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膝蓋軟骨軟化症とは?治療方法や期間について解説

 

陸上選手のイメージ

膝の痛みでお悩みの方の中には、「膝蓋軟骨軟化症」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。

これは、膝蓋骨(ひざのお皿)に異常が生じ、膝に痛みを感じる症状です。特に階段の上り下りや長時間の座り姿勢から立ち上がる際に痛みが強く現れることがあります。この症状を放置すると、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。

この記事では、膝蓋軟骨軟化症の原因や治療方法、そして治療にかかる期間について詳しく解説します。膝の痛みを少しでも早く改善し、日常生活を快適に過ごすための参考にしてください。

膝蓋軟骨軟化症とは

膝蓋軟骨軟化症は、膝蓋骨(ひざのお皿)の内側にある軟骨が柔らかくなったり、変形することで発症する病気です。特に中学生や高校生など、10代から20代にかけて多く見られます。

膝蓋骨は、膝関節の前側を守る重要な役割を担っています。太ももに手を当てて、下に滑らせていくと感じる膨らみがこの膝蓋骨です。膝蓋骨は、膝の前面に位置し、関節を保護するガードのような働きをしています。

通常、関節は軟骨や関節液がクッションとなり、骨同士の摩擦や衝突を防いでいます。しかし、膝蓋軟骨に異常が生じると、そのクッション機能が損なわれ、痛みが発生します。

ここからは、なぜ軟骨に異変が起こるのか、そしてどのような治療方法があるのかを詳しく見ていきましょう。

膝蓋軟骨軟化症の原因

膝蓋骨(ひざのお皿)の内側にある軟骨に異常をきたす原因として、以下の点が挙げられます。

  • ・膝蓋骨の位置がずれている
  • ・屈伸やランニングなど、膝への負荷が多い

これらの要因は、生まれつき膝蓋骨が適切な位置にない構造的な問題や、運動によって膝に過度な負担がかかることで、軟骨にダメージが蓄積されることに起因するとされています。

ただし、膝蓋軟骨軟化症の詳しい原因については、まだ十分に解明されていません。

膝蓋軟骨軟化症の治療

治療の基本は、痛み止めを服用し、安静にする保存療法です。痛みが軽減してきた段階で、筋力強化やストレッチを取り入れ、膝への負担を減らすことが目指されます。しかし、再発を繰り返す場合や痛みが長引く場合には、手術が検討されることもあります。

ここからは、治療方法についてさらに詳しく確認していきましょう。

保存療法①:抗炎症薬の内服と安静

膝の痛みを軽減するために、まずは痛み止めを服用し、安静を保つことが大切です。

さらに、膝を氷で冷却することも効果的です。15~30分間冷やした後、一旦冷却を止め、しばらく時間を置いてから再度冷却を行うようにしましょう。痛みが和らぐまで、この冷却と安静を続けることが推奨されます。

保存療法②:サポーターやテーピングの使用

膝は、スポーツを中断しても「歩く」「階段を上る」など、日常生活で頻繁に使う関節です。そのため、サポーターやテーピングを利用して痛みのある膝を保護することが、膝関節の痛みを軽減し、再発を予防するのに役立ちます。

特にテーピングは、正しい巻き方が重要です。自己流で行うのではなく、医師から巻き方を確認してから使用するようにしてください。

保存療法③:筋力トレーニングやストレッチ

大腿四頭筋を強化する筋力トレーニングやストレッチは、膝の痛みを予防する効果があります。

膝蓋骨(ひざのお皿)は、太ももの前側に位置する大腿四頭筋に繋がっているため、太ももの筋肉を強化することで膝関節が安定し、痛みを予防することができます。また、膝蓋骨は関節の動きに伴い上下に動くため、ストレッチによって膝の柔軟性を高めることで、痛みの予防にもつながります。

ただし、痛みが強い場合は、無理に筋力トレーニングやストレッチを行わないよう注意が必要です。

外科的治療:関節鏡視下手術

痛みが続く、または再発を繰り返して日常生活に支障をきたす場合には、関節鏡を用いた手術が選択されることもあります。手術は一般的なメスを使ったものではなく、関節に数カ所の小さな穴を開け、そこから内視鏡を挿入して行います。この方法は、身体への負担が比較的少なく、傷も小さくて済むため、回復が早いという利点があります。

治るまでの治療期間

初期の段階であれば保存療法で、数か月~1年で完治します。しかし重症化している場合、保存療法を数年続けても、最終的に手術を受けることになったというケースもあります。

なかなか治らない方へ:再生医療という選択肢

なかなか治らない膝蓋軟骨軟化症に悩んでいる方には、再生医療という選択肢もあります。

再生医療は、損傷した組織の修復を促す治療法であり、大掛かりな手術を必要とせず、治療期間の短縮が期待できます。

膝蓋軟骨軟化症が繰り返し発症し、困っている方も少なくないでしょう。

再生医療は、早期にスポーツに復帰したい方、手術に対して不安がある方、そして痛みから解放されたい方に最適な最新の治療法ですので、ぜひ検討してみてください。

膝蓋軟骨軟化症の重症度と日常生活への影響

膝蓋軟骨軟化症は膝の前方に痛みを感じやすく、痛みの程度は症状の重症度によって大きく異なります。

膝蓋軟骨軟化症の重症度

軽度から重度までの分類はこちらです。

軽度 運動時や歩行時にときどき膝の痛みや不安定感がある
中等度 運動時や歩行時に高い頻度で膝の痛みや不安定感がある
重度 安静時にも痛みを自覚するようになる

自分がいまどの程度の重症度かの参考にしてください。

日常生活の影響

膝蓋軟骨軟化症の症状が軽度であっても、歩く際に痛みや膝の不安定感を感じることがあり、日常生活に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、「生活の質」が低下する恐れがあります。

例えば、「階段を上る」や「椅子から立ち上がる」といった膝を曲げ伸ばしする動作は、日常生活で頻繁に行われるものです。「病院に行くほどではない」と痛みを放置すると、症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

早めに医師の診察を受け、症状が繰り返す場合は、手術や再生医療の選択肢を検討することが重要です。

まとめ

ここまで、膝蓋軟骨軟化症の原因、治療方法、重症度について解説してきました。膝関節は日常生活において重要な役割を果たすため、しっかりと治療することが大切です。

基本的には安静にする保存療法で治るケースが多いです。

しかし、症状がなかなか完治しない場合には、負担の少ない内視鏡を使った手術や、さらに身体への負担が少ない再生医療などの選択肢もあります。自身の痛みの状態と相談しながら、最適な治療法を検討してみましょう。

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