者様ご自身の細胞や血液を用いて、手術をせずに損傷した神経の改善を目指す胸椎椎間板ヘルニアの新しい治療の選択肢です。
患者様の脂肪から採取した細胞を培養し、損傷した部位に投与することで、組織の修復や炎症抑制を促します。
手術に抵抗がある方や、手術が難しい状態の方に注目されている治療法です。
以下の症例ページでは、実際に当院リペアセルクリニックの再生医療で椎間板ヘルニアを治療した患者様の症例を紹介しているため、合わせて参考にしてください。
>椎間板ヘルニアの症例ページはこちら
胸椎椎間板ヘルニアに関するよくある質問
胸椎椎間板ヘルニアについてよくある質問を紹介します。
ヘルニアを悪化させないように正しい知識を身につけましょう。
胸椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことは?
胸椎椎間板ヘルニアの方は、重い物を持ち上げる動作、激しいスポーツ、長時間の同じ姿勢は避けてください。
背中を丸めて重い物を持つと、背骨に大きな負担がかかり、椎間板への圧力が高まります。
また、デスクワークで長時間座り続けたり、車の運転を長時間続けたりすると背骨への負担が蓄積します。
さらにゴルフのスイングやテニスのサーブなど、体を大きくひねる動作も椎間板に負担をかけます。
脚のしびれや歩きにくさを感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
胸椎椎間板ヘルニアはストレッチで治る?
ストレッチは症状の緩和に役立つ可能性がありますが、胸椎椎間板ヘルニア自体を治すことはできません。
ただし、適切なストレッチは背中周りの筋肉の緊張をほぐし、痛みを和らげる効果が期待できます。
ストレッチは症状を和らげる補助的な方法として活用し、根本的な治療については医療機関で相談しましょう。
胸椎椎間板ヘルニアによる背中の痛みは再生医療をご検討ください
胸椎椎間板ヘルニアは、胸の背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫する疾患です。
放置すると脚のしびれや痛みが悪化し、歩行困難などにつながる可能性があります。
治療法には保存療法、手術療法、再生医療があるため、症状の程度に応じて適切な方法を選択しましょう。
とくに再生医療は、手術をせずに損傷した神経の改善を目指せる新しい治療の選択肢です。
胸椎椎間板ヘルニアが治るか不安な方や手術を避けたいという方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師














