インピンジメント症候群のセルフチェックリスト|治し方や五十肩の違いについて解説

公開日: 2019.05.08
更新日: 2025.07.31

「肩の痛みに悩まされているが、何の疾患なのかわからない」
「自分の症状がインピンジメント症候群なのか知りたい」

上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、インピンジメント症候群かどうかを確かめるために病院で行われるテストを紹介します。

また、インピンジメント症候群の治し方についても解説しているので、肩の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

長引くつらい肩の痛みや、インピンジメント症候群には、再生医療による治療も選択肢の一つです。

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「肩の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療の情報を確認してみてください。

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インピンジメント症候群のセルフチェックリスト

以下の8つの症状のうち複数があてはまる場合は、インピンジメント症候群の可能性があります。

  • 肩を上げたときに痛みがある
  • 夜間に肩の痛みを感じる
  • 痛みで腕を上げられない
  • 肩を動かすときに引っかかる感覚がある
  • 肩を動かすときにゴリゴリと音がする
  • 腕を内側にひねると痛みが増す
  • 重い物を持つと肩に痛みが走る
  • 肩の痛みが長期間続いている

インピンジメント症候群の初期症状として、特定の動作をすると肩に痛みが走ります。

また、腕を後ろに回す途中で痛みを感じる、肩の痛みで可動域が制限されるのも特徴です。

インピンジメント症候群における病院で行うテスト項目

インピンジメント症候群の診断をする際に、病院で行われるテストを紹介します。

これらのテスト内容について、詳しく解説します。

Neerテスト

Neerテストとは、肩関節を使うテストです。立位または座位で行います。

1.痛みのある方の肩を上から動かないように押さえる
2.肩を押さえたまま腕を前方に真っ直ぐ伸ばす
3.肘を伸ばしたまま小指が上側を向くように内側にひねる
4.内旋を保ったまま頭の方向に腕を上げる

このときに腕の付け根に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります。

Hawkinsテスト

Hawkinsテストとは、肩関節や肘関節を使ったテストです。

1.腕を前方に挙上する
2.肘を90°に曲げる
3.肩甲骨を固定しながら肩を内側にひねる

肩を内側に倒しているときに肩に痛みを感じたら、インピンジメント症候群の可能性があります

NeerテストとHawkinsテストは1人でもできますが、患者と検査者の2人で行うのが一般的です。

有痛弧サイン

有痛弧サインは、インピンジメント症候群や腱板損傷の診断で行われるテストのひとつです。

1.痛む方の腕を外転させる
2.角度が60°から120°の間で痛みが生じる場合はインピンジメント症候群の可能性がある

肩関節の可動域と痛みが出る部位の確認を目的としています。

有痛弧サインはあくまで診断を補助するテストのひとつです。他の検査結果と合わせて総合的に判断されます。

インピンジメント注入テスト

インピンジメント注入テストは、肩峰下滑液包内に局所麻酔薬を注入して、肩を動かしたときの痛みや可動域制限などが改善されるかを観察します。

麻酔薬を注入した後に症状が改善された場合、インピンジメント症候群の可能性があります。

インピンジメント症候群の治し方

インピンジメント症候群の治療は、症状の程度や患者の状態に応じて段階的に行われます。

主な治療選択肢は以下の3つです。

一般的には保存療法(薬物療法とリハビリ)から開始し、効果が不十分な場合に手術を検討します。

それぞれの治療法について詳しく解説します。

痛み止めを服用する

インピンジメント症候群に対しては、主に消炎鎮痛剤や筋弛緩剤などの内服薬が処方されます。

炎症や痛みを軽減する効果が期待されます。

内服薬以外に、ステロイド注射の選択肢もありますが、注射は内服薬のみでは効果が感じられない場合に検討される治療法です。

リハビリ・ストレッチをする

インピンジメント症候群の治療には、肩の可動域を広げるためのストレッチや筋力トレーニングが効果的です。

筋力トレーニングは、肩関節の安定性を高める効果も期待できます。

また、肩の正しい動かし方や負担の少ないフォームを専門医が指導するケースもあります。

リハビリは、無理のない範囲で行いましょう。症状の軽減に合わせ、段階的に運動量を増やしていくことが大切です。

手術を受ける

保存療法で効果が見られない場合、手術が検討されます。

インピンジメント症候群では、主に以下の手術が行われます。

肩峰下除圧術
  • 内視鏡を用いた手術
  • 肩峰下の靭帯や骨を切除して、肩関節の動きをスムーズにする
腱板修復術
  • 腱板断裂がある場合に行われる
  • 断裂した腱板を縫合し、再建する

インピンジメント症候群の手術は、関節鏡を用いて行われます。

手術後は、リハビリによる肩関節の可動域回復が大切です。

インピンジメント症候群に関するよくある質問

インピンジメント症候群に関して、患者さまから寄せられるよくある質問にお答えします。

それぞれの質問に対して、詳しく回答していきます。

インピンジメント症候群と五十肩の違いは?

インピンジメント症候群と五十肩は、肩の痛みが生じる点では似ていますが、原因や肩の可動域が異なります

  インピンジメント症候群 五十肩
原因
  • 肩の腱や滑液包が骨に挟まる、衝突する
  • 肩関節の炎症
症状
  • 特定の動きで痛みが生じやすい
  • 肩関節を動かすとゴリゴリと音がする
  • 引っかかる感じがある
  • 安静時にも痛みがある
  • 腕を上げる、回す動作が痛い
可動域
  • 痛みはあるが、ある程度動かせる
  • 肩関節の可動域が大きく制限される

インピンジメント症候群は、肩を動かしたときにゴリゴリと音が鳴りますが、五十肩は肩を動かしても音が鳴る可能性は低いです。

また、引っかかり感があるのもインピンジメント症候群の特徴です。五十肩は、安静にしていても痛みを感じるケースがあります。

インピンジメント症候群はどのくらいで治る?

症状によって異なりますが、インピンジメント症候群の治療には数週間から数カ月程度かかるケースが多いです。

軽度の場合には保存療法で改善されますが、3カ月~6カ月続けても痛みや腫れが改善されない場合は、手術が検討されます。

手術後にはリハビリが必要ですので、リハビリを合わせると1年以上かかる可能性があります。

インピンジメント症候群はレントゲンでわかる?

レントゲン検査も他の検査と併せて行われますが、レントゲンだけではインピンジメント症候群の診断はできません

レントゲンでは肩峰に骨棘の形成や腱板の石灰化、骨の変形が見られるケースがあります。

これらの構造的異常はインピンジメント症候群の原因となる可能性があり、診断の重要な手がかりとなります。

しかし、最終的な診断は症状の特徴や医師による診察の結果と合わせて総合的に判断されます。

インピンジメント症候群を疑う方は医療機関を受診しよう

肩を動かす際に、ゴリゴリと音が鳴ったり引っかかる感じがある方は、インピンジメント症候群の可能性があります。

疑わしい場合には、医療機関を受診しましょう。

放置すると重症化し、治療に時間がかかる場合があります。できるだけ早く治療を開始して、早期のスポーツ復帰を目指してください。

長引くつらい肩の痛みや、インピンジメント症候群には、再生医療による治療も選択肢の一つです。

当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する治療法や症例を配信しています。

「肩の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療の情報を確認してみてください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設