アキレス腱炎を放置しておくとどうなる?症状悪化のリスクや治療について
公開日: 2025.02.07更新日: 2025.02.09
アキレス腱炎の放置による症状悪化のリスクや治療法を解説。痛みや腫れの原因、予防方法から、早期回復を目指せる再生医療まで、アキレス腱炎でお悩みの方に役立つ情報をお届けします。
アキレス腱炎で痛みが治らず困っているものの、すぐに病院へ行けず不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、アキレス腱炎の原因や症状、治療法から予防策までを詳しく解説します。
また、放置した場合のリスクや早期治療の重要性についても触れ、さらに早期回復を目指せる再生医療という選択肢についてもご紹介します。
症状を悪化させないためのヒントをぜひ参考にしてください。
目次
アキレス腱炎を放置しておくとどうなる?
かかとからふくらはぎにかけての腱に痛みがある場合、アキレス腱炎の可能性があります。
初期症状は軽度な痛みや違和感にとどまることが多いため、見過ごされがちです。
しかし、適切な治療をせずに放置すると症状が進行し、日常生活やスポーツ活動に支障をきたす可能性があります。
アキレス腱炎を放置しておくとどうなるのか、リスクについて理解しておきましょう。
アキレス腱炎の症状の悪化リスクがある
アキレス腱炎の初期症状としては、運動後や朝起きた際にアキレス腱部分に違和感や軽い痛みを感じることが一般的です。腫れや皮膚の熱感が伴う場合もあります。
これらの症状は一時的に軽減することもありますが、放置すると炎症が悪化および慢性化するリスクがあります。
特に、症状が軽い段階で適切な治療を行わない場合、痛みが強くなったり腱の動きが制限されたりすることがあります。
日常生活に支障が出る前に早めの対応が重要です。
症状の進行とアキレス腱断裂の危険性もある
アキレス腱炎が長期間放置されると、腱の組織が劣化していき弾力性が失われる可能性があります。
この状態が進行すると、炎症が進行して「アキレス腱症」や「アキレス腱周囲炎」として慢性化するリスクがあるため注意が必要です。
また、腱の弾力性が失われることで断裂のリスクが高まります。アキレス腱が断裂すると、歩行や基本的な動作が著しく困難になります。
アキレス腱の断裂は、手術が必要となるケースも少なくありません。特にスポーツや立ち仕事が多い方は症状が進行しやすいため、早期の治療が望ましいです。
アキレス腱炎と断裂の違い
アキレス腱炎やアキレス腱症は、炎症や負担の蓄積による痛みや腫れが主な症状で、保存療法で改善が期待できる場合が多いです。
一方、アキレス腱断裂は腱が完全または部分的に切れる状態で、突然の激痛や腱が切れる音が特徴です。
断裂の場合、保存療法だけでは十分な回復が見込めないため、手術やリハビリが必要になります。
アキレス腱炎の原因
アキレス腱炎は、日常生活や運動習慣、身体の状態など、さまざまな要因が関与して発症します。
原因 | 具体例 |
---|---|
過度な運動や負荷 | 長時間のランニングやバレーボールやバスケットボールなどにおける繰り返しのジャンプなど、アキレス腱に繰り返し負担をかける運動 |
急激な運動量の増加 | 運動経験が少ない状態から急に激しい運動を始めた場合 |
筋力や柔軟性の不足 | ふくらはぎの筋肉が硬い、または柔軟性が不足していることでアキレス腱にストレスがかかる |
不適切な靴の使用 | クッション性の少ない靴、かかとの高さが極端に高い靴、サイズの合わない靴など |
足の構造的な問題 |
扁平足※1やハイアーチ※2など、歩行時や運動時にアキレス腱に過剰な負担を与える足の形状 |
加齢による腱の劣化 | 年齢を重ねることでアキレス腱の弾力性や強度が低下し、炎症が起きやすくなる |
急な方向転換や動作の繰り返し | テニスやバスケットボールなど、方向転換や急停止を伴うスポーツ |
アキレス腱炎の原因は複数の要因が複雑に絡み合っている場合が多いため、早めの対策が重要です。
アキレス腱炎の症状
アキレス腱炎に関連する主な症状は以下の通りです。
症状 | 具体例 |
---|---|
アキレス腱部分の痛みや違和感 | 運動後や朝起きた際に、かかとの上部やふくらはぎの下部に近いアキレス腱周辺に痛みや違和感を感じる |
腫れや熱感 | アキレス腱の周囲が腫れたり、触ると熱を感じる場合がある |
動作時の痛み | 歩行や走行、階段の上り下りなど、足を動かす際に痛みが増す |
ふくらはぎの硬さや張り感 | アキレス腱に繋がるふくらはぎの筋肉が硬く感じられる |
痛みが持続する | 痛みが断続的ではなく、慢性的に続く場合、症状が悪化している可能性がある |
腱の厚みや硬さの変化 | アキレス腱部分が厚く感じたり、硬くなる |
朝の動き始めの痛み | 朝起きた直後に、アキレス腱部分に特に強い痛みや硬さを感じる |
これらの症状は、放置すると悪化し、慢性的な痛みや断裂のリスクが高まる可能性があります。早期に医療機関を受診し、適切な対応を取ることが重要です。
アキレス腱炎の治療
アキレス腱炎の治療は、症状の程度や患者の生活環境に応じて異なります。
軽症の場合は保存療法が中心となり、スポーツへの早期復帰を目指す場合や重症の場合は、再生医療が選択肢の1つとなることがあります。
保存療法
保存療法は、アキレス腱炎の初期段階や軽度の症状に対して有効な治療法です。
以下のような方法が一般的に行われます。
・安静にする
・アイシングする
スポーツへの早期の復帰を目指す再生医療という選択肢
アキレス腱炎が慢性化している場合や、スポーツ選手が早期復帰を目指す場合には、再生医療が有効な選択肢となります。
再生医療とは、身体の自然治癒力を高めることにより、失われた組織や機能などの修復・再生を行う治療方法です。
アキレス腱炎の治療においては、人体が本来持つ治癒力を活かして、傷ついたアキレス腱の修復を促進します。
再生医療は、身体への負担が少なく早期の回復に期待できる点が特徴です。
当院(リペアセルクリニック)では厚生労働省から受理された再生医療を行っています。再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
アキレス腱炎を予防する方法
アキレス腱炎を防ぐためには、日常生活や運動時にアキレス腱への負担を軽減する工夫が必要です。
以下に挙げるポイントを意識することで、アキレス腱への負担を減らし、炎症を予防する効果が期待できます。
それぞれのポイントを取り入れて、アキレス腱炎の予防に役立てましょう。
日常生活でできる予防策
日常生活の中で股関節への負担を減らし、痛みを予防するためには、普段からの意識が大切です。
以下に挙げるポイントを実践することで、股関節の健康を保ち、症状の進行を防ぐことが期待できます。
・適度な休息を取る
・体重管理を心掛ける
・正しい歩き方を意識する
日常的にストレッチや適切な休息を取り入れることで、アキレス腱にかかる負担を軽減することが可能です。
また、体重管理や歩き方の改善も重要なポイントとなります。
過度な運動は避ける
過度な運動はアキレス腱に過剰な負担を与え、炎症を引き起こす原因となります。
以下に、適切な運動習慣を維持するためのポイントを整理しました。
ポイント | 詳細 |
---|---|
運動量を徐々に増やす | 急激に運動量を増やさず、少しずつ体を慣らしていくことが大切 |
無理なトレーニングを避ける | 長時間のランニングや急な方向転換を繰り返すスポーツを控える |
十分なウォーミングアップ | 運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウンをしっかり行い、アキレス腱の負担を軽減する |
運動量やトレーニングの計画を適切に管理することで、アキレス腱への過剰な負担を防ぐことが可能です。
足に合った靴を選ぶ
足に合った靴を選ぶことは、アキレス腱炎の予防において非常に重要です。
以下に、靴選びで注意すべきポイントをまとめました。
ポイント | 詳細 |
---|---|
適切なサイズの靴を選ぶ | 足にぴったり合う靴を選ぶことで、足全体への負担を軽減できる |
クッション性のある靴を選ぶ | 足への衝撃を吸収する靴を選び、アキレス腱にかかる負担を軽減する |
靴の寿命に注意する | 古くなった靴はサポート力が失われるため、適切なタイミングで靴を買い替える |
足に合った靴を選び、状態に応じて適切にメンテナンスを行うことで、アキレス腱炎のリスクを減らすことができます。
アキレス腱炎についてよくある質問
アキレス腱炎に関する悩みや疑問について最後に紹介します。
アキレス腱炎についてお悩みの方は、参考までにご覧ください。
アキレス腱炎のセルフチェック方法は?
アキレス腱炎は、初期症状を見逃さずに早めに対処することが重要です。
以下のようなセルフチェック方法を知っておくことで、異常を早期に発見し、症状の悪化を防げます。
チェック項目 | 詳細 |
---|---|
痛みの有無を確認する | 朝の寝起きや運動後に、アキレス腱に痛みや違和感を感じる場合は要注意 |
腫れや厚みを触診する | アキレス腱の腫れや痛みを感じる場合、炎症の兆候の可能性あり |
動作時の違和感を確認する | 歩行や階段の昇降でアキレス腱に違和感がある場合、炎症の可能性あり |
片側と比較しながらチェックすると、異常がわかりやすくなります。
これらのセルフチェックで異常が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。
アキレス腱炎を放置すると手術が必要になる?
アキレス腱炎を放置すると、症状が進行して手術が必要になる可能性があります。
炎症が慢性化すると腱の組織が劣化し、さらに悪化するとアキレス腱が断裂するリスクが高まります。
断裂した場合は保存療法での回復が難しく、手術が選択されるケースが多くなるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診するのが大切です。
自宅ケアだけでアキレス腱炎は治る?
軽度のアキレス腱炎であれば、自宅ケアで症状が改善する場合があります。
ケア方法 | 詳細 |
---|---|
安静にする | 運動を控え、アキレス腱への負担を軽減する |
アイシングを行う | 痛みや腫れを抑えるために、患部を冷却する |
軽いストレッチを行う | ふくらはぎの筋肉をほぐし、アキレス腱の負担を軽減する |
ただし、症状が改善しない場合や痛みが悪化する場合には、放置せずに医療機関を受診することが重要です。
【まとめ】アキレス腱炎はほっとかずに医療機関を受診しよう
アキレス腱炎は、初期症状を見過ごすと慢性化し、最悪の場合は腱の断裂に至る危険性があります。
その原因は過度な運動や足に合わない靴、日常生活での負荷などさまざまです。
症状が現れた場合は、安静やアイシングなどの保存療法で改善することもありますが、放置せず医療機関で適切な診断と治療を受けることが重要です。
さらに、早期の症状改善やスポーツ復帰を目指す場合には、再生医療が次世代医療の選択肢として注目されています。
PRP療法や幹細胞治療は、アキレス腱の修復をサポートし、回復を促進します。再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。